ソングバードのレビュー・感想・評価
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コロナ禍で大切な人と会えない若い世代にはリアルに映るかも
米国でロックダウンが始まった2020年3月、監督・共同脚本アダム・メイソンと共同脚本サイモン・ボーイズの英国出身のコンビがプロットを思いついてピッチ(売り込み)を始め、5月にはマイケル・ベイがプロデュースすると報じられ、6月には主要キャストが決まり、7月から一カ月半(実質17日)で撮影を終え、12月に米国で配信がスタートするという、驚きのスピード感で世に送り出された映画。パンデミック中で制約が多かったことを思うとさらに驚かされるが、何年もかけて準備し進行中だった他作品の撮影などのスケジュールが突然のコロナ禍によりほぼ白紙状態になったことで、ソフィア・カーソンやアレクサンドラ・ダダリオ、ポール・ウォルター・ハウザー(「リチャード・ジュエル」主演)といった若手スターからデミ・ムーアのような大御所まで、急遽キャスティングされてすぐに撮影という、平時にはあり得ないことが可能になったのは不幸中の幸いと言えるだろうか。
実際にロックダウン期間中のロサンゼルスで撮影されたそうで、閑散とした市街地の実景にVFXを加えて終末世界のような荒廃感をうまく表現している。もっとも物語の中心としては、自由に外を動き回れる数少ない免疫者として宅配の仕事をしているニコ(K・J・アパ)と、アパートでクラスターが発生して一緒に住む祖母が発症してしまい追い詰められるサラ(ソフィア・カーソン)という、携帯電話やドア越しでしか会えない恋人二人が降りかかる災難に翻弄されながらも立ち向かう姿が描かれる。パンデミックとロックダウンはサスペンスの道具として都合よく使われるのみで、感染症の大流行とそれに対峙する人間についての洞察や解決に向けたメッセージがあるわけでもなく、深みにかける点は否めない。
それでも、友達同士で会って話したり、恋人同士でデートしたりといった、以前なら何の気兼ねもなしにできていたことが、コロナを境に突然ハードルの高い行為になってしまったことを思うと、そうしたコミュニケーションを切実に求める若い世代にはリアルに映るのではないだろうか。
ひとつのフレームに託した奇跡ーー分断とパンデミック
パンデミックによる厳しい制約の中で撮影を完遂した本作は、「破壊王」の異名を持つマイケル・ベイがプロデュースを務め、わずか17日間という驚異的なスピードで撮影されました。
iPhoneやGoPro、さらには監視カメラを多用したことで出力されたモニター映像のようなライブ感がある。
しかし、この映画が真に価値があるのは、ほとんどのシーンで登場人物が別々のフレームに映し出される中、クライマックスに訪れる“男女がひとつのフレームに収まる瞬間”です。私たちが映画というメディアに期待する「映画の力」を体現しているのです。あの時代に「ひとつのフレーム」を撮ることがどれほど困難であったかを、私たちは絶対に忘れるべきではありません!!
確かに、展開は陳腐で、かつ派手さを期待する人には物足りないかもしれませんが、現実の非常事態宣言下の中で描いたのは、同じ空気を吸うこともなく、触れることもなく、ただ愛を信じる人物たちの姿。この愛はフィクションではありません。むしろ、この映画が語るのは、コロナ渦とトランプ政権下での、分断の時代において人間が繋がろうとした希望だったのです。
『ソングバード』は、10年、20年後の未来に生きる子どもたちに、あの時代を生きた私たちが何を感じ、何を選び取ったかを伝える貴重な記録だ。
レビューの多くが批判的なのが多いが、その多くがパンデミック以前の「当たり前に映画が作られていた」時代の映画の見方を前提にしているのが多い。しかし、映画を撮ることが不可能だった時代に、見えないウィルスや制約と闘った製作者を賞賛したい。後年にカルト映画として評価されることを願う。
物語になっていない
変異し凶悪化したコロナが蔓延する近未来。自由に行動出来る免疫者の青年と、外出出来ない女性の恋物語。
パンデミックの中での恋愛物語。「ドア越しの恋」新鮮味があり、興味深く感じます。ただ、それだけです。ラスボスの雑な設定は、映画全体のチープさを増してしまっていますし、物語のラストもアイデアがなくて驚くレベル。
「実はヒロインもは免疫がありました」では、物語になりません。免疫がない状態の「ヒロインをどうやって連れ出すか」或は「どうやって一緒に生きていくか」・・・がカタルシスを得られる結末だったはずで、この結末では拍子抜けも良いところです。
私的評価は、当然のように厳しめです。
以外に…
ロックダウン下で錯綜するドラマを短い尺でタイトに活写した野心作
2024年のLA。致死率が56%を超えたCOVID-23が蔓延、ウィルスに免疫を持ちIDパスを持つ者以外は外出を禁じられ街は荒廃していた。毎日の検温が義務付けられ、発熱が発覚すると問答無用でQゾーンと呼ばれる隔離地域に強制収容されてしまう。免疫者で配送ライダーのニコには祖母リタと二人暮らしのサラという恋人がいるがドアホン越しにしか会うことが出来ずいつか二人で旅をすることを夢見ていた。そんなある日リタが発熱、サラともどもQゾーンに収容される危険が迫っていることを知ったニコはサラを救うべく奔走する。
コロナ禍だからこそ出来た映画というと、『ズーム/見えない参加者』、『ザ・バブル』、『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』、『哭悲 THE SADNESS』辺りがすぐに連想されますが、本作もその系列でロックダウンで人影が消えた街をディストピアに見立てた低予算作品。マイケル・ベイ製作総指揮という売りですが派手さは微塵もなく、リタのために奔走するドラマを軸に免疫不全の娘がいる富豪夫婦が手を染めた闇商売、モーテルの一室で弾き語りを配信している歌手志望の女の子と彼女を応援する元軍人といったサイドストーリーが並走する凝った構成を84分というタイトな尺に纏め切った結構な力作。主演陣は無名ですが、脇を固めているのがデミ・ムーア、ピーター・ストーメアといったベテランなのでどっしりとした安定感があります。個人的には歌手志望の女の子メイを演じているアレクサンドラ・ダダーリオに胸を掻きむしられました。
感染云々関係なくぶち込むんじゃなかったの?
致死率56パーセントの凶悪ウイルスが蔓延する世界で、「免疫者」である青年が、好きになった女の子が感染者収容所“Qゾーン”に連れていかれるのを阻止しようと奔走する物語。
まず思ったのが、パンデミック4年目の世界らしいが、4年で街ってこんな荒廃するもんなのかw?
まるでミサイル撃ち込まれた後みたいになっているが。
さておき、パンデミック下における愛する人との距離感、ドアの前まで来ているのに会えないもどかしさ、切なさはよく表現されていましたね。2年ちょっと前はまさにこんな感じだったよなぁ…。
サラが危なくなってからの展開は中々スリリング。何故かポッと出で助けてくれる人がひっかかりつつも、息をのむ展開は見応えアリ。刺し違えてでも守りたい人がいる・・・鉛筆サイキョ。
コロナ禍ならではの独特な舞台と物語でそこそこ楽しめたものの・・・最後の展開に呆然。。
感染、免疫どうこくじゃなくてとにかくいれろって話じゃなかったっけ?
それが届いたからってなんでOKになるのか・・・理由がわかりません。
衛生局さん、運転中に命令忘れちゃったのかな??
まぁ、何も知らないニコの前でいれちゃったら色々めんどくさくはなりそうだけど。
とにかく矛盾を感じえないワタクシだが、なにかワタクシが見落とし・勘違いしているのなら指摘してほしいくらいです(苦笑)そして奥さん無罪放免ってのもなんかなぁ…。
もっと言えば本作、正義って一人もいないような・・・。
そして、ワタクシの好きなダダリオさん観れたのは嬉しかったけど・・・このキャラ、物語に必須だったかな・・・?
全然悪くない作品だったけど、どうしても最後だけ釈然としなく、この評価になってしまったって感じかな。
あと驚いたのが、本作って2020年7月に公開されたものなんですね。
内容的に、まだまだコロナが未知だった当時の日本だと絶対公開・作成できませんでしたよね。
良い悪いを言うつもりはないけど、やっぱり日本と海外のコロナ禍に対する考えって違うんだなぁと、今更ながら思わされた作品だった。
現実にもありそうな話
さほど期待はしてなかったけど85分とゆうサクッと観れそうな映画だな...
さほど期待はしてなかったけど85分とゆうサクッと観れそうな映画だなぁ(最近の2時間超えが普通になって来た映画は苦手😅)と思って鑑賞。
思ったより良かった。
ツッコミ所が多いのはまぁ映画やし〜と流せる程度だし、85分の間にぎゅっと濃縮されて、それなりにスピード感もあり、ハラハラもさせられたり。
深く考えずにノリで観ると楽しい85分でした。
デミムーアが懐かしかった☺️
タイムスリップをウィルススリップに
短絡的な…
リアル
に起こりうる事ですよね。現時点ではコロナも落ち着いてきてるし、かなり対応が出来る様になってはきてるけど、また変異があったら、こんな世界になる可能性もある訳ですからね。最終的には、登場している人達が繋がっていくのだけど、少し話が散漫な感じがしました。
ツッコミどころは多い。
大人数で大金が投入されて作る映画なのに、アラが目立つストーリー展開を見ると、本当大変な仕事なんだなと感心いたします。
•感染力が強すぎると、ウイルス自体が生き残れないので、現実的でない (現実世界ではオミクロンとか弱毒化する方向でウイルスが生き残っている)。
•この世界ではワクチンを打たないのか?
•「空気感染するから窓を開けるのも注意」って、色々生活に矛盾を来していると思う。
•主人公が、翌朝スマホでの感染チェックをするまで何も策を立たずにドアの外にいるのは、ツッコミたくなった。
•途中変な屋敷で主人公を一瞬助けに来た人は誰ですか?
•ハーランドの奥さんは共犯で捕まらないの?
•ヒロインが黄色いバンドをゲットしてハッピーエンドになるけど、違法行為を正当化してるということ?
結局映画作品は、脚本が大事なんだなと思った作品でした。マイケルベイが絡んでいるということで見ました。もっと爆発シーンを見たかったかも!
なんか、色々、デジャブー既視感ですね‼️❓
世界観がハチャメチャ
2024年超危険な感染症COVID-23が蔓延し厳しい外出禁止令で荒廃した世界で巻き起こる偽造免疫パスを巡る話。
致死率56%、世界の死者数が1億1千万人を超え外出禁止令を破るとる射殺されるという設定とはいえ、観覧車が崩落していたりどんだけよ!?w
そんな中自転車で配送業をする希少な免疫者の主人公はもの凄い稼ぎだと思うのだけど。
そして家の前まで来て全然突入しない衛生局とか、愛人に溺れるオッサンのしっくり来ない狂気とか、その嫁さんの急な同情心とかなんだこれ?状態だし、偽造パス持ってたら感染しないの?そもそも大した感染症じゃない?
調べていない理由も解らんけれど、実は免疫者もうじゃうじゃいそうな感じだし、脱出ってことは地域限定?とストーリーのやっつけ感が半端じゃなくて、ちゃんと作り込めばかなり面白くなりそうなお話しなのにびっくりする程刺さらなかった。
雑さがマイケル・ベイ印
「『アルマゲドン』『アイランド』のマイケル・ベイがプロデュース」って時点で、まともな映画であるはずがない!と偏見バリバリに勝手に決めつけて観に行きましたが、さほど間違ってなくてよかった。
2024年に、新型コロナ「COVID-19」より毒性も感染力も高い「COVID-24」が発生し、免疫保持者以外は外出すると銃殺処刑のロックダウン、感染者は全て「Qゾーンに隔離」というデストピア世界を描いておりました。
恋人が感染の可能性ありとなり、捕まえられる前までに主人公が免疫保持者証明のIDパスを闇ルートで手に入れられるかのサスペンスなのですが…
恋人が感染者だったら、それ脱出先に拡大するバイオテロじゃね?
という設定に、ひたすら「?クエスチョンマーク」だらけとなり。
友達や恋人に会えないことが辛かった、若い世代には響く内容ではありそう。
それなりに緊張感あるアクションシーンはあるし、人情味あるキャラもあったし、エメリッヒよりはまともではありましたが。
ウイルスの特性を正確に把握していないような雑な設定と、ご都合主義な展開に、「ああ、マイケル・ベイは健在だ!やっぱりバカだなぁ」と胸を撫で下ろしました。
将来
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