サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

劇場公開日:

解説

ウッドストックが開催された1969年の夏、160キロ離れた場所で行われたもうひとつの歴史的音楽フェスティバル「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」にスポットを当てた音楽ドキュメンタリー。スティービー・ワンダー、B・B・キング、マヘリア・ジャクソン、ニーナ・シモンらブラックミュージックのスターが集結し、30万人以上が参加しながらも、その様子を記録した映像は約50年間も地下室に埋もれたままになっていた。4度のグラミー賞受賞者で、エミネムやジェイ・Zのプロデューサーとしても知られるアミール・“クエストラブ”・トンプソンが初監督を務め、黒人の歴史やカルチャー、ファッション、音楽の大々的な発表の場となった同フェスティバルの全貌を、貴重な映像や当時のインタビュー、そして約50年の時を経てこの映像に初めて触れる当時の参加者たちの証言を交えながら描き出す。2021年サンダンス映画祭でドキュメンタリー部門の審査員大賞と観客賞を受賞。2022年・第94回アカデミー賞でも長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

2021年製作/118分/G/アメリカ
原題または英題:Summer of Soul (...Or, When the Revolution Could Not Be Televised)
配給:ディズニー
劇場公開日:2021年8月27日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第94回 アカデミー賞(2022年)

受賞

長編ドキュメンタリー賞  
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(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.

映画レビュー

4.5歴史的にも、映像価値的にも見応えがある

2021年8月29日
PCから投稿

歴史的にも、映像価値的にも見応えのある作品だ。埋もれていた映像がいまこうやって映画となって多くの人々の関心を集めている状況を見ると、69年当時の(商業的な)無関心が嘘のようだ。ウッドストックと同年に開催され、同時間帯には史上初めて人類が月面に着陸。しかし「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」に参加した30万人を超える観客にしてみれば、こちらの方こそが明かな「表舞台」と言えよう。本作はスティーヴィー・ワンダーをはじめとするミュージシャンたちのソウルフルな演奏を伝えつつ、このイベントの仕掛人たちや、開催した意図、警備を担うブラックパンサー党の存在、さらには観客側のファッション、階層、ステージ側から見た多様性、文化的な意味などについても考察。決して頭で理解するドキュメンタリーではなく、体と心で感じながら、伝説となった69年、そしてあるべき未来に思いを馳せる。そんな力強い一作に仕上がっている。

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牛津厚信

4.0フィフス・ディメンションの"輝く星座"でヒートアップ

2021年8月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

ドキュメンタリー映画にもなった伝説のロック・フェス"ウッドストック"と同じ1969年の夏に、ニューヨーク、ハーレムでは黒人だけのライブ・イベント、"ハーレム・カルチュラル・フェスティバル"、人呼んで"黒いウッドストック"が開催されていた!?なんて、知らなかった人は多いはず。そして、その中身にはさらにビックリ。何しろ、ここに映し出される記録映像には、スティービー・ワンダーを始め、時代のアイコンたちが次々に登場して渾身のパフォーマンスを披露する様子はもちろん、彼らの演奏に興奮し、拍手喝采を送る人々のリアルな表情が映し出されるのだ。その画像の鮮明さに、まずは驚く。

世代によって興奮ポイントは異なるかも知れない。筆者のように、洋楽が日本のヒットチャートを席巻していた時代を知っている人は、フィフス・ディメンションが抜群のハーモニーを奏でる当時のNO.1ヒット"輝く星座"でヒートアップするに違いない。同曲は、同じ頃、ハーレムをAトレインで南に下ったブロードウェーで上演されていたロック・ミュージカル"ヘアー"の主題歌だったことが紹介されると、時代の空気感が一気に体全体を駆け巡るのだ。

そんな風に、観客各々の音楽体験を即行で呼び覚ます本作は、同時に、今のBLMムーブメントに繋がるブラック・カルチャーのルーツを探訪する機会でもある。しかし、1969年のハーレムで貧困と差別に怒る人々が、まさか、50年後の今、更なる分断に直面することになるなんて、想像していなかったと思う。知られざるブラック・フェスの存在は、アメリカ社会の現実を再認識させるという意味で、こうして半世紀後に発掘された意味があるのかも知れない。

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清藤秀人

3.5A Refreshing Visit to the 60's

2021年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

The turbulent and groovy 60's get another visit in this musical documentary. The concert footage is pretty enjoyable even with its low budget and reliance on sunlight. This New York park concert really does seem like it's the turning point for Black identity in the US. Interestingly shot on the day of the lunar landing, it's another happy day in America against a backdrop of historical change.

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Dan Knighton

5.0黒い稲妻に撃たれよ!

2023年2月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ケネディ兄弟、マルコムX、キング牧師達が立て続けに暗殺され揺れ動く公民権運動の真只中でNYのハーレム近くの公園で開催された黒人ミュージシャン大集結の黒人による初めての巨大野外フェスの400時間に及ぶ映像記録を50年以上の封印から解き放ち、その革命の瞬間をソウルを込めて映画に編集し、輝く生命を吹き込んだ傑作ドキュメンタリーでした♪

昨年の公開時には大評判の作品、音の良い映画館で観たくて機会を探していたが我慢出来ず遂に諦めて今夜VODで鑑賞

素晴らしさをとても書ききれない💩自分が高校生の頃から今まで聴いてきたブラックミュージックのリアルタイムがてんこ盛りで興奮😽スティービー・ワンダーも交通事故前の姿だ!
特にニーナ・シモン、スライ&ザ・ファミリー・ストーンが命懸けて放つ強烈なメッセージはまるで闇夜を引き裂く閃光弾だ!😳

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あさちゃん

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