余命10年のレビュー・感想・評価
全327件中、81~100件目を表示
冷静に死と向き合った10年間。
茉莉(まつり)がボソッとつぶやく。
「どっちが不幸なんだか?」
それは自分より家族の方が辛いんじゃないのか・・・
との思いやり。
この映画は難病もののジャンルに入る映画だが、
主人公は冷静にして知的。
「こんな夜更けにバナナかよ」などとは対極にある映画です。
(けれど、バナナ・・・の主人公の、本音全開で生きる鹿野さんの方が、
(私には共感できるし、映画としてドラマティックだ)
多分、監督(藤木道人)や脚本(岡田惠和、渡邊真子)の美意識や嗜好が
洗練の度合いが色濃いのだと思います。
それにしても藤井道人監督。
遂にメジャー大作ですか?
一年間の準備と撮影期間と潤沢な製作費をかけられて、
多くの観客動員をして大ヒットを記録して、
多くの人の共感と涙を誘ったそうです。
素直におめでとうございます。
でもしかし《私は泣けませんでした》
エピソードがどれもこれも平凡です。
多分、私個人が映画に求めている要素が欠けているから。
思いっきりドラマティックで、想像を超えた意外性とかを
映画に求めている。
等身大の映画、とかはあんまり。
苦手ですね。
「いま、会いにゆきます」ならすごく泣けた。
この「余命10年」は、
多くの知性が知恵を寄せ合って、観客を「涙と感動」へ誘おう・・
と、意図して作られています。
美しく演技力の優れた出演者。
美しい映像。
RADWINPSの情感に訴える楽曲。
感動要素満載なのですが、観客の2割は私のような部外者。
現実世界では、もっともっと不幸な死が溢れている。
虐待に遭い食事も与えられず痛ぶられて死んだ子。
小児がんで学校にも行けず、ただただ苦痛だけの短い生涯。
癌で幼い子供を残して亡くなる若い母親。
余命10年。
長いんだか?短いんだか?
そう言い放つ茉莉の冷静な視点は、良かったと思います。
予想を上回った...
難病で命を失う女性と恋人、夫の物語ってお涙頂戴のありきたり設定だろうと思って見るといい意味で予想を裏切られました。
どんな話って聞かれると先に書いたとおりですが、何より俳優陣の演技が素晴らしい。それは主役に限らずセリフの少ない脇役についても同じで俳優の力量を見せつけられた感じ。
小松菜奈のあの涙の流し方、演技には特に心射抜かれました。
否、お涙頂戴‼️
率直に、涙を誘う為だけに作られた映画では無い。
そう思いました。
実話を元にしたと言うこともあってか、
ご本人を大切にされていること、
原作が愛されていること、
風景や情景の細かいところに気を遣っていること、
などなど製作陣の想いもきちんと伝わります。
ただ、それだけが独り歩きしているわけでもなく、
映像や音楽、役者陣のパワーが見事に
混じり合った、素敵な作品だと感じました。
数奇な運命だけが特別であり奇跡の塊なのではなく、
平凡と思いがちな何気ない人生だとしても、
奇跡の連続なのだと気付かせてくれる
とても魅力的な作品です。
個人的に、作品を見た後に
RADWIMPSの「うるうびと」のMVを見ると
果てしない感動が押し寄せます。
素晴らしい内容、音楽、演技に加えて
違う角度からのアプローチにも心が震えました!
ノンフィクションの強さ
まぁ映画としては良くあるストーリーだが、全米が泣いた(笑)的な過剰な煽りの無いところは好印象。派手なストーリーでなくても、ノンフィクションをベースにしているところが強い。飛躍しない等身大のストーリーを丁寧に紡いだ映画で、かなり完成度は高いと感じた。
やはり小松菜奈だな!!山田裕貴と奈緒も良い味出してましたね。
小松菜奈補正で星4.5個!
泣ける
泣ける。たくさん泣ける。小松さん(菜奈)、あらためて凄い。大女優だ。スクリーンに登場した途端に、光輝いている。好きな顔ってわけではないが、スクリーンで動いている小松さんに並ぶ者はいるのだろうか。広瀬さん(すず)も少し離したかのように感じる。(まあ、これは「流浪の月」を観てから語らねばいけないのだろうが)
観ている間は、治らない病気の話を映画にしてよいのだろうか、現在、肺動脈性肺高血圧症に罹患している患者さんにとって厳しくないのだろうか、と思った。ラストで「小坂流加さんに捧ぐ」とあったので少し調べた。原作者・小坂流加さんは、難病を抱え、自分が書いた小説の文庫版発行直前の2017年2月に逝去。「原作者の生きた証を残したい」という思いのもとに作り上げられた映画だったんですね。
1978年に生まれた静岡県三島市出身の小説家。だから舞台(実家)が三島市なのか、と隣町の清水町出身の俺は、あらためて親近感を感じる。源平川をロケ地に使ってるのも、全編通して清涼感あふれるこの映画にピッタリじゃないでしょうか。
2011年の病室と桜のシーンから始まり、余命とされている10年間を1年ずつ描いていく。映画は「光」だなあ、と思うのは、重苦しい雰囲気の前半、楽しい雰囲気の中盤、それぞれ光の感じが違い、俺の目から押し寄せる。
そしてぜひみんなにも観てほしいのは、悲しいというか病という理不尽なものに対する、どうしようもない思いの下での "涙"。小松さんの涙、姉を演じる黒木さん(華)の涙。後半にある二人の涙のすごさを、ぜひ見比べてください。
ああ、上手な監督が撮る、上手な俳優達が演じる作品は、楽しい。心の底から涙しました。
「後何回人生で桜を見れるだろう」
今年50本目。
いつも後何回人生で桜を見れるか考えます。1年で2回として50年で100回、100回しか見れないとなると1回がいかに奇跡かが分かります。後何回あの人に会えるだろう、後何回映画に行けるだろう。作品は内容が違いますがそう言う映画だと思います。
もどかしさがたまらない
確かに、余命10年と言われてどうするんだって感じ分かる
自由がきかない体で、終わりが見える体で生きていく
この映画は二人と周りの人たちの物語
主演の二人が良かったのは当たり前だが、リリーさんがいい味出してた
でも和人君、この後の人生、焼鳥屋だけで生きていくのかな?
病との向き合い方の葛藤がリアル。肝心な恋愛要素も◎
病気を患った当事者と周囲の人達の温度差やどう向き合えばいいのかという葛藤がリアルに感じられた。主人公の友達が軽薄に男を紹介するシーンを見てると、この人には病気の苦しみが理解できないんだなと気が遠くなる。一方でこの人の想像力は主人公とは違うベクトルに広がっているんだなとも思え、そう考えれば幸せな人なんだなと羨ましくも思えた。友達は離れた存在だから割り切れるけど、当事者に近い存在である家族にとっては悩ましい問題だなとつくづく思った。要所で挟まれる主人公の笑えない冗談や冷めた目も印象的。Yahooニュースには「私は重篤な病気に掛かっても前向きに生きてる!周りの人達に感謝!」的なキラキラした記事をよく見かけますが、実際には本作で描かれているような漠然とした諦めの感情からは逃げられないと思う。
…と、シニカルな感想に駆られる一方、肝心な恋愛の要素でグッとさせられた事実も忘れられません。毛色は違えど同じ絶望に対してより広い視野で向き合っている主人公の言葉にハッとさせられ、そんな彼女を信じて疑わない彼氏の純粋で誠実な心にはお涙頂戴の演出を通り越してヤられました。普段この手の映画には興味を示さないのですが観れてよかったです。
数年に1度の神作
「行かなかったら損するよ」って言う人は多いので俺はあえて「行った方が得するよ」って言う。
自分、実写映画なんて映画館までわざわざ行くことないし行ったことないんですよ。でも余命10年だけ初めて実写を映画館で観たし何回も行きました。
中々無いですよ、こんな映画。
ノーフィクションでありフィクションで実話では無いけど実話だと思ってしまうほどの作品。特に泣きシーンはリアルだった。あんな泣きシーンは見たことない
人の意見それぞれだけど、この映画の魅力を感じない人は勿体ないって感じしますね。本当に。
凄く良い日本映画🤟🥲
死の恐怖心を払い除けようと懸命に生きる女性👩🍼
とそんな女性を支えようと努力する男性👨🍼が紡ぐ物語を日本映画という形で描くこの作品に多くの日本人が共感するはず。sad movieをこよなく愛する日本人が日本人のため作られた映画に私も多くの方同様に冒頭からsobbingの連続でした。
封切りして2ヶ月の館内は超満員。
この映画が齎す感動が静かに日本に広がっている
ことを実感しました。
予告だけでも泣けそうなのにRADWIMPSの曲が拍車をかけます。良...
予告だけでも泣けそうなのにRADWIMPSの曲が拍車をかけます。良い映画に出会えました。
余命10年は長過ぎないか
もはや半世紀も前の名作『ある愛の詩 (Love Story)』を、ある意味で彷彿させます。
本作は、38歳で早逝した小坂流伽氏のベストセラーとなった自伝実話小説の映画化であり、封切り後2か月経ってもヒットしている作品です。
主人公の女性が不治の難病に罹患し、その最期までの日々を綴ったストーリーは、過去にもよく見られた一類型ですが、本作はその期間が10年間という非常に長いことがユニークといえるでしょう。
ただ期間が長いことは小説では話に膨らみと奥行きを加えられ読み応えあるボリューム感を導けますが、映画では如何にも冗長で、尺に間延び感がしてしまいます。主人公が派手で活動的ではないため、スジに抑揚があまりなく、特段のヤマ場がなく、見せ場も少ないままに、ラストがあまりにも予定調和の定型的エピローグで収束します。
ただ『ある愛の詩』も、50年前でも既に定型パターンの恋愛悲劇にも関わらず大ヒットしたように、たとえ結末が分かっていても泣かせてくれるドラマ、当事者たちが如何とも出来ない運命的別離に、観客は強烈に惹かれてしまいます。
そのために本作には随所に工夫が施されています。
BGMはピアノのソロのみで哀調を醸し出す一方、人間ドラマゆえに多くある会話シーンにはBGMを全く挿入せず、一言一言に重みを持たせ画面に緊迫感を与えます。
寄せカット、顔の大写しカットが、特に後半、悲愴感を盛り上げていく中で多く使われ、而も長回しが多いので、勢い観客を抒情的な気分にさせます。主人公と恋人二人のロッジ園庭シーンでの長回しはその典型で、非常に情感に満ちた名シーンでした。総じて、回想場面での短いカットをつないだシーンは、非常に美しく撮られていました。
『新聞記者』『宇宙でいちばんあかるい屋根』『ヤクザと家族 The Family』・・・、幅広く多様な引き出しを持つ藤井道人監督の、また新たなメニューを見せてもらいました。
運命という道を歩む
余命10年という、運命を生き抜いた女性の物語。
余命10年という時間は瞬く間に過ぎてしまいますが、
その時間を精一杯生き、前向きに立ち向かう主人公の姿が印象的でした。
そして、その姿が周りの人たちにも前を向く理由を与えてくれる。
勿論、苦しみや葛藤もある。
でも、今を向き合う事の大切さ、そして何より、「生きる事」の大切さ。
そんな事をこの作品は教えてくれているような気がしました。
情景描写が素晴らしい
始まって数分間で、主人公の背景がわかってしまう演出が秀逸。日記のようなものだったり、友人達との語らいの中にしっかりとこれまでの経緯がわかる。ふたりが出会ってからは、しばらく夜が続く。心を通わせてからは夕焼けだったり、雨の中だったり、霧の中だったり。太陽と日差しに意味を持たせているのかな〜と思いながら、ラストに近づき理想の未来を思い描いたふたりには眩しいほどの太陽の日差しが降り注ぎ、ラストの坂口健太郎にも、、、あとは、時の経過がスライドショーのようにいきいきと描かれていてこれまた素晴らしかったです!余命10年普通なら短い時間と思ってしまいますが、本人でなきゃ分からない「長い」の意味。
全327件中、81~100件目を表示