愛なのにのレビュー・感想・評価
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R15なのにこの心地よさ
由宇子の天秤で注目し始めた、河合優実の女子校生がやっぱり気になる。彼女と瀬戸さんの純愛が何となく心地ち良い。不倫の話で、しっかりR15作品なんだけど、笑わせてくれて後味も悪くない。オススメの一本。
人が人に恋をする。純粋な愛、一途な愛、そして不純な愛。様々な愛の形を描いたシチュエーションドラマです。
城定秀夫が監督で今泉力哉が脚本という、この作品。
やはり観ない訳には。と言う事で鑑賞してきました。
決して多くは無い登場人物の間で起きる
「好き」 という感情を、
いくつもの視点から描き出したお話でした。
♡女子高校生・岬は古書店の多田に好意を告白中
♡その多田は何年も前から 一花に片思い中
♡その一花は婚約者との間で結婚に対する温度差を感じ中
♡婚約者・亮介は結婚式場のプランナー・美樹と不倫中
さらには
婚約者の不倫を知った一花が
多田に、仕返しのため一度きりの不倫をもちかけたり
最初は断るものの結局ヤッてしまったり と
… うーん。 実はドロドロ ?
と思いながら観てましたが
ドロドロな内容だけかと思えば、そうとばかりも言えず
陰湿なドラマかと言えば、意外とそうでも無く
モラルとインモラル
純粋と不純
そういったものが微妙なバランスを取った上でお話が進む
軽妙かつ巧妙なラブコメディー作品
そんな感想を持ちました。
※一歩間違えば 自己中心エピソードのオムニバスになりそう
…とも思ったり (…汗)
とかいいつつも
鑑賞後のトータルな心象は、悪いものでは無かったです。
観て良かった。
満足です。
◇で
観終わって帰宅して、しばらく経つと
「よく考えると、色々と分からない事があるなぁ」
-という事に思い当たります。
・「この娘はいつ、主人公(瀬戸くん)を好きになったのだろう?」
・「何かきっかけとなったエピソードがあるのか?」
・「新郎と結婚式場の女は、いつから肉体関係になったんだろう」
ストーリーを思い返しても
話の中でそういった事は触れられていません。 (…そのハズ)
「スクリーンの中で起きている事」
が作品の全て。
会話のひとつひとつにリアリティが感じられ
見ている最中、スクリーンの中の会話に
集中してしまっていました。
「人物の背景なんか気にしたらアカンですよ」
終始、そう言われているような気すらしました。
脚本が良いのか、構成が良いのか。 はて。
この作品
「リアリティに溢れたシチュエーションドラマ」
なのだろうと、勝手に納得することにしました。 (良いのか…?)
観る人の感性に合えば、とても楽しめる作品かと思いますし
私は楽しめました。
◇あれこれ
■下手っぴ (…ナニが?)
今日で不倫関係を最後にしようと別れを切り出す新郎。
それをあっさりと受け入れる相手。
「もっと引き止めるとか、しないの?」
「あなた会話は面白いけど」 けど…?
「ヘタだもの」 えっ
「控えめに言っても」 えええっ
「どう考えても (以下略)」 …
二人の女性の間を、上手く泳ぎ回り
自分のことを「冷静で華麗な男」と信じて疑わない
自己中心ナルシストの新郎くん。
散々に言われ、取り繕いながらうろたえる姿が可笑しい。
■出来た (何が?)
子供が逆上がりに挑戦するシーン。
ストーリー本編の背景的に、何度も登場。
失敗しても諦めず、ようやく成功。 やったね。
「お父さんもやってみせてよ」
「お父さんは …いいから」
「ええ~ やってよ」
「… お父さん、本当は出来ないんだ」
「…」
「…」
こうして父親の権威は地に落ちていくのですね。 (涙)
■嫌な奴 (誰が?)
多田くんの暮らすアパートに突然やってくる岬の両親。
「あなたのやってること、分かってます?」
「娘は高校生なんですよ。キモチワルイ」
いやいや。
あなた達も充分、非常識でキモチワルイです。
こんなのが親だから、早く家を出て
自分の家族を作りたいのかなぁ …などと思いました。
◇最後に
徹底的に「あるはずの世界を見せない」のが
「アルプススタンドのはしの方」に通じる部分なのかも
などと、一人で勝手に納得しています。
※城定秀夫監督の他の作品を見ていないので、
違うかもしれませんが…
この作品の組み合わせとは逆の作品も公開中ですね。
( 「猫は逃げた」 )
今泉力哉が監督で城定秀夫が脚本。
これも気になっています。 ネコ様だし。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
愛についてセックスの相性含め深く考えさせられる
古本屋の店主・多田は、店に来る女子高生・岬から「好きです。結婚してください。」と求婚されるが、多田には一花という片思い女性がいた。その一花が結婚式の準備に追われてる時に、婚約者の亮介とウェディングプランナーの美樹が不倫している事を知らず、美樹に結婚式の相談をしていた。服のポケットからホテルのライターが出てきた事から、亮介が飲み会で浮気した事を知った一花は自分も浮気すると言って自分を好きだと言ってた多田に、抱いてくれと頼んだ。そして多田のセックスが気持ちよかった一花は・・・という話。
好きって言われ嬉しいが、自分にはまだ忘れられない人がいる。よくあるよな、って思うがさすがに女子高生からはなかなか無いかも。また、浮気性でセックスの下手な夫(または婚約者)について悩むことも有るだろう。男のセックスが下手、というのは女性側から言いにくいだろうし、男性経験が多いと思われ嫌がられそうで、思ってても言いにくいだろうし。
愛について深く考えさせられる内容で良かった。
一花役のさとうほなみがゲスの極み乙女のドラマーほな・いこかと同一人物とは知らず、後で調べて驚いた。ウェディングプランナー役の向里佑香とともに身体を張った演技で素晴らしかった。
中島歩は相変わらずダメ男役が上手いなぁ、と思った。
女子高生岬役の河合優実が可愛かった。
エロくて笑えて
まだ好きだった人のことを忘れられない多田は高校生にまっすぐ告白される。多田の思い人の一花は結婚を間近に控えているが、婚約者は浮気を繰り返しており…。
今泉脚本ということだったが、動きの多い作品だと思った。走り、殴り、セックスをする。
人が人を好きになった時の滑稽さは観ていてとても笑えたが、ラストの女子高生とのくだりは少し疑問が残る。
真っ直ぐな関係の象徴な様だけど、やはり高校生と関係が続く終わり方は適していない気もした。
でも、愛なんだよ
今泉力哉監督と城定秀夫監督がタッグを組み、監督と脚本をそれぞれ2つの作品で行うLR15。今泉力哉監督は「街の上で」、城定秀夫監督は「アルプススタンドのはじの方」で好きになった為、このタッグはめちゃくちゃ嬉しかったし期待していた。公開から1ヶ月越しでようやく見れた本作。評判通り、めちゃくちゃ面白かったです!
あまりこういうエロを題材にした映画は好まないのだけど、本作はストーリーに上手く掛け合わせていてとても見やすかった。余計じゃなく、意味のあるエロ。流石、今泉監督×城定監督です。2人の良さがグッと詰まった作品がこれ。2人が監督した作品がひとつでも好きならば、結構な確率で好きな映画だと思いますよ。
登場人物は主に5人。
街の上でみたい、アルプススタンドのはしの方みたい。クスッと笑える場面から、グッと心に染みる場面まであり、街の上で程ではないけど色んな形で登場人物が関わって行くため、ずっと見応えがある。普通の大人たちの誰にでも起こりそうなリアルな物語。なんて出来がいいんだ、なんて質が高いんだ。
ストーリー展開としても無理がなく丁寧で、冒頭から観客を掴みその手を一瞬たりとも離さない。特に特別変わった雰囲気がある訳では無いんだけど、何故かめちゃくちゃ引き込まれる。軽さと重さを兼ね揃えた不思議な映画。R15だけど、誰か一緒に見に行って「あのシーン良かったよね」「あのセリフ胸に刺さるよね」と語りたくなる。見やすいのに深いところを突いてくるんですよね...。
人物像に粗があってストーリー自体に新鮮味が薄いのは難点ですけど、役者全員の演技力と監督2人の実力が発揮されていて、思わずお見事!と言いたくなる上質な恋愛映画でした。いやぁ、見てよかった。主題歌も聞き心地が良くて、満足度高めです。今年の日本の恋愛映画、すげぇ。
この順で上映してくれたイオンシネマに感謝
2022年劇場鑑賞75本目。
「猫は逃げた」とセットの今泉力哉監督と城定秀夫監督が互いに脚本と監督を入れ替えて撮った、こちらは城定監督作品。東京ではこちらが先で「猫は逃げた」が後に公開されたようですが、石川県では逆の順。「猫は逃げた」では「愛なのに」の俳優が絶対違う役で出演しているのですが、こちらにはもしかして「猫は逃げた」のキャラクターがそのまま存在しているんじゃないかと匂わされましたので良かったです。こちらが先だったら猫の見分けなんてつかないですもん。
内容は向こうが終わり始めている夫婦の不倫を描いたのに対し、こちらは始まりかけている夫婦の不倫の話です。終わりかけはもうお互い様なので嫌悪感ないのですが、始まりかけは嫌悪感感じてやな映画だな!と思いましたがちゃんと嫌なまま終わらなかったので良かったです。自分は笑いどころがなかったのと、「猫は逃げた」の最後一つに繋がっていく感じがこの映画ではしなかった(一つの恋愛がもう一つの恋愛に影響を与えたというのがしっくりこなかった)ので「猫は逃げた」の方が好みでした。でもこの作品も面白かったです。
ちなみに2枚つけると破れてかえって危ないので良い子はまねしちゃだめだぞ!
いろんな愛のカタチがありますね...
こんなにドキドキして、キュンとなるは
笑えるは、予想つかないは、オチあるはのバラエティに富んだ映画久々に観ました。
城定監督の作品も今泉監督作品もどっちも観ていますが相乗効果ってこういうこというんですね。
まさしくお互いの良さがプラスに作用してました。会話劇の今泉脚本も感じられ、エロさは城定監督の手腕ですね。
それにしても、河合優実さんは本当に上手いなぁっていつも感心させられます。
同じ女子高生でも『由宇子の天秤』と『愛なのに』では全く違う人格の女子高生を演じていて、醸し出す雰囲気や喋り方まで違っていて同じ子とは思えない。
また、瀬戸康史さんが演じる多田さんがまっすぐな岬の気持ちをふざけたり、バカにするわけでもなく、真正面から受け止めて、誠実に応えてあげている姿は本当に人間性が素敵すぎると思ってしまいました。
多田がすばらしいとこはいくつかありますが、岬に書いた初めてのお返事の手紙、そして、押しかけてきた岬の両親にぶつけた台詞、そしてラストのシーンです。もう拍手でしたね。
多田が思い続ける一花とその婚約者との関係性。
結婚するというのにあれあれ??と思うようなことだらけでまさかのオチには笑うしかなかったです。
こんなまったく方向性が予想できなくて、のめり込むように観れた作品は最近なかったですね。
今度はぜひ今泉監督、城定脚本の『猫が逃げた』観たいと思います。
「なのに」で畳み掛けられ、最後は…
正直、城定監督と今泉監督のコラボってどうなんだろう…と思って見に行ったのですが、完全に良い意味で裏切られました。至高のコラボレーションがそこにはありました。
メチャクチャ面白い作品です!
◎(sexが下手なのに)最後は結婚する
◎(昔のバイト仲間なのに)浮気の腹いせにSEXする
◎(JKなのに)男の方が本気で好きになりかける
◎(年の差あるのに)二人の純愛ぶりに胸がキュンキュンする
◎(誰が見てもいい男じゃないのに)JKを夢中にさせる
◎(絶対振り向いてもらえないのに)何度もアタックする
◎(仕事と顧客という至近の関係性なのに)不倫する
こういう、いろんな「なのに」パターンで語れるプロットをまぶしながら、畳み掛けるようにシーンを積み重ね、「(お前達にわかるはずないのに)愛を否定するな!!」のクライマックスに持って行く、物語の運び方の「巧さ」が最高でした!
積み重ねられた最後、「愛なのに」というタイトルが鑑賞後の気持ちにしっくりとシンクロする。
そういう多幸感と、何度も出てくるベッドシーンやそこに絡む台詞のリアリティで、本当に「にやにや」が止まらない映画体験でした。
ほっこり笑顔になれる映画♪
面白かったです!!
クスクス笑ってしまうところも散りばめられていて、
全く飽きることなく見終わりました☆
人を好きになる…て、
危ういんだな〜
どうしてもっと確実でしっかりしてて、
不動じゃないんだろう…
岬の愛だけは
真っ直ぐで一途で
不動であって欲しいなぁ…
スッキリしない
モヤモヤを感じてたけど、
最後は雲の切間から
お日様が差してきて
2人を照らしはじめた☆彡
よかった♡
映画は瀬戸くん目当てで見に行きました。
相変わらずのイケメン♡
追伸:多田さん、
真面目であんなにイケメンで〜
そして上手♡
魅力的すぎるでしょ!!
テーマの意外性。
そこを撮るか。
話しの焦点の意外を愉しんだ。
心身に素直でいることと社会や自身の思込みから受ける有形無形の干渉との折合いを如何に付けるか?
正解など土台ある筈もないこの命題に緩く確かに切り込んだ感は流石。
あくまで軸足を喜劇に留める潔さも良し。
そして物語る量の丁度良さ。
怖いよねー 心ってさ…
あるわけないよなって言いたいけど、大概そうなんじゃないの?って思う。 冒頭に女子高生岬の話から始まるのは「これから始まる修羅場に気をつけろ!」みたいに振り返ると感じる。
愛とは? キリストも御心と言って明確な答えを出さないように、不確実なものに対してえぐってくるのが今泉脚本。 そもそも永遠のテーマだけど、かの監督の表現はハマるなー。
結果として個人に委ねられた愛のカタチはどうあっても「美しく尊い」ということだと解釈した。セックスの上手い下手、過ごした時間の長い短い、年の差は至極社会
的で陳腐だ。
もうすぐ50になる自分にとっても楽
しめたし、隣の70オーバーの紳士も爆笑しているということは普遍的なテーマなんだね。
あっという間の良作
お前が言うなと何回突っ込んだろうか
本当に良く出来た作品
俗におじさんと言われる古本屋の店主に急に女子高生が結婚の申し込みをしてくるという突拍子もない場面からの連鎖。
シニカルな笑いの連続で引き込まれた。
カメラワークも凝っていて好感。
郡を抜いて面白い
人を好きになるということは
なんとなく紙一重で
理由を聞かれても
わからないけども
ただ好きだということは
知っているし
自分の中での確かな事実
愛なのにの
なのにの中に
なのにのなにか
が隠れている気がする
最後の郡を抜いての
下りが
コントみたいで
面白すぎた笑
郡を抜いて面白いです
間違いない
ほっこり
大人たちのろくでもない恋愛模様の中での、一本まっすぐの愛。最後のシーンは、見ていて、うん良かったねっていう気分になりました。
あと、どうでもいいことですが、しばらくは中島歩さん見るたびに、この人群を抜いて下手なんだとか思ってしまいそうです。
観る人を選ばない、案外エンターテインメントな90分間
不倫とか浮気の考え方・行動に関して「あるよね〜、なるよね〜」と個人的には共感がいっぱい。
自分を好きでいてくれる人に甘えて、自分勝手なやり方で自分を癒やして傷つける気持ちもとってもわかる。みんな人間臭くて大好き。
不倫・マリッジブルー等々大人な世界の恋愛と、一途に人を好きでい続ける純情な女子高生との交差がマーブル模様って感じで面白かった。
あとはやっぱり、下手くそに気づかないイケメン男性、いるいる過ぎるしめちゃくちゃ面白かった笑笑笑笑
私も、一言では言えないような恋愛・普通ではない形の恋愛をしてきたので、「愛を否定するな」という主人公の気持ちもわかる。本人たちが満足するまで、やってみればいいと思う。
ふふって笑える場面がちょこちょこあって、登場人物達の行動も真っ直ぐすぎておかしかったり、あるあるがたくさん散りばめられていたりで終始笑顔になれた!主人公の不憫すぎる展開はもはやコメディで、嫌な気持ちにならずに観られた。
女子高生と30歳という組み合わせに対して、両親の否定的な目や友人のそれはどーなのよという視線(たぶん)がきちんとあったので、現実的でよかった。
上映時間が3時間近くある邦画も多いけど、これは90分で短くすっきり観られて、飽きもなかったし中だるみする部分もなかった。
最初から最後まで次の展開が読めなくて、「次はどうくる…!?」と前屈みになって観られる純粋に楽しめる映画でした!
連作を連続鑑賞
今泉脚本/城定監督の「愛なのに」と城定脚本/今泉監督の「猫は逃げた」を連続鑑賞。
どちらも二組の男女の恋愛(SEX?)コメディに、異物要素として、前者はJK(河合優美)を、後者は猫をトッピング。
初めっからファンタジーとしてJKの告白をぶっ込んで来る今泉脚本と、後半に猫行方不明の種明かしというファンタジーを展開する城定脚本は、それぞれの特徴が出ているようで面白い。
役者はみんな素晴らしい。特に女優さんたちはみんな(河合優美除く)惜しげもなく濡れ場を披露しているが、個性が活きているし、中島歩のダメな感じも笑える…ww
そして河合優美はファンタジーをギリギリ地上に繋ぎ止める良い芝居だったと思う。
「今年ベスト!」みたいな映画ではないが、時々思い出してクスクス笑えるような映画。
そして、向里祐香と手島実優は今後も注目したい。
映画を見るときのそのメンバーは一つのチームであるとかつて松本さんが...
映画を見るときのそのメンバーは一つのチームであるとかつて松本さんが言ってたが、今日は最悪だったな。
R-15なのに、こどもが来ていたのかな。
ほんとにたま~におるよなあ、
コント見てる時に設定で演者が腹痛いとかセリフを言うと
「えー!大丈夫ぅ?!」とか
お前に問いかけてないのに
「うん、うん」とか声出して、ゼスチャーして、、ガイジやん。笑
やば過ぎ。
映画自体は悪くないのにそいつのせいで
"シミ"みたいに残ってまうのよね。
映画を思い返すとそいつもフラッシュバックしてしまう。
罪やねーまじで。
愛なのに
好きな映画なのに
城定秀夫監督のピンクと今泉力哉監督のポップ、いい塩梅で交じり合う
待ちに待った「城定秀夫監督×今泉力哉監督」のL/R15。乳房のような色に顔を赤らめつつ、滑稽で秀逸な世界に溺れる。好き。
ピンク映画を多く撮る城定秀夫監督だが、私は『欲しがり奈々ちゃん』しかピンクなのは観たことがない。この作品だけを取って言えば、濡れ場と前後の雰囲気の撮り方が上手い。背徳感が宿り、滑稽な人間の姿を映し切る。物陰に隠れたり、カメラを引いてみたり…。よく「体を張った」なんて表現を使うが、そんな表現が似つかわしくない気すらしてくる。何より、彼らのバックボーンがいい塩梅にハウリングし、その不器用な姿に笑みが溢れる。
少し大人になったのかもしれない。そんな風に自分のことを思う。「恋」ではない、「愛」なのだ。具現化することは難しい感情が、こんがらがりながら顔を出す。好きや嫌い、身内と他人、過去と今…。今泉力哉監督の持つ恋愛相関がポップに機能しつつも、城定秀夫監督の映すカラーは少し苦い。その不釣り合いで凸凹した中に、その突起がなんとも気持ち良い。会話劇として生きつつ、身体の交じったピンクさが何とも面白い。
そんな不器用で器用な主人公は、なんと瀬戸康史さん。キャスティングが何とも憎いし、器用な人のダメな感じって魅力的に写る。河合優実さんがミューズになり、さとうほなみさんが不安定な心模様で混ざり合う。そして、中島歩さん。想像以上のクズだった(笑)。向里祐香さんのキレあるセリフには1本。なんでかいい余韻がする。
お次は『猫は逃げた』ですか。思ったより混ざらない、まさにL/Rって感じ。これまた楽しみ。
愛のかたちは様々。まさに愛なのに...。 映画を観ながら、観る側に...
愛のかたちは様々。まさに愛なのに...。
映画を観ながら、観る側にもいろんな愛を思い出させてくれるような映画でした。城定監督と今泉監督のコラボ企画2本。「猫は逃げた」も楽しみ!
全143件中、61~80件目を表示