LAMB ラムのレビュー・感想・評価
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よって「件」のごとし
日本でも昔から「件」の存在が巷で噂に上る。
人面牛体の妖怪で、生まれると直ぐに死んでしまうのだが、
その際に一つの予言をし、それが必ず当たるとの言い伝え。
それにインスパイアされた
原作『小松左京』/漫画『石ノ森章太郎』で〔くだんのはは〕のような作品もあり。
もっともこちらは、牛の顔に人間の体と、
江戸時代の瓦版に描かれた姿とは真逆なのだが。
山奥に住む羊飼いの夫婦『マリア』と『イングヴァル』が、
ある羊の出産に立ち会うと、
生み落とされたのは、羊でもない、
人でもない異形の生き物。
しかし、嘗て子供を亡くしていた二人は
『アダ』と同じ名前を付け、
その者を育てる決意をする。
授乳期間を終え、二足で歩行し、
言葉も理解するようにもなり、
我が子同然に育った『アダ』を愛しみ、
幸せに満ちた暮らしが続いていた。
中途、突然訪れた、夫の弟が波風を立てたものの、
直ぐに治まり、家族は平和な日常を過ごせるはずだった、が
突然の悲劇が一家を襲う。
我が国でも、牛頭・馬頭の例があるように、
獣頭人体の存在は不吉のサインであるに違ないない。
西洋でも「サタン」の姿が、頭の両の角で描かれるように
羊頭人体は禍々しいものではないのか。
それを夫婦は知っていて、目を塞いでいたのか。
北欧で、獣人説話があるのかは知らないけれど、
本作では冒頭から、その存在が示唆され。
いつどのようなタイミングと形で姿を現すのかがサスペンスも、
今回のそれの提示のされ方は衝撃的。
思わず、ぞっとしてしまう。
とは言え、本作は
おそらく〔オーメン(1976年)〕の流れをくむものに思われ。
勿論、ディテールに地域らしい要素は混み込まれてはいるものの
斬新さには欠けるよう。
羊のアダ討ち
ラムは子羊
シープはオトナの羊
羊のお産は通常足が先。
頭が先だと、逆子?
ノオミ・ラパスがクビを引っこ抜いたのかと思いましたよ。
人間の会話より羊の鳴き声が100倍多い静かなゆったりとした映画でした。
人間の原罪的な因果応報がテーマ?
獣姦の歴史が絡んでいるのか?
キメラの獣人(獣神)が出て来ましたが、正直みたくはなかったです。
う~ん、よくわかりませんでした。
セダンから下ろされて放置される革ジャン男の正体がわかるまでがとても不気味でした。
マリアが産んだと思うよなぁ。
彼にはなんも説明ないし。
それでも、兄さんの嫁とヤろうとするのは相当なグズ野郎。ドラムは叩くし、なに?あの80年代テクノ風のMVは?
冒頭。アイスランドには野生の馬がいるんですかね?凍死しないの?
サスペンスホラーとしてはかなり異色で、ホラー映画ファンは肩透かしを食ったと感じるでしょうね。
私はノオミ・ラパスをずっと観ていられて幸せでした。
イミアリイミナシイミイミ
かなり期待していた今作。特別多く情報も入っていなかったので、まっさらな状態で観れることも良かったですし、当日は祝日とはいえ満席。もっと上映館数増やせば良かったのに…なとも思いつつ。
かなり深く考える物語かなと少し身構えていたのですが、良くも悪くもそこまで頭を使わなくていい作品だったなというのが最終印象です。
羊飼いの夫婦が、ある日生まれた羊のようで羊ではない何かを育て始めるところから物語がグッと進みます。冒頭15分くらいは大きく展開もなく、台詞自体もかなり少ないのでモヤモヤしますが、その我慢した分が動きが出した展開での異常性を強めているなと思いました。途中よく鳴く羊を撃ち殺すシーンは衝撃的でしたがひっそりと後半に繋がっていきます。
最初はちょい人間ぽいなと思う程度の体でしたが、成長していくたびに人間の子供の姿になっていくので、初見のインパクトが凄かったです。アニメでのデフォルメされた人間と動物の合体は笑って見れましたが、ここまでリアルになると笑うに笑えませんでした。容姿ではないですが「ビバリウム」の子供が大人の声を発した際に感じた不気味さがここにも存在していました。
途中で転がり込んできた旦那の弟にしれーっと羊人間を紹介するシーンは唐突なコメディで面白かったですが、夫婦は大真面目なので違和感を強く感じました。そりゃ弟はずっと疑ってかかるし、それでも兄からは「俺たちの幸せを邪魔しないでくれ」と言われるしで、弟と同じくらいモヤモヤとさせられました。唐突に羊娘アダと仲良くなっていたのは不思議でしたが、これはいい具合に終盤に繋がっていきます。
途中全く関係のないハンドボールのシーンがありましたが、あれは本当に意味の無い茶番だったなと思いました。楽しそうだったのは何よりです。
筋肉モリモリマッチョの羊(多分アダのお父さん)が銃で思いっきり旦那を撃ち殺したシーンは、妻がアダの実の母親を殺した腹いせもとい復讐のように思えました。少し弾けてはいますが、異常性を保ち続けて物語を終わらせたのはいい判断だったなと思いました。でもイッヌまで撃たないでも…。
所持していた銃は弟がアダを殺そうとした瞬間に現れて脅迫してなんらかの力で自身の思いを弟に伝え、銃を奪い取り、弟は旦那が殺される事を察し、妻をどうにかして現実から目を背けさせようとして誘惑していたんだろうなと解釈しました。あの切ない表情はそうだったのではと考えざるを得ません。
一章、二章に伏線を貼り、三章でサラッと回収するという感じで、あまり物語自体に多くのメタファーが込められていたり、強いメッセージ性が秘められているわけでは無かったです。そのためスローな展開や説明不足な点が気がかりとなり、面白さが爆発することは無かったです。A24の独特な視点で作られる映画たちのアイデアはとても好きなので、ぜひ物語としても面白いと思える作品をこれからも観続けていきたいです。
鑑賞日 9/23
鑑賞時間 13:10〜15:05
座席 D-11
不思議だけど(だから)面白い
このゆっくりと積み上げられていくホラー風味ファンタジーはノオミ・ラパスはじめ役者陣の演技によって高められていく。そして脚本監督ヴォルディミール・ヨハンソン(だれ)の才能を証明してみせる。
見ていくうちに不気味とかじゃなく、かわいくなっていくアダ。山中で羊飼いとして暮らしながら、子を喪った哀しみを背負っている夫婦に、ある日突然訪れる生命の誕生=異物。山頂にかかる霧のように2つの要素が境も曖昧に溶け合う。言葉で説明されることなく、けどそれが結果的により効果的にこの不思議な物語に観客をじわじわと引き込んでいく。何をしでかしたのか(酒癖の悪さ?)、バンドメンバーたちによって捨てられる弟という外部の人の訪問によって異様さが際立ち問われる家族円満。そんなバンドマン弟の役割としては、そうした"異物"を人間は受け入れることができる(のだろうか)ということだろうか。
最後にやってくる正体がヤバすぎる…。多様性の中で、そうした視点を向けられる側にある人知を超えた存在からの拒絶というか好意的ではない反応。意味深な最後はもはや、山頂の霧が晴れるように心のモヤモヤがやっとある意味/本当の意味でスッキリしたのか、一種『ミッドサマー』的ですらあるとも思えた。不本意な形ではあれ肩の荷が下り解き放たれる、少なくともそう見えなくもなかった。哀しみを埋め合わせる代替のような存在にはその特異さも目に行かないのか、あるいは受け入れられるのか?そうしたものがやって来ると飛びついてしまうのが自然な人間の心情だろうけど、それすらもすべて失って初めて本当の意味で(残酷ではあるが)再出発を切れるのか?
山や家を背に/目安として歩を進めるのでなく、川の音を聞いて。そういう風に最後の最後まで明確な答えを与えてくれることはなく観客に問いかけてくる…という意味で、この作品は映画として切り取られる前からその後まで続いていく内容だなと思えてよかった。
↓※以外ネタバレ含みます↓
ゾオン系ラムラムの実を食べたガチムチイケメン羊人間が羊をはらませて、時機を見計らって(なぜかガッツリ人間に懐いた頃に?!)回収/迎えにやってくる(なぜか不機嫌そうに??!)
呆気ない
最後面食らった。摩訶不思議映画
想定通りの序盤を観たくはないが
誰かを犠牲にした幸せは報いを受けることになる
羊から産まれたものの正体を明らかにしないまま、日常を淡々と描いていく静謐な映像が、緊張感とサスペンスを高めていく。
それの正体が判明した後は、いくら過去に子供を亡くしているとはいえ、その子と同じ名前を付けて、それを我が子のように育てようとする姿は、やはり異常に思えてしまう。そもそも、それを、可愛いと思う前に、不気味で気持ち悪いと思う方が、普通の感覚というものではないだろうか?
しかしながら、夫が言うように、本人が幸せならばそれで良く、第三者が、人の幸せにとやかく口を挟むべきではないのかもしかれない。
ただし、妻は、それを我がものとするために、本当の母親を亡きものとし、やがて、その報いを受けることになる。
どこか寓意が感じられるラストだが、他者の犠牲の上に成り立つ幸せは、決して許されるものではないということか?
まぁ、こういうサイコスリラーもありってことで
今年277本目(合計552本目/今月(2022年9月度)20本目)。
まぁジャンルとしてはおそらく「スリラーもの」「サイコもの」になるのでしょうか…。ある羊飼いの夫婦が「羊っぽいが羊ではない何か」を生んでしまい、そこからいろいろな悲劇が発生するという趣旨も映画です。
いくつかのチャプター(確か3つだっけ?)には分かれていましたが、いかんせん英語でもなければ英語から推測がつく言語でもないのでほとんど理解がおいつかない状況です。一方で画像はきれいで、その「心の病んでいきよう」は刻々と進んでしまいます。
いかんせん英語圏以外の映画なのでどのような文化事情があるのかはパンフを買わないとわからないし(典型的なパンフ抱き合わせ論点)、まぁ買わなくても、「あそこまで「羊か羊でないのかよくわからない」ものを飼っていれば」そりゃ誰でも精神崩壊しそうですね…。
惜しむべきはこの映画、実はあまり字幕がなく、目線だけだったりという部分が結構多いです(またこの「羊らしき何か」と話をしているシーンでは当然会話などのシーンがないため、結果的に少なく見える)。そのため、細かい描写からも理解を助けるものを探す必要が出ますが、いかんせん文化圏はある程度わかっても英語ではないので調査にある程度制限・上限が出るタイプの映画でしょう。
まぁ多少「病んでいるなぁ」とは思いつつも、「単純に怖いだけではなく、少しずつ精神がおかしくなっていく」系の映画としては推せるし、「動物+ホラー」というタイプで見たい方にはおすすめです(まぁ、最後は全員精神崩壊しますが…。)
殺してまで奪いたい。
・・・スリラー・・・?
深く考えてはいけない
終始展開はスローなので伏線があるかも?!と思いつつ(眠気を我慢し)鑑賞
『因果応報』つてことなのだろうと納得させ、
ヤギの父親のヤギ人間ってなんなんだ?!という疑問さえ抱かなければ納得のオチの作品。
気持ち悪いが引き込まれた
アイスランドの山間部で羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会った。すると、顔や右手は羊だが脚や左手が人間の何か変わった生物が産まれてきた。
娘を亡くしていた2人は、その羊人間のような生物に死んだ娘と同じ、アダ、と名付け育てることにした。アダとの生活は幸せな時間だったが、マリアはアダを生んだ母羊を射殺し、それを義弟に見られ・・・さてどうなる、という話。
なんか気持ち悪い結末だったが、引き込まれた。最後のアレは何だったのだろう?アレと羊がセックスしたって事なのかな?
子を亡くした母親って狂ってしまうのだろうか?
アイスランドの山や壮大な風景が美しかった。あの景色を見てると、また行ってみたくなった。
マリア役のノオミ・ラパスが名演技だった。スウェーデン人だと思ってたが、アイスランド語など5ヶ国語が話せる女優なんだと知った。
あんまりだよ
これはいったい…ラストにはまさかこうなるとは…
ポスターにも載ってますがまさに産まれてくるのは羊の頭、右腕をした人型のものです。名前はアダです。アイルランド田舎で羊を育て暮らしている夫婦。そんなある日1匹の羊からアダ生誕。途中で旦那の弟が金欠のため実家に帰る。アダの存在に動揺するも受け入れるも、今度は妻を誘惑。なんとか家を出て行かせ弟をバス停まで送る妻、前日トラクターが故障しアダと現場に行く夫。そして…
登場人物が基本3人なのでセリフもさることながらテンポはゆっくり。アダの異質な存在を天の贈り物と称する夫婦だが、物事には必ずと言っていいほど理由があるのかもしれない。
🐏🐑🐏🐑🐏。
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