猫は逃げた

劇場公開日:2022年3月18日

猫は逃げた

解説・あらすじ

「愛がなんだ」「街の上で」の今泉力哉が監督、「性の劇薬」「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫が脚本を務め、飼い猫をどちらが引き取るかで揉める離婚直前の夫婦とそれぞれの恋人、不器用な4人の男女を描いたラブコメディ。今泉と城定が互いに脚本を提供しあってR15+指定のラブストーリー映画を製作するコラボレーション企画「L/R15」の1本。漫画家・町田亜子と週刊誌記者の広重の夫婦。広重は同僚の真実子と浮気中で、亜子も編集者の松山と体の関係を持っており、夫婦関係は冷え切っていた。離婚間近の2人は飼い猫のカンタをどちらが引き取るかで揉めていた。そんな矢先、カンタが家からいなくなってしまう。亜子役を「追い風」の山本奈衣瑠、広重役を「孤狼の血 LEVEL2」の毎熊克哉、真実子役を「階段の先には踊り場がある」の手島実優、松山役を「ミュジコフィリア」の井之脇海が演じるほか、お笑いコンビ「オズワルド」の伊藤俊介、中村久美らが脇を固める。

2021年製作/109分/R15+/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
劇場公開日:2022年3月18日

スタッフ・キャスト

監督
今泉力哉
脚本
城定秀夫
今泉力哉
エグゼクティブプロデューサー
佐藤現
プロデューサー
久保和明
企画
直井卓俊
撮影
平見優子
照明
本間光平
録音
岸川達也
サウンドデザイン
山本タカアキ
美術
禪洲幸久
スタイリスト
小宮山芽以
ヘアメイク
杉本あゆみ
寺沢ルミ
編集
岡崎正弥
音楽
菅原慎一
主題歌
LIGHTERS
助監督
平波亘
劇中漫画
岡藤真依
スチール
柴崎まどか
キャスティング
伊藤尚哉
宣伝美術
寺澤圭太郎
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(C)2021「猫は逃げた」フィルムパートナーズ

映画レビュー

3.5 猫“で”逃げた?

2022年3月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

今泉力哉と城定秀夫がそれぞれ互いから提供された脚本で、R15+指定のラブストーリー映画を監督するコラボ企画「L/R15」の第2弾。先月公開された第1弾「愛なのに」と役割を入れ替え、この「猫は逃げた」は城定が脚本、今泉が監督を担っている。

漫画家の亜子と週刊誌記者の広重は、猫を拾ったことが縁で結婚したが、現在はそれぞれに不倫相手がいて離婚するつもり。ただし猫のカンタを自分が引き取ると言って互いに譲らず、そうこうしているうちにカンタが行方不明になる。

たとえば、夫婦とそれぞれの不倫相手の計4人が一堂に会し、気まずい雰囲気になったり言い争ったりするのは、今泉監督が得意とするシチュエーションであり、脚本を書いた城定によるリスペクトが感じられる。

ただまあ、恋、愛、セックスにユーモアを交えつつも真正面から向き合った「愛なのに」に比べると、本作のほうは飼い猫をめぐる騒動の尺が思いのほか長く、猫好きにとってはそれもまた魅力になりそうだが、相対的にL/R15としての特色が薄れてしまった印象だ。今泉監督がR15+要素から逃げた、というわけではないだろうけど。

出演陣の中では、広重の同僚で不倫相手の真実子を演じた手島実優の色香がとてもよかった。撮影は「少女邂逅」にも参加していた平見優子、本作でも大いに貢献している。

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高森郁哉

4.0 「猫」という人の心

2025年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

猫は逃げた

若干エロチックなヒューマンドラマ
広重と亜子の離婚届唐物語が始まる。
その離婚届の上で小便をした猫カンタ
離婚の話し合いは、このカンタの親権
お互いの不倫
そもそもの原因
でも、結婚したことにも原因はあった。
無職と亜子の妊娠
彼女が求めていたのはタバコを吸わないことだけだったが、この3つとも広重には受け入れられないことだった。
二人でいったカラオケにも全く気乗りしない広重は、タバコを吸うために外に出た。
しかしこのとき彼は、このまま逃げてしまおうと思っていた。
広重の心境は、亜子にもよくわかっていた。
「もう、戻ってこないんだろうなあ」
そう思いながら一人歌う歌の歌詞と、彼女の心境の乖離
そして広重が見つけた捨て猫
生理がないと言った亜子だったが、もう戻ってこない彼を諦めた瞬間、生理が来た。
同時に、彼と猫がやってきた。
亜子にとって、漫画の連載は夢を叶えた印
同時に広重と結婚できるなら、こんなに嬉しいことはない。
この亜子の「生理」と「猫」は、生まれてくるはずだった子どもと非常に近しい感覚となったのだろう。
禁煙を決断した広重にも、薄い希望の光が見えたのだろう。
子どもと似た関係性を生じさせる「ペット」
浮気が原因で仕返しの浮気と連鎖
広重と亜子の離婚問題は、猫の親権で、そのことで右往左往する浮気相手たち
まるでコメディだ。
さて、
「猫は逃げた」というタイトル。
猫とはモチーフだと解することができるが、何のモチーフなのだろう?
物語にそのヒントとなる「映画」が登場する。
この映画は、ある夫婦の破局を描いていた。
その理由が、男女の愛が「アガペーからエロスに変わった」から。
つまり、恋人でも夫婦でも「段階」があるのだろう。
その段階を踏んで結婚までたどり着いても、その先にはまた新たな段階があり、それに躓けば離婚と言う選択肢になる。
編集者松山も、同僚のマミコも、相手の心の穴を埋めるピースでしかなかった。
だから遊びではないが、本気にはなれない情事だった。
逃げたというのは、相手に向き合わずに他者に逃げたということだろうか?
猫は言葉を喋らない。
しかし、猫のふりをして表面上相手に寄り添うふりをして、逃げる事はできる。
亜子にとって、夫の不倫に薄々気づいていたが、言葉ではっきり告白されると、自分が傷ついたことがはっきりと分かったのだろう。
「なんでわざわざ言った?」
「隠すの辛いし…」
「自分が辛いからだよね」
「自分だけ」のためにという言い訳は、亜子の心を深く傷つけた。
あの日、
亜子の妊娠を告げられ、亜子が夢を叶えたこと、そして無職の自分(広重)
猫は突然生まれた子どものようで、それを見れば希望が見えた。
しかし、浮気と自分勝手な言い訳は、夫婦の溝を作った。
自由に動き回れる猫は、去る事もできる。
結婚すれば、離婚することもできる。
しかし猫が戻ったことで、夫婦は以前のような仲を取り戻した。
気持ちは、離すこともできれば、寄り添うこともできる。
自由なようで思い通りにならない感情
それは猫のように人を翻弄する。
この物語の猫とは、人の心
思いやりがあれば猫はそばにいるし、思いやりをなくせば猫は去る。
この一見当たり前でいて、ともすれば後ろを向いてしまう「人の心」
このことを考える余白のある作品
その他を全部描写したうえで、このことを視聴者に考えさせている。
なかなかいい作品だった。

コメントする 1件)
共感した! 7件)
R41

4.5 良い意味での現実離れ

2025年9月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ありえない展開が続くが、不思議と嫌な気持ちにならない。現実ではない、映画だからこそ描けるストーリー。この世界観に入り込み、それぞれの登場人物の気持ちに寄り添うことができるかどうかで、この映画の評価が変わってくると思う。
4人の演技が自然で、日常を覗いているかのようだった。

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共感した! 0件)
みゅう

3.5 猫がかわいい

2025年8月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

浮気と不倫が絡んで修羅場はあるんだけど、恋や人生は収まるところに収まって、後味は悪くなかった。
今泉監督が描く、波はあるけど、平凡な日常が好きだ。
過去数年から数ヶ月くらいの時系列が入り混じるのが少しわかりにくかった。ただ10年くらい時間が流れないと、見た目に変化がないのは仕方ないか。
猫をキャリーケースに入れず、連れて歩いてるのが、観ていてヒヤヒヤした。

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邦画好き

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