劇場公開日 2022年3月4日

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「泣ける」余命10年 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0泣ける

2022年5月21日
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鑑賞方法:映画館

泣ける。たくさん泣ける。小松さん(菜奈)、あらためて凄い。大女優だ。スクリーンに登場した途端に、光輝いている。好きな顔ってわけではないが、スクリーンで動いている小松さんに並ぶ者はいるのだろうか。広瀬さん(すず)も少し離したかのように感じる。(まあ、これは「流浪の月」を観てから語らねばいけないのだろうが)

観ている間は、治らない病気の話を映画にしてよいのだろうか、現在、肺動脈性肺高血圧症に罹患している患者さんにとって厳しくないのだろうか、と思った。ラストで「小坂流加さんに捧ぐ」とあったので少し調べた。原作者・小坂流加さんは、難病を抱え、自分が書いた小説の文庫版発行直前の2017年2月に逝去。「原作者の生きた証を残したい」という思いのもとに作り上げられた映画だったんですね。

1978年に生まれた静岡県三島市出身の小説家。だから舞台(実家)が三島市なのか、と隣町の清水町出身の俺は、あらためて親近感を感じる。源平川をロケ地に使ってるのも、全編通して清涼感あふれるこの映画にピッタリじゃないでしょうか。

2011年の病室と桜のシーンから始まり、余命とされている10年間を1年ずつ描いていく。映画は「光」だなあ、と思うのは、重苦しい雰囲気の前半、楽しい雰囲気の中盤、それぞれ光の感じが違い、俺の目から押し寄せる。

そしてぜひみんなにも観てほしいのは、悲しいというか病という理不尽なものに対する、どうしようもない思いの下での "涙"。小松さんの涙、姉を演じる黒木さん(華)の涙。後半にある二人の涙のすごさを、ぜひ見比べてください。

ああ、上手な監督が撮る、上手な俳優達が演じる作品は、楽しい。心の底から涙しました。

CB
近大さんのコメント
2022年7月27日

デビュー作の『渇き。』から惹き付けられる女優です(^^)

近大
だるまんさんのコメント
2022年5月25日

流浪の月は見ましたか?
おふたりとも素晴らしい女優さんですね。このおふたりが出ているだけで見に行きたくなります。
同時に、藤井監督と李監督のおふたりが居てこそですよね。同感です。

だるまん