前科者のレビュー・感想・評価
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役者人の演技と設定が上質
人は誰しも失敗や間違いを犯してしまう……
私はWOWOWのドラマをアマプラで見ました。見てよかったです。さらに前科者にハマりました。そして今回の作品を鑑賞しました。本当に泣けて声を出して泣きたいほどの作品でした。鑑賞後は、すぐに席から立ち上がる事が出来ませんでした。人は一生の内に何度も失敗し挫折し苦しみ、自分の個性を出せずに引きこもって犯罪に手を染めてしまう。それはいつ自分が受刑者になるか分からないし、身近な存在が気づかずにそうなってしまうのか、そういった事を感じました。
では、感想です。まず保護司役の有村架純さん去年の花束みたいな恋をしたの作品とは全く違う演技力でものすごく鳥肌ものでした。有村さんの悲痛な叫び、自分の無力さに気付きどうしようも無い気持ちになる圧巻の演技素晴らしかったです。森田剛役の工藤さんを助けたい気持ち、応援したい感情全てが涙ものでした。次に森田さん。寡黙で口下手な役として凄く難しい役だったと思いますが、一つ一つの動きに重圧を感じ物凄く良かったです。そして事件に関与しているのが、自分の弟である実役の若葉竜也さんも悔やんでも何処にぶつけていいのやらと言う感情の作り方に驚きました。実が連続殺人をする理由には、人を信用する怖さ、子供の繊細さ、脆さ、などの部分から金田刑事の警察としての無自覚な人間、福祉課のおばさんの人に簡単に濡れ衣を着させるくずさ、施設で薬ばかり飲ませるアホ男どれも人間としてあるまじき行為見ていて胸糞悪く実の感情に凄く移入がしやすかったです。父親のリリーフランキーさんの怒りも湧きましたが、何故か憎めない人物像どの役者さんも凄いなと思いました。お父さんの仕事からの家族に対した虐待、でも更生することの出来る良いお父さんだったのが辛かったです。どうしてなの?なんで家族を傷つけちゃったの?と感じました。そして工藤誠は、仮釈放から解放されたい真っ当な人間に戻りたい、でも弟の復讐を止めなければと葛藤する姿に涙無しでは見れませんでした。パン工場のクズな上司嫌でしたね〜
他のキャストさんのアンナチュラルからの活躍で好きになった北村有起哉さん、罪の声からの活躍に歯止めが効かない宇野祥平さん 、仮面ライダーエグゼイドからの活躍に応援したくなる磯村勇斗君全てに感動でした。物凄く長いレビューになってしまいましたが、参考程度に見てって下さい。本当に見てよかった作品でした。2022年のベスト10確定で入りますよ!文句の付け所のない評価5でござります!
久々の良作
アマプラでドラマを観てから鑑賞。
近くの映画館は上映最終日で駆け込みだったけど、映画館で観られてよかった!
保護司側の目線の話と共に、ある事件が起こりそれを追う刑事と二つの話が交差する。
サスペンスとしてもよく出来ていて、133分と長めですが全く飽きずに釘付けだった。
とにかく切ない。全員切ない。保護司の阿川佳代、刑事の真司、前科者の工藤誠と再会した弟実。
どの目線で観るかで湧いてくる感情も違うと思う。
私がすごくしっくり来たのは被害者遺族であった真司の話。
テレビでもよく事故現場に見ず知らずの人が献花したり、ましてやペットボトルの飲み物やお菓子を置いている映像見る度にもの凄い違和感を感じてたけど、遺族の実状はこうだよね、と。
阿川佳代のキャラクターがとても良いですね。
ただの聖人ではなく、ダメと分かっていて対象者とお酒を飲んで潰れたり、久々に再開した同級生と関係持ちそうになったり、イライラして大切な友人を傷付けてしまったり。
完璧で無くとても人間味溢れる人柄であるからこそ、前科者に寄り添える。
久々に良作に出会えました。
有村架純さんと森田剛さん始め、演者の皆さん素晴らしかったです。
保護司という職務ではありながら、一線を越えてしまうほどの佳代の優しさが心の傷を癒す!!
「ビッグコミック」で連載されている漫画の実写化作品ではあるが、漫画自体が東野圭吾の短編のようなテイストであることから、映像化しても、ほとんど違和感ないし、地味眼鏡スタイルを最近よく観る有村架純にはハマり役。
ドラマ『前科者 −新米保護司・阿川佳代− 』の3年後という設定ではあるが、基本的な情報は冒頭で説明が入るため、観ていなくても理解することはできる。ただ、 佳代のモチベーションや信念が構築された過程や、主要キャラクターのバックボーンほ知るうえでは、観ておいた方が良いだろう。
特に佳代が保護司になって、一人目の対象者みどり(石橋静河)との友情関係に深みは増すだろう。
今作では、ドラマの中では直接的に描かれず、断片的にフラッシュバックするだけに留まっていた佳代の過去も描かれている。連続殺人事件が並行して起きることで、ドラマと比べて、全体的にサスペンス色やエンタメ色が強く、その中で佳代の過去に経験した事件のことにも大きく触れていくことになる。
こちらもざっくりとしか語られていなかった、佳代が保護司になった理由にも、直接的にリンクしていく。
公務員という枠組みではありながら、同時にボランティアの立場である保護司。ほとんどが年配で、生活に余裕のある人が行うことでありながら、佳代の場合は、コンビニでアルバイトをしている。
あくまで職務という立場上でも、どうしても感情移入してしまい、介入し過ぎてしまう、境界線がゆるい佳代ではあるし、そこは若く保護司としての経験も薄いということも作用しているとは思うが、ドラマの3年後という設定においても、その境界線のゆるさはそのままである。
その職務では無い優しさを感じるエピソードの数々が重なりあっている作品でもある。
工藤誠(森田剛)の物語がメインであり、もう一人の主人公と言っても過言ではない。工藤を通して、救えたはずだったのに、行政や警察の手から漏れてしまった人たちの行く末を描いて、保護司は必要だと感じさせる一方で、保護司の元に辿り着く前に、救えるような社会にならなければ、負の連鎖は終わらないことも痛感する作品だ。
ネタバレはできないが、連続殺人の被害者には、ある共通点があって、その理由も心をえぐられるようなものだが、特にリリー・フランキーが演じている男を殺そうとするシーンに注目してもらいたい。
非情に人を殺していた犯人が、ためらい涙を流すシーンは、どんな関係性であっても、子どもは親のことを怨み切ることができない悲しさが一瞬で伝わるシーンとなっている。
有村架純の演技の幅広さに驚かされる
評価が高かったので前々から気になってはいたのですが、ようやく鑑賞できました。
主演の有村架純さんは私の昨年のベスト映画『花束みたいな恋をした』でも主演していましたし、物語の中心人物である過去に殺人を犯した工藤誠を演じた森田剛さんは、私が日本のノワール映画で一番好きと言っても過言ではない『ヒメアノ~ル』でも殺人犯を演じていましたね。
好きな俳優さんが揃い踏みの映画ですので、非常に期待しての鑑賞です。
結論ですが、素晴らしかった!!
脇を固める俳優さんまでもが全員役にハマっていて素晴らしいですね。ストーリーも本当に素晴らしく、普段の生活では知ることができない「保護司」という役職について知ることができ、そして刑務所から出てきた前科者が社会に復帰することがいかに難しいかという社会問題にも切り込んだ内容になっており、ただ面白いだけじゃなくて勉強になるというインタレスティングな映画でしたね。
WOWOWで本作の前日譚にあたるドラマが上映されたそうですが、映画単体で綺麗に完結した内容になっていますので、ドラマ版を観ていない状態でも一つの映画作品として十分楽しめました。
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刑期を終えて釈放された前科者の社会復帰を支援する「保護司」として多忙な日々を送っていた阿川佳代(有村架純)。彼女の元に、殺人罪で懲役を受けていた工藤誠(森田剛)がやってくる。控え目で真面目な性格の工藤は保護期間中で全く問題を起こすことなく生活していたのだが、間もなく保護期間が終わるという時期になったある日、忽然と姿を消してしまうのだった。
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「保護司」という役職について、私は本作を鑑賞するまであまり知りませんでした。先日鑑賞した藤原竜也さんと松山ケンイチさんダブル主演の『ノイズ』で殺人犯を猪狩島に連れてきた男性が「保護司」として説明されていたので、名前だけは聞いたことがある状態です。
本作は、細かな描写が素晴らしいですね。例えば、阿川が出所直後の工藤に牛丼を作って食べさせるシーン。「ついさっき吉野家で牛丼食べたばっかりなのにまた牛丼出された」っていうギャグシーンになっているだけではなく、肉より玉ねぎの方が多い阿川の牛丼を見ると、「阿川は決して経済的に豊かなわけではないんだな」と伝わってきます。映画中盤で石橋静河さん演じるみどりが阿川の家ですき焼きを食べているシーンでも「貧乏で良い肉を食えないだろうからごちそうする」とみどりが阿川に言うシーンもありますので、それがよくわかります。
阿川と滝本(磯村勇斗)の対比も良かったですね。学生時代に、とある人物の死によって人生が変わってしまった二人。片や阿川は殺人犯の更生を手助けする保護司となり、滝本は「殺人犯は人間じゃない」と言い放つ程の強い憎悪を抱きながら警察官となる。全く対照的な二人のぶつかり合いから、「犯罪者の更生」という難しい社会問題についてキッチリと踏み込んだ内容になっているように感じました。
役者陣も全員素晴らしかったんですね。特に良かったのはやはり有村架純さんでしょうか。昨年の『花束みたいな恋をした』では「ありきたりで可愛い女子大生」を演じていたり、『るろうに剣心』では「ミステリアスな美女」を演じていました。そして本作では「真面目で飾り気のない女性」を演じています。
化粧や髪型や衣装による違いはあるでしょうが、それ以上に有村さんの演技によってそのキャラクターのイメージが固まっているような気がします。まるで別人のようなキャラクターの演じ分け。本当に素晴らしかった。
他にも、森田剛さんは言わずもがな素晴らしかったですし、殺人犯の実を演じた若葉竜也さんは『街の上で』で観た演技とは似ても似つない猟奇的な演技で、精神の不安定さや狂気性が伝わってきました。本当に、登場する役者さんが一人残らずキャラクターにピッタリでした。
ストーリーは面白いし、役者の演技は素晴らしいし、社会問題に切り込んだ内容になっているし、ラストの締めが個人的にめちゃくちゃ好きでした。文句を言うような部分が一切なくて、「減点方式で言ったら100点」という感じの映画ですね。
公開からかなり時間も経過してしまって、上映終了してしまった映画館も多いですが、本当に素晴らしい映画だったので是非多くの人に観ていただきたいですね。オススメです!
重たいけど…
塩辛いコメディ作品
「私は保護司」と言うインパクト
原作漫画やテレビドラマは知りません。
◉常軌を逸した保護司
工藤誠(森田剛)が阿川佳代(有村架純)の助けで工場で働くようになるまでの前半は、社会派のストーリー。ところが誠の弟が出現してからの後半は、連続殺人を軸にしたサスペンス。
これ自体はよくある展開ですが、結局は最後まで個性的な一人の人間を描いた映画として観ることになりました。工藤が内包していた闇が次第に明かされると言うよりも、佳代と言う保護司が画面の前面に居続けたからでした。
傘で窓ガラスを叩き割り、いくら幼馴染みでも捜査担当デカに抱かれそうになり、一杯だけならと飲み出してグデングデンになる。
生真面目な保護司が曝け出す、破天荒な素顔。誠実や情熱が煮詰まりすぎたら、こうなるのだろうか?
その割には、牛丼を食べる時は落ち着いた幸せ感を漂わせていましたが。
◉急ぎ足のサスペンス
社会派ストーリーに対してサスペンス部分は、何故かと思うほど矢継ぎ早に、人が現れては消えてしまいました。恨みを抱えた弟が兄の元を訪ねるが、兄は弟を思い止まらせることはしない。
不謹慎だった警官、緊張感の無かった福祉課職員、性格が破綻していた養護施設職員が次々に殺され、母の死の経緯が明らかにされて、兄弟は最後の犯罪へ向かう。
サスペンスとしてまとめるために、あまりにお誂え向きの展開と状況が出現してしまったと言うのが、正直な感想です。
◉ノーギャラの国家公務員
他の方も書かれていたので、少し安心しましたが、私もこれだけ生きていて、保護司がボランティアとは知らなかったです。凄いです。
終盤、私の目は「ひたすら必死な」保護司に更に惹き付けられました。相手を第一に思っているのに違いないのだけれど、まず自分で自分を確かめたくて、認めたくて、頑張る国家公務員。結果として対象の人も救われる。
有村架純は喜びも怒りも嘆きもありのままで、役者としてしっかり自然体(かなり個性的ながら)の保護司を演じていたと思いました。
彼女ならば、私も愛おしく思わず応援しない訳にいかないです。
期待を上回る素晴らしさにびっくり
最近活躍している若葉くんを観に来たのですが、いい作品で本当に観てよかったと思いました。
WOWOWも観てませんし、漫画も普段読まないのですが、漫画が原作なんですね。
保護司ってボランティアなんですか?いろいろ知らなくてこの作品を観てしまってお恥ずかしいのですがのっけからおどろきです。
若葉くんは安定して毎度役柄ごとに別の顔を見せてくれてさすがでした。
森田くんとはある鼎談番組を観ましたが、結構この二人大丈夫か、お互い会話弾まなさすぎだけどちゃんと芝居できたのかと心配な感じもしました(笑)が、いやいや凄かったです。
人を信じること、なかなか出来ることではない。
一升瓶抱えて月2回の面談に来たり、ヤンキーたちに家の鍵の隠し場所バレてたり。
でもかすみちゃん演じるカヨちゃんは信じてる。信じてもらえてるから心通わせられる。
酔い潰れて起きたら残されてたメモも素敵でした。
圧巻は困ったらいつでも私を頼ってきて欲しい、というところ、ラーメン食べに行きましょうの約束。
たった一人の自分を信じてくれる存在が、大きく重く温かい。
まだ観てなくて、なんのことだと思ったらぜひ上映終了後前に映画館へ。
ちびあゆとカレーの歌を披露してた森田剛は何処へ
20代なんて女性として輝かしい時期で、
今しか出来ない事も沢山あるのに
自分の時間を犠牲にして保護司の活動するなんて
どれだけ聖人なんだ、そこまでの原動力はどこにあるんだろう
と疑問を持ちながら観進めていました。
本作に必要なのか?と物議が醸されている真司と阿川さんのxxxシーンですが、あれがあることで2人も我々と同じ人間なんだと安心できたので、大事な場面だと思います。
本作は性善説が唱えられています。
工藤は根の優しい人間で、その優しさが悪用されてしまう悲しくて辛い物語です
工藤の人生を狂わせてしまった根源となる人物がの裁かれ方が中途半端で、より一層怒りがこみあがります。
ぶつけようのない怒りや、ぶつけたところでどうにもならない怒りは
世の中にそこらとあるのが現実です。
受け止め、乗り越えることで人は強くなれるという強いメッセージを受け取ることができました。
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とても良かった
道徳の授業で使ってほしいくらいですが
まず有村架純、森田剛の演技が素晴らしい。
役柄の難しい心情を見事に表現しています。
そして何より、分かりやすい映画。
難解な映画が増える中、分かりやすいというのは一つ、映画の評価に値するものではないかと思います。
なんで上映回数が少ないんだろう。わたしの地元の映画館では一日一回朝9時からしかありませんでした。もっと多くの方に観ていただきたい。同時期にめちゃくちゃやっている「ノイズ」よりもよっぽどこっちを観てほしい笑
ほんのちょっとだけえっちなシーンが、ほんの少しだけあったのが邪魔。まさかあのせいで上映少ないんじゃないでしょうね?だったらカットしてでも学校の授業で使ってほしいくらい。あのせいで家族で観れない映画になってます。
老若男女どんな人にでも分かりやすく、考えさせられる映画だと思います。
あとは、弟くんの髪の毛なんで白いんだろう。あれだけ心に余裕のない人生を送っていて髪をきれいに染める余裕はあったのか笑 まあキャラクターを分かりやすくするためだったのかな。
あと、保護士の皆様にお給料払うようにしてください。政治家のみなさん。
エレベーター前で、詩集への書き込みに対する答を語り、消しゴムで消し...
保護司の仕事って無給なんだ…
一番の衝撃は、そこ。完全なボランティア精神に支えられた仕事っていうところに、正直ショック。
にもかかわらず、あれだけの心労を抱えて人を支えられるなんて、すごいなあと感心するばかり。
人を信じること、優しさと厳しさ、改めて考えさせられる映画でした。
色々考えさせられる良い作品でした
私の思う"保護司"とは、せいぜい2時間サスペンスで知る限りの少々くたびれた 人の良さそうな初老の男性…ってイメージだったので
先ずは有村架純が保護司!?
そりゃあ無いでしょ!から観始める事になったのですが…。
でも、観てる内に そんな先入観は無くなって いって なんか自然に作品の世界に引き込まれていってしまいました。
主演のお二人が素晴らしい事は云うまでもないのですが、更に言えば若葉竜也さんが とても役にはまっていて…何とも云えない辛い気持ちになってしまいました。
(最近NHKで観た『群青領域』の彼とは まるで別人でした)
なので私が この作品に一番の救いを感じたのは"みどり"の存在で…同性ながら惚れちゃいました。
しかも、エンドロールを見るまで『エッこの人が演じてたの!?』とチョッとビックリしちゃったんだけど、
敢えて女優さんの名前は書きませんが…
そんなに露出度が高い訳てはないけれど、
私が近年注目視してる独特の存在感を持っている人で、そこも含めて大収穫な、色々と考えさせられる良作でした。
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