レッド・ロケットのレビュー・感想・評価
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飽きずに観られた
『フロリダ・プロジェクト』のショーン・ベイカー監督の最新作。
うん、やっぱり面白い。
若干、長く感じたが、ずっと飽きずに観られた。
追いかけたい監督です。
前作然り、今作も
絶対どこかにいると思えるような
登場人物の造形がうまい。
行ったこともないのだけど、
アメリカのテキサスというところに
ああいう母娘がいると本当に思わせられる。
マイキーもずるいくらいに憎めない
だけど、時折スマートに見えたり。
長くロスにいた分、田舎町に来ると
どこかカリスマ性を帯びて見えるのよな…。
それで周りの人を虜にさせ、
そして不幸にしていくのです…。
レクシーのよれた感じとか、
人生諦めてるあの感じとか、
もうリアルすぎてさ〜。
ロイも絶対どこかにいるでしょ…。
そんで誰かの罪被って謝罪してるでしょ…。
もうさ、
ストロベリーもいつかレクシーになる未来しか見えないしさ。
マイキーはマジでやばい奴ですよ。
第二のレクシー製造機ですよ…。
全体的にふざけたジョークが散りばめられてるから気づかないようになってるけど、本当にシリアスでシビアな現実の連続ですよ、
そして劇場から出た後も、
どこかにいるレクシーのことを想うのです…。
ストイックさに痺れる
これほどまでに最低で最悪な主人公が、かつていただろうか?笑
人気ポルノ男優という経歴も、どれだけすごいのか怪しいうえに、特化したスキルや技術が必要な職業とはいえ、女優ありきの添え物感が拭えない。
とにかく口八丁手八丁で周りの人を利用していく最低男ですが
ユーモラスな演出が見事で、チャーミングで憎めない部分にほだされてしまう説得力があります。
喜びが満ち溢れるシーンでは、不覚にも可愛いと感じてしまった。
なんだろう、このモヤモヤは。
人が純粋に喜ぶ姿は素晴らしい。けど喜びの理由が最低で最悪なんよね。
では、最低で最悪な彼の「低」とは何か?
そして「悪」とは何か?
どん底の主人公が最後に向かった町は、高い煙突から炎と煙が立ちのぼる工業地帯。
住人たちも、やたらタバコに火をつけ煙を吐く。
自分が生きることに精一杯で周りが見えていないから、その煙が大気を汚染し、副流煙が側にいる人に害を及ぼすことに気づける余裕が無い。
利用するか利用されるか?ギリギリの状態で生きているのだ。
主人公もその1人で、再起をかけて出直したくても新たなチャンスは与えられず、結局は過去と同じことの繰り返し。負のスパイラルから抜け出せないでいる。
観客はこれまでのドラマのセオリーに何度も裏切られます。
悪は成敗されるはず
悪は報いを受けるはず
悪は改心するはず
もし悪を正当化するにしてもポリシーが必要ですが、それすら与えられません。
だって、そもそも悪ではないから。
人間の生き方に「悪」は無い
たとえ手段を間違うことがあったとしても
生きようとすること自体は決して悪ではない
誤解を恐れずメッセージを伝え切る監督のストイックさに痺れました。
彼にセオリーを当てはめたとたん、彼のこれまでの生き方を否定することになってしまうから、彼は最後まで最低で最悪の男のままなのです。
これまでもショーン・ベイカー監督は偏見や貧困の中で生きる人々の喜びや悲しみを絶妙なバランスで描いてきました。
ユーモアには生きる為の力強さを ファンタジーには生きる為の希望を感じはしますが、それらが逆に悲しくもある。
でも、決して寄り添って勇気づけたり美談にして憐れんだりはしない。
むしろ、懸命に生きる人に向かってそんな感情は失礼だと言わんがばかりに。
かといって俯瞰で捉えた人間賛歌ほど遠ざかっていないのは、彼らが苦しむ原因が明らかで、彼らの未来を閉ざしている憎むべき悪は、私たちの中にある偏見に他ならないからだと感じました。
この企画を支持できるなんて、やっぱりA24ってすごいな。
とにかく一筋縄ではいかない登場人物たちがいちいち魅力的。
なかでも、元締めマザーの娘が気になりました。
めちゃくちゃ主人公にキツくあたるけど、意識している裏返しに見えて、勝手にキュンキュンしちゃいました。
「見る人を選ぶ映画」と呼ばないで。
思い切ってダイブしてほしい。
落ちぶれてしまった元ポルノスターが故郷に戻り再生を目指す物語
4/14のFilmarks試写会(京橋テアトル)に参加してきました。
主人公のマイキーは最低なんだけどなんかみんなが好きになってしまう魅力をもっていて、私は途中から素敵な人にみえてしまいました‼️
そして、テーマが重いはずなのに…ポップでユーモラスに描いていてショーン・ベイカー監督の優しさが今作も滲み出てました☺️✨✨
上映後のトークで主人公のマイキーと薬の売人をやっている娘の母親レオンドリア役以外、全員素人という事実を知ってびっくりしました。
賛否がわかれる作品かなとは思いましたが、ベイカー監督の手腕によって素晴らしい映画へと変身できたのかなと思います🤔
音楽も映像も全部よくて、最初の方のシーンでお店でドーナツをたくさん食べて元奥さんとおばあちゃんと一緒に急いで家に帰るシーンがすごくへんてこで
そこで出会ったストロベリーという赤毛の小柄な女の子に恋をして出会いを重ねていく中で、
自分の今の堕落している生活から脱出するために以前の仕事だったポルノ俳優という経歴を利用して「君だったら、ビッグスターになれる!!」と口説いて、
日の目を見ることが少ない職業に誘い込むというストーリーが展開していきます😌
今作をみることによって、社会的少数者に属する職業で働いている人への見方というか意識の向け方が変わるのではないかと感じました🤗
誰であっても変われる可能性はあるんだよっていうことも観客に伝えてくれている感じもしました😄
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