LOVE LIFEのレビュー・感想・評価
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#67 誰かを守りたい人達
可愛がっていた自分の子供を亡くした母親が子供の代わりに社会的弱者の元夫を庇護し始めるお話。
ホントはテーマが違うのかもしれないけど、私にはそう映った。
新しく出来た家族がちょっといびつなせいか、聾唖者で韓国語の手話でしか意思疎通できない元夫を主人公がかまい始める。
元夫は路上生活者なのに猫を拾ってきちゃうし、その猫を新しい夫に押しつけちゃうし、新しい夫も結局猫の面倒見ちゃうし、早い話がどの人も何かの面倒を見ることで人生が満たされ、そして結構無責任な人だらけなお話。
それにしても元夫が韓国人という設定に若干無理があるような。
つまり主人公は多分元々韓国語が話せて、なんらかの理由で韓国語の手話を覚えて元夫と知り合ったんだろうけど、韓国語手話しかできない人が日本の社会で暮らせるとはとても思えない。
どう見ても多摩地区の団地っぽいのに、関釜フェリーで釜山に向かうのはおかしい!
さらに韓国で車に乗せてくれたアジュンマが結構な慶尚道訛りなのに、それをスラスラと聞き取れるとはとても思えない。
ツッコミどころ満載だけど、全編を通してそれなりに癒されるので結構お勧め。
深田監督の穴
観ていてこの監督の一筋縄ではいかない、ストーリーテリングが気になり、15分でもいいから頭の穴に入ってみたくなる映画でした。
よこがおや淵に立つも観ていて、ここぞというところで、ガツンとくる展開は、さぞや激しい人間観察をされる方なんだろうなと・・
恐くもありしかし人生 人間の業について考えてみると個々の孤独が浮かび上がるという今までの深田映画の集大成みたいな映画だと感じた次第。
好きなシーンは木村さんが釜山の結婚式の雨に佇むシーン
ラストシーンの散歩に行く二人を俯瞰したシーン まだまだありそうで
嘘をつく人というもの 目を合わさない関係性 まことに現代にマッチングした主題でした。とにかく観てみて下さい。
ソーシャルワーカーと集合団地のシーンも、ありえないんだけどすべて伏線だし、参りました。
色々な「愛」が感じられる自分的良作! 本年度ベスト!!
若い方には刺さらない作品かも(汗)
好き嫌いの別れる作品って感じ。
出だしは幸せの家族を表現していたけどそれ以降は終始クソ映画(笑)
観賞後、冷静になって振り返り実は愛に溢れた作品だと感じた時の「やられた!」感がハンパ無い!
観賞中は登場人物達がみんなクソ。
気分が悪くなる程の展開。
全く共感出来ないままに進むストーリー。
そんな中、実は世の中には色んな愛が溢れている事を表現したかった作品と解釈。
振り返ってみれば全てのシーンに愛に溢れていた感じ。
木村文乃さん演じるオセロの上手い子持ちのバツイチの妙子。
っか木村文乃さん。
こんなに素敵な役者さんだったっけ(笑)
元カノを捨て妙子と結婚した旦那。
旦那の両親。
妙子が捨てられた元旦那。
色んな登場人物の行動が実は愛に溢れている。
それを裏付ける終盤に絶妙なタイミングで出てくる
「LOVE LIFE」
のタイトルにやられました。
愛に溢れた作品の認識でもう一度、登場人物の目線を意識しながら鑑賞したい作品でした( ´∀`)
目と目で通じ合う、そ~ゆ~仲になりたいの?
少し前に流行った{楽曲インスパイア系}も、
最近はあまり目にしないなと思っていたら、
本作のようなカタチで繰り出されるとは、
完全に意表を突かれた。
『矢野顕子』の〔LOVE LIFE〕は聴いたことがあるものの、
内容はかなり抽象的。
それをよく、ここまでのストーリーに膨らませたな、と
先ずは感心する。
連れ子の『敬太』と
新しい夫『二郎(永山絢斗)』と幸せに暮らしていた『妙子(木村文乃)』だが
ある日不慮の事故で愛息を亡くしてしまい、
そのことが夫婦の関係に影を落とす。
果たして二人は悲しみを乗り越え、
互いの間にできた溝を埋め、
再生することができるのか?がテーマ。
そこに前夫の『パク・シンジ(砂田アトム)』が不協和音の様に絡む。
『パク』は妻と息子を捨て、数年前に突然失踪。
必死に捜したにもかかわらず、行方は杳として知れなくなっていたのに、
息子の死を契機に、突然姿を現す。
『パク』は聾唖であり、
単独では他者とのコミュニケーションがかなり不便なことも背景にあり、
最初は戸惑っていた『妙子』も、前夫の今の境遇を知り、
人が変わったように面倒を見だす。
昨今言われている「ケアラー」としての役割を
率先し果たす元妻の姿は
息子を失ったことの「代償行動」や「昇華」或いは「母性」の発露にも見え。
一方の『二郎』も結婚前に付き合っていた元カノ『山崎(山崎紘菜)』と
再び交流を持つように。
しかしこちらの方は、やや淡い関係にも見え。
入れ込み過ぎた『妙子』の『パク』への思いは、最後には痛烈なしっぺ返しを喰らう。
彼女が考えていたほど、元夫は弱者ではなく、かなりしたたかに生きて来たのだ。
そのことを理解した後の彼女の行動は、傍目にはかなり欺瞞に映る。
が、自身も後ろめたさがある『二郎』は、果たしてそれをどう受け取るか。
余地をたぶんに残したラストシーン以降の解釈は、
どうやら鑑賞者に委ねられたよう。
現夫と前夫には、演出でも科白でも散々示されている通り、
視線を合わさない・合わすとの、大きな違いがあり。
製作サイドは
交わすこと=善
交わさないこと=悪、と
ステレオタイプに切り分けたいようだが、
聾唖であれば、
限られたコミュニケーションの手段として必然的に向き合わざるを得ないだろう。
ましてや己の体験として
「※※クンは、話す時に目を真っ直ぐに見るので、こちらの方が気恥ずかしくなる」と
言われたことがある身としては、全く肯定できぬのだが。
鑑賞前に何本かの評を読んだが、
その何れもが『敬太』が亡くなるくだりを暗喩としている。
しかし前後の文脈からは、そうした事件が起きたことは明らかで、
何故そのような書き方にこぞってするのか、隔靴搔痒の感あり。
それが制作サイドの要請の結果だとしたら、
正鵠を射ていない気もするが。
子を亡くす夫婦の関係性
1人息子を亡くす夫婦の2人の関係性を描く。
結婚した2人それぞれ少しずつすれ違う中で、今後も寄り添い共に歩むことなのか、最後に2人が出す結論がどの様なものなのかは分からない。
けどそのことに対して興味を持つことが出来なかった。
物語の過程で互いの行為により起こるであろう答えが想像出来なかったことにどうしても共感を得なかった。
幸せってなんだっけ?
冒頭は、子供さんのオセロチャンピオンのお祝いに
職場の方々の協力と義父の誕生日も兼ねている。
しかし、奥さんと義父母なんか仲悪い?
職場の女性にも結婚寸前で、今の奥さんに取られて
同じ職場にいてる。奥さんは、連れ子がいて元ご主人は、韓国人の聾者で逃げたみたい。なんかややこしい。
お祝いの最中に子供は、風呂場で足踏み外して亡くなってしまう。一転して、悲しみに。逃げた元旦那も駆けつけて。奥さんは、ホームレスの相談員でご主人も役所の人。奥さんは家のお風呂に入れなく、すぐ近くの義父母の家でお風呂にはいる。田口トモロオがいいね。
韓国手話も共通点あるね。元旦那と釜山に船で行って
実は、この元旦那も元家内と子供がいて、その結婚式に。今の旦那は、連れ子が死んでも涙が出ず。元旦那も生きてる息子が大事。やるせないなあ。奥さんは日本に帰ってきて、元旦那から猫もらって散歩にでるシーンは希望だよね。オッパー オッパーと雨の中で踊り。ラストの矢野顕子さんの歌が救いかな?
日常生活の悪くなる雰囲気が見事‼️
TOHOシネマズ錦糸町にて鑑賞。
日常生活を描いているにも拘わらず、悪い雰囲気を生み出す物語。それを捉える手腕は天下一品の深田晃司監督作品🎥
ある夫婦(木村文乃&永山絢斗)と5歳の息子が暮らしている。
何かを祝う準備をしているが、どうやら息子がオセロ大会で優勝したらしい。
そこに夫の父母がやって来るらしいが、「お義父さんは、私達の結婚を認めてくれるかしら?」などと話す夫婦を見て、「えっ!」と思いながら観ていくと、ドンドンと物凄いことが起こっていき……という映画😱💦
いやぁ~、深田晃司監督作品の劇場映画の前作『よこがお』や、もともとテレビドラマだった『本気のしるし』などと同様、先の見えない展開が楽しくて仕方ない(^-^)
そもそも、深田監督を初めて映画館で観た『淵に立つ』以来、そうした雰囲気を感じる傑作ばかり。
意外性が見所の映画なので、詳しい物語展開は記載しないが、素晴らしい映画である✨
<映倫No.123365>
素晴らしかった。あまりに暴力的なトラウマ事件。それに触らないように...
素晴らしかった。あまりに暴力的なトラウマ事件。それに触らないようにする人々。優しいとはいえ、本質的なところでは寄り添えない夫。地震の中でやりかけのオセロ盤を守る母。永山、木村の人選だけで、既に一定のキャラを想像させるうまさ。物語はほとんど何も説明しない。韓国人のろう者を好きになるキャラに背景がないとは思えないけど、わからない。本当に好きな人をボロボロになって探す彼女にひかれる設定や、猫が彼を選ぶこと、乗船前の彼の言葉など、至極のシナリオだと思う。さらには、オセロゲームが続いていることや、危篤は嘘で結婚式だったことや、義母が孫が部屋に戻るのを嫌がることとか、物語をはみ出る現実界の要素がリアルに散りばめられているところがすごい。風船の重なり、長いカラオケの歌の間でお風呂での事故の音がかき消されること、CDがキラキラして戯れる元夫婦たちを見つけさせること。焦る夫。部屋の中にCDの光がキラキラ入ること。そして極めつけは雨の中で踊る彼女。重すぎるトラウマを軽くするのはこのような騒ぎであり、雨である。20年ぶりに息子に会ったとする元夫。今まで生きてきてるので本当に自分ダメな奴だったのか、お金も借りておいて字もかけて、一人で結婚式に行けなかったのかはわからないけど。
苦痛な120分
登場人物の誰にも共感できず。
終わりまで見るのが苦痛でした。
何を伝えたいのか全くわからない。
主役の妻の行動が理解できず。
さらに夫の包容力も意味不明。
お金と時間を返して欲しいと感じる作品でした。
オススメ出来ない作品
普段、目をみて話をしてますか?
今年268本目(合計544本目/今月(2022年9月度)11本目)。
※ 映画の趣旨として「健常者」は、ここでは「聴覚障がい者」の対義語として用いるものとします。
さて、こちらの映画です。
序盤、子供とオセロをやっていたり、スパゲッティがナポリタンがどうだのという話は、よく見ると目線が全然あっていません。健常者どうしの会話ではそれが当たり前なのであり、むしろよほど真剣な話でもない限りそうしませんし、マナー違反です。しかし、それが必要になることも、あります。特に、人の人生を変えてしまうような話をしているときなど、です。
一方、聴覚障がい者の方が使う手話は、その性質上「相手側と対面して」話すのが基本です(このコロナ事情で地下鉄等、席が少ない状況では、「ハンディ鏡」が便利に使われています)。この点で、健常者と聴覚障がい者のコミュニケーション方法は(基本的には)違います。違うため、そこから派生する文化・考え方なども異なります。
映画内では「私たち、最近目と目をあわせて話をしていないよね?」という趣旨の会話が最低2回でます。また、それ(目線があっていない会話)も顕著に明確に描写されます。一方、ストーリーの中盤から現れるろう者の登場人物は手話を用いるにあたっては「目と目を合わせる」ことを大切にしています。これは手話の特性(目で追うことが主体となる)以外に、健常者どうしでは失礼にあたる「指さし」なども「あなた」「自分」「あの人」といった表現では普通に用いられるからです(指さし表現は、手話文化においては何ら失礼な文化ではありません)。
映画として、全般的に確かに「まとまりがない」点は大きく感じました。ただ、この点はおそらく、他の一般的な「障がい者」をテーマにした映画(この映画に限らない)だと、その方が主人公でそれにまつわるエピソードや事件を描く映画が普通であるところ、この映画は、俳優の一人にろう者を起用しただけで、「聴覚障がい」を持つこと「それ自体」はストーリー上何らかかわってこない、という事情もあります。換言すると、多くの方が思っている「障がい者が出てくる映画は、お涙頂戴ものだったり、その方を深く掘り下げる「考えさせる系の映画」が多い」ということを見事に裏切ったものであり(あの登場人物の方は、極論、聴覚障がいをお持ちでもなくても、あるいは、日本籍以外でに何でも関係しない)、この点で「障がい者が出る映画はこう描かれるべき」という「そうすべき集」から脱却したこと、それにあるかな、と思います。
一方で出ることは出ますので、やはり全体として観たとき、
{ 健常者の場合 … 普段、目を見て会話をしない(から、考えの行き違いがよく発生する)
{ 聴覚障がいをお持ちの方 … 手話を用いる場合、目をあわせて手話で会話するので、考えの行き違いが少ない
…という点はどうしても存在し、多くの方が健常者である現状において、マイノリティであるところの当事者から「普段、目をみてしっかりと(誤解を招かないように)会話をしていますか?」という問題提起型の映画と考えるのが妥当ではないか、と思います。
採点にあたっては下記が気になったところです。
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(減点0.3) この映画、最初に「愛知?かどこかのテレビ局の○周年記念作成映画」であることが表示されますが、一方で最初と最後にフランス資本が入っていることが示唆される字幕もあります。
もちろんどの映画をバリアフリー上映にするかは極論、作者ないし配給会社の裁量権にはよりますが、この映画を「デフォルトで」バリアフリー上映にしないというのは、あまりにも「視野が狭すぎる」という非難は免れないかと思います。
どちらに決定権があるかは知りませんが、趣旨的に「当事者の方も含め多くの人にみてほしいからバリアフリー上映にしたい」といえば反対する根拠は正直何もなく、映画そのものがバリアフリー上映でない場合、スマホアプリ等でバリアフリー化する(音声などをマイクで拾って、字幕を表示させたり、(視覚障がい者の方に対しては)場面説明をする)ようなアプリに頼らざるをえませんが、9/10(土)時点では未対応です。
正直なところ、この映画をデフォルトでバリアフリーにしない根拠が正直謎です。
映画内では聴覚障がい者の文化(ろう文化)も含めて高度な知識が出るので、当事者の方がいれば、希望する限り、一緒に見に行くのが自然であるにも関わらず、です。2000年であればまだしも、2022年というこれだけ人権意識の高まりが叫ばれるようになった今日において、この映画がデフォルトでバリアフリーでないのは、正直がっかりです。
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(▼参考/その他の知識)
・ 韓国手話と日本手話について
→ 韓国手話は日本の統治時代に持ち込まれたこと、また、国語(国文法)的にも似ますので、よほど特殊な話題をするのでない限り、7~8割の共通性があると言われます(このことは、日本が同じく統治した台湾においても同様)。
こっわ
2022年劇場鑑賞206本目。
なんかトラブル抱えてそうな親子に事件が起こり・・・という導入で、その後もどんよりとしたまま話が進んでいきます。
色々あってラストの会話に自分は「こっわ」となりましたが、人にはよっては別の感じ方をするかもしれないな、と思いました。
ちなみに一本前に観た「百花」に出ていた神野三鈴がいきなり出てきたのでさっきの印象と真逆の感じの役でそこは面白かったです。
「LOVE LIFE」に「LOVE」は無い
韓流が混じっているのでインパクトはかなり強い。
悪い映画じゃないが、私にとっては爆弾だ。
金と時間を無駄に費やした気がして、
バス代がもったいなくなり、25分歩いて帰った。
帰宅して、更に気分が落ち込んだ。
塞がりかけていた瘡蓋が剥がされ、
痛みと怒りと悲しみが噴き出した。
心を壊した元夫を理解してあげられず、
わずかな罪悪感が残っていたので、
命日だ盆だ彼岸だと気にしていたが、
この映画を観て、自分の愚かさに気付いた。
結局人は自分勝手で自己愛の塊だ。
撮り散らかしててワカメ
あ。矢野顕子。LOVE LIFEって、まんまですやん。このギター、パット・メセニーなんだよにゃ。
木村文乃って、やっぱり可愛い。
撮影は山本英夫さん。構図ですよね。画が好き。
あー。話、散らかって来たー。バラバラにバラけて来たー。あー。完全にグダグダじゃー。何の話か分からーん。
名古屋のTV局がらみの映画って、韓国筋が多いよね。広島はカープだけど。
などとなどと。
散漫にランダムに思い付いた事、書いてみた。そんな映画でした。
前作もクエスチョンマークだらけだった深田晃司監督。またも朝日新聞です。これは、もう、アウトじゃね。って事で。
木村文乃観たさに。。
女優・木村文乃が好きなので観た。
序盤がピークだったかな。幸せから突然落ちてしまう悲劇までの日常の描き方。全般的にカメラワークにはセンスを感じた。ゆっくりじわっと動くカメラワークは怪しい。
ストーリーはなんだか共感できないダメ男が挟まっていて、深みが出ないままジエンド。ダメ男と共依存な女っているにしても、相手が木村文乃だけに、こんなダメ男と共依存になるかっていうのがリアルに感じられない。
共依存になったところがすっぽり抜け落ちてるので、単に4角関係をつくりたいがためにとってつけたような感じが否めない。ま、その共依存の過程を描こうとすると、それこそそれだけで1本の映画になって、逆にダメ男が主人公ばりの存在感をもってしまうので、ああいう浅い感じでとどめておいたのか。ならば、その4角関係までつくらなくても、夫婦だけでもよかったのではないかとさえ思ってしまう。
目をみて話すというのがテーマをはらむキーのようにポイントでみえる。旦那が元カノに目をみないんですねと言われてみたり、最後のカットで、妻にこっちみてと言われたり。深見監督はここにこだわっているなぁって思いました。
とらえかたは様々だけど、かけがえのない存在であるはずなのに、空気のように扱ってしまっている日常。相手がどんな気持ちになっているのか鈍感になっている。失って初めてわかる孤独。あのときに相手がどんな気持ちだったか、印象に残らないんでは寂しい。目をみていれば、その気持ちの変化に気づいたのかもしれないって、思う。
ストーリーにもちこんでいくよりは、日常に潜む危うさをテーマにしているような、そんな感じに思えた映画。
余談:
木村文乃はよかったです。クールで男勝りな感じのイメージだったので、このような薄化粧の日常の女性を演じる感じも新鮮でした。
観ていて、気分のよくなる映画ではない。
終始モヤモヤした感じの作品。
極めてキレが悪い、それが最初から最後まで続く。
それは登場人物が皆、胸に一物を抱えたままで、特に主人公夫婦は、わだかまりの塊である。
そういう心根でこの夫婦は折り合いをつけて生きて行けるのだろうか?
深田作品は観るといつも思うことだが、出てくる人たちは皆、何かを引き摺って生きていて、それが現在あるものを壊してしまって、壊れたあとどう再生していこうかとしてるところで終わるようです。
この作品もその流れの通りに進んでいるようで、いつもの深田さんだなと感じました。
孤独の辛さ、人の内面の複雑さを描いた傑作
「よこがお」や「本気のしるし」を手掛けた深田晃司監督の最新作で、矢野顕子の同名タイトル曲をモチーフに製作。
初めて深田作品を観賞しましたが、非常に良かったです!
木村文乃演じる妙子の家族が、とある"不幸"が起きることで自分の元夫と向き合う事になるのですが...
ぶっちゃけて言うと、妙子も夫も元夫もかなり身勝手で人を振り回す人達で最低です。なのに、何故だか嫌いになれないし妙に納得してしまいました。
序盤の"不幸"の場面も良い意味でしんどく、その後のどこか壊れそうな木村文乃の演技が素晴らしいです。
また、撮影のカメラワークや演出術が本当に素晴らしい!
フランス資本が入ってるからなのか、深田さん自身の手腕でやってるかは解りませんが、見事なショットや技術に終始圧倒されました!
ただ、元夫が持つ聴覚障害者の描写は正直議論の的になりそうな気がします。
ネタバレになりそうなので上手く説明出来ませんが、恐らく劇中の描写に怒る人はいるかもしれません。(聾者の役を実際の聾者の俳優を使う事自体はポジティブに捉えてます。)
主要キャラクターはほぼ全員自分勝手で「共感出来ない!」という人もいるかもしれないので、そこで本作の好き嫌いが分かれる気がします。
しかし個人的には、人間の孤独に対する辛さや繊細さ、人(主に男女)の内面の複雑さを描ききった傑作でした!
【"どんなに離れていても、愛する事は出来る・・。"哀しき物語だが、ラストシーンには人間の絆の大切さを感じた作品。今作は、人と人の繋がり、様々な愛の形を、”痛みを含めて”描いた作品でもある。】
- 妙子(木村文乃)は、6歳のオセロが強い息子と、再婚した二郎(永山絢斗)の3人で幸せに暮らしていた。
義父(田口トモロヲ)とは、ギクシャクした関係だが・・。(序に言えば義母(神野美鈴)も”私達の孫が欲しいわ・・、とか言っている。)だが、ある日2人は不慮の事故で息子、敬太を失ってしまう。-
◆感想
・今作品は不慮の事故で息子、敬太を突然失った、妙子と二郎の関係性と、夫々の揺れる感情を絶妙に描いている。
- 事故を知った妙子の元夫のパク(砂田アトム)が葬儀場に突然現れ、妙子を平手打ちした後、自分の顔を何度も何度も殴るシーン。
そして、妙子は自らの心の痛みを、身体 の痛みとして感じさせてくれた、韓国籍で聾唖者の元夫パクの面倒を見始める・・。-
・一方、二郎も元カノ、山崎(山崎紘菜)との距離を縮めて行く。
- "何をやっているんだ!"という想いと共に、彼らは夫、妻意外の"誰か"にすがっているのであろうと思った。
妙子が、自分のせいで息子を溺死させてしまったと思い込み、ずっと自宅の風呂に入れない姿。だが、パクに手を握って貰いながら漸く、風呂に入る姿。
一方、二郎は途中から自宅の風呂に入るようになる・・。-
・二郎が言った言葉"俺たち、いつから目を見ないで話す様になったんだろう。"
- 彼は元カノの山崎からも、同じ事を言われている。
目を見ないで話すという事の意味を考えさせられるシーンである。
妙子と二郎は、冒頭から心から、笑わない・・。-
・パクが韓国に"父が危篤だから"と帰るシーン。パクが手話で妙子に伝えた言葉"乗り越えなくて良いんだ。君は敬太君の傍に居れば良いんだよ"
その言葉を聞いて、妙子もパクについて行く。
- この言葉は沁みた。そして、妙子は二郎と、一度距離を置こうと思ったのではないか、と私は思った。離婚も視野に入れていたのかもしれない・・。-
・けれども、パクが韓国に帰った理由は別れた妻との間に出来た息子の結婚式に出席する事が分かったシーン。
ー 妙子は、パクの息子に会った時に、”自分は息子の傍にいなければいけない”と悟ったのであろう。雨が降る中、一人佇む妙子の姿と表情が印象的である。
<今作品は、妙子と二郎の愛、2人と息子の愛を代表として、様々な愛の姿を"痛み"を含めて描いた作品である。
ラスト、妙子と二郎が昼食前に散歩する姿をロングショットで捉えたシーンは、2人の将来の、僅かな光を感じた作品でもある。>
不思議な後味
衝撃的なスタートからのそれ以降のなんとも言えない味わい。結局どんなメッセージだったのか、LOVE LIFE。これまたあまり共感しやすい登場人物はおらず、リアルといえばリアル。人間の行動、思考回路って複雑だよなぁ。
木村文乃は昔から好きですが、バツイチになったのもあるのか、さらに不思議な魅力が増してきている感じがします。もうちょい笑顔のシーンがあればよかったなぁー
LOVEってなによ?
息子を連れて再婚した嫁と結婚直前まで他の女性と交際していた旦那という過去を引き摺る夫婦の話。
結婚して旦那の実家を引き継いで仲良く暮らす夫婦と嫁の連れ子だったが、息子のオセロ大会優勝&旦那父の誕生祝いの日に事件が起きて…。
なぜその状況で日本に住んでるの?な元旦那の登場が絡み、何だか怪しげな嫁の心境の変化や旦那の際どさもみえてくる。
いるよねこういうダメ人間好きの人。私がいなきゃ!っていっているから自分が好きなのかも知れないけど。
誰もがもっている人の自己愛や自己肯定感とか弱さみたいなものをみせつつ、最後はしれっと…わからなくはないけれど、出オチの様な序盤の重々しさや悲しさがピークで何だか結局摑み所がない人たちだった。
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