LAMB ラムのレビュー・感想・評価
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幸せとは?
幸せってなんなんだろうって考えながら観てました。この夫婦にとっての幸せ、それは何なのか。幸せを守るために邪魔物は排除する。誰もが行うことでもある。それは権利ではある…。
不思議な話だし、たんたんと進みつつも結末もまた何とも不思議です。その分いろいろと考えさせられるとても興味深い映画でした。マリアという名の主人公。そして羊。キリスト教が絡んでるんだろうな。そうなると作者の意図するところの理解にはキリスト教の勉強が必要になるのかな。
冒頭のタイムトラベルについての夫婦の会話、水面に写る自分の姿を見るアダ、アダに銃口を向けたペートゥル…。一つ一つの会話や映像が後になっていろいろと思い起こされ考えさせられる重い映画でした。
幸せそうだが、常に微かに感じる禍々しさ
この常にどんよりした微かに禍々しい感じ。
羊の鳴き声さえも不気味に感じます。
とても引き込まれた映画でした。
突然生まれた半羊半人間の生物と当たり前のように娘として扱い、幸せそうに暮らすがやっぱり視聴者目線だとずっと不気味に感じるこの感じ、個人的にかなり好み。
なんで産まれたのか、アダは何故亡くなったのか、
謎多くして終わったけど、中途半端な気持ちにはならなかった。
とにかく作り方が上手い映画でした。
もっとこんな映画出して欲しい!
なかなかこの世界観は好き。
頭と右手が羊であとは人間。なぜ、どうやって生まれてきたのか不明なままこの親羊がみせる子供への執着で人間の身勝手さに気がついてくる。結末は…そりょそうだよね、と納得。アイスランドの寒々しく広大な景色とこの世界観がマッチしていて良い感じ。
どう、とれば?
どう、とれば?って感じです。
たぶん最後まで観た人の多くが、そう思うと思います。
予想を裏切られましたね。
A24だから、エログロだと思ったけど、そんな感じじゃなかった。
でも、カルト的な内容であり、ミニシアター向けの内容です(笑)
シネコンで観たけど(笑)
個人的にはビミョーです(苦笑)
時間の感覚が無くなる陶酔的体験
アイスランドののどかなはずの田舎は微妙な緊張感を孕んで、弦楽四重奏の重層的音楽と相まって不穏な空気だ
最後に流れるパッサカリア(多分、シャコンヌかもしれない。聞いたことがあるがこれとはっきり言えない)がこの寓話的なホラー(と思います)を締めくくるにはぴったりだと思いました。予測のつかない体験的空間。無音と有音、自然音と羊の鳴き声、白夜のせいで時間の感覚が失われ、長くもあり短くもあるような(実際は105分程度のやや長めの映画)不思議な感覚を感じましたね。どこか異世界の雰囲気を纏いつつ二重の不幸をこの夫婦に負わせる意味とは何かと翌日になっても少し重い気持ちを引きずりましたね。
ここからは映画の内容に踏み込みます。
冒頭のホワイトアウト。ズームするまで何があるのかさえ分からないほどの息詰まる空気感。本当ここは息ができないほどの緊迫感だ。三章仕立ての第1章ではセリフはほとんどなく、羊が鳴くのみである。しかし、主人公の羊牧場(羊飼いだと誤解を招く)を経営する夫婦(イングヴァルとマリア)にそこはかとなく漂う緊張感が胸苦しい。ここでは諦観に満ちた生活を丁寧に描く。この辺り、日本人俳優の不自然な自然体演技とは一線を画す。第1章の最後に生まれてきた羊の子がターニングポイントとなる。
なぜか、夫婦は子羊を母親羊から離し自宅に連れて行ってしまう。ミルクを飲ませベッドに寝かせ、抱き上げてはまるで子供のように扱う。この辺りで「手足のない仔羊が生まれたのかな」と思ったよ。アダと名付けられた仔羊はある日母親羊にさらわれてしまった・・・。あの程度の四つ足の獣がさらうのは変な話なので、後で出てくる「あいつ」がそうしたのか?
無事取り戻したが、この時、アダの秘密がようやく(映画の半分くらい)明らかになる。正直、気持ち悪い。しかし、どうやらこの夫婦にはアダという一人娘がいてなんらかの理由で失ってしまったようだ。(墓や父親の描写で明らかになる)。
ここからは未見で、今後見る予定の人は読まないほうがいいと思います。
平穏な暮らしに闖入者あらわる。
パンク風のおっさんが現れ、夫婦の家に忍び込んでくる。
観客はみんなハラハラしたことだろう。こいつ誰やねん。
辺鄙な田舎だから誰にも見つからないと思っていたら、異常な存在であるアダは誰にも知られてはならないはずだからだ。
しかも、こいつはマリアが母親羊を撃ち殺すところを目撃してしまう。(この時点ではアダの母親だとは気づいていなかったと思うけど)
家族として迎えられたが、当然アダと夫婦には不審の目を向ける。実際、アダを撃ち殺そうとするしね。
夫婦の愛情は本物だったし、人間のアダを失った悲しみを知っているからこそ受け入れるところはよかった。アダと共にソファに寝ているところなど打ち解けてほっこりした。
第3章
万事うまくいくかと思われたある日、アダを連れておっさん(実は旦那の弟)が湖に漁に行く。その後ろ姿を見ながら幸せそうに愛を交わす夫婦。帰ってきてからも食事やスポーツ観戦(アイスランドではハンドボールが盛んなんだね)をして楽しく過ごすが、寝てしまったアダと夫を横目に、クズ弟はマリアに不貞を迫る。怒ったマリアは追い出すことを決意し、バス停まで送り届ける。
その頃、不審な死を遂げる犬。??????????
目を覚ましたアダとインクヴァルは朝ごはんを食べて、故障したトラクターを治しに行こうと連れ立って家を出る。いつもだとすぐに飛んでくる犬はいない。マリアが帰ると誰もいない。探し回るマリア。響く銃声!
首を血まみれにして苦しむインクヴァル。それを悲しそうに見つめるアダ、その傍には・・・。
そもそも、半人半獣の生物が産まれた時点でファンタジーではあるのだけれど、寓話としては意味するところがわからない。この夫婦が何をしたというのか。なぜ殺されなければならないのか。アダを連れ去るあいつは誰なのか。これでは全くの暴力ではないかと不条理さに打ちのめされる。最後の曇天を背景に悲しみに打ち勝つように立つマリア。全てを失った彼女はこれからどうするのか?などと考えながら長いワンショットでエンディングを迎えた。謎だ。
「白夜」
今年107本目。
夜も明るいアイスランドの白夜。そして山々、川、自然の風景が本当に美しい。それを引き立たせるのがセリフの少なさ。海外の作品でゆっくり流れるのが新鮮。以前も今作のような心地いい映画あったなあと、2020年2月に見た「ナイブズ・アウト」がミステリーで展開していくが、今作同様夜のゆっくりな時間に心地いい映画でした。
セーターはウール100%ですかね
アイスランドで牧羊をする夫婦の飼う羊から異形の子供が産まれて巻き起こる話。
今が幸せとは言うが戻りたい過去を持つ夫婦のもとに、なんの前触れもなく産まれたその子供を、夫婦は羊舎から住居へ連れて行き…。
暫くの間頭しか見せないけれど、まあ、想像はつきますよね。
そしてどうやってそんな遠くまで?なところでようやく身体が映し出されて…。
後ろめたさからくる3115へのおののきをそこまで強く見せておいて、父親のことはこれっぽちも考えないものですかね?とちょい疑問も浮かぶし、弟の登場で少し引っかき回すところはあるけれど、状況を受け入れてただただ幸せに過ごす様を長々とみせられて飽きてくる。
幸せな描写が長いのは、ぶち壊した時のギャップの為なんだろうけれど幾らなんでもね。
そして犬のフリがありつつのラストの展開は、なんとな~く想像できるオチの中でもかなりマイルドのもので、それだけ?という物足りなさと中途半端さをを強く感じた。
自然の摂理を壊すことの報復
物語は3編で構成される。
1:不可解な何者かによってクリスマスに身籠る羊と厩舎で生まれたのは人間と羊のハイブリッド。
奇跡の子供を自分たちの子供として育てる事にする。子供を返せと泣き叫ぶ母羊に毎晩うなされ、マリアは母羊を撃ち殺す。
バンドメンバーに路上に放り出される弟がその様子をたまたま見かける。
2:弟が一緒になる。羊人間に戸惑いながら一度は殺そうとするものの、結果馴染む。詩を教えながら釣りにも行く。
3:誘惑する弟を追放し安堵を手に入れたと思いきや、親羊人間が現れ夫が撃ち殺され、羊人間は親に連れて帰られる。マリアは撃たれた夫を観て放心状態になる。
○宗教的な解釈
クリスマスに生まれたこと(言わずもがなイエスキリスト)や、羊という動物を選んだことはキリスト教としての側面として取れる。
さらにはアイスランドという北欧の土地は、元々北欧神話が根付き、バイキングが盛んだったエリアである事は言わずもがな。土着化していた北欧に、キリスト教化するための拷問や殺戮があった過去がある。
すでに存在する宗教から無理やりキリスト教を捩じ込む事により結果として多くの血を流す結果となった。
○自然環境としての解釈
ギリシャ神話にサテュロスという半身半獣の精霊がいる。自然の豊穣の化身、欲情の塊と称され、葡萄と蔦で作った花輪を頭に裸の姿で描かれる。
弟の叩くドラムやシンセミュージックで踊るアダが描かれ、花冠を被り、セックスシーンが挿入されている事からサテュロスである事は間違いなさそう。
自然の摂理を壊す行為はこれまで人類は度々繰り返してきた。木材や土地を確保するために山を切り崩し結果干ばつや土砂滑りが起きたり、水族館のイルカショーの為にイルカを狩り、群れを皆殺しにする。またはフロンガスの大量使用により温暖化に拍車がかかり水面が上昇するなど挙げればキリがない。
○科学のタブーによる解釈
冒頭タイムマシンの話題がある。どうやら実現に向けて本格化するらしい。時間を捻じ曲げて人間の思う様にする事は破滅をもたらす事はターミネーターで良く知っている。また現実世界でも過去羊のクローンに成功している。全く同じ遺伝子構造の羊を実際に生み出してしまっているのだ。これも破滅をもたらす事は言わずもがな。
様々な解釈が出来るが、結果として言わんとしている事は人間が私利私欲によって摂理を脅かす行為は結果的に破壊をもたらす事に繋がる。
それは聖書で言うならばノアの方舟であり、バベルであり、十の災いである。
奇跡として産まれたハイブリッド羊人間を自分のものとし、母羊を殺し、自分達の暮らしを強要する行為は夫が殺されるという最大の悲劇をもたらした。
その深みには満足
個人評価:3.7
静かで不吉なオーラ。映画ウィッチの様な忍び寄る禍々さがある。
物語は積み重ねがなく物足りないが、映像に深みがあり、ホラーファンとしては楽しめた作品だ。
ただ羊から産まれた羊ではない何かとの生活を、もう少し怖く違和感のある世界観にしてほしかった。
羊を堪能した。
羊人間!
こわーい!!
役名が、Ram manで、まんまやーんっ!てツッコんだわ。
そして、よくわからなーい。
アイスランドの宗教的なものも絡んでるの???
それすら解らなかった…
みなさんの鑑賞録を楽しもう。
でも、嫌いじゃないのよね、この感じ。
不条理だけど考えさせられるのは悪くない
すごく演出が上手く、映像も綺麗でなかなかな監督だと感じました。意味ありげな冒頭のシーン。弟登場で一気に緊張が走る流れ。いい脚本家と組んだら傑作が生まれるかも!
キリスト教と繋がりを考えましたが繋がる部分と繋がらない部分があり消化不良です。単なる寓話と考えるのも浅いような気がしてます。時間旅行の話、弟の存在、母羊だけ羊小屋から出て来れるのなんで?アイツがアダが生まれてから何をやっていたのか?なんでそれなりの(銃を盗み撃つくらいの)知性があるのか?よくわからない事だらけです。
でも、あんな子が生まれたら誰でも普通の羊と同様に羊小屋で育てないと思います。
それと弟は観客、第三者視点での配置なのかもしれませんね。クズだけど1番ナチュラルな感情を持つ存在だったのかも。
アダちゃんのグッズ欲しい
いかにもA24が欲しがりそうな作品だ。過去にも複数あった評価がきっぱり別れる作品になるだろう。一応ホラーと名打たれる本作だが、分かりやすく怖いと思うシーンは一切なく、静かながら不気味な世界観となっている。いわゆる「雰囲気系」のホラーであり、ビクつきながら観るエンターテインメントとは違う感覚となる。だが、決してホラー初心者向きとはならない作品だろう。恐らく、トラウマにも似た感覚を覚えるか、人生の2時間を無駄にしたと思うかのどちらかになるに違いない。不気味な演出と広大なアイスランドの自然(住んでみたい)を芸術的な表現で描いている本作だが、上映開始から30分程はほとんど台詞が無く、ひたすら羊を育てる夫婦の日常が淡々と描かれている。続く静寂の中で夫が放った最初の台詞が、記事に書いてあったタイムリープの話。こちらは張り詰めた空気を感じていたのだが、その滑稽とも言える一言目に思わずガクッとずっこけそうになった。だが、この様な何気ない会話の中や演出の中でふと気になる物が挟まれる。そのシーンが何を意味しているのか、どう後半に生きてくるのか、理解する前に暗転していく。この様に細かいパーツを回収していくかのように淡々と日常が描かれていき、それらが張り裂けそうな不気味さで包み込まれ、非常に息の詰まる思いだった。冒頭に響く誰かの荒い息遣いから、今にも八つ裂きにされそうに思える羊たち。観客としては来るか来るかと身構えていると見逃しそうなシーンが複数存在する。個人的には映画は1人で楽しむべきと考えているが、本作は鑑賞後に答え合わせをしたくなる作品である。本作のジャンルを表すのにホラー以外の物が見つからないが、「怖くないのに怖い」や「何も無いのが怖い」と思ったのは本作が初めてである。テレビCMでは問題の子羊、"アダ"に服を着せ、二足歩行をする姿が写っている為、大抵の人が羊人間なのではと思うだろうが、本編ではその姿がなかなか写らず、しかもチラッとしか見せないという何とも意地悪な描き方を披露する。ネタバレしているものをこういう描き方をしたのも素晴らしい。映画においては説明不足というのは致命的な欠点だと思うが、その弱点を生かした構成には驚かさせる。そんな何かと初めてづくしだった本作だが、かなり実験的な作品にも思える。これは是非とも手元に置いておきたい作品だ。
人間は自然に生かされている
人間のからだをした羊が生まれるという特殊な設定の作品。
劇中の自然はどれも圧倒的なスケールで美しくもおぞましさがあるような切り取られかたをしており、人間がいかにちっぽけな存在なのかを度々感じさせられた。
様々な解釈ができる作品であると思うが、私には、人間は自然や動物を生かす存在ではなく、生かされてる存在なのである。というメッセージなのではと捉えた。
このような脳裏に刻まれるような鋭利な作品を体験するのも良いなと思えた。
何者?
羊の出産に立ち会った夫婦。異形、奇形の羊を自分たちで育て始める。はじめのうちは羊の顔しか映らず、どんな姿なのか興味を誘う。だんだんとどうやら身体はヒトだとわかってくる。夫の弟が突然帰ってくるが、驚いたでしょうね、いきなり羊が服を着て、普通にご飯食べてるんだから。異常に感じた弟はライフル片手にアダを連れ出し殺そうとするが、すでに愛情を感じてしまったようで殺せない。
ところで、この弟、どうもよく分からない。帰ってくる時に仲間がいたようだが、車から放り出されていたけど、どういった状況だったのか、兄嫁に色目を使うのもよく分からないし、夫婦の娘のアダが死んだことと関わりがあるのかないのか、どうもはっきりしない。
夫婦に可愛がられて育ったアダ。おじさんとも仲良くなって楽しそうなんだが、ふと3人から離れたり、鏡を見たり羊の絵を眺めたり、自分と他の人が違うことをどうやら感じ始めている様子。
ラスト、アダの父親が姿を表して、、、悲しむアダだが、本当の父親に手を取られて一緒に帰る。
そのまま終わってしまったので、あの後1人残されたマリアはどうしたんだろう。1人泣き暮らしたのか、アダを取り返しに向かったのか。アレはいったい何者なのか、他に仲間はいるのか?などなどちょっと消化不良。
予告編で観て、すごく興味が湧き、絶対観ようと思っての鑑賞。観終わった感想は、面白くなかったわけではないが、風船が萎んでしまった気分。消化不良だからかな。
【良かった点】 なんといっても画面いっぱいに広がる広大な自然描写。...
【良かった点】
なんといっても画面いっぱいに広がる広大な自然描写。ここは異世界?と思うほどの優雅で美しい背景をバックに、異形を愛する異常な夫婦、というだけで面白い。中盤旦那の弟が観客と同じ視点で話してくれるところはだいぶコメディ。説明をこれでもかと省略し、観客に想像させてくれる余地があるので観ながらあーでもないこーでもないと楽しめる作品。
【良くなかった点】
VFX技術がそこまで高いわけではなく、羊の娘の全貌が明らかになるところは人によってはノイズになるかも。また、全体的に静かに淡々とストーリーが展開するので、寝不足だと寝落ち必至か。
期待値のハードル
アイスランド映画、あまり多くは観られていませんが、中でも同じ「羊」を題材にした『ひつじ村の兄弟(15)』という作品が思い出されます。おそらく、アイスランド人の生活を支えるこの生き物は、映画などの作品にも「インスピレーション」を与えてくれる大事な共生者なのだと感じます。
割と長い期間、映画館でこの映画のトレーラーを観る機会が多かったような印象があります。それはおそらく、トレーラー内でチラチラと現れる「何か」のインパクトと、その「何か」への興味からなのでしょうが、実際本編を観終わってみると「期待値のハードル」をやや上げ過ぎた感が否めません。
3章からなる物語。まず第1章は、夫婦の営む牧場と生活、そしてその背景である広大な自然を、口数少なく、想像力を掻き立てる見せ方で期待を高めつつ、ある晩、ん?何かが起きたか??と、ミステリアスな展開です。うん、悪くないと思う。
そして話が動く第2章。一頭の羊からいよいよ「何か」が生まれます。そしてある晩、如何にも意味ありげに表れる「第三者」。1章のスピード感とは変わり、物語が動き出すとあまりにダイナミックな展開。いや、むしろあまりに説明がなく、当たり前のように見せられる強引さが。。(あ、前の男性イビキかき始めた)
いよいよ第3章。クライマックスですが、勿論ここでは触れないものの、、、そんな終わり方、ちょっとズルくない?
非常に雰囲気はあります。アイデアも見せ方悪くないと思うのですが、これを「完成品」だと言われるとかなり物足らず。ちょっと残念です。。。
母性愛
フライヤーの画が、キリスト教の聖母子像をかたどっているようなので、たぶん宗教的ネタが入っているんじゃないかと思っていた。羊飼いとか子羊のワードは聖書に出てくるし、主人公の名はマリアだし、クリスマスの日から始まるし。でも、物語の中でどう関わりがあるか、具体的にはわからなかった。
母性愛がやはり根っこにあるのかな。アダを生んだ母羊は、子供を探してしつこく鳴く。その気持ちは子供を失ったマリアも理解できるはずなのに、アダを自分のものにしたいがため、母羊を追い払う。マリアの夫も傷ついており、マリアがアダによって幸福を感じるとともに、彼も満足感を得る。この夫婦は、なぜアダが生まれたのかも、先々のことも考えない。愛ゆえに狂ってきてるのかも。
夫の弟の来訪で、平穏な暮らしが終わるのかと思いきや、意外に楽しくやっていた。ただ、兄の妻だというのにちょっかい出すから、強制送還。ええっ、弟なんのために登場したの〜? ついでに、デンマークとのサッカーだかハンドボールだかの試合観戦シーンと、ミュージックビデオは必要だったのかな。
アイスランドのラグナル・ヨナソン作「閉じ込められた女」という小説で、冬の情景が描写される。アイスランド山間部の冬は、ほとんど吹雪で、数ヶ月家に閉じ込められる。ほんの数メートルでも、遭難しかねない。アイスランドでは殺人事件は滅多に起こらないが、行方不明者と自殺者は多い。事故、遭難はもちろん、殺したとしても人里離れたところに埋めてしまえば、そうそう見つからない。それくらい厳しい土地で生きるのは、なかなかしんどいだろうな。ほんのちょっとの油断でも、生命が脅かされる。アダ(人間の方)が、何故死んでしまったか、川を探すという言葉に鍵がありそう。
本当は不吉な存在のはずのアダだが、やはりかわいい。花冠をかぶったところや、ぴょんぴょん跳ねるところ、猫がぴったり寄り添ってゴロゴロ言ってるところなんて、きゅんとするわ。この映画、動物のショットが効いている。本当は意味なんてないはずなのに、意味ありげに撮る。騙されてしまう。
天からの贈り物だと思っていたが、実は地獄からだったんじゃないだろうか。受け取らなければ良かったのかも。
予想を上回る謎だらけの展開。
アイスランドの羊飼い夫婦、イングヴァルとマリア。ある日、飼っている羊から、首から上は羊で身体は人間の雌の羊人間が産まれた。夫婦はその子にアダと名付け家族として育てる。
えっ!2人はその子、キモくなかったの?それから続く家族の生活は本当に普通の子育て。流石にアダは喋れないんだけどね。途中から現れるイングヴァルの弟ペートゥルが、色々やらかすのかと思ったら、兄嫁狙いくらいでアダとはいい関係。誰が父親なのかを明らかにしてラストかと思っていたら、まさかの!?
それにしても、この映画に出ていた、羊、ワンコ、ネコ、馬達、ちゃんと演技してたよね。表情見てるのが楽しかったです。でもストーリー的には伏線無回収で、疑問点はすべて謎のまま終了。終わった瞬間、ウソッ!て声が出ちゃった。
これぞ羊たちの沈黙、てか
リーアム・ニーソンの映画だったら、ここからスタート!てところで終わる。
(奪還!)
つまりエンタメ映画で分類すると何も始まらないまま終わった事になる。
この後どうやって話を展開させるか、映画学校の宿題にもってこいですね!
羊たち、犬、動物の表情があんだけ深淵で豊かなのに、
CGがスカスカで驚きを隠し切れませんでした。大減点!
んでこの格好って、つまりキリスト教が言うところの悪魔の姿をしていると言う事??
タロットの悪魔のカードもこんな感じだったような。
そして悪魔崇拝といえばイルミナティ
悪魔ちゃんの復讐(キリスト世界への)て事でよろしいですか?
深読みですね、だってそんな信心深い描写もなかったし。
じゃ、こんな山間部もイルミナティ支配しました!
て言う、めっちゃコスパの悪いデストロンの世界征服計画的な?
うーん、色々と思いを巡らす映画ではあります。
だって余白だらけなんだもん!
とりあえず家で見てたら倍速!
違和感を否定し、幸せを手に入れようとすることの不自然
予告編にネタバレ要素つめちゃった感じだけど、最後は予想できなかった。
家族と羊しかいない、アイスランドの静かで厳しい自然の中の全編にわたる不気味な雰囲気は素晴らしかった。
アダちゃんの登場は予想できていたのに、初めて全身が映るシーンはギョッとしてしまった。なかなか見せなくてうまいなあ。
ラストのマリアは不思議とスッキリしているように見えた。
アダちゃんは笑えもするし不気味でもあるしかわいくもある。
ある意味子供とはみんなそうなのか?
サッカーではなくハンドボール?
ほとんど外部の世界が描かれない中でああいうシーンにはホッとする。
実は一番共感できるのはクズかもしれない弟なのかもしれない。
アイスランド行きたい。
遠いけど言語難しいけど行きたい。
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