パーフェクト・ケア

劇場公開日:

パーフェクト・ケア

解説

「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクが主演し、第78回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞したクライムサスペンスコメディ。法定後見人のマーラの仕事はは、判断力の衰えた高齢者を守り、ケアすること。多くの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラだが、実は裏で医師や介護施設と結託して高齢者たちから資産を搾り取るという、悪徳後見人だった。パートナーのフランとともに順調にビジネスを進めるマーラだったが、新たに資産家の老女ジェニファーに狙いを定めたことから、歯車が狂い始める。身寄りのない孤独な老人だと思われたジェニファーの背後には、なぜかロシアンマフィアの存在があり、マーラは窮地に立たされるが……。監督は「アリス・クリードの失踪」のJ・ブレイクソン。共演に「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジ、「ベイビー・ドライバー」のエイザ・ゴンザレス。

2020年製作/118分/G/アメリカ
原題または英題:I Care a Lot
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2021年12月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第78回 ゴールデングローブ賞(2021年)

受賞

最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ロザムンド・パイク
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(C)2020, BBP I Care A Lot, LLC. All rights reserved.

映画レビュー

4.0後見人描写のリアリティと全員悪人のエンタメ感

2021年12月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 19件)
ニコ

4.0ロザムンド・パイクが『ゴーン・ガール』並みにキレまくる

2021年12月7日
PCから投稿

楽しい

興奮

判断能力が不十分と診断された老人たちの法廷後見人となって、財産を良いように管理するヒロイン、マーラの正体は悪徳後見人。この法律の網の目を潜ったようなキャラ設定が、まず新鮮。そして、物語の前半まではマーラの手慣れた悪行がうまく進むものの、ある時、いつもの手口で管理しようとした老女に意外な背景があることが分かってからの後半は、マーラと双璧をなす悪者との攻防で楽しませる。このあたり、犯罪映画のルーティンが小気味よく決まっている。

話をパワフルに牽引していくのは不敵な面構えが妙に板につくロザムンド・パイク。頭脳明晰で、自分の中に絶対に譲れない境界線があり、それを死守するためなら何だってやるというキャラクターは、勿論、『ゴーン・ガール』で培ったものだ。何が起きても表情一つ崩さない演技は、気がつくと彼女の独壇場である。

マーラが絶体絶命の危機をいかに切り抜けていくか?という第4幕まではいいとして、その後の幕切れは若干凡庸にも思えるが、それでも犯罪&悪女ものとして存分に楽しめた。

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清藤秀人

4.0今後の高齢化社会に警告を鳴らすクライム・サスペンス・コメディ映画。ゴールデングローブ賞主演女優賞も納得。

2021年12月4日
PCから投稿

新型コロナの問題で影が薄くなっていますが世界一の高齢化大国・日本において「認知症」などの問題は、これからますます顕在化していくものとしてあります。
「認知機能の低下」によって財産の管理ができなくなり、悪徳な業者が跋扈するリスクも高いのです。
国の社会保障制度などにより仕組みも変わるもので、医療を受けるのもお金次第のアメリカでは、まさに本作のような「法定後見人」の制度を使ってやりたい放題できる環境にあるとも言えます。(実際に「アメリカでのニュース」から着想を得て、この映画が生まれています)
個人的には日本では民間よりも行政が対応した方が良さそうな気はしますが、これは各国の政治マターで決まるのです。
さて、本作は、何といっても第78回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(コメディ・ミュージカル部門)を受賞したロザムンド・パイクの2面性が見どころの一つでしょう。「ゴーン・ガール」でもそうでしたが、もはや「そういうキャラクター」にしか見えない演技力があります。
そして、映画の題材のリアリティーも含め、展開がとにかく面白い!
年代を問わず誰もが関係のある高齢期の社会問題を考えるのにも適した作品です。

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細野真宏

4.0この突き抜けたロザムンド・パイクは見もの。

2021年11月29日
PCから投稿

J.ブレイクソンという名を聞いてハッとした。かつて「アリス・クリードの失踪」という作品で、極度に制限された物語空間を自由自在に泳ぎ回るミステリーの筆致に心酔した記憶があったからだ。本作も序盤からなかなかぶっ飛んだ切り口で、とにかく主演のロザムンド・パイクが突っ走る。この見る者に寸分も親近感と共感を与えないキャラクターの悪行ぶりはピカレスクとでも呼びたくなるほどだが、やがて彼女が自業自得のピンチに陥っていく様に「それ見たことか!」という感情が吹き出し、それでも彼女が歯を食いしばろうとする様に、また別の不可思議な感情が湧き出してくる。いかに世の中を出し抜けるか。その一点にのみ全てを注ぎ込み、もはや恐れるものを知らないヒロインの度胸が圧倒的なのだ。共演陣も実に多彩で、抑え気味ではあるが、要所要所で優れた味わいを放つ。全体を彩る陽光に満ちたカラートーンといい、ブレイクソンらしい仕掛けの多い一作だ。

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牛津厚信

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