猫は逃げたのレビュー・感想・評価
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猫“で”逃げた?
今泉力哉と城定秀夫がそれぞれ互いから提供された脚本で、R15+指定のラブストーリー映画を監督するコラボ企画「L/R15」の第2弾。先月公開された第1弾「愛なのに」と役割を入れ替え、この「猫は逃げた」は城定が脚本、今泉が監督を担っている。
漫画家の亜子と週刊誌記者の広重は、猫を拾ったことが縁で結婚したが、現在はそれぞれに不倫相手がいて離婚するつもり。ただし猫のカンタを自分が引き取ると言って互いに譲らず、そうこうしているうちにカンタが行方不明になる。
たとえば、夫婦とそれぞれの不倫相手の計4人が一堂に会し、気まずい雰囲気になったり言い争ったりするのは、今泉監督が得意とするシチュエーションであり、脚本を書いた城定によるリスペクトが感じられる。
ただまあ、恋、愛、セックスにユーモアを交えつつも真正面から向き合った「愛なのに」に比べると、本作のほうは飼い猫をめぐる騒動の尺が思いのほか長く、猫好きにとってはそれもまた魅力になりそうだが、相対的にL/R15としての特色が薄れてしまった印象だ。今泉監督がR15+要素から逃げた、というわけではないだろうけど。
出演陣の中では、広重の同僚で不倫相手の真実子を演じた手島実優の色香がとてもよかった。撮影は「少女邂逅」にも参加していた平見優子、本作でも大いに貢献している。
カンタ役のネコに見覚えがあった。 「愛なのに」(2022年)に出演していたネコだ。 毎熊克哉(広重)も「愛なのに」に同じ役で出演している。
動画配信で映画「猫は逃げた」を見た。
2021年製作/109分/R15+/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
劇場公開日:2022年3月18日
山本奈衣瑠(町田亜子)
毎熊克哉(広重)
手島実優(真実子)
井之脇海(松山)
味澤忠太郎(オズワルド伊藤俊介)
中村久美(みーこの飼い主)
カンタ(オセロ)
ミミ(みーこ)
監督
今泉力哉
脚本
城定秀夫
今泉力哉
映画の冒頭、亜子と広重は離婚届にハンコを押した。
離婚直前の夫婦は飼い猫のカンタをどちらが引き取るかで話がまとまらなかった。
カンタ役のネコに見覚えがあった。
「愛なのに」(2022年)に出演していたネコだ。
毎熊克哉(広重)も「愛なのに」に同じ役で出演している。
こんなコラボレーションもあるんだな。
広重は会社の同僚女性、真実子と浮気をしていた。
が、しかし亜子はマンガ編集者の松山とできていた。
城定秀夫の脚本なので性描写はふんだんにある。
ある日カンタがいなくなった。
映画タイトルは「猫は逃げた」だが、実際は猫は誘拐されたのだ。
映画のハイライトは2か所あって、
映画監督(オズワルド伊藤俊介)が自分の映画について饒舌に語る場面と、
映画終盤に2組の男女が言い争う場面だと思う。
これは会話劇で、
それぞれのセリフが十分に練られていると思った。
「愛なのに」と「猫は逃げた」の両方を見るといいと思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆です。
穏やかな時間の流れを感じる
ふたりをいつだって引き合せるのは猫。結婚するしないどんな選択をしてもいいし、どんな理由で一緒にいるとかも自由。猫のために一緒にいる。そんな単純な理由でもよくて、どんな形があってもいい。全体的に下品じゃない濡れ場だったの良かった。猫がいて平和な世界観なところに濡れ場っていうアンバランスさが逆にいい。猫がとにかくかわいくて癒やし。カタルシス。いい抜け感が出る。真実子の頑なに自分を悪くしたくなくて、自分のことは棚に上げまくって、他人に矢を向ける感じやばい(笑)最後のほうの四人の言い合いはとても今泉監督っぽい~!っておもったし、既視感を感じた。
猫が繋ぎとめる2人の関係
好きな長回しシーンが2つ。
2人がテーブルを挟んで話すシーン。広重は相手の浮気のことを一瞬聞こうとするが、ためらう。亜子も自ら話そうとしたけどためらう。1つのカメラで2人の表情がどちらも分かるからこその仕掛け。
4人が言い争うシーン。真実子のキャラが立っていて面白い。これも、誰かが喋っていても、それを聞いている他の人の表情が見れるのが良い。セリフがなくてもそれぞれの感情が読み取れて楽しい。
猫によって2人の関係が続き、新しい関係も生まれる。
カラオケで、猫を拾わなければ2人は結婚していなかったかもしれない。それでも亜子は結婚して良かったと言った。今、この状態が幸せかどうか分からないけど、あの時カンタを見つけて良かった、と。
ほんとうに素敵だと思う。
猫が散歩するほのぼのシーンから、いきなりセックスシーンになったりして、その対比がすごい。
見終わった後の心地よさはさすがの今泉監督。
折角女優さん脱いでるのに
本シリーズのR15+の縛りは城定監督を引っ張り出すために付けられたんじゃないかな?少なくとも本作にカラミは必要だとは思えなかったな。
折角女優さん脱いでるのに大切に扱って欲しいです。
真美子の一連のHARIBOのグミのシーン、亜子がカラオケで「あなたに会えて良かった」を歌うシーンが良かったです。「あなたに、、」の歌詞をはじめて意識して聴きました。良い歌詞だったんですね。
猫ってあんなに思い通りに動いてくれるもんですかね?うちの猫じゃ考えられません。役者との絡み完璧です。何度も撮り直したんでしょうか?撮影は大変だったと思うけど、残念ながら猫単独のカットはそんなに要らないと思いました。
シュークリーム濡れ場
「愛なのに」を数ヶ月前に見てからの鑑賞。まずはこの脚本交換、監督交換という神々の遊びのようなコンセプトで作品を出してくれた二人の偉大なクリエイターに感謝。
で、ふた作品見終わった結果として、やっぱり比較論で語りたい。「愛なのに」監督城定、脚本今泉。「猫が逃げた」監督今泉、脚本城定。作家性が強く出ているのは今泉監督の方かな、と感じた。城定監督(そこまですみません見てるわけではないのですが)の方にどちらかと言うと「せっかくなんでコラボしてるっぽい感じにしたいな〜」という欲望を感じ、今泉監督の方は通常運転。
で「猫は逃げた」に関して言うと、企画上必須項目だったであろう「濡れ場」が一つの鍵かなと思うんですが、なんか、そんなに張り切ってない笑。「愛なのに」の方は、うわ〜ネッチョリしてんなぁ…って感じに見えましたね。これ、濡れ場要ります?ってレビューが他のレビュワーの方にも散見される印象ですが、よく分かります。推測ですが、この企画において一つの約束事として濡れ場は用意されており、今泉監督はハナからそれを有機的に活用するつもりはなかったんじゃないのかなぁ。今泉演出にそれは不要、とも言えますし、コラボの機会に「ちょっと頑張ってみようかな」とはならなかったのね、とも言える。
「愛がなんだ」でもそうでしたけど(成田凌ができなかったやつ)今泉監督にとっての濡れ場は一つのプロットにすぎず、あのシュークリームのようなスポンジにふわふわと包まれたゆる〜いドロドロ劇の中の一つ。
ダメな人達がゆる〜い空気を揺蕩って、最後の最後ゆる〜く破裂する(とは言っても行われるのは短い痴話喧嘩で、結局みんな日々を引き続き楽しく生きる)と言うのが今泉作品の常套手段。濡れ場、と言っても、いつもの今泉作品でほんの一節として描かれているものと変わらない、シュークリーム濡れ場。
「愛なのに」は今泉ワールドの城定的解釈。「猫が逃げた」は城定監督による今泉監督に合わせた楽曲提供、って見えましたね。城定さんのプロット、その辺は完全に狙ってたかな、と言う印象。ハッキリ言って猫出してくんのズルすぎでしょ笑 それとも、こんな風にすると今泉さんっぽくなるかな、的なことだったのか。そんな目線でも楽しめました。
あとはまぁ、相変わらず素敵でしたよ笑 ゆるく冷めてる夫婦の二人とか、別にセ⚪︎レの二人も、言うは言うんだけどそんなに本気じゃなかったりとか、なんだかんだみんな楽しそうにしてたりとか。気軽に楽しめる今泉キャラって感じですよね。カジュアルに楽しんだ作品でした。
猫はかすがい
子はかすがいの例えの飼い猫版、醒めた夫婦が離婚寸前に愛猫の親権を巡ってうだうだする話、W不倫、ベッドシーンも交えてアメリカのB級映画の雰囲気丸出し。
猫を出汁にしたピンク映画かと思ったら、同病相哀れむなのか不倫相手同志がくっついて奇妙な四角関係成立。
現実には起きそうにない流れだし、猫がとりもつ縁というのも微妙。
結婚て何か、若者に問いかけるテーマなのか、男女関係の不可思議さを描きたかったのか、意味の分からないシュールな映画でした。
☆☆☆★★ ちょっとだけの感想で。 城定×今泉コラボの第二弾。 公...
☆☆☆★★
ちょっとだけの感想で。
城定×今泉コラボの第二弾。
公開は監督城定・脚本今泉の『愛なのに』が先でしたが、時間の都合でこちらから先の鑑賞。
その為に『愛なのに』を観たらオ◯ロ繋がりだったのをこの後に知る事になりました。
(直接的に2つの物語とは直結してはいませんが)
方向性は気軽に明るく楽しめるライトピンク(決してポルノではなく。ここ大事なところ)を目指していると思います。でも全然エロくないのはちょっと残念。ベットシーンにしろ裸の場面にしろパターンに変化がなさ過ぎて萎えて来る有様なんだもの(T-T)なんだよ〜!監督まさか童貞かよ〜!
肝心の中身はどこかで観たことがありそうな内容でした。ちょっと今すぐには思い出せないんですが、何となく既視感のある話ですね。その内に思い出したらレビューを改訂し記すかもしれません。
それでも、映画の取っ掛かり部分から暫くは面白く観てはいました。でも、次第に面白味を失って行ってしまったのですが。後半で『家族ゲーム』画角から始まる今泉印の場面が展開。
ん?ちょっとまてよ!これは城定脚本だったよなあ〜。
成る程!城定監督…どうやら今泉監督作品を研究している風な雰囲気がうかがわれますね。特にこの場面等は今泉監督の『街の上で』での、後半に於ける笑いが弾ける場面を踏襲している風な、、、多分、当たらずとは言え。この予想はかなり近いと思いますね。
但し、『街の上で』程には笑いが弾けてはいないのは。そこに至るまでが少しダラダラとした内容だったからでは…と思うんですよね〜。
以下、『愛なのに』へと続く。
2022年3月19日 丸の内TOEI 2
しょうもなさが愛しい群像劇の良作
登場人物も、メインとなるシチュエーションも、できる限り絞っている分、登場人物同士の関わり方が丁寧に描かれている。それにより、それぞれの関係が微妙に変化していく様も、説明ではなく、観客側の発見としてよく伝わってくる。
例えば、相手との営みが始まるきっかけとして、どちらが積極的に誘っているかとかなどのちょっとした仕草で、相手へののめり込み具合や、本気度が透けて見えてくるのだ。登場人物の口から語られる言葉と、行動のズレの積み重ねが、物語をとても豊かなものにしてると感じる。
また、「おお、そこにスポットを当てるんか。でも、言われてみれば確かになぁ」というエピソードの選択もうまい。
出てくる主要人物たち、それぞれがしょうもない。けれど、そのしょうもなさが愛しい。
タイトルにも出てくる「猫」について。
「岩合光昭のネコ歩き」かとツッコミたくなるくらい、こちらもとても丁寧に撮影されていた。猫たちは、まるで監督の指示を受けて演技しているかのように、その場にピッタリな動きを見せるのだが、どうやって撮影したのだろうか。
猫を飼ったことのない私は、サッシの隙間が開いているだけで、「あっ逃げちゃう」とドキドキしていたが、一緒に観ていた妻から「猫は、人じゃなくて、家に懐くって言われるくらいだから大丈夫じゃない? オスは発情期になるとどっかに行っちゃうこともあるみたいだけどね」とプチ情報を聞き、より豊かにストーリーを楽しめた。お茶の間で映画を観る良さっていうのもあるなぁと改めて感じた一コマ。
他にも、オズワルド伊藤演じる映画監督をコケにする場面が、個人的にかなりツボった。「アガペーとエロース」が、しばらくクセになりそう。
「愛なのに」も好きだったが、こちらもとっても好きだった。やっぱ、自分は城定秀夫が好きなんだなぁと再確認。
今泉×城定
離婚寸前の夫婦の物語。お互いに不倫をしていて、離婚届にハンを
押しながらも、猫がいなくなったことをきっかけに、中々前へ進まなく
なり、ゆっくりとストーリーが進行していきます。ダラダラとした
展開なのですが、この脱力感がこの映画の魅力なんでしょうね。
夫婦とお互いの不倫相手、4人の掛け合い、本来なら
ものすごい修羅場になるはずなんですが、コメディタッチで展開。
ラストも、そうくるか、という感じですね。
この映画は、今泉力哉さんと城定秀夫さんが脚本を提供しあって
R15+指定の映画をつくるというコラボレーション企画「L/R15」
の中の1本で、こちらが第2弾だそうです。
しかし、なぜ、R15+というシバリを設けたんだろうな?
なくてもいいような気がしました。
そんなドラマを堪能!
台詞回しがイイ❗
間合いがイイ❗
ゆるりとした、時間の流れの中
時折顔を出す緊張感。
ドラマの醍醐味と、充実感がここに感じられました。
愛すべき空気を持ち合わせた作品。
私も良く足をツル❗
つい先日も寝起きにツッタ、両足いっぺんに。
面白い‼︎
かなり面白くて終盤は1人でくすくす笑っていました。
かんたくん可愛すぎなんですけどΣ( ˙꒳˙ )!?
猫はかすがいだにゃあ。
もう1回みたい。
ベッドシーンはあんまりいらんかったな。
意味あるん?
ベッドシーンあるせいでえろ親父寄ってくるじゃん。ハゲ頭の短足で、椅子からはみ出て光ってる。頭動かすなやって思いながら見てた。
亜子のおっぱいは控えめで良かった。
最後の4人で話し合うシーンが面白すぎた‼︎
そして最後はまさかの結末。むふふ
まるで40年まえのATG映画
大した理由もなく男と女は惹かれ合い、
大した理由もなく男と女は倦怠期をすごす。
そして (ここ重要)、
大した理由もなく 拾った猫の思い出だけで男と女は同じ家に帰宅できるのだ。
春になると月の夜は賑やかだ。町内の野良猫たちが“盛り”を催して集会をひらく。
これ、まるで40年まえのATG映画のようでした。2人の監督による実験的作品とのことです。一昔前の日本の映画を勉強してきたってことがその作風からはっきりとわかります。
あの頃なら歌はガロか かぐや姫。4人のうちの1人は秋吉久美子だったでしょうね。
ノンポリでダラダラとした若者たちの、学生気分が抜けない、失業と仕事とセックスの様子が、まるで猫たちの恋の集会のように見える、どうでも良いおはなしでした。
でもその“脱力感”がなんとも懐かしくて、始終笑いが止まらなかったです。
猫のカンタと4人の人間は同じ町内の住民。
互いの家を徒歩圏内で行き来をし、
スワップ をしながら情夫が漬けた漬け物をみんなで食べ、ハーブティーを飲み、持ってきてくれた地酒も楽しみ、同じソファーで喧嘩もし・・
さいごには4人全員が参加賞のお土産の仔猫をもらってお家に帰るのですから(笑)
こうして始まった可笑しなコミュニティは、たぶん今後も「4人+猫」のへんてこな関係のままずっと続くんではないだろうか。
すなわち
「エロース」=お互いを占有して縛る愛から博愛の「フィリア」への展開でのエンディングです。
どこかヒッピー・ムーブメント回帰の、これはグループホームとか ルームシェアリングとかの、共同生活の新しい姿なのかも知れないなぁ。
そういえば
うちの猫は僕が出張から戻ると、必ず僕の目の前で、僕の布団にウンチをする子だった・・
「留守中どんなに寂しかったか分かってよ!」と甘えて抗議して 必ずウンチを。
どうやら犬は飼い主を人間と認識しているらしいが、猫は人間のことを大きな猫だと思っているようなのです。
劇中で、カンタは離婚届の上でオシッコでしたね。
見てるんですよ、“仲間”のことをね。邪魔をしたり、場を外したりしてね。気ー遣いなんですよ、猫ってね。
たくさん思い出しました、僕も7匹の猫たちと暮した日々を。
女性ってやっぱり口達者
今泉力哉監督の真骨頂である男女の恋愛群像劇がここでも観られる。長回しのカットで4人のやりとりのカットが一番盛り上がる場面で、おもしろかった。
女性ってやはり男より口が達者だなぁって思う。こういう場面は特に女性の方が言葉が強くて淀みなく出てくる。かといって、男性も言葉少ないながらも場をなごむような感じがあって、男女の掛け合わせっていいなと思える。
オリジナル脚本でうまくできた脚本だなと思ったし、猫によって人がつながったりしておもしろい設定。映画撮影的には、猫のような気まぐれな動物のシーンをうまく撮っていて、猫の行動パパターンをよく知ったスタッフがいたんだなと思いました。
あとは、今泉作品では毎熊克哉が出演していて、その後の定番の若葉竜也が出演していない。このイケメンで優男は今泉作品のキーな役回りになっていて、毎熊克哉もハードな役柄をイメージしていましたが、この優男系もいい味出してました。それから、手島実優も艶っぽくて可愛かったです。
一発カンタくん
初鑑賞
監督と脚本は『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』『mellow』『街の上で』『あの頃。』の今泉力哉
脚本は他に『女子高生に殺されたい』の城定秀夫
R15
ベッドシーンちょっと多め
それほど過激ではない
毎熊に井之脇に比較的マイナーな女優で内容もアレだし
それでも宮城県では仙台駅東口のチネラビィータだけではなくイオンシネマでも上映された
今泉監督の力量が窺える
離婚寸前の夫婦が飼い猫カンタ(♂)の所有権を争うわけだがそのカンタがいなくなる話
泥棒猫ならぬ猫泥棒
いや泥棒猫でもあるか
夫の愛人が妻の愛人に問い詰められるもカンタをタマと言い張るシーン好き
面白い
アガペーからエロース
しつこい
シュールだけど映画におけるお笑い芸人の正しい起用法
亜子がカラオケで『あなたに会えて良かった』を歌うシーンが印象的
この作品なんかジワジワきた
亜子の仕事場で主要の4人が集まりやりとりする一連のシーン好き
高級なコント
カンタは腎不全で死ぬが近所の婆さんが飼っているミーコの子猫を4人がそれぞれ一匹ずつ預かり飼うことになる
世の中こんな感じでまるくおさまれば良いんだけどね
ゆるいけどなんか強引にねじ伏せられた気もする
ゲイビデオに裸の女が出たらゲイの人は不快だろう
猫好きなら『猫が逃げた』よりNHK BSプレミアムの『世界猫歩き』を観た方がいいと思う
僕は猫も邦画も好きなのでどうってことない
レディコミ漫画家の町田亜子に山本奈衣瑠
亜子の夫で週刊誌記者(小説家希望)の町田広重に毎熊克哉
広重の後輩の週刊誌カメラマン(写真家希望)で広重の浮気相手・沢口真実子に手島実優
亜子の浮気相手の雑誌編集者・松山俊也に井之脇海
エロ映画監督の味澤忠太郎に伊藤俊介
広重の上司・竹原に芹澤興人
町田家の近所に住む老婦人・和江に中村久美
若手女優でモデルの長谷川一花に萌菜
喫茶店の店員で若手女優の塩田しのに詩野
コンビニの店員・別府愛子に海沼未羽
アガペとエロース
「アガペ」とはキリストの無償の愛のことで、
「エロース」とは、プラトンの自己愛のこと。
(こういう単語を会話に潜ませると利口そうに聞こえます)
味澤監督(伊藤俊介)が、それをやります。
巧みな脚本でした。
もう、「うーんスゲェ」
と、唸るしかなかなかったですよ。
オズワルドの伊藤俊介(伊藤茉莉のお兄ちゃんなのね)
(さすがのお笑い芸人)
彼の出演シーンは爆笑でした。
愛妻家が建前の映画監督で、真美子に「浮気現場」を
パパラッチされる役。
昨今のセクハラ・スキャンダルもまな板に乗せて、
笑わせて貰いました。
ある意味で一番強烈な個性
(加齢臭&ニンニク臭の混合キャラ?=御免なさい)
彼の演じた映画監督の胡散臭さ・・・
(4人の主演陣をぶっ飛ばす勢いでしたね)
今泉力哉監督と城定秀雄監督が、互いに脚本を提供しあう
コラボレーション企画「L/R 15」の2作目。
1作目の「愛なのに」
(一方通行の愛の行方と、その機微がとても愛おしかった)
今作「猫は逃げた」は、
離婚間近の夫婦が、飼い猫「カンタ」を、
どちらが引き取るかで揉める。
その話しを軸に、互いの浮気相手が絡むストーリー。
時間軸が過去そして現在と、交差して、
説明して行く手法も良かったです。
(亜子と広重夫妻の「愛の歴史」が、浮かんできます)
「愛し合って、結ばれたのに・・・」
「なんで今、こうなってしまったの?」
猫ちゃんの演技をどうつけるのか分かりませんが、
(カンタは堂々の貫禄で役者でした。
(ニコリともしないのに、大人4人が右往左往)
題名は「猫が逃げた」出なくて、
「猫は逃げた」
この「は」と「が」の違い?!
ここに秘密が隠れていました。
猫の行方不明に、ある計画が絡んでいたとは!
広重(毎熊克哉)の恋人で後輩のカメラマンの
真美子(手島実優)が良かった!!
悪い娘かも知れないけれど、一生懸命なところ、頑張り屋のところ、
敵にはしたくないけれど、タフさがちょっと好き。
漫画家の亜子(山本奈衣瑠)の恋人の担当編集者、
松山(井之脇海)も可愛いかった。
手作り浅漬けとか薬膳茶・・・
スパイスになってましたし、
男の子が泣くと、
(凄く、ほだされます、男の人の涙に弱いので、)
猫を触媒に4人の男女の愛が交錯して、
喧嘩して、心の中をさらけ出して、
ラストはまさかの大団円。
とても面白かったです。
ジェンダー論語っちゃいけない場面とかないから
ドロっとした色恋の話かと思いきや、みっともない大人たちの人間ドラマへと転換していく構成が見事でした。
ちょっとしたセリフやアイテムも伏線になっていて無駄がなく、2度見返して楽しめました。
「しょうもない人たち」で終わらせない4人の丁寧な演技も素晴らしかったです。
一点だけ、ジェンダー論の話がありながら、性的描写のシーンで女性だけ露出が過度だったのが気になりました。
R15のラインまで持っていかなくてはならなかったのかもしれませんが、あのレベルの露出がなくてもエロースの関係性は描けていると思いました。
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