土を喰らう十二ヵ月

劇場公開日:

土を喰らう十二ヵ月

解説

沢田研二が主演を務め、作家・水上勉の料理エッセイ「土を喰う日々 わが精進十二カ月」を原案に描いた人間ドラマ。「ナビィの恋」の中江裕司が監督・脚本を手がけ、原作の豊かな世界観に着想を得てオリジナルの物語を紡ぎ出す。

長野の人里離れた山荘で1人で暮らす作家のツトム。山で採れた実やキノコ、畑で育てた野菜などを料理して、四季の移り変わりを実感しながら執筆する日々を過ごしている。そんな彼のもとには時折、担当編集者である歳の離れた恋人・真知子が東京から訪ねてくる。2人にとって、旬の食材を料理して一緒に食べるのは格別な時間だ。悠々自適な暮らしを送るツトムだったが、13年前に他界した妻の遺骨を墓に納めることができずにいた。

ツトムの恋人・真知子役に松たか子。料理研究家の土井善晴が、劇中に登場する料理の数々を手がけた。

2022年製作/111分/G/日本
配給:日活
劇場公開日:2022年11月11日

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(C)2022「土を喰らう十二ヵ月」製作委員会

映画レビュー

4.0季節の移り変わり、日本の風景を描いた

2024年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

風だが

思ったより人間くさい、人間ドラマでした。

食も自然も美しい。

死とは生きるとは

面白い映画でした。

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ボタもち

3.5あるがままの死

2024年7月16日
Androidアプリから投稿

どうりで編集者役の松たか子が「ツトムさん、ツトムさん」と作家役の沢田研二をなれなれしく呼ぶと思ったら、この映画ベストセラー作家水上勉の『土を喰らう日々』が原作だったのである。同作家原作、川島雄三監督の怪作『雁の寺』を以前拝見した時に、水上が幼き頃口減らしのため寺の小僧に出されトラウマをかかえさせられた事実を知っていた私。本作は、水上がその寺を13才で脱走するまでに、厳しい和尚さんから学んだ四季折々の精進料理をもてなす様子が、ツトムんの死生観とともに語られる禅問答なのである。

水上は軽井沢で原作小説を認めたというが、心筋梗塞を患い移住した長野の小村が映画の舞台となっている。奥さんを亡くして13年、未だに自宅に遺骨を置いているツトムさんには、マチコさん(松たか子)という担当編集者兼恋人がいる。蕨に筍、紫蘇と梅干し、ほんれん草や大根、なすにキュウリ。自宅の畑や近くの森林から収穫した食材を、沢田研二に吹き替えなしで調理させているらしい。その料理監修は土井善晴が担当している。

中江裕司監督が土井に監修をお願いしにいった時「どの程度本気なんですか?」と逆に突っ込まれ、なかなか監修を引き受けてもらえなかったのだとか。どうせだったら、半分タレントのような仕事をしている土井をカメオ出演させるぐらいの“遊び”があってもよかったと思うのだが、とってもマジな土井先生「料理は器が命」とばかりに入れ物にも相当こだわったそうなのだ。そのせいかツトムさんの作る素朴な素人精進料理と豪華な器の組み合わせが、かなりアンバランスに見えてしまうである。

肝心の沢田研二の料理の腕前は、シロさんには遠く及ばず、見た目にも普段やってない観丸だしだった。が、食い専門のマチコを演じた松たか子はあえてその料理の腕前を封印したそうなのである。まあ実際作家先生の腕前も、ちょい役で登場している檀ふみのお父さんに比べれば月とすっぽん、沢田研二と大差はなかったのかもしれない。時折小説に書かれているであろう文言を、沢田自らが読み上げる禅問答が、むしろこの映画の白眉といえるだろう。

「あるがままの死がわからぬゆえ、一度死んでみることにした」それは恋人マチコさんとの別離によるボッチ生活であり、一人で生まれ一人で死ぬ人間本来の姿にたち戻る、ということだったのではないだろうか。「身体を動かせば腹が減り、腹が減れば飯が美味しい」こんな単純な生活習慣が、今の日本人からすっかり失われてしまっている現状をご覧になったら水上勉はどう思ったことだろう。完全自給自足とはいわないまでも、せめて外食やコンビニ弁当は週半分にして、残り半分自炊で旬の“土”を味わいたいものである。

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かなり悪いオヤジ

4.0お料理映画なので

2024年6月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:その他
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和江

5.0素朴で素敵な暮らしです

2024年3月13日
Androidアプリから投稿

私は施設で働いているのだが、ほぼ寝たきりの老女がいる。壁には若かりし頃のジュリーの写真が貼ってある。

老女のケアをする時はジュリーの話を振る。映画好きの私「いま彼の映画やってるんですよ」老女「見てきて」

…老女の楽しみの為に、まぁ私も興味はあったから早速映画館へ。

こんな生活力のある男性素敵じゃないですか!土間・囲炉裏の設えられた古民家で彼女を手作りの料理でもてなす。滋養たっぷり!&酒。私にはインスタレーションアートです。どんな旅館より最高ー。

ジュリーのどアップ数秒間は凄みがあった。これを見て何を思えば良いのだろう…と思いながらも目をそらさず。壁の写真と違いすぎる。…成長したのだなぁ!

後日、映画を大絶賛して老女に伝えた。ジュリーがとっても素敵だとも。彼女の目はキラキラ輝き、私は映画を見て良かったなぁ、とホッとしたのだ。

コメントする 4件)
共感した! 10件)
れい