土を喰らう十二ヵ月
劇場公開日:2022年11月11日
解説
沢田研二が主演を務め、作家・水上勉の料理エッセイ「土を喰う日々 わが精進十二カ月」を原案に描いた人間ドラマ。「ナビィの恋」の中江裕司が監督・脚本を手がけ、原作の豊かな世界観に着想を得てオリジナルの物語を紡ぎ出す。
長野の人里離れた山荘で1人で暮らす作家のツトム。山で採れた実やキノコ、畑で育てた野菜などを料理して、四季の移り変わりを実感しながら執筆する日々を過ごしている。そんな彼のもとには時折、担当編集者である歳の離れた恋人・真知子が東京から訪ねてくる。2人にとって、旬の食材を料理して一緒に食べるのは格別な時間だ。悠々自適な暮らしを送るツトムだったが、13年前に他界した妻の遺骨を墓に納めることができずにいた。
ツトムの恋人・真知子役に松たか子。料理研究家の土井善晴が、劇中に登場する料理の数々を手がけた。
2022年製作/111分/G/日本
配給:日活
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2023年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
折々の信州の食と季節。
信州の白馬の古民家に棲む小説家のツトム。
独居老人で小説家。
幼い日に口減らしで禅寺に修行に出される。
寺で過ごした9歳からの4年間。
作らされ食べさせられた精進料理。
その思い出の料理と共に過ぎて行く十二ヶ月の、
食と季節と生活を追った映画です。
「リトル・フォレスト夏・秋」
「リトル・フォレスト冬・春」
に、似た雰囲気の映画でした。
「リトル・フォレスト」は若い女の子の一人暮らし。
こちらは老人で、
食べるのは肉も魚も卵さえ御法度の精進料理。
土からの恵み・・・土から採れた食べ物が殆どです。
それが、どうして、どうして、すこぶるに美味しそう!!
一番食べたかったのが、採れたての筍(タケノコ)でしたね。
二番目が皮が薄く付いた小芋(里芋みたいな)を火で焼いたのもの。
うまそうでした。
だけど、どうして山菜とか「天ぷら」にしないんだろう?
漬け物と梅干しばかりでは塩分過多。
胡桃を刻んですって胡桃あえとかすれば、
もう少し栄養価が上がりそうです。
それにしても編集者で時々現れる真知子さん(松たか子)。
彼女の食べっぷりは豪快でした。
本当に美味しそうに食べます。
我が家は車で20分も走れば松茸山があります。
頭をちょこっと出したのを手で掘り出します。
本当に土を払ってから軽く水拭きして調理します。
土からの恵みそのものです。
去年は10年振りの多さだった。
何キロも採れた。
料理法は数えきれない。
精進料理とは?
魚や動物の肉を食べない。
殺生をしないことを特色とする。
野菜・米・麦・蕎麦・豆、豆腐。
そして果物🍎🍊や、せいぜい、
胡麻や木の実くらいなんでしょうね。
信州の白馬での生活にも、割と馴染みがある。
違和感はない。
ツトムの13年前に亡くなった妻・八重子さんの母親チエさん。
(23年3月にお亡くなった奈良岡朋子さんが出演されてました)
びっくり!!
遺作になりましたね。
チエさんのお葬式の【通夜振る舞い】のお料理。
見事でした。
素晴らしく美味しそうで、心がこもっていましたね。
気ままな山暮らし。
アクシデントもあった。
そしてひとりを選ぶツトム。
寒さが厳しい。孤独・・・
(孤独死さえ浮かぶ)
でも季節を感じて、
ひとり老いるのもまた、
潔し。
季節の移ろいと食を描く中で、
自分というものが、
くっきりと浮かんでくる映画でした。
2023年5月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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原作は未読だが、どうも水上勉のエッセイを基にドラマを監督が執筆したようである
水上勉の小説は一冊も読んだ事はないが、何故か名前は知っている 何でだろうと思い出すと、どうも講演を沢山開いていたらしいので、その宣伝のポスターをやたら目にしていたことが原因だろうという結論に
自分が学生の頃の有名な作家達は、色々と地方の辺鄙なところに移住し、そこでの執筆活動をするというのも、或る意味ステイタスだったのだろう 勿論、静かなところで構想を練るのも大事な事だが、今作のように信州の山奥まで引っ込むと、そもそも生活していくだけでしんどいのに、その後の作家活動なんて、かなりのバイタリティがなければやっていけない 野良仕事なんてのはそれ程重労働なのだ 勿論、今のように機械化されているものもないのだから、自分だったらと思うとご免被る そしてそんな重労働の末に獲得した野菜や山菜を、これ又、畜生の肉が一切無い精進料理として、自然の味付けでのみ調理していくというシンプル且つ、骨の折れる、身を切るような手作業で作り上げる 劇中何度もシーンとして印象付けられる、野菜を洗うシーンでは、手指の感覚が無くなるんじゃないかと思う程、キンキンに冷えた水作業に、自分は手荒れが酷いから直ぐ諦めてしまうと、又自己嫌悪である そう、今作品、禅宗の教えがベースだから絶対に折れない諦めない心を日々の生活に賭して生きているのである
というと、あくまで映画だし、フィクションだから、実際はお湯使っているんでしょ?って勝手に自分を慰めながら観賞している自分は、今作品の真逆の生活を惰性で生きているから、本当に情けない限りだ 折角、東京からわざわざ逢いに来る編集者兼恋人の若い女性であっても、愛情はあるが、しかし自分勝手に振り回す 勿論、後半のテーマが"死"だけに、主人公が愛する人に先立たれた経験則から、自分のような気持にさせたくないという優しさ故かもしれない 毎日寝る前に、「皆さん、さようなら」と、念仏のように唱えて入眠するという、哲学的思考も、毎日、酒の力を借りなければ眠りの尻尾が見えない自分には、なんて穏やかで羨ましい習慣だろうと羨望する
世俗の中でも、主人公の様に芯を持った人は、その生活態度を凛として軽やかに過ごしているだろうし、自分のような惰性で生きてる人間は欲を貪りながらも、死を闇雲に怖がり、自らピリオドを打つことに躊躇する
修行は辛い、でも死にたくないなぞ、なんて恥ずかしい人間なのかと、自らの浅ましさに反吐が出る、そんな自分への説教映画であった(泣
初見。
もういいかな、これ系は。
田舎に静かに一人、
四季が流れて山菜を食べて、
死生観の描写アリ系は。
この二人だから何とか見ていられる系。
退屈な程尤もらしい系。
要するに全然面白くない。
まあ美味しそうだけれども。
2023年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
田舎で山菜などをとってのんびり暮らす人の話。
料理や食事のシーン多め。訪れ人を変えたり、ギャグを入れるなど飽きないように要素が混ぜられているようにも思われる。哲学よりな部分もあり。
良い点
・美味しそう
・ユニークな人々
・失敗した料理は犬が喰らう
・業者任せにしてボッタくられる
悪い点
・終盤少し元気すぎる
・終盤がやや単調。ギャグがもっと多くてもよい