余命10年のレビュー・感想・評価
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清々しく気分の良い映画
全体的に美しくまとまっていて、話の展開や
カメラワークに無駄がない。
1人の女性が“生”と“死”に向き合う姿や、
彼女を取り巻く家族や友人、そして恋人との
愛や絆には、自然と涙が溢れた。
また、主題歌も映画の世界観に合っていて
最後の最後まで映画の雰囲気に浸れる
空気間が創られていた。
すこぶる印象的という訳ではないが、
観て後悔はしない映画だと思う。
桜が綺麗でした
原作読んでます。茉莉が自分の生き方を決めた事に惹かれました。
むか〜しだったら 周りの人は悲しく見つめる 可哀想だね〜と 主人公に涙するだけのような表現になるのかな?と思いましたが 人は強くなったなと感じてました。
丁寧に作られていると思いました。
藤井監督は 視線や言葉や動きや その強弱で人の思いを伝えてくれる 見る人に届けてくれる人だと思っています。
キッチンでの母娘の会話は 今思い出しても 悲しいけれど家族の想いが優しくて好きなシーンです。
小松菜奈さんの痩せた背中を見て 凄く頑張ったと驚きました
原作を読んで感じた想いもあるので 涙も沢山しましたが
原作者の思いを伝えたいと言う気持ちを感じてしまい 冷静に見てしまいました。
期待しすぎてしまいました
初めて映画のレビューを書きます。
見終わった後モヤモヤしてしまい、書かずにいられませんでした。
まず初めに、原作者である小坂流加さんのご冥福をお祈りいたします。
上映前からキャストやCMをみてとても楽しみにしていた映画でした。
なので、私が期待しすぎていたのかもしれません。
見終わった後、いつもエンドロールを見ながら余韻を感じるのですが、終わってすぐ映画館を出てしまいました。
私の心にはこの映画は響きませんでした。
同窓会でたまたま再開した人たちと仲良くなって思い出作って…というキラキラしたシーンがざざーっと流れただけで驚きました。
茉莉が余命10年という長いような短い人生の中でどう考え、どのように家族や友人、そして和人と歩んでいったのかもっと細かく描いて欲しかったです。
側にいたであろう沙苗が友人の余命を知った時の感情も全く描かれておらず、薄っぺらい関係にしか見えませんでした。
結局、茉莉は病気がわかってから誰にも心を開かなかったということでしょうか。
そして和人のキャラクター。
草食系すぎて、理解できませんでした。
いっつも後悔して走り出すけど、どこに向かってるんだ君は?
和人がなぜ実家を継がずに東京に行ったのか、等の背景を描いてくれていたらもっと見方が変わったとおもいます
和人が別れのシーンでうずくまりながら『わかりました』と茉莉と離れたシーン。
茉莉の気持ちを尊重したのかもしれませんが、私には理解ができませんでした。
そんなあっさり別れるの?大好きな人が余命僅かなんだよ?いいの?と突っ込まずにはいられませんでした。
そして、店の名前を元カノの名前にするのって重すぎないか??
ただこの映画で素晴らしかったのは小松菜奈さんの演技です。お母さんの肩に頭を置いて泣きじゃくるシーンは胸を打たれました。
すごく重たい役柄を真摯に向き合って演じられたんだと思います。舞台挨拶のようすも見ましたが、涙を見せて話す姿をみて本当に大変だったんだろうなと思いました。
あと、桜の映像もとても美しかった。
あと最後にもう一つ残念だなとおもったところが、ラストのシーンの和人の髪型。なんだあれ。風にあおられてとんでもないマッシュルームヘアに…
大事なシーンなので、きちんと撮影する前に髪型を直して欲しかったです。
生きる
余命10年と
題名からしても
想像できる映画だろうけど
キャスト好きだしまぁ観よう
って感じで観に行きましたが
思った以上に感動した
小松菜奈ちゃんやお父さんも寡黙で優しくて。
なんかほんま良かった
良かったとしか書けない語彙力を呪いますが。。。
ぼんやり毎日が過ぎて惰性で生きている感じがするが
先がわかってるからこそ
懸命に生きる。
辛いだけじゃない
人として大切な事を感じた映画でした
平日なのに
半席以上埋まってるのにはびっくりした
白アスパラ〜😍
坂口健太郎いいわぁ❤️
飲食店に居そうにないけどね
愛する人と日々を過ごせるって本当に幸せ。
好きな人に告白するのもなかなかなのに
想いが通じ合ってってすごい偶然。
そんなひと時が過ごせたなら
長くて短い10年にも意味があったと
なるのかな。
号泣まではなかったけど
静かに涙した。
作者のお話?
原作小説を読んで映画視聴。
小説の作者は発刊前(後?)に亡くなられたようで、小説の内容は編集者によって改変されたものだった気がする。
2年前くらいに読んだこの本が、大好きなRADとのコラボで、映画化されると聞いてみるしかない!と。
結論から言って、内容は良い。リアルな「生」への欲望と諦めが話の流れと出演者の演技で表れている。
映画は2時間という縛りの中でどうしても恋愛をメインにして語らなければ物語が締まらないから、仕方ないが、個人的に原作の主題はやはり、「生きる」ことそのものにあると思う。
映画では、「10年で死ぬけれど、それと向き合う男女」というテーマになっている。これはこれで良い。
個人的なテーマとして少し合わなかったので2.5の⭐️なだけで、良い作品なのだろう。
原作の話に作者自身の物語を重ね合わせて映画として作り直されていると感じた。
また、音楽は全てRADが提供。
ピアノの音がほとんどの中、ピアノだけであれだけの情緒を表せるのは本当に感激する。
特に、一音一音、和音ではなく単音で表現する際の、鍵盤を叩く音がなんとも、寂しさと悲しさを漂わせている。
ただ、やっぱり音楽の癖があって、鑑賞しながら「天気の子」を思い出してしまったのは仕方のないことなのかもしれない。
主題歌の「うるうびと」は映画にマッチさせた曲。という感想。私はRADが大好きなので、すっと染み込んでくる曲に感動したが、一般の人には映画だけの曲と思われるかもしれない。
ただ、一つ言いたいのは、この曲は映画だけでなく、RADのこれまでの曲の内容にもとても良く似ていて、RADが大切にしている思いを総集したものであるということだ。
I'Novel、マニフェスト、4645などなど。
RAD好きには共感してほしい。笑
映画も良かったが、ぜひ、小説の苦悩と楽しさの入り混じった人生を味わってほしい。
そして、私は今日という日を大切に生きようと思う。「今日で人を愛せるのは人生最後だって思って生きれたら、一生分毎日愛せるから。」(byヒキコモリロリン)
このレビューは参考外です。私は藤井道人監督のファンです。
藤井道人監督でなければ私は観ていなかっただろう。
『青の帰り道』では、主要キャストのクランクアップ間近での降板という苦難を乗り越え、若者たちの感情をリアルに描き、『デイアンドナイト』では私に清原果耶と言う才能を教えてくれ、『新聞記者』では日本映画ではオブラートに包まれがちである政権への問題提起、そして『宇宙でいちばん明るい屋根』では私は歴代で一番泣き、『ヤクザと家族』では反社という題材を用いて、不器用な男たちの生き方で心を揺さぶられた。
私は藤井道人監督のファンである。
その藤井監督が『余命10年』という、実在した方の小説を原作とし、ワーナーブラザーズ配給の元、映画を撮ったと聞いて、『藤井監督、ずいぶん大きくなったなあ』と古参のファンぶった感情を抱いていた。と同時に、社会や泥臭い生き様を描いてきた彼の映画の良さはどうなってしまうのだろう、という不安もあった。
さて、本編。
主人公の2011年からの人生最後の10年をほぼ年代を追って構成されており、自分が観ている映画の中でもすさまじくわかりやすい映画だった。描写やセリフがわかりやす過ぎて、日本の大型配給ってこういうものか、と新しい発見。
小松菜奈は相当この役柄を考えて、かなりの努力をなさったのがわかる。本当、小松菜奈は毎回凄いところに行く。
心情や感情の変化も、うまくこなしていて本当凄い役者さんだ。
他キャストもみな、感情が伝わってきた。
ただ、私は藤井監督というフィルターを通して、どうしても観てしまう。そういう見方しか出来ないのは、本当稚拙だし、情けないと思う。ただ、それも自分だと認めたとき、やはり本作は藤井監督の傑作にはなりえない。
泣くシーンが多すぎるし(それが日本おセンチ)、セリフがあまりにもストレートだし(それはみんなが理解するため)、RADWIMPSはヨナ抜きのメロディーが多いので、ワビサビにはぴったりだし(それは別にええやんけww)、肝心なシーンでスロー映像とか(この手法は本当使ってほしくなかった)
もうおセんチのど真ん中である。
仕方ない。藤井監督も仕事なんだし。
おそらく、多くの人の傑作にはなっただろう。これを機に藤井監督の作品を観る方も多くいると思う。それはとても嬉しい。
ただ自分はどうしても、感動の指揮者がいるような映画が受け入れられず、どうしても天邪鬼になってしまう。多分自分の生き方、だと思う。
あと、ツイッターとかでよく目にしたが、本作を観て『今をちゃんと生きないと』とかいう感想も好きではない。
なんで義務なんよ?それを感じるなら映画でなくてもいいじゃないか、と思ってしまう。
最後だが、一番良かったシーンは松重さんが歩行器具みたいなものを作りながら表情変えず涙を流したシーンでした。
予想通りの展開で、何もサプライズが無いですね。 どこかで観たような...
予想通りの展開で、何もサプライズが無いですね。
どこかで観たような展開、聞いたような台詞。
悪い映画ではないけど、自分には刺さりませんでした。
ファンタジーアニメ感強めの2時間実写版MV?
小説未読。(原作との違和感を感じず見たかったから)
藤井監督作品と知り、尚且つどんな恋愛映画を撮るのだろうと期待半分怖さ半分で見に行きました。
結果、んー。家族と居酒屋の店主に少し共感し泣きました。(泣ける映画が良作とは限らない)
が、しかし評価低め冷静に振り返ります。
まず、若者2人小松菜奈さん、坂口健太郎さんの人物描写が丁寧ではなく最後まで感情移入出来ず、特に主人公の行動の理解に苦しみました。(原作者の意図を尊重しているのなら話は別です)ある程度セーブしてるように見える。
その為、全体的に印象がかなり薄く分かりやすさ重視の台詞回し(ドラマ中心の脚本の方だからなのか?)が気になる。何か一つでも心に刺さる言葉欲しかったな。。何故あそこまでして頑なに自分の病気のことを周りに言わないのか、一緒にいたら周りは大体わかるだろうに、逆に気を遣わせていること、少しイライラもしました。(人物描写が薄いからそう感じてしまう)
唯一救いだったのは、藤井道人監督とカメラマンさんの絵作りと心情を汲んだ色合いの丁寧さ。圧倒的美しさ。
監督の作品は新聞記者に始まり、以降、ヤクザと、、Netflix版、他ドラマ含め見逃さず追っていますが、今回は映画的にあまり刺さりませんでした。予告が最高潮。5分くらいのMVを映画版に無理やり引き伸ばしたとでも言いますか。脚本の構成が単調で、予定調和ばかり。映像に脚本が追いついてない。というかマッチしていない。
余命を遡るとか、何か時間を組み替えるとかひと工夫あれば意外性があって良かったかなと個人的に思いました。
エンディングのRADWIMPSで良くも悪くも一気に映画の余韻を掻き消されます。この映画で歌を最大に押し出したかったのでしょう。原作者への敬意はあまり感じられませんでした。
方向性が行方不明になってしまう、ので着地出来ずすっきりしない終わりで、もやもや。
この作品は誰の視点で誰に感情移入するかで泣くか泣かないかはかなり分かれると思います。
私は姉の黒木華さんと居酒屋店主リリーフランキーさん、佇まい、味わい深さハマり役で◎海街ダイアリーのリリーさんを思い出しました。すごく良かった。
何度も見たくなる映画が好きな人には全くお勧めできません。ティーンの方々向け内容。
藤井監督の挑戦的シリアス映画に期待。
現時点ではこんな感想でした。見直して追記できたらなと思います。
感情移入せずにはいられない
本当に良い作品でした。
展開はほとんど読めるはずなのに、それでも途中何度涙したことか…。主演のお二人はもちろんの事、脇を固めるキャスト陣の演技も良すぎて感情移入しっぱなしでした。
温かい気持ちでエンドロールまで
坂口健太郎は最初の自信無さげな青年からの成長をうまく表現できて良かった。
小松菜奈は期待通りの演技。小松は映画デビュー時点で本当に上手かったから、今回も当たり前に上手いと思う。
ストーリーはある意味題名そのまま。想像される展開が続くが、それも良かった。
焼き鳥の店をやる展開がキャラ設定から少し違和感を感じてしまい、興を削がれた。しかし、
出てくる人はいい人ばかりで悲劇ではあるが、温かい気持ちでエンドロールまで観られた。
『よい映画』の定義とは。
待ちに待った、藤井道人監督×小松菜奈様の作品でございます。
四季の映像と音楽が美しすぎて、泣きました。
『美しすぎて泣くってどういう感情?』と、客観的に思いながらも泣きました。
とにかく、ディテールが細かく丁寧に作られた作品。
作り手の心が伝わってきます。
こんなにパーフェクトな作品って、他にあるのだろうか。
『よい映画』の定義とは、エンドロールになっても観客が席を立たないことだと思っていて、まさしくこの映画がそうでした。
エンドロールでも、誰も席を立たなかった。
爽やかでみずみずしく、それでいて心がジンワリとする、あたたかい作品です🌸
捧げる作品
原作の印象として家族は一貫して温かい存在として描かれているんですね。
そして、原作の中に、
ごめんなさい。
誰より遅く生まれたのに、誰より早く死んでしまって。
って有るの。
茉莉の家族構成からすると少し違和感が有ったんだけど、原作者の小坂さんは四姉妹の末っ子みたいなんです。
ここを含めて原作の茉莉の家族に対する思いは、原作者自身の家族に対する思いなんでしょうね。
それでね、この映画の舞台挨拶で小坂さんの家族の手紙が読まれたのを動画で見たんです。
「家族の中で最後に生まれた私が、最初に死ぬなんて何故。と、言われて返す言葉も見付からないまま旅立たせてしまった、娘の最期の姿が目に焼き付いておりますが、この映画のおかげで笑顔の姿に変わりました」
と、メッセージが伝えられたの。
映画は原作以上に茉莉に小坂さんを重ねて描かれていると思うんです。
この映画が、小坂さんの愛する家族の力に少しでもなったのなら、それ以上の事は無いんじゃないかな。
だってこの映画は、小坂さんに捧ぐ映画なのだから。
感動シーン耐えられない
好きな先輩と、思い切って誘って見てきました。
一言で表すと、静かで感情爆発的な映画です。実話というのも、驚きですが、その実話を小説に書き、映画化もされたとなれば、後世に残る素晴らしい話です。
映画デートで、見るべき映画なのか分かりませんが、僕は余命を知ったら、即告りたいと思います。
実話に気を使いすぎたのか、フィクションとしての限界は感じた。
なぜあの男に惹かれたのか?
情けない男だったのが、立派になった、という彼の10年間も描きたかったのはわかるが、情けないなら情けないなりのスペシャル感が欲しい。
祭りでも海でも誕生日でも、シーンを重ねるだけでなくひとつひとつのエピソードがラブストーリーの見どころのひとつだと思う。
二人の別れのシーン。
どっちの目線なのかどっちつかずで損してる。
次のシーンが実家なことを考えると、彼女の方からめいっぱい強がってもっと拒絶すべし。
そしたら実家のお母さんのシーンでもっと泣けるはず。
そして彼はなぜ追いかけない?うずくまって泣くだけ?アホ?としか思えなかった。
それと、あれだけ手術痕のことを振っといて、彼に初めて傷を見せるシーンがないのはなぜ?
やっぱり小松菜奈さんの目力演技凄い❣️
「恋は雨上がりのように」からの小松菜奈さんのファン。それで監督が今イケイケの藤井道人氏とくれば、観るしかない。難病で余命10年の茉莉(小松菜奈)と生きる意味を失っていた同級生の和人(坂口健太郎)が出会い、恋に落ちて短いのか長いのか分からない10年を駆け足で生きる物語。相変わらず、小松菜奈さんの目力が凄い。涙を流す演技は俳優最高峰だと思う。
今回の作品は、10年という時の流れを2時間で表現するお手本のような仕上がりです。オリンピックが東京に決定。スカイツリーの完成。元号が変わるニュース。桜に象徴される季節の移り変わりなどが、10年というタイムリミットが近づいていることを意識させてくれます。茉莉は最初は出会わなければ良かったと思っていたが、この2人は出会ったからこそ濃密な10年を過ごせたのだと思う。映像が綺麗で撮り方が実に細かいのは、さすが藤井監督。是非脚本もやって欲しかったな。脇役の松重豊もいい父親を演じてたし、なんといってもリリー・フランキーがいい味出してました。なにやらせても馴染むんだよなあ〜この人。最後に、よく新型コロナの手前で止めてくれました。映画の中では皆んな観たくないと思う。無理くり入れた過去作でドン引きした者より。
ジャスミンの花のように可憐に咲いたのであった
小松菜奈は去年(2021年)公開の映画「ムーンライト・シャドウ」ではほどよく筋肉の付いた健康的でバランスのとれた素晴らしいプロポーションを披露していたが、本作品ではとても痩せて弱々しく見えた。減量したそうである。女優魂というよりも、役に入れ込んだからこその減量だろう。高林茉莉はそれほどの大役だった訳だ。
茉莉と書いて「まつり」と読む名前である。茉莉はジャスミンのことで、茉莉花とも書く。茉莉花茶(ジャスミン茶)として中華料理店で提供されるほど、香りの強い花であるが、見た目は清楚で可愛らしい。薔薇の字を名前にするのは重すぎて憚られるが、茉莉や茉莉花は名前にちょうどいい感じで、付けられた子供も苦にならない。いい名前だと思う。
映画「8年越しの花嫁」を思い出す。脚本も同じ岡田惠和さんだ。あちらは瀬々敬久監督でこちらは藤井道人監督。年月もよく似ているが、あちらはどん底からのスタートで、こちらは幸せな恋からのスタートである。どうなることかと観ていたが、流石に「新聞記者」の監督だ。物語の緩急とメリハリが実に上手い。そしてそれに応えた小松菜奈の演技が素晴らしい。
相手役の坂口健太郎も一生懸命な演技で好感が持てた。加えて脇役陣の名演が人生の機微を上手に伝えている。リリー・フランキーの思いやりのある短い台詞がなんとも味があった。人の優しさとはこうでなければいけない。松重豊のお父さんも同様に短い台詞やちょっとした仕種に娘への気持ちが溢れていた。この二人はもはや名人である。そこに奈緒と黒木華が絡めば鬼に金棒だ。いい作品にならないわけがない。
人間は他人の死を死ぬことができない。死は常に孤独に迎えるものである。そして親しい人間の死は、常に悲しい。中島みゆきの「雪」の歌詞に次の一節がある。
手をさしのべればいつも
そこにいてくれた人が
手をさしのべても消える
まるで淡すぎる雪のようです
小松菜奈が演じた高林茉莉は、淡い雪のようでもあり、舞い散る桜の花びらのようでもある。そして付けられた名前にたがわず、ジャスミンの花のように可憐に咲いたのであった。
涙が止まらない〜
タイトルから、誰もが予想する結末だとわかっていますが、キャストが良くて観に行きました。
中盤あたりから小松菜奈ちゃんの涙、家族や友達それぞれの想い、言葉に気がついたら涙が止まらなくなって、マスクがびっしょり…
悲しい結末でしたが、思い出す日々、想像した未来の映像の中の小松菜奈ちゃん、坂口健太郎くんはとても素敵な笑顔で綺麗でした。
暗い気持ちにはなりません、観たあとは自分も頑張らなきゃと前向きに思えるそんな作品でした。
見てよかった
まず、原作と映画の人物像が違った事に違和感を感じた
けれども、個人的な感想ですが、映画を見終わった後
納得出来た。
小説版は、作者がそうでありたかった自分と
言われたかった言葉が詰まっていたのだと感じた。
逆に映画版は、まつりにカズトが言った
【頑張った、頑張った】というセリフが
原作には無かったし、周りの人間が作者に伝えたい
一番の気持ちなんじゃないかと感じました。
それを聞いた時に
小説版は、長文の遺書
映画版は、関わってきた人間の遺書に対する返事も
含まれていたのかなと感じました
悲しいけど優しい物語だと思います。
演者の良さと映像の美しさ。
キャスト、スタッフが好きな方ばかりだったので鑑賞。
原作小説は、作者が自身と同じ病気を持った主人公を据えた恋愛小説とのこと。
ただ、ひねくれ者の私は「病気に侵されたパートナー(彼氏彼女)いずれかが死ぬ話」(+配給会社による「泣ける話」としての売り出し方)に食傷気味だった。
本作も病気で十年は生きられなくなると告げられた二十歳そこそこの女の子・まつり(演者・小松菜奈)が主人公。
おおまかなストーリーはこのまつりが死を自殺未遂を図った青年・カズ(演者・坂口健太郎)と出会い、時間を重ねることで諦めていたと思っていた「生きる喜び」を見出せるようになるけれど、病気は当初の通り進行していて…という感じ。
本作、まず映像がとても美しかったのがとても印象的だった。
春の桜、夏の海、秋の紅葉、冬の雪山。四季(時間の流れを感じさせる)が意識的に画面に取り込まれてて、しかもこれらはそれぞれまつりとカズくんにとって重要なシーンにもなっている。
まつりは病院で亡くなった女性のビデオカメラを譲り受け、友人や家族や風景を撮るのだけど、そこに映る風景が本当に美しく、人々は喜びに満ちていて、だから観ながらどうしても涙が出た。終わりを意識すると普段何気なく見ている景色が美しく儚く見えるものだけど、それが本作の映像からも伝わってきて胸が苦しかった。
演者の皆さんもとても良くてやはり小松菜奈さんはすごい。印象的なのは登場人物とのやり取りの自然さ(本作、直接セリフに言葉で感情を載せるのではなく日常会話の中に悲しみややり切れなさとか、本音を隠してるのが滲むようになってたのが良かった)や、横顔で語る心情。自分の机でひとり、ピルケースに薬を入れる彼女の横顔、キーボードで文章を打ち込む横顔が脳裏に焼き付いている。
坂口健太郎さんもふわっと笑うところが本当に素敵で、カズくんの焦り、戸惑い、喜びが表情やセリフから放出されててとても良かった。
あと山田裕貴くんのノリが良く面倒見の良い同級生も「身近にいそう!」感が良かったし、奈緒ちゃんの程よい距離感でまつりを心から心配する親友感もすごく良かった。
妹の前でしっかりあろうとする黒木華さんのお姉ちゃんもリアルすぎて胸が苦しくなったし、あと松重豊さんの静かに娘を心配し続けるお父さんも良かった。
リリーフランキーさんの焼き鳥屋大将の静かでぶっきらぼうだけど温かい感じも良かった…。
まつりとカズくんの恋は本作のひとつの主軸ではあるけど、それだけではないと感じられるのも良かったな。
カズくんがちゃんと生きようと思い直す物語でもあり、病気になってなんでも諦めてようとしていたまつりが手を伸ばせるようになった物語でもあった。
あと私たちは未来が当たり前にあることを前提に話をしたり、人生の予定を立てたりするんだな、と本作を観て気付いた。
来年また来ようね、とか、数年後の東京オリンピックが、とか。
それが決して当たり前のことではない感覚は忘れないでいたいなと思う。
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