劇場公開日 2023年8月18日

「ザ・クローネンバーグ映画の復活!!」クライムズ・オブ・ザ・フューチャー Jettさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ザ・クローネンバーグ映画の復活!!

2023年8月18日
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鑑賞方法:映画館

難しい

ん〜、先ずは「すごい・・・(苦笑)」の一言

カルト側に振りきっている超上級編なので、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品が好きな人、もしくはどんな作品を見せられても文句言わない人以外にはオススメしません

本格的に趣味として映画を観るようになった中高生の頃とその付近、ちょうど「スキャナーズ」「ビデオドローム」「デッド・ゾーン」「ザ・フライ」「裸のランチ」といった私にとってのクローネンバーグ監督黄金時代と重なり次々に公開される傑作群を夢中で観に行ったのが懐かしいです

昨今ではすっかりオリジナリティが失われパッとしてませんでしたが、本作は20年以上温めていた監督のオリジナル脚本で正真正銘の”ザ・クローネンバーグ映画”、ヤバさMAXで振り切ってます

人類が痛みの感覚を無くした近未来
それによって体を傷付けることに興奮を覚える人々
体内で新しい臓器を生み出す男(ヴィゴ・モーテンセンさん)
その男の腹を切開しその臓器を取出す女(レア・セドゥさん)
プラスチックを食べる少年とそれを受入れている父親とその仲間
と羅列していくだけでもヤバさが伝わると思います

人類がヤバい方向へ進化する事を助長させる人々と、それを止めようとする人々・・・
ストーリーは正直 私には難解で正確に取れてないと思います(クローネンバーグ作品ではいつもそうなので気になりません)が、何となく監督の人類の進化に対する方向性と倫理観への警鐘と捉えました

プラスチックを食べる、と聞くと”うえ〜”と思いますが、現代の多くの人々がカップラーメンや冷凍食品を常食しており、少なからずマイクロプラスチックを食していますので、その延長線とも言えなくはないですよね
そういう現代に危機感を感じているのでしょうか

最後に、ヴィゴさんもレアさんも怪しさMAXで最高ですが、それを上回る妖しさを魅せるクリスティン・スチュワートさんが相変わらずすごく綺麗でした

Jett