シチリアを征服したクマ王国の物語

劇場公開日:

シチリアを征服したクマ王国の物語

解説

イタリアの作家ディーノ・ブッツァーティが1945年に発表した名作児童文学「シチリアを征服したクマ王国の物語」を映像化したフランス・イタリア合作によるアニメーション映画。遥か昔。クマたちは頂が氷で閉ざされた高い山で静かに暮らしていた。ところがある日、クマの王レオンスの息子トニオがハンターに捕えられてしまう。レオンス王は我が子を救うためクマたちを引き連れて山を降り、人間が住む平地を目指す。彼らの行く手には残忍な大公や化け猫、人喰い鬼、幽霊、魔法使いなど、数々の難敵が待ち受けていた。監督は、「ザ・ニューヨーカー」などの雑誌イラストやカンヌ国際映画祭のポスターイラストで知られるイラストレーターのロレンツォ・マトッティ。「レッドタートル ある島の物語」のプリマ・リネア・プロダクションズがアニメーション制作を担当。

2019年製作/82分/フランス・イタリア合作
原題:La fameuse invasion des ours en Sicile
配給:ミラクルヴォイス
劇場公開日:2022年1月14日

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(C)2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - INDIGO FILM

映画レビュー

4.5世界の歴史はこうなっている

2022年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

世界とはこうなっているという、大変に的確な寓話。人間とクマが争っているシチリア。人間の国王は、独裁で人々を従えており、息子を助けたいだけのクマを暴力的に対応する。そんな人間たちにクマたちは知略を用いて戦を挑み、息子を奪還、さらに人々を圧政から解放する。シチリアは、クマが支配する国となる。
しかし、クマもまた権力を得ると、腐敗し、欲望にまみれていく。どんな正義の勢力も権力に吞まれるとおかしくなってしまう、善良だったクマでさえも。
世界の歴史は往々にしてそういうものだった。映画は、それに加えて若い世代の希望を描いている。クマと少女の絆を通して、それでも分かり合う努力は大切だと伝える。
この作品は、児童文学を原作した子供向けアニメーションと言っていいが、子ども騙しではない。世界がこうなっているんだということを、分かりやすく深く伝えている。本当の考え抜かれた子供向け作品は、大人の心すら撃ち抜けるという最良の見本だ。

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杉本穂高

5.0いわゆる外国アニメ枠祭りで見た作品。結構よいかなというところ。

2023年8月12日
PCから投稿

今年275本目(合計925本目/今月(2023年8月度)14本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。

 イタリア、フランス系のアニメを集めた「アニメ祭り」の中で見に行きました。実はこの作品、見逃してしまったのですよね…。そして映画館によっては「何回見ても日ごとの料金しかない」(1本でも3本でも同じ)というところもあるんですね…。こういった事情なので吹き替え版か字幕版かという選択権がなく、吹き替え版でした。

 内容としてはどうなんだろう…。クマにせよ、動物と人間の共存というのが一つのテーマにあり、それが全体に流れているような気がします(ほかにもストーリーはありますが、この点をメインにしたかったのだろうと思われます)。

 特筆すべきは映画のアニメとしての色使いの素敵さで、「マイエレメント」や「フランスの3つの物語」(名前忘れた…。トルコの揚げパンがどうだのというミニストーリーが3つでるお話)等に通じるところがあります。逆にいえば日本の一般的なアニメの色使いとは明らかに異なるので好き嫌いは分かれるところはありましょうが、それはもうこれだけ時期が立っていれば色々なサイトで評価もあれば、今でも予告編等見ることができるので、事前にこういった点は確認できるのは良かったです。

 惜しむべきはパンフ等が何もなかった点ですが、これも正規の公開日からだいぶ遅れていて、そもそも「フランス・イタリア等のアニメ祭り」の一環で復刻上映されたにすぎず、それらの各作品にまた公式パンフだの何だのということを求めるほうが(大手の映画館ならともかくも、ミニシアターには)無理なので、そこは減点なしにしています。

 今ではどうもVOD落ちしているようですが、映画館で見ても十分楽しめる作品だろうといったところです。

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yukispica

3.5北欧?欧州っぽいアニメーション

2022年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

腹が減って山を下りてきたクマと人が団結して大団円、というのが前半で、彼らを指導する立場にたったクマ(レオンス王)は「蜜の時代」と呼ばれる人とクマが永遠に栄えると思われた時代を過ごした。ところが後半は、とある盗難事件の犯人捜しで「クマは盗まない」と人だけを調べたことをきっかけにして、人とクマの調和はみるみる崩れていく・・。

北欧?欧州っぽいアニメーション
色の対比で示される四季の描写はみごとなものでした。

以下は印象的だったセリフたちですが、ややストーリーがねたばれしてるかもしれないので、気になる人は観てから読んでください。
「山の生活の方が単純だった」と語る苦しみの中のレオンス王
「王子ならmになの手本となれ」と強要し。とうとう息子を牢獄に入れてしまうレオンス王。
「王は息子が嫌いなの?」「・・・愛しすぎていたのかもな」

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CB

3.0鑑賞動機:ディーノ・ブッツァーティ10割

2022年5月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

原作未読。『待っていたのは : 短編集』を読んで、かなりダメージを受けたので、このテイスト(あれとかほぼ日野日出志ホラー)だったらどうしようと、おっかなびっくり鑑賞。
てっきりイタリア語かと思っていたら、フランス語のようで。アルメリーナの声(レイラ・ベクティ)を聞くと、吹替伊藤沙莉は容易に想像できた。いい声。
前半は児童文学で想定される範囲、後半はもっと大人向けにシフトした感じ。

で、熊爺は何と言ったのか。

jig theaterにて。

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なお
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