NOPE ノープのレビュー・感想・評価
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動物の調教は互いの信頼が大切。
本作鑑賞前に偶然テレビでハリウッド映画に出演するライオンの調教師の特集を見た。彼はライオンを子供の頃から育て、家族同然に愛情をもって接してきた。
当時は鞭での動物の調教が当たり前の時代にけして鞭を使うこともなかった。ライオンに、扮装した自分を襲わせるシーンの撮影の際には野生動物である本能から本当に襲われるのではと恐怖したが、長年両者の間に培われた信頼関係のお陰で撮影は大成功をおさめた。
時折サーカスの象が突然暴れて調教師を襲ったりする映像を見ていて、動物もストレスで爆発することがあるんだろうとは思っていた。たとえ動物であっても、奴隷のように扱うのではなく人と同じように接することが大切だと思わされた。
本作冒頭、テレビで人気を博していたチンパンジーがストレスにより人々を襲う。幼少期にその現場に居合わせたジュープはその恐怖体験から野生動物を信じその特性を見抜くことが出来なかったため宇宙クラゲ(?)に食われてしまう。かたや、黒人初の牧場経営主で映画初出演を果たしたヘイウッドの子孫であるOJは動物の特性を理解し、宇宙クラゲと対峙した時捕食されることなく、妹と連携してその撮影に成功するのだった。
ヘイウッドをリスペクトした作品なのかなと個人的に解釈したけど、解説読まないとなかなか読み解くのは難しいかも。一般人の私には難しい敷居の高い作品。
とても面白かった
本当は星3.8かなぁ
なにかの隠喩、暗喩が多すぎてストーリーがちぐはぐしているような気がした。こういうのを芸術性の強い映画というのかな。
ネットの評論とかを見て、単なるSF映画ではなく、「見ること、見られること」をテーマとして掲げた象徴的な映画だったことがわかったけど、それでもちょっと難しかったかな…
けどそんなことを考えなければ普通におもしろかった。
広大な平原と広い空を背景に円盤から馬で逃げるシーンとかスクリーンで観るとめっちゃかっこよかった。
といっても上級者向けの映画だったので、いろんな映画のオマージュみたいなのも山ほど出てくるしそういうのが全然わからないと物足りないんだろう。あとは「映画とは何か」みたいなことをいつも考えてる人とかも向いてそう。
自分も映画好きだけどそこまでじゃないのであんまりのめり込めなかった。なので星3.8です。
有色人種版ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
馬、猿、サメクラゲ?、ヒト
偉大なスターに、俺はなる
本当にこの監督は心底ボンクラだなぁ…賢いくせにあたまわるいよ(好き)。
↓観る前に読まない方が楽しいと思います。
①長くて序盤がゆっくり、②ホラー場面がそこまで怖くない、③ルールがあいまいなとこがある、などの理由で素直に人に超おもしろい!傑作だから観て! とは言いづらい。
けど、ようやく話の全貌が見えてからのあのクライマックス、なんだかんだいってあれには超アガりました。
そこが「アス」より評価できるところかな(そう考えるとアスは設定の「盛り」に対して呎が足りなかったのかも?)。
それにしても都市伝説的な謎の組織につづいてX-FILE的なアブダクションとか…なんか年々ネタのチャイルディッシュ度が上がってない…? 世代的な呪いかな?
UFOの登場描写が完全に未知との遭遇パロなんだけど、ただの無邪気なオマージュじゃなく、ちゃんとドラマ上の意味を持たせてるところが小賢しいというか、抜け目がない。
偏差値の高いボンクラ、それがジョーダン・ピール。
界隈では大ネタ中の大ネタであろうアブダクションに、いちおう新しい解釈を与え、かつ風呂敷をたたんだところは率直に偉業だし、同時にいい歳の大人が四六時中そんなこと考えてるんかいと呆れもするところ。
はっきり言ってしまうと、古典的なSFホラーと映画製作者の話と西部劇的な背景という、この掛け合わせこそがこの作品の妙だと思う。それがわかるまでが長い。
後半、この残り時間で一体どうオチをつけるんだ? と不安にかられてからの「映画の始まりからいた」黒人たちが再び前代未聞の撮影に挑み、スターになろうとする、というゴールが見えた瞬間はさすがにブチ上がりました。
ただ、のちに伏線として回収するとはいえ、メインのお題ではっきりと手がかりを掴むのに1時間くらいかかっているので、さすがに助走が長すぎない? と思う。
主人公たちの現状を見せる上で必要だし、それが全部あとで効いてくるのでムダではないんだけど、初見だと日常描写の意図が見えなくてちょっと冗長に感じたり、これドラマの方がいいんでは、と思ったり(そうなると完全なるX-File)。
あと偏差値が高いのはいいけど、その芸風を楽しみにしてる人はともかく、普通にB級SF的なものを期待して来たお客さんがちゃんと満足して帰ったのかどうかやや疑問。予算がかかっているぶん興行的な成果とか。
「ゲット・アウト」で成し遂げたように両立は可能、と信じたい。
なおスティーブン・ユアン演じるジュープのエピソードは単に子役の闇あるあると受け止めてしまったけど、Twitterの考察で、あのE.T.的場面は彼が自分(だけ)は荒ぶる野生と通じ合えると勘違いしてしまったことの示唆、という意見を読んで、すごい腑に落ちました。
そう考えると、華やかな世界から離れ、過去のダメージと折り合いをつけてどうにか自分の居場所を見つけたかに思える彼の帰結にも、逃れがたい業のようなものを感じて余計胸にくるものがある。
「映画見た」
ホラー初IMAX、最高で最悪!!
ダークな未知との遭遇なんだけど…
突如、田舎の牧場の上空に現れた、謎の飛行物体を巡るSFミステリー。『未知との遭遇』と『宇宙戦争』を足した様な内容だが、そのスケールは100分の1。あまりリビューに、酷評はしない方だが、お金を払って鑑賞するには、期待を大きく裏切られた作品だった。
冒頭は、確かに猿のショッキングな映像から入り、父親の頭に、空からの落下物が当たるシーンは、暗雲が立ち込め、掴みは良かった。しかしその後は、殆どSF的な要素もないまま、家族のヒューマン・ドラマが続く前半。後半になって、ようやく謎の飛行物体が露になり、SF的な戦闘シーンに突入するのだが…。
正直、テーマがよく分からず、勉強不足で『?』が多かった。
・冒頭、『ナホム書』の文が引用されるが、馴染みが無く、どう作品と結びつくのか分からなかった。
・飛行物体の描写もあまりに雑で、その内部に人々が呑み込まれたシーンも、風船に挟まれたようで、『宇宙戦争』の内部の様なグロさもなく、痛さや恐怖も伝わらなかった。
・飛行物体の正体もハッキリしないままで、「それで爆発?」という、あまりに短絡的なラストシーン。
・冒頭に猿が暴れるシーンも、途中で回収したものの、後半の飛行物体との対峙のシーンとの繋がりが、よく読めなかった。
・かと言って、主人公の兄と妹の家族愛も、それほど前面には出てこない。
エンドロールで、あれだけのスタッフが関わっている割には、全てが中途半端。
人間を呑み込む飛行物体ならば、もう少しグロさ盛り込んで、観る人に恐怖を訴えて欲しかった。また、ギリギリの危機一髪シーンに、感情移入ができるような工夫も見られなかった。
主演のダニエル・カルーヤは、『ゲット・アウト』でアカデミー賞にノミネートされたが、これまで、脇役でいい味を出してきたタイプで、主演となると華に欠けるかな。その他の出演者は、申し訳ないが、一人も知らなくて、演技も全体的に沈んでいた。
デカい風呂敷
ウルトラQ(円谷プロ)かと思った(^~^;)ゞ
チンパンジーのゴーディエピソードだけ妙にリアル。
「動物とは信頼が大切」みたいなこと?
心通わせる前に射殺されたやん。
「目を合わせない」の重要性があまり感じられなかった。
なんでも吸い込むが薄い布切れで詰まる。
ウチの掃除機か。
カマキリさんの方が未確認生物っぽいわ(笑)
難しいこと考えなくても楽しめ、深く考えることで更に楽しめる
ジョーダン・ピール監督作品は『ゲット・アウト』『アス』に続いて三作目です。製作脚本を務めた前作の『キャンディマン』は観ていません。ジョーダン監督はこれまで黒人の差別問題や貧富の差などについて描いてきました。そのような重いテーマを内包しながらも、しっかりエンタメとして楽しめる作品を生み出している素晴らしい監督ですね。
本作もまた、映画を始めとするショービジネスに潜む差別問題を、黒人を主人公とするUFO映画として描いてみせました。エンタメとして楽しむだけでなく、劇中の随所に忍ばせたメタファーやオマージュを探すのも楽しめます。観て楽しい・観終わってからも楽しい。素晴らしい映画でした。
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代々馬の牧場を経営するヘイウッド家。映画に出演する馬を飼育・調教することを生業としていた。半年前に飛行機からの落下物の直撃を受けたことで父親が突然亡くなり、牧場を継いだOJ(ダニエル・カルーヤ)であったが、調教師として非常に優秀であった父にはなかなか及ばず、仕事は激減。飼育している馬を売却することで何とか牧場運営を続けてきた。そんなある日、OJと妹のエメラルド(キキ・パーマー)は牧場でUFOのような円盤状の飛行物体を目撃する。UFOを撮影して映像を売れば一獲千金を狙えると踏んだ兄妹は、自宅に監視カメラを設置し、UFOの再来を待ち構える。
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突然現れた謎の飛行物体。それを撮影するために奮闘する兄妹と電気屋のUFOオタク。過去の体験に固執するテーマパークの園長。そして終盤に仲間に加わる映像監督。キャラの魅力がしっかりあって、人間ドラマが面白い。思ったより恐怖演出は少なかったので、ホラーがあまり得意でない私でも問題なく鑑賞することができました。
監督の前作『アス』を鑑賞した時も思ったんですが、色んなメタファーっぽい要素があるけれどそれらの解釈は観客に委ねるような作品になっていたため、鑑賞した人によって感じ方は様々だと思います。鑑賞後に語り合うのも楽しい作品のように感じます。突如現れた謎の飛行物体(Gジャン)は、何のメタファーなんでしょうか。
本作のレビューを色々見てみると、UFOとヘイウッド兄妹について、「映画製作者と観客の関係性を表している」とか「白人と有色人種の関係性のメタファーだ」とか多くの意見がありますが、私は「利用する側される側の逆転」について描かれているように感じました。
UFOを利用して一獲千金を目論む兄妹・UFOを利用して自分のパークにお客さんを呼びこむ園長・「不可能」を撮影するためにUFOを利用する映像監督など、本作に登場するキャラクターたちは、みんなUFOを利用しようと考えています。しかしながら、彼らの多くは利用しようとしたUFOに逆に餌として食われてしまうんです。「これまで食い物としてきた相手に逆に食われてしまう」というのは我々の日常生活でもたまに見掛けることですが、本作ではそれが文字通り行われるワケですね。
もちろん、これは私個人の解釈ですので、観る人によって十人十色の解釈があると思います。色んな方々の解釈を聴いてみたいものです。
劇中に何度も登場するチンパンジーのゴーティの虐殺シーンですが、おそらく元ネタはトラビスというチンパンジーでしょうね。アメリカで飼育されていたチンパンジーが飼い主の友人を襲い、大怪我を負わせた事件です。元ネタを知らなくても楽しめるとは思いますが、この事件はその後のメディアでの動物出演や動物飼育に関する規制に大きな影響を残した事件ですので、知っておいて損は無いかと思います。
ジョーダン・ピール監督らしさをしっかり残しつつも、今までにない全く新しい映画となっていました。本当に面白かったです。オススメです!!
チンパンジーがトラウマになった
鑑賞動機:ジョーダン・ピール9割、ネタバレされる前に観たい1割。
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