映画レビュー
水曜日が来ない・・・
永遠の火曜日。来る日も来る日もイカれた悪魔のラッセルが「朝食だよ」と話しかけてくる。そして一応主人公のミルトンは彼を殺すことからその火曜日が始まるのだ。タイムループ作品はいくつも見てきたけど、この作品には新しい設定がいくつか存在していた。
修士を取れそうなくらい化学の天才だったミルトンは、卒業前にヤク中だったことが発覚して大学中退・・・というか除籍か?結局はグループセラピーメインのヤク抜け施設に入ることになったが、そこで知り合ったビッチな女スカイラー。彼女に誘われるままベッドインしてしまうミルトンだったが、スカイラーの恋人ラッセルが彼らを脱走させると言う。そして、元はインディアンの聖地だった場所の一軒家に連れて来られるのだった。なんと、ラッセルは警官!
風邪薬からクリスタルを精製する知識を持っていたためにクレイジーなカップルに拉致されるが、翌日精製しようとする中でもめてしまい、ミルトンはラッセルを殺してしまう。そこから永遠の火曜日ループが始まるのだった。何度も繰り返すラッセル殺害。しかも死体は増えていく一方であり、ラッセルの死体の山となる光景は不気味としか言いようがない。ループするうちにスカイラーに惚れてしまったミルトン。しかし、ビッチぶりを発揮していたスカイラーはミルトンに彼自身の死体の山も見せたのだった・・・
この3人。その日に殺されなければ記憶を保持しているみたい。ほぼ毎回ラッセルは殺されるので彼はあまり覚えていないが、ミルトンしか知らない精製法だけは盗んでいたみたい。何度も違う殺し方、違う生活を試してみる2人だったが、水曜日は全く来ない。遠出して麻薬ディーラーの元を訪ねてみたりもするが、それも無駄だった。このディーラーであるアーチャーとナビキも狂っていて面白いのです。
過去の伝説を調べているうちに、戦いは最後の一人が残って決着したとあった。つまり、ラッセル、スカイラー、ミルトンの内、2人が死ねば次の日を迎えることができるというもの。
警察用カーナビを外して録画するミルトン。冒頭の指を切るシーンは痛々しかったが、結局、動画の意味が何だったのか・・・ラッセルに気づかせるだけの意味しかなかった(ちょっと減点)。悪魔的ラッセルが取った道はロシアンルーレット!やっぱりバカ・・・
聖なる地で血が流れるとループが始まるという設定。一人しか残らないというルールがあるのに、次の日にはアーチャーとナビキがやって来るというブラックな結末。これからこの3人で戦いが始まることを示唆してのエンディングは笑うしかない。