ある男のレビュー・感想・評価
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見応えのある作品
2018年9月に刊行された平野啓一郎さんの同名小説を原作とする映画。原作は2019年4月に読了済み。
わりとわかりにくい作家さんだが、最近の作品はエンタメ寄りに振れていてだいぶ読みやすくなったと思う。本作は『マチネの終わりに』の次に刊行された作品で、テーマはずばり“愛”だ。
シングルマザーの里枝が再婚した男は誰だったのか。事故で亡くなった元夫の過去を知りたいと願う彼女は、弁護士に調査を依頼するが……。
自分とは何か。人が人を愛することに過去は関係あるのか。そうした疑問の投げかけに、ぼくは答えることができない。
安藤サクラさんが抜群にうまい。冒頭のシーンだけで心を鷲掴みにされた。
コレ主演は・・・窪田くんやね!
金曜レイトショー『ある男』
予告観た時に何何!?!?って思って気になってた作品
再婚して幸せの矢先に不慮の事故で夫が急死
弔問に来て遺影を見た実兄がコレ弟ではない!から物語は進みますが・・・・
そこまでの40分くらい主演の妻夫木さんは出てこない展開
安藤サクラと窪田正孝の2人でドラマを成立させる安定感+次から次に出てくる役者さんも豪華です。
戸籍を売り買いする仲介役の柄本明さんの怪演は流石です!
主演俳優の妻夫木さんより、窪田さんの方が役作りも含めて主演って感じでした。
ラストのバーカウンターでのやり取りが意味深。。。^^;;;
おもしろかった
前半の静かな時間と後半の怒涛の展開との対比がすごい。予告編ではここまでは想像していなかった。
誰もが持つバックグラウンド。そこに選択はない。自分の人生のスタート地点が違っていたのなら、なんてしょっちゅうに思っていたりもする。珍しくもないのかもしれない。人は静かに時を過ごしながら、その下の方でぐるんぐるんに渦巻いているものを見ないようにしているのかもしれない。だって、「イケメン先生の目は節穴」だから。
ずーんっと伝わってきた
原作既読です。
原作が良かっただけに、映画にも興味津々だった一方で、原作既読であるが故にがっかりさせられた映画も多かったので、迷いつつも結局鑑賞。
で、結論は、観て良かった!
平野啓一郎氏の小説は高尚過ぎて凡人の私には読みにくい部分も多々ありますが、そんなハードルの高さを映像化することで取り払う一方で、原作のエッセンスを見事に表現されてました。
出自や国籍、肩書、経歴等、決して本質ではないところで人は人を判断する。
そこに何の意味があるのか?
まともな人であれば、そんなの何の意味もないと簡単に答えるだろう。
でも、自分の結婚相手の出自が実は偽物であったなら…。
名前など単なる識別記号でしかない。
それまでの人生など関係ない。
その人を好きになり、だからその人と家庭を持ち、そして幸せに過ごした。
それでいいじゃないですか、それ以上気にしても意味なんかないですよ…とはなかなかいかない人間の性。
ただ、終わってみれば、やっぱり大した問題ではなかったということに気づく…。
作中には様々な差別発言が登場するが、こういう人達、現実の世界に実はたくさんいる。
で、そういう人達がこの映画を観た時に、どんな風に感じるのだろう?と、聞いてみたくなった。
キャストは実力派揃いで、それぞれの演技も素晴らしかった。
迷っている方には、是非鑑賞するのをお勧めします。
事実とは何か?本当に必要なのか?
隠したい過去がある。どうしても消したい過去がある。悪いヤツに金を払ってでも、社会的に生まれ変わりたい。他人の過去に基づいて生きる。その選択が縁あった人を幸せにし、自分も人生で初めての幸福感に浸った。偽りの過去から生まれた幸せは偽物なのか。真相を知ることの必要性は、その時、今となっては虚構とも言える、あの幸福感と引き換えにできるほど価値のあるものなのか?妻夫木聡の演技がとてもクールで原作の主人公を上回るリアリティーを現している。安藤サクラの演技は圧巻です。そうか…こう涙が溢れるのか…。我々の想像力はかなり貧困です。過去を思い出して泣くとき…こんなにも唐突に涙が溢れるのです。原作者の思いを監督と脚本家が見事に映像化したこの作品は、キャストの感性が全面に溢れる優れた作品ですぞ😭
さくらが一番苦労した。
なんだかんだで安藤さくらが一番苦労している。そして男どもより強い。子供も辛い思いをしながら逞しく生きていけそう。いやそう願いたい。差別問題などのテーマも絡んでやや?もあるが私はストーリーに引き込まれた。満足です。
差別と過去に立ち向かう
演技力が高い3人をメインに描かれる、それぞれの過去や差別の中生きていく葛藤が描かれており考えさせられる映画内容でした!
妻夫木氏の妻役で真木ようこ氏が出演しており驚きました!柄本さんの配役も良かったです。
しっかりした作品
安藤サクラ中心の話かと思ってましたが
妻夫木聡演じる城戸の話でしたか。
自分の出自や、逃れられない血
それにどう向き合い、生きていくのか……
それぞれに思い、悩み、苦しむ
それでも、幸せと感じる瞬間はあるはず。
私は、私で良かったと、この映画で再確認w
出演者皆巧みなので、安定感があり、しっかりとした作りになってました。
演出と役者の力で圧倒された
出自・家系、血、民族、過去、自分自身というドロドロ系ミステリー。
『蜜蜂と遠雷』でも見せた、過度に説明せず、淡々と事象を積み上げる石川慶監督の演出技法に感嘆。
役者の力も加わって、圧倒されました。
私は人生で、何回、柄本明に驚かされればいいのであろうか?
僕がはなちゃんに話す!
冒頭の安藤さくらの泣きの演技でもう引き込まれる…泣きながら文房具の整理…ほんとうに震えた。
Xを探っていくにつけ、自分の逃れられない、変えようができないものが浮き彫りになっていき、そしてあのラストに繋がっていく。三者の静かな演技に魅せられ、染み入る作品だった。ラストに少し盛り込みすぎずシンプルの方が良かったなーにしても、柄本明働きすぎちゃう(๑˃̵ᴗ˂̵)
あまり刺さりませんでした
期待が大きかっただけに残念です。ヒューマンミステリー?なので私の好きなジャンルだと思って観に行きましたが、窪田くん以外描かれ方が薄いような…。全体的には悠人くんの演技に感動したくらいかな。
究極のアイデンティティ
これは他人の人生を辿りつつ、自分探しをする男の物語だと解釈しました。よく「自分探し」とは云いますが、結局よく解らず終わりそうなもんです。だって、もともと何もないんですから。何もないところから生きる意味を見つけたり紡いだりするもんじゃないのでしょうか。
主人公「城戸」は在日であることにコンプレックスのようなものを抱き、形式的な幸福を手に入れているように見える。しかし、偽「谷口」(←曾根崎←原)の正体を突き止める過程で自分が本当はどう生きていきたいか薄々気付き、嫁の不倫LINEを偶然見てしまうことで、自分も自分を偽りながら生きていたのではないかという事実を突き付けられてしまう。偽「谷口」は「谷口」になることで短いながらも穏やかで充実した人生が全うできた。本当の「谷口」は「曾根崎」になり一度は人生をリニューアルするものの、恋人が会いに来ることでどうしていくのだろうか…まだ旅の途中である。
「誰」が「何者」であるかという定義付けは主観と客観いずれも正しいものである。自分で感じたもの、他人が感じたもの、全てはどれも紛れのない事実なのだから。
重い…ただただ重い
ミステリー要素より、人権問題的な要素が表に出すぎている雰囲気でした。
重い人生談、の後また別の重い人生談…
謎が少しづつ明かされるミステリー、と言うよりは次々と登場人物の重い人生が明かされるといった状態に、多少滅入りました。
劇中BGMが少なく、無音でただ話が進み続ける展開も、映画として少し寂しく感じました。
重厚で見応えのある作品
予告編を見て期待していなかっただけに、いい意味で裏切られました。単に一人の男の過去の謎を解くだけの話ではなくて、登場人物それぞれの生き様や心持ちが丁寧に描かれ、重厚で見応えのある作品でした。出演者がいい役者さん揃いということもあると思います。ストーリー展開もスピーディー。他方で結末の余韻もたっぷりです。コロナ感染拡大中のせいか、映画館がガラガラなのはもったいない気がしました。いろいろ考えさせられる作品でした。
ん?そっち
内容的には、もっと激しい?どろどろ?とした感じ
になる話だと、勝手に思っていました
以外とサスペンスではない…
でも、奥深い
納得出来るような、出来ないような
それぞれの人生に、それぞれの理由があって
生き方がある
最後まで、気になっていた、息子が
幸せになっているといいなぁ…
勘違いしていたのか?
最後は、ん?そっち人生だったの…?
て、感じでした
期待しすぎました
つまらなくはないのですが
爽快な感じでもなく
淡々と物語は進み、終わりました
主人公のある男?
弁護士の生い立ちや家庭
過去の事件を話してくれる囚人
興味あることが多すぎて
本を読むとわかることが多いのかもしれませんが
映画の限られた時間では
もう少し登場人物の背景まで知りたいと思いました
深い、沼です。
重厚な音楽の中、少しずつ真実にちかづいていく過程を丁寧に描くのが、流石は、直木賞の作品ですね。
幸福な家庭って、どういうモノなんだろう?っていう問いかけに。正しい答えふ、無いのでしょうね。
私とは何者なのか‼️❓極限の果てに見るものは❓‼️
原作では、弁護士の配分が多く、ある男と五分五分くらい、のようですが、映画ではほぼある男。
戸籍ロンダリングですが、如何にして、よりも、なんのために、です。
ある男は、ある意味わかりやすい、加害者遺族が生い立ちの負から逃れるため、人間性が素晴らしい、のに、とゆうことで。
ただ、あれほどクリソツなら、死にたくなるだろう、でも、子供ができてから鏡の呪いは逃れたのかな。
ある男はシンプルなので、実は、興味のほとんどはイケメン韓国人3世弁護士にある。
人種差別に激昂し、妻や子、姑との距離感がとても不安定で、これぞミステリーなんて思う。
ロンダリング囚人との会話と最後のバーの話はリンクしてるのだろうか。
ならば、バーのでの子の話は上は今の妻との子で、下の子は、妻を成敗した後の、ロンダリング後の子とゆうことか、なら、弁護士でありながら性格が不安定な理由もわかる。
想像を掻き立てるミステリー、是非。
ただ、差別問題としては、やや、時事的に、不釣り合いな気がします。
平野啓一郎の最新分人主義を知るために、どうぞ。
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