余命10年のレビュー・感想・評価
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このレビューは参考外です。私は藤井道人監督のファンです。
藤井道人監督でなければ私は観ていなかっただろう。
『青の帰り道』では、主要キャストのクランクアップ間近での降板という苦難を乗り越え、若者たちの感情をリアルに描き、『デイアンドナイト』では私に清原果耶と言う才能を教えてくれ、『新聞記者』では日本映画ではオブラートに包まれがちである政権への問題提起、そして『宇宙でいちばん明るい屋根』では私は歴代で一番泣き、『ヤクザと家族』では反社という題材を用いて、不器用な男たちの生き方で心を揺さぶられた。
私は藤井道人監督のファンである。
その藤井監督が『余命10年』という、実在した方の小説を原作とし、ワーナーブラザーズ配給の元、映画を撮ったと聞いて、『藤井監督、ずいぶん大きくなったなあ』と古参のファンぶった感情を抱いていた。と同時に、社会や泥臭い生き様を描いてきた彼の映画の良さはどうなってしまうのだろう、という不安もあった。
さて、本編。
主人公の2011年からの人生最後の10年をほぼ年代を追って構成されており、自分が観ている映画の中でもすさまじくわかりやすい映画だった。描写やセリフがわかりやす過ぎて、日本の大型配給ってこういうものか、と新しい発見。
小松菜奈は相当この役柄を考えて、かなりの努力をなさったのがわかる。本当、小松菜奈は毎回凄いところに行く。
心情や感情の変化も、うまくこなしていて本当凄い役者さんだ。
他キャストもみな、感情が伝わってきた。
ただ、私は藤井監督というフィルターを通して、どうしても観てしまう。そういう見方しか出来ないのは、本当稚拙だし、情けないと思う。ただ、それも自分だと認めたとき、やはり本作は藤井監督の傑作にはなりえない。
泣くシーンが多すぎるし(それが日本おセンチ)、セリフがあまりにもストレートだし(それはみんなが理解するため)、RADWIMPSはヨナ抜きのメロディーが多いので、ワビサビにはぴったりだし(それは別にええやんけww)、肝心なシーンでスロー映像とか(この手法は本当使ってほしくなかった)
もうおセんチのど真ん中である。
仕方ない。藤井監督も仕事なんだし。
おそらく、多くの人の傑作にはなっただろう。これを機に藤井監督の作品を観る方も多くいると思う。それはとても嬉しい。
ただ自分はどうしても、感動の指揮者がいるような映画が受け入れられず、どうしても天邪鬼になってしまう。多分自分の生き方、だと思う。
あと、ツイッターとかでよく目にしたが、本作を観て『今をちゃんと生きないと』とかいう感想も好きではない。
なんで義務なんよ?それを感じるなら映画でなくてもいいじゃないか、と思ってしまう。
最後だが、一番良かったシーンは松重さんが歩行器具みたいなものを作りながら表情変えず涙を流したシーンでした。
予想通りの展開で、何もサプライズが無いですね。 どこかで観たような...
予想通りの展開で、何もサプライズが無いですね。
どこかで観たような展開、聞いたような台詞。
悪い映画ではないけど、自分には刺さりませんでした。
ファンタジーアニメ感強めの2時間実写版MV?
小説未読。(原作との違和感を感じず見たかったから)
藤井監督作品と知り、尚且つどんな恋愛映画を撮るのだろうと期待半分怖さ半分で見に行きました。
結果、んー。家族と居酒屋の店主に少し共感し泣きました。(泣ける映画が良作とは限らない)
が、しかし評価低め冷静に振り返ります。
まず、若者2人小松菜奈さん、坂口健太郎さんの人物描写が丁寧ではなく最後まで感情移入出来ず、特に主人公の行動の理解に苦しみました。(原作者の意図を尊重しているのなら話は別です)ある程度セーブしてるように見える。
その為、全体的に印象がかなり薄く分かりやすさ重視の台詞回し(ドラマ中心の脚本の方だからなのか?)が気になる。何か一つでも心に刺さる言葉欲しかったな。。何故あそこまでして頑なに自分の病気のことを周りに言わないのか、一緒にいたら周りは大体わかるだろうに、逆に気を遣わせていること、少しイライラもしました。(人物描写が薄いからそう感じてしまう)
唯一救いだったのは、藤井道人監督とカメラマンさんの絵作りと心情を汲んだ色合いの丁寧さ。圧倒的美しさ。
監督の作品は新聞記者に始まり、以降、ヤクザと、、Netflix版、他ドラマ含め見逃さず追っていますが、今回は映画的にあまり刺さりませんでした。予告が最高潮。5分くらいのMVを映画版に無理やり引き伸ばしたとでも言いますか。脚本の構成が単調で、予定調和ばかり。映像に脚本が追いついてない。というかマッチしていない。
余命を遡るとか、何か時間を組み替えるとかひと工夫あれば意外性があって良かったかなと個人的に思いました。
エンディングのRADWIMPSで良くも悪くも一気に映画の余韻を掻き消されます。この映画で歌を最大に押し出したかったのでしょう。原作者への敬意はあまり感じられませんでした。
方向性が行方不明になってしまう、ので着地出来ずすっきりしない終わりで、もやもや。
この作品は誰の視点で誰に感情移入するかで泣くか泣かないかはかなり分かれると思います。
私は姉の黒木華さんと居酒屋店主リリーフランキーさん、佇まい、味わい深さハマり役で◎海街ダイアリーのリリーさんを思い出しました。すごく良かった。
何度も見たくなる映画が好きな人には全くお勧めできません。ティーンの方々向け内容。
藤井監督の挑戦的シリアス映画に期待。
現時点ではこんな感想でした。見直して追記できたらなと思います。
感情移入せずにはいられない
本当に良い作品でした。
展開はほとんど読めるはずなのに、それでも途中何度涙したことか…。主演のお二人はもちろんの事、脇を固めるキャスト陣の演技も良すぎて感情移入しっぱなしでした。
温かい気持ちでエンドロールまで
坂口健太郎は最初の自信無さげな青年からの成長をうまく表現できて良かった。
小松菜奈は期待通りの演技。小松は映画デビュー時点で本当に上手かったから、今回も当たり前に上手いと思う。
ストーリーはある意味題名そのまま。想像される展開が続くが、それも良かった。
焼き鳥の店をやる展開がキャラ設定から少し違和感を感じてしまい、興を削がれた。しかし、
出てくる人はいい人ばかりで悲劇ではあるが、温かい気持ちでエンドロールまで観られた。
『よい映画』の定義とは。
待ちに待った、藤井道人監督×小松菜奈様の作品でございます。
四季の映像と音楽が美しすぎて、泣きました。
『美しすぎて泣くってどういう感情?』と、客観的に思いながらも泣きました。
とにかく、ディテールが細かく丁寧に作られた作品。
作り手の心が伝わってきます。
こんなにパーフェクトな作品って、他にあるのだろうか。
『よい映画』の定義とは、エンドロールになっても観客が席を立たないことだと思っていて、まさしくこの映画がそうでした。
エンドロールでも、誰も席を立たなかった。
爽やかでみずみずしく、それでいて心がジンワリとする、あたたかい作品です🌸
捧げる作品
原作の印象として家族は一貫して温かい存在として描かれているんですね。
そして、原作の中に、
ごめんなさい。
誰より遅く生まれたのに、誰より早く死んでしまって。
って有るの。
茉莉の家族構成からすると少し違和感が有ったんだけど、原作者の小坂さんは四姉妹の末っ子みたいなんです。
ここを含めて原作の茉莉の家族に対する思いは、原作者自身の家族に対する思いなんでしょうね。
それでね、この映画の舞台挨拶で小坂さんの家族の手紙が読まれたのを動画で見たんです。
「家族の中で最後に生まれた私が、最初に死ぬなんて何故。と、言われて返す言葉も見付からないまま旅立たせてしまった、娘の最期の姿が目に焼き付いておりますが、この映画のおかげで笑顔の姿に変わりました」
と、メッセージが伝えられたの。
映画は原作以上に茉莉に小坂さんを重ねて描かれていると思うんです。
この映画が、小坂さんの愛する家族の力に少しでもなったのなら、それ以上の事は無いんじゃないかな。
だってこの映画は、小坂さんに捧ぐ映画なのだから。
感動シーン耐えられない
好きな先輩と、思い切って誘って見てきました。
一言で表すと、静かで感情爆発的な映画です。実話というのも、驚きですが、その実話を小説に書き、映画化もされたとなれば、後世に残る素晴らしい話です。
映画デートで、見るべき映画なのか分かりませんが、僕は余命を知ったら、即告りたいと思います。
実話に気を使いすぎたのか、フィクションとしての限界は感じた。
なぜあの男に惹かれたのか?
情けない男だったのが、立派になった、という彼の10年間も描きたかったのはわかるが、情けないなら情けないなりのスペシャル感が欲しい。
祭りでも海でも誕生日でも、シーンを重ねるだけでなくひとつひとつのエピソードがラブストーリーの見どころのひとつだと思う。
二人の別れのシーン。
どっちの目線なのかどっちつかずで損してる。
次のシーンが実家なことを考えると、彼女の方からめいっぱい強がってもっと拒絶すべし。
そしたら実家のお母さんのシーンでもっと泣けるはず。
そして彼はなぜ追いかけない?うずくまって泣くだけ?アホ?としか思えなかった。
それと、あれだけ手術痕のことを振っといて、彼に初めて傷を見せるシーンがないのはなぜ?
やっぱり小松菜奈さんの目力演技凄い❣️
「恋は雨上がりのように」からの小松菜奈さんのファン。それで監督が今イケイケの藤井道人氏とくれば、観るしかない。難病で余命10年の茉莉(小松菜奈)と生きる意味を失っていた同級生の和人(坂口健太郎)が出会い、恋に落ちて短いのか長いのか分からない10年を駆け足で生きる物語。相変わらず、小松菜奈さんの目力が凄い。涙を流す演技は俳優最高峰だと思う。
今回の作品は、10年という時の流れを2時間で表現するお手本のような仕上がりです。オリンピックが東京に決定。スカイツリーの完成。元号が変わるニュース。桜に象徴される季節の移り変わりなどが、10年というタイムリミットが近づいていることを意識させてくれます。茉莉は最初は出会わなければ良かったと思っていたが、この2人は出会ったからこそ濃密な10年を過ごせたのだと思う。映像が綺麗で撮り方が実に細かいのは、さすが藤井監督。是非脚本もやって欲しかったな。脇役の松重豊もいい父親を演じてたし、なんといってもリリー・フランキーがいい味出してました。なにやらせても馴染むんだよなあ〜この人。最後に、よく新型コロナの手前で止めてくれました。映画の中では皆んな観たくないと思う。無理くり入れた過去作でドン引きした者より。
ジャスミンの花のように可憐に咲いたのであった
小松菜奈は去年(2021年)公開の映画「ムーンライト・シャドウ」ではほどよく筋肉の付いた健康的でバランスのとれた素晴らしいプロポーションを披露していたが、本作品ではとても痩せて弱々しく見えた。減量したそうである。女優魂というよりも、役に入れ込んだからこその減量だろう。高林茉莉はそれほどの大役だった訳だ。
茉莉と書いて「まつり」と読む名前である。茉莉はジャスミンのことで、茉莉花とも書く。茉莉花茶(ジャスミン茶)として中華料理店で提供されるほど、香りの強い花であるが、見た目は清楚で可愛らしい。薔薇の字を名前にするのは重すぎて憚られるが、茉莉や茉莉花は名前にちょうどいい感じで、付けられた子供も苦にならない。いい名前だと思う。
映画「8年越しの花嫁」を思い出す。脚本も同じ岡田惠和さんだ。あちらは瀬々敬久監督でこちらは藤井道人監督。年月もよく似ているが、あちらはどん底からのスタートで、こちらは幸せな恋からのスタートである。どうなることかと観ていたが、流石に「新聞記者」の監督だ。物語の緩急とメリハリが実に上手い。そしてそれに応えた小松菜奈の演技が素晴らしい。
相手役の坂口健太郎も一生懸命な演技で好感が持てた。加えて脇役陣の名演が人生の機微を上手に伝えている。リリー・フランキーの思いやりのある短い台詞がなんとも味があった。人の優しさとはこうでなければいけない。松重豊のお父さんも同様に短い台詞やちょっとした仕種に娘への気持ちが溢れていた。この二人はもはや名人である。そこに奈緒と黒木華が絡めば鬼に金棒だ。いい作品にならないわけがない。
人間は他人の死を死ぬことができない。死は常に孤独に迎えるものである。そして親しい人間の死は、常に悲しい。中島みゆきの「雪」の歌詞に次の一節がある。
手をさしのべればいつも
そこにいてくれた人が
手をさしのべても消える
まるで淡すぎる雪のようです
小松菜奈が演じた高林茉莉は、淡い雪のようでもあり、舞い散る桜の花びらのようでもある。そして付けられた名前にたがわず、ジャスミンの花のように可憐に咲いたのであった。
涙が止まらない〜
タイトルから、誰もが予想する結末だとわかっていますが、キャストが良くて観に行きました。
中盤あたりから小松菜奈ちゃんの涙、家族や友達それぞれの想い、言葉に気がついたら涙が止まらなくなって、マスクがびっしょり…
悲しい結末でしたが、思い出す日々、想像した未来の映像の中の小松菜奈ちゃん、坂口健太郎くんはとても素敵な笑顔で綺麗でした。
暗い気持ちにはなりません、観たあとは自分も頑張らなきゃと前向きに思えるそんな作品でした。
見てよかった
まず、原作と映画の人物像が違った事に違和感を感じた
けれども、個人的な感想ですが、映画を見終わった後
納得出来た。
小説版は、作者がそうでありたかった自分と
言われたかった言葉が詰まっていたのだと感じた。
逆に映画版は、まつりにカズトが言った
【頑張った、頑張った】というセリフが
原作には無かったし、周りの人間が作者に伝えたい
一番の気持ちなんじゃないかと感じました。
それを聞いた時に
小説版は、長文の遺書
映画版は、関わってきた人間の遺書に対する返事も
含まれていたのかなと感じました
悲しいけど優しい物語だと思います。
演者の良さと映像の美しさ。
キャスト、スタッフが好きな方ばかりだったので鑑賞。
原作小説は、作者が自身と同じ病気を持った主人公を据えた恋愛小説とのこと。
ただ、ひねくれ者の私は「病気に侵されたパートナー(彼氏彼女)いずれかが死ぬ話」(+配給会社による「泣ける話」としての売り出し方)に食傷気味だった。
本作も病気で十年は生きられなくなると告げられた二十歳そこそこの女の子・まつり(演者・小松菜奈)が主人公。
おおまかなストーリーはこのまつりが死を自殺未遂を図った青年・カズ(演者・坂口健太郎)と出会い、時間を重ねることで諦めていたと思っていた「生きる喜び」を見出せるようになるけれど、病気は当初の通り進行していて…という感じ。
本作、まず映像がとても美しかったのがとても印象的だった。
春の桜、夏の海、秋の紅葉、冬の雪山。四季(時間の流れを感じさせる)が意識的に画面に取り込まれてて、しかもこれらはそれぞれまつりとカズくんにとって重要なシーンにもなっている。
まつりは病院で亡くなった女性のビデオカメラを譲り受け、友人や家族や風景を撮るのだけど、そこに映る風景が本当に美しく、人々は喜びに満ちていて、だから観ながらどうしても涙が出た。終わりを意識すると普段何気なく見ている景色が美しく儚く見えるものだけど、それが本作の映像からも伝わってきて胸が苦しかった。
演者の皆さんもとても良くてやはり小松菜奈さんはすごい。印象的なのは登場人物とのやり取りの自然さ(本作、直接セリフに言葉で感情を載せるのではなく日常会話の中に悲しみややり切れなさとか、本音を隠してるのが滲むようになってたのが良かった)や、横顔で語る心情。自分の机でひとり、ピルケースに薬を入れる彼女の横顔、キーボードで文章を打ち込む横顔が脳裏に焼き付いている。
坂口健太郎さんもふわっと笑うところが本当に素敵で、カズくんの焦り、戸惑い、喜びが表情やセリフから放出されててとても良かった。
あと山田裕貴くんのノリが良く面倒見の良い同級生も「身近にいそう!」感が良かったし、奈緒ちゃんの程よい距離感でまつりを心から心配する親友感もすごく良かった。
妹の前でしっかりあろうとする黒木華さんのお姉ちゃんもリアルすぎて胸が苦しくなったし、あと松重豊さんの静かに娘を心配し続けるお父さんも良かった。
リリーフランキーさんの焼き鳥屋大将の静かでぶっきらぼうだけど温かい感じも良かった…。
まつりとカズくんの恋は本作のひとつの主軸ではあるけど、それだけではないと感じられるのも良かったな。
カズくんがちゃんと生きようと思い直す物語でもあり、病気になってなんでも諦めてようとしていたまつりが手を伸ばせるようになった物語でもあった。
あと私たちは未来が当たり前にあることを前提に話をしたり、人生の予定を立てたりするんだな、と本作を観て気付いた。
来年また来ようね、とか、数年後の東京オリンピックが、とか。
それが決して当たり前のことではない感覚は忘れないでいたいなと思う。
悔いなき人生
余命10年という言葉を聞くと僕は「短い」と今まで感じていた。
というか余命という言葉を聞くと反射的に短いと思っていたかもしれない。
だがこの映画を観ると10年という数字が残酷に思えてしまう。
短くもなく長くもなく実に中途半端だ。
さらにこの数字は10年確実に生きれますという保証ではない、もしかしたら明日死ぬかもしれないし1年後死ぬかもしれないただ10年以上は確実に生きれませんよ。こんな事を言われて怖くないわけはない。
怖くないわけないよなぁと思いながらあるシーンを見ていて思い涙した。
藤井監督と脚本の岡田さんはゆっくりと時間をかけて茉莉と和人の出会いを描く。
それぞれが背負ってた苦しさ、お互いに心惹かれる瞬間、距離感の変化これらが実に緻密に丁寧に的確に描かれていく。
俳優さんの演技も皆さん素晴らしかった。
沙苗とタケルの結末は「現実だとそんなもんだよなぁ」と妙なリアリティを出していたり。
某チ○ちゃんよりよっぽど「ボーっと生きてたらダメだな」と思えた。
ただ、見守る。。だけ。
家族も、闘っているのだよね。
心配や不安を隠して、ただ見守る。
ただ愛する。
そして、愛しながら再生していく、人生を構築していく。
やはり、見守られながら。。
「辛いのはどっちなんだろう」
この言葉の残酷さ。。
不治の病と知らされてなかった、友達、恋人も彼女の10年に記憶される。
坂口健太郎さんの未来までも変えてしまえるほどのエネルギーがある彼女が、何故、逝ってしまわなければならないのか。
映画なのにとても悔しく、特効薬を待ち望んでいる自分がいた。
違う俳優さんでつくってほしかったかな…
茉莉一家が、顔付きが違いすぎて家族に見えなかった。
父が松重豊さんで母が原日出子さんなら、娘が小松菜奈さんになることはないと思ってしまい、その引っかかりが最後まで拭えなかったです、私は…
茉莉を小松菜奈さんが演じる必然性も感じられなかったし…それでも小松菜奈さんを茉莉にしたかったなら、姉はたとえば市川実和子さんの方が良かったと思う。
黒木華さんそんなに良いと思えなかったからそう思うのかもしれない。
安っぽくない・・☆
予告編で、タイトルを見ただけで、良くあるお涙映画か・・とスルーしていた作品だったが、
「情熱大陸」の藤井道人の特集で彼がメガホンをとり、脚本に岡田恵和の名前が
あがっていたので、鑑賞することに。
やはり、今のっている監督の作品だけあって、とても良かった。
小松菜奈が理不尽な病気に向き合う姿も坂口健太郎の不器用さも良いが、
脇を固める俳優がそれぞれに素晴らしい雰囲気を出す。
特に男性陣、父親役の松重豊、焼き鳥屋店主のそのままのようなリリー・フランキー、
主治医役の田中哲司。
病気の家族を抱える父、母、姉の葛藤が胸に迫ってくる。
小松菜奈が、処方される大量の薬を飲む順番にケースに収めていくシーンが
何ともいえなく悲しい。
泣けと言わんばかりになりそうな物語を、へんな美談にもせずに淡々と
描きながら、美しい映像で紡いでいくところが素晴らしかった。
この手の映画で、見て良かったと思える数少ない作品。
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