クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのレビュー・感想・評価
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変態的な趣味嗜好を覗き見る愉しさは味わえる
人類の進化の過程として、痛みを感じなくなったり、新たな臓器が作り出されたり、プラスチックを消化できるようになったりするという設定は面白いし、珍妙でグロテスクな装置の数々や、古ぼけていて薄汚い近未来の世界観も楽しめる。 その一方で、臓器を摘出する手術を「芸術」と位置付け、「娯楽」として鑑賞し、そこから性的な「快楽」を享受するという感性と感覚には、ついて行くことができなかった。 起伏の乏しい単調な物語に付き合いながら、それでも、人類の進化を規制しようとする側を、進化を促進しようとする側が打倒する「革命」のようなカタルシスが用意されているのではないかと期待したが、尻切れトンボで不完全燃焼なエンディングには、物足りなさを感じざるを得ない。 残念ながら、デビッド・クローネンバーグの変態的な性的嗜好には、共感することも、納得することもできないが、それを覗き見る愉しさだけは、存分に味合うことができた。 これは、そういう映画なのだろう。 それにしても、クローネンバーグといい、宮崎駿といい、「わがまま老人」ぶりを発揮して、やりたい放題で映画を作れてしまうところを見るにつけ、「つくづく幸せな監督だなぁ」と思えるのである。
人体という宇宙。その深淵に触れる作品。
クローネンバーグは我々に問いかける。 人体は宇宙だ。であればその内なる宇宙である胎内を巡る事が出来るのが手術の時だけ、というのはおかしいのではないだろうか? 内なる宇宙を求める旅はもっと自由であっていい。 医療行為だけでなくアートだって良い。セックスだって良い。 だがそれらを現実には阻害する因子がある。 それが感染症や痛み、或いは倫理官…というリスクだ。 本作は未来、それらのリスクは皆無だ。 感染症や痛みから解放されて、人体との向き合い方に奔放になった未来で。 我々は何を得て、何を失い、何を創造しうるのか。 この映画はそんな作品だ。 一見するとバイオレンスに見えるだろうが、実際に見ると非常にセクシャルで官能的な映画だ。 そこには"生きる"という実感への渇望が満ち溢れていた。
悪夢と偏執的な愛
人は進化していく。 その進化に伴い、肉体的にも精神的にも快楽さえが変貌していく。そんな映画を観たようだが、クローネンバーグ監督の夢を2時間見せられたような気がする。 監督にとっては夢見心地、私のような一般人には悪夢。 しかし、目を背けるような場面も多々あるが、凝視したくなる場面もたくさんあり。特にアテネでの景色も。 悪夢とわかっていながらを見に行きました。 途中で席を立つ人もいました。デートではお勧め出来ません。
前衛的と言えばそうだ。しかし前衛的は一般には理解されないから前衛なのだ。
確かにこの監督 鬼才 かつ 前衛的 臓器🫀だけで血が流れないので、グロテスクにもイマイチ到達しない。 一番の問題点は ホネホネ骨 頭の後ろとか手の下に生えてるのですが 観てて邪魔くさい。 わざわざ 動きがぎこちなくなる骨の進化は ムリムリ レア・セドゥ ほか女性陣が 体を張っている❓のだが 残念ながら、ストーリーが奇妙キテレツすぎて エロティシズムに浸る感覚わかず。 無理クリ最初の海沿いの未来施設ノ描写邪魔だし 耳のたくさんある人が踊るのは意味不明 コレ 骨🦴 は捨てて 内臓に絞って 内臓にタトゥー入れる手順をもう少しわかりやすく書けば・・・ プラスチックが何の意味❓ ビィゴ・モーテンセン グリーンブック の時より随分と老けたな、役作り❓ ツーか最後までストーリー理解できず。 もう少しストーリーは有機的に・・とは思うが 岡本太郎先生の 芸術は爆発だ❗️ と同じく前衛芸術は【何のこっちゃわからないけど】爆発だ❗️なのだ。 ただ、とにかく 骨☠️が邪魔なのはイラついた。余計な骨要らんがな❗️ 有料パンフは紙に包まれ、この監督の過去作とか紹介あり 購入はした。でも疲れちゃったから見ないでイイや。
あ、マリグナントとは違うんだ❗️
なんとも分かりづらい映画なのだが、印象点には不足しません。 ・エイリアン好きがソワソワするギーガー風の造形のあれこれ。 ・レア・セドゥのマシマロおっぱい ・倒錯した性表現 ・カエルの解剖で、ちょっとオェーとえずいた思い出 ・どこか『チタン』と同じ匂いを感じる ・双子(ではないけど、それっぽい)の殺し屋? ・マイクロプラスチックによる海洋汚染への痛烈で皮肉たっぷりの批判 まったくの憶測ですが、レア・セドゥのエージェントの人は、ギャラ交渉の時、ひと脱ぎいくらとかのボーナス項目を設定してるのではないだろうか。 もちろん、見るほうとしても大歓迎ですが😅
ガジェットと設定は面白い
デビッドクローネンバーグ監督作品 相変わらず不気味なガジェットやら設定やらは面白いだけど、話がそこにうまく噛み合ってなくて、なんだかよくわからなかった。 うーん‥‥まあ巨匠になってしまったからなあー。 不安定でうまくご飯が食べれない歯がついてれ椅子は夢に出てきそう
人類の進化か退化なのか…
クローネンバーグでなければ描けなかった。 この世界観衝撃。 小道具類相変わらず個性的。(椅子の使用感?だが) クラッシュとビデオドロームとイグジスタンスが合わさった集大成作品
ザ・クローネンバーグ映画の復活!!
ん〜、先ずは「すごい・・・(苦笑)」の一言 カルト側に振りきっている超上級編なので、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品が好きな人、もしくはどんな作品を見せられても文句言わない人以外にはオススメしません 本格的に趣味として映画を観るようになった中高生の頃とその付近、ちょうど「スキャナーズ」「ビデオドローム」「デッド・ゾーン」「ザ・フライ」「裸のランチ」といった私にとってのクローネンバーグ監督黄金時代と重なり次々に公開される傑作群を夢中で観に行ったのが懐かしいです 昨今ではすっかりオリジナリティが失われパッとしてませんでしたが、本作は20年以上温めていた監督のオリジナル脚本で正真正銘の”ザ・クローネンバーグ映画”、ヤバさMAXで振り切ってます 人類が痛みの感覚を無くした近未来 それによって体を傷付けることに興奮を覚える人々 体内で新しい臓器を生み出す男(ヴィゴ・モーテンセンさん) その男の腹を切開しその臓器を取出す女(レア・セドゥさん) プラスチックを食べる少年とそれを受入れている父親とその仲間 と羅列していくだけでもヤバさが伝わると思います 人類がヤバい方向へ進化する事を助長させる人々と、それを止めようとする人々・・・ ストーリーは正直 私には難解で正確に取れてないと思います(クローネンバーグ作品ではいつもそうなので気になりません)が、何となく監督の人類の進化に対する方向性と倫理観への警鐘と捉えました プラスチックを食べる、と聞くと”うえ〜”と思いますが、現代の多くの人々がカップラーメンや冷凍食品を常食しており、少なからずマイクロプラスチックを食していますので、その延長線とも言えなくはないですよね そういう現代に危機感を感じているのでしょうか 最後に、ヴィゴさんもレアさんも怪しさMAXで最高ですが、それを上回る妖しさを魅せるクリスティン・スチュワートさんが相変わらずすごく綺麗でした
君はニュータイプになりたいか?
シューレアリズムというか悪趣味というか悪夢というか、そんな映像に圧倒されるうちにとんでもない眠気が襲ってくる。 レア・セドゥ様のお美しいボディで、一瞬、目は覚めるものの、ほとんど閉じそうな瞼と格闘しながら鑑賞した。 「人間が生み出した毒は、人間が自ら浄化しなくてはいけない。」というメッセージだろうか。 それとも、過激な環境保護団体の未来の姿なのだろうか。 究極のブレックファストマシーンを体験してみたいと思うものの、自分はニュータイプにならなくていい。新しいセックスは、見ただけで十分。 強烈な一作に、普通の感想しか思い浮かばない自分が、チョット恥ずかしい。
豪華俳優を使ったフェティシズム全開映画
オリジナリティに富んだ映画が好きだ。 寝ている人の痛みや不調を和らげるベッド"オーキッド"、食事の補助をする椅子(本当に補助になってる?笑)"ブレックファスター"、そして伝説の器具と言われている人体解剖装置"サーク" 本作はこういったオリジナリティ溢れる器具の生々しい生物感や音響や、近未来と謳いながら街が退廃的で世紀末感漂う雰囲気などで構成されており観たことのない世界を見せてくれる。 レア・セドゥ、クリステン・スチュワート、ヴィゴ・モーテンセンという豪華キャスティングで、一見ブレックファスター等の器具はバカバカしく見えてしまいそうだが、ヴィゴ・モーテンセンが座ればそれだけで説得力抜群である。また、オーキッドに横たわるヴィゴとレアの裸体はまるで絵画のように美しく、渾身のシーンだったと思う。 これは未来のセックスだ!と美女の裸体を斬り刻み、また、ソールはジッパーという自分のお腹に新たな性器とでもいうべき内蔵への入り口(ジッパー)を作り、そこをカプリースに愛無され官能的な表情をみせてくる演出など、80歳になってもデヴィッド・クローネンバーグ変態過ぎる!!(笑) ニュー・バイスという未来犯罪専門の課からやってきた刑事や、プラスチックを食べることができる"新人類"を崇める団体など、フィリップ・K・ディックのSF小説に出て来そうな良い設定のキャラクターが出て来ているだけに、それぞれの要素が消化不良でクライマックスも地味で少し物足りなかった。昔のクローネンバーグだったらソールはもっと歪な生き物になって(変体化して)大暴れしてくれそうだったが。。 しかし、もし人類が感染症から解放され痛覚を失ったら?というフィクションからここまでの世界を創り上げたのはさすがの想像力だと言いたいし、オープニング映像から小道具に至るまでデザインが行き届いていたところは良かった。 もう少し予算が付けばかなりの大作SFになりそうなポテンシャルがありそうだが、オレたちのデヴィッド・クローネンバーグ作は午後のロードショーで観れそうなこれくらいが良いのかもしれない。 歳をとっても尚自分の異常な性癖をアートに昇華してしまうような元気なクローネンバーグ作をリアルタイムで観れてよかった。 ここ数年ではジュリア・デクルーノ監督の「チタン」もかなり変態だったが、彼女はデヴィッド・クローネンバーグの影響化にあるということや、息子のブランドン君も順調にカルト映画監督に育っていきそうで、クローネンバーグの影響はもはや血を超えて拡がってい?(笑)、最近撮り終わったという次回作も楽しみである。
クローネンバーグ節
試写会にて。
久々に(かどうか分からないくらい追いかけ切れてなかったが…)クローネンバーグ節全開の、なに言ってんだか分かんない系のビデオドローム方面のやつでした。
が、残念!ノレず!…😢
映像は刺激的なのに、設定が飛び過ぎてて一歩も地に足が着いてないためにどんどんどうでもよくなっちゃった…
もう一歩現実に踏み残して欲しかった…
あとテーマがどうであれ、レア・セドゥの顔をいじっちゃ、ダメ!ゼッタイ!
せっかく美しいフルヌードを披露してくれたのに…
好き嫌いは別として
人体改造=進化、というメタファーでしょうか?好き嫌いは別として「奇妙さ」もここまで振り切れると新しい価値観や世界観を学んだ気がします。私的にはストーリーも映像も「?」ですが、難解な現代美術などが好みの方なら楽しめるかもしれません。。
臓器刺青
2023年7月23日 映画 #クライムズ・オブ・ザ・フューチャー (2022年)鑑賞 #デヴィッド・クローネンバーグ 監督のファンが狂喜乱舞するような映像とストーリーです プラスチックごみ問題から着想を得たものと思われますが、80歳でも全く衰えてない @FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
未来はますます素敵に滅ぶ。
35年前に「ザ・フライ」で造形と描写のネオゴシックっぷりに打ちのめされた感覚が蘇りました。
あの遺伝子混合の、生体生理への不可逆的な改変という世界観が、進化した臓器が蔓延する世界、という「映画的進化」の結果なのだと直感しました。
それが、私の生理的好悪にどう反応を起こすかどうかは別ですが。
「ザ・フライ」では科学技術が発展した小綺麗な未来が舞台だったもののが、本作では閉塞感溢れる廃墟に蠢く、未来を失った人類へと、変化しています。クローネンバーグが描く「人類の終末」への35年を経た後の絶望感に、背筋が凍ります。
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