夜を走る
劇場公開日:2022年5月13日
解説
「教誨師」の佐向大監督がオリジナル脚本で撮りあげた社会派ドラマ。郊外の鉄屑工場で働く2人の男。不器用な秋本は上司からも取引先からもバカにされながら、実家で暮らしている。一方の谷口は家族を持ち、世の中をうまく渡ってきた。それぞれ退屈で平穏な日常を送る秋本と谷口だったが、ある夜の出来事をきっかけに、2人の運命は大きく揺らぎはじめる。無情な社会の中で生きる人々の絶望と再生を、驚きの展開で描き出す。「きみの鳥はうたえる」の足立智充が秋本、舞台やドラマを中心に活動し「教誨師」で映画初出演にして注目を集めた玉置玲央が谷口を演じる。共演には「夕方のおともだち」の菜葉菜、「罪の声」の宇野祥平、ドラマ「孤独のグルメ」の松重豊ら個性豊かな俳優陣が集結。
2021年製作/125分/日本
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
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2023年2月19日
Androidアプリから投稿
※星取り表は苦手。何か書きたくなった時点で星5つ!
分かりやすい=おもしろい
いや、分からない=つまらない
という傾向にある昨今、
分からなさに出会えてラッキー!
という世代は時代遅れな昨今、
スマホの電源入れっぱだと
すぐバレるだろ、
とか些末なリアルを求める昨今、
(だからこそ、そこに引っ掛からせないようにしたら?とも思うけど)
秋本が2人現れたり、
あの子と同じ恰好をしたり…
ましてや、
谷口がシートベルトを外す音だけで
真実を伝えたり
ぐじゃっとしたもののない映画は
映画じゃない!派の
オールドスクールの映画ファンには
観やすかった
…というか、見心地がよかった
要所要所に軽妙なセリフのやり取りとか
不気味なキャラたちの妙味もよかった
玉井らんちゃんのリアリティというか
あれもよかった。
それだけに、怖かったけど。
秋本への「やさし〜」としなだれかかるのは、特別な何かでもないし、
スの顔で「は?」みたいなのも「悪」ではない。
あちらにしてみれば、
過度な想いを持たれるのは違う、ていうだけのことだったのに…
そして、最後に指導者としての
実に落ち着いて堂々とした秋本の声に、
そっと目をそらす自分がいた
足立さんのダンス、よかった
不自然さが自然で
ちゃんとアートでもあった
カーテンの隙間から見ている
秋本の泣き顔
めちゃくちゃ身につまされる
想いがあった
どうしてこうなっちゃったのか……
ネタバレ! クリックして本文を読む
何をどうしたらこのような突飛な話や展開を思いつくのか全くわからない。
中盤の宗教セミナーも、笑っていいのかなんなのか全く分からず。監督の企みとして意図的に破綻させたかったのかなんなのか。宇野祥平、ホントに何の神なんだ。
宗教、戦争、外国人差別、男女差別、ミソジニー、階級差別、孤独、幸福、家族云々、、、
「誰だってそんなつもりじゃない」
「そうやって戦争は起きる」
「あの人は幸せでしょ、そうじゃない人の気持ちを考えたことないでしょ」「あの人は悪魔だ、私たちはあんな汚れた人とは違う」
「私は幸せだ」「そんなわけない、君は外人だし女だしあんなところで働いてるじゃないか」
「悪いのはあなたではなく社会」
ポリコレ的には何もかもが破茶滅茶で倫理やモラルは崩壊している。けれども、宗教団体を一つの軸に据えながら時折社会規範を問い直したり、既存の価値観を鈍く切り裂いていく。
意表を突く角度から社会の闇を炙り出す怪作。
☆☆
・序盤2人がどう殺しに絡んだのかが全くわからず、終盤の谷口の曖昧な回想で何となく想像するしかない。
・松重豊の贅沢な無駄遣い。
・終盤の、ベランダから幻覚を見た秋本、からの窓の下を映すシーン、一瞬、ん?秋本は自殺したのか?とか思った。
・谷口は一生背負って生きていく地獄。
2022年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ギターが唸って始まって、行く先の不安を煽る。真面目なだけでなんの面白味もないアキモト。世渡りが上手そうだけど家庭内がぎくしゃくしたタニグチ。対照的にみえる二人が起こすある出来事。展開は、宇野祥平扮する役が登場してから「ええ?そっち?」という驚きもありながら、真面目だけが売りだった人間が壊れていく姿を描く。たぶんアキモトは、自分を肯定してくれる人を待っていたんじゃなかな。それまで自分で自分を肯定してあげることができなくて、でも、その方法、手段、思考を手に入れて、そこから何かが変わっていく。いや、壊れていくんだけど。でも本人は変わっていく意識はないかもしれない。ただ、「周りが動いているだけ」なのかもしれない。企画に、大杉漣の名前あり。ストーリーを思い返して、さもありなんって感じ。
2022年10月29日
iPhoneアプリから投稿
気になってはいたけど、スルーし、思いの外高評価で結局鑑賞した作品。
一言で言い表すと、凄く稀有な作品だと思いました。
同時に言葉で表現するのもとても難しい作品でもあって、全体を通して薄暗さを絵でも内容でも良く表現された作品でした。
よく見ると宇野さんや松重さんなどキャストもポイントポイントで豪華で、特に宇野さんのビリーバーズ同様に頭が一直線な方向にいっちゃった人をよく表現されていました。
随所に印象に残るけど上手く言葉に言い表せない場面が多かったので、またの機会に見返した考察を深めたい次第です。