湖のランスロ
劇場公開日:2022年3月11日
解説
「抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より」「スリ」などの名作を手がけたフランスのロベール・ブレッソン監督が、「アーサー王伝説」の後日譚である王妃グニエーヴルと円卓の騎士ランスロの不義の恋をモチーフに、騎士道精神の崩壊を現代的視点から描いた歴史ドラマ。聖杯探索に失敗して多くの死者を出し、城に帰還した円卓の騎士たち。その中のひとりであるランスロは、王妃グニエーヴルとの許されざる恋に苦悩していた。不倫の解消を神に誓うランスロだったが、グニエーヴルにその気はない。彼らの不義を利用して権力を手にしようと企むモルドレッドは、仲間を増やすべく暗躍する。そして騎士たちの絆に亀裂が入り始め、事態は思わぬ方向へと展開していく。1974年・第27回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。
1974年製作/84分/G/フランス・イタリア合作
原題:Lancelot du Lac
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
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一番雰囲気あった気がした。湖の騎士ランスロットもそれらしかったし、キリスト教の狂信的な所とか罪に対する考え方も頷けた。バッサリ終わってびっくり!
2022年5月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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“アーサー王伝説”というのは、おそらく欧米人にとっては(日本人の“源平合戦”や“忠臣蔵”のように)周知のものなんだろうな。この映画は最終盤のエピソードを切り取ったようだが、詳しくない者からしたら、みんな甲冑を着けているし誰と誰がどこで戦っているのかもよくわかりません。ジョン・ブアマンの「エクスカリバー」やモンティ・パイソンのパロディは見ているが、剣豪ランスロットが王妃と熱愛中だとかはまったく記憶になかった。
ロベール・ブレッソンの文体は揺るぎなく、騎馬試合の場面でも馬の足ばかり映しているし、勝敗の決した瞬間も観客席しか見せないという徹底ぶり。独自のモンタージュの迫力は認めるものの、省略が多いのでストーリーが入ってこない。
「最後の決闘裁判」ではフランス人(役)が英語をしゃべっていたが、この映画はイングランド人(役)がフランス語をしゃべっていて、少しく違和感あり。
2022年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
『たぶん悪魔が』と同日に観たブレッソンの日本劇場初公開作品の2本目。とにかく観た順番が悪かった。陰鬱な気分のまま観た。
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「アーサー王伝説」の後日譚という今作。聖杯の探索に失敗し多くの死者を出した円卓の騎士たちが城に帰還した。
不倫関係にある王妃グニエーヴルと円卓の騎士ランスロだったが、二人の間に温もりなど微塵もなかった。
スキャンダルを盾にランスロを貶めようとする騎士たち。騎士道精神の崩壊とともに呆気なく終焉に向かう円卓の騎士たちがいた。
暗がりの中で何の光も見えなかった。
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この後、1977年の『たぶん悪魔が』、83年の『ラルジャン』を遺したブレッソン。世の中に絶望したようなまったく希望のない作品たち。99年に98歳で亡くなるまで彼は何を思い生きていたのだろう。
2022年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
フランス語とか西洋中世史とか聖杯伝説とか詳しくないからストーリーはイマイチよく理解できなかったし説明するつもりも全然ないみたいだったけどヨーロッパ中世の情景がエキゾチックで意外と楽しめた。騎士の甲冑姿とか馬上での剣術の試合とか森の中を走るかっこいい馬たちとか。撮影が素晴らしいし短いのも良い。ただ中世ものなら最後の決闘裁判のほうがずっと面白いけどね。
作品の雰囲気は殺伐としてて登場人物はとにかく深刻で陰気で無表情で生きるのが苦痛で喜びが全く無い感じ。中世ってこんなに暗い時代だったのかねえ。あと、けっこう残酷っぽい描写が悪趣味だと思った。
この監督の日本で観れる作品はほとんど観たけど、独特の美学があってユニークだしカッコいいとは思うのだが全然感動しないんだよね。僕の人生に何の影響も与えることがないというか。まあどの作品にも共通している殺伐とした雰囲気が結構クセになるのは否定しませんがw。暗い話の巨匠かもしれないけどハッピーな話は撮れないのでは。たぶん監督はあんまり幸せな人じゃないんだろうと思う(余計なお世話)。