決戦は日曜日のレビュー・感想・評価
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政治をモチーフにしたコメディー
概ね予告編どおりに展開していき嫌な気分になることもなく終始安心して観賞。選挙活動のグレーな部分や女性候補が少ない等の問題に切り込んで行くものかと思ったが特に深く風刺することもなくほぼコメディーでほのぼのした内容でした。これはこれでなかなか面白かった!
宮沢りえさんのはじめはお高くとまった勘違いキャラっぽいところから徐々に親近感を持てるようになるまで観客を引き付ける存在・演技が素晴らしかった。
決戦という感じでは無いかも
大物議員の父が衆院選前に倒れ、突然後継者に祭り上げられた娘有美(宮沢りえ)。バカ娘と陰口をたたかれながらも素人の強みで、政治の常識にとらわれない選挙運動を行います。さて結末は・・・
あれ、内田滋(しげ)さんどこに出てたっけ、と思ったら、女性秘書役の内田慈(ちか)さんでした、やれやれ。
宮沢りえさんが、世間知らずの二世議員候補の役を上手くこなしていました。赤い衣装もキマってます。
映画はコメディタッチですが、あっさりした印象です。コテコテのドタバタ喜劇もうんざりですが、本作は少々物足りない。それは主演が秘書役の窪田正孝さんだからでしょう。窪田さんはキレイすぎて胡散臭いと思うのは私だけ?仕事をテキパキこなす有能な秘書なんですが、描写が弱すぎて秘書になった背景も感じさせないので、あまりやる気が無い人に見えてしまいます。実は裏で支援者を喰っている(それは別の映画!)とか、事務所の金を持ち逃げとかしないかなーと密かに期待してしまいました。
議員(候補者)個人の思いとは関係なく物事が進んでいく皮肉を描きますが、事務所の他のスタッフが有美をほったらかし過ぎなのが違和感でした。赤楚衛二さんは良いアクセントになっています。
宮沢さんがとても良かったんですが、主演二人はむしろ巨大企業の社長令嬢と秘書の方が似合う気がします。あくまで政治ネタで行くなら、宮沢さんが主演で秘書は三浦貴大さんなんてどうでしょう。
あるいは、窪田さんがKYのボンボン候補で、宮沢さんが敏腕秘書というのもありかも。
話はそれますが、やっぱりドリカムの「決戦は金曜日」を思い出します。あの歌のフェイクの部分、
♪ライララライララ~のように聞こえますが、実際は♪ナイアガナ(×8回)ナ~イ!だそうです。一度カラオケで歌ってみたいですが、まだ実現していません。
大人の事情
政治の世界は大人の事情で成立している最たるモノですね。そこに純粋な人が入ってきたら、それは浮くでしょう。宮沢りえさんの役どころは、最初ウザかったですが、途中から可哀想になりました。全体的には面白かったし、普段は見ることのできない政治の世界のやりとりが見られて勉強になりました。
四畳半政治ものがたり
名付けるなら「四畳半政治ものがたり」
日本界の政治と言われる場は、職場にだってあるわけだが、事件が起きたとしても、その対処を速やかに行うことが「THE 政治」と、本作は伝える。
それが大人の世界。その四畳半の世界で一喜一憂する姿が当たり前過ぎて、全編通して失笑なのだ。
これは選挙の映画でも政界の映画でもない。日本界の人の哀れだ。
無関心、見ない振りが印象に残る
意図した訳ではないが年明け1本目は政治がテーマの映画。ここでの星が当初より上がり気味だったので鑑賞。前情報無しで見たので、宮沢りえが候補者で『決戦は日曜日』という、なんかドリカム的なタイトルからして、さわやかな候補者の政治劇か? 前に見た政治をモチーフにした映画で中谷美紀がそういう候補者を演じてたしと思っていたら全然違いました……w。
川島有美(宮沢りえ)は衆院議員の娘で、父の病気で担ぎ出されるのだが、いいのは見栄えとやる気だけで、政治に関してはド素人で全くのカン違い候補。折に触れてポンコツ振りを発揮する。それを1番近くで支えるのが、私設秘書の谷村(窪田正孝)で有美のKY行動が図抜けてるので、それをカバーする秘書の手練手管がリアルで重労働感と苦心が伝わってきて、選挙の裏側をよく反映してると感心。私の選挙区でも世襲では無いがああいう候補(それも新人ではなく副大臣も務めた中堅だが)いるよな……。
ただこれは序章で有美の父の口利き疑惑の報道を受け、谷村とは別の秘書がやった事にする件や、父の病気の急変でまだ死んでないのに政策秘書とスポンサーが大口論をするなど政治の醜い面が明らかになるにつれ、自分を出せない有美の不満が爆発。谷村も初めは秘書の職責通り、有美の不満の抑制と事態の収拾に努めるが、前議員の有美の父が谷村の娘の私立校への入学を引き合いに、『本人のことを考えて言ってるつもりなんだろうけど、結局は自分(親)が思い通りにしたいだけなんだよな』と言ったのを機に谷村は考えを大きく変える。
谷村は有美の反発に共鳴して有美が“落選するために”(←ココ重要!!)、有美の父の口利き動画をはじめ有美にとってネガティブな情報を横流しするが、返って炎上でコア層を開拓したり、対抗有力候補の病気撤退や低投票率での組織票効果や、ミサイル騒ぎを受けた世論の右傾化による与党支持の増加などで“当選してしまった”。ことごとく有美と谷村の反抗は不発に終わるのであった。
印象に残ったのは、不調和が極まり可怪しくなった有美がふらふらと車に飛び込みそうになったのを谷村が体を張って防ぐのだが政策秘書をはじめとするほかの秘書チームが、よくあることだという風に無関心でその場を去ってしまうところや、谷村が政策秘書のパソコンから情報を盗むのに遭遇しても見ない振りする女性秘書。選挙になると方々から改革、改革と聞こえてくるがこういうところにありがちな日本的ともいえる腐朽した無関心で無責任な風潮が政治風土として根付いている限り(ちゃんとやってるところもあるでしょうし、それが大多数と信じたいですが)、政治を改変する活動は難しいと感じさせられた。
続編があったら観てみたい
起承転結のはっきりした作品である。窪田正孝が演じた主人公谷村が勤める静かな議員事務所に、病気で倒れた川島議員の後継者として川島議員の娘が登場するが、宮沢りえ演じる川島有美は、更年期くらいと思しきその年齢にも関わらず、自分が衆院選の候補者であることの意味も何も解っていない。おまけにお嬢様育ちの高慢で自信過剰の性格が、頭を下げ続けなければならない候補者の立場と相容れず、谷村たちを困らせる。そして非常識と勉強不足が掛け算となって、言うべき場所で言うべきことを言わず、言うべきでない場所で言うべきでない言葉を大声で言い放つ。
このあたりが起承転結の「起」で、観客としてはかなり笑える。コメディは基本的に反骨精神を軸にするものだ。権威や権力者、金持ちなどをコケにするから庶民が笑えるのである。弱い人を笑うのはいじめであり、笑えないし、弱い者いじめはコメディではない。最も笑えるシーンは記者会見で「各々」が読めないところで、列席した記者からも笑われる。そういえば「云々」を読めずに「でんでん」と言ってしまった暗愚の宰相がいた。脚本を書いた坂下雄一郎監督にもその記憶はあっただろうし、むしろ元首相のバカさ加減を嘲笑する意味合いの台詞だと思う。朗々と読み上げる宮沢りえの演技が見事だった。コメディエンヌもいけるのだ。
起承転結の「承」は、谷村たち政治秘書によって既存の型に嵌められたり、後援会の老人たちや地方議員たちからチクチクと叱られたりするのが我慢ならない有美が、何度も反旗を翻すところである。頭の悪さに反比例するようなプライドの高さも、どこぞの暗愚の宰相にそっくりである。ここまでは素直に笑って鑑賞できた。
起承転結の「転」のきっかけとなるコーヒーマシンのシーンは比喩に満ちていて、谷村の繊細な表情の変化は、演技派俳優である窪田正孝の真骨頂だ。コーヒーマシンが古くなってカスやカビやその他の不純物が詰まっていては、どんなにいいコーヒー豆を入れても、出るのはドブ臭い液体である。プライドは高くても、純粋培養されたお嬢様には、不純物のない善意がある。コーヒーをドブ臭くしているのは、むしろ自分たちではないか。
話はここからが見どころで、谷村と有美の謀略が悉く裏目に出る。まるで「トムとジェリー」のアニメのようだ。SNSが選挙戦を左右するのはもちろん、隠しカメラや隠しSDカードまで登場する。2017年の衆院選で自民党が大勝した理由のひとつとなった北朝鮮情勢も見逃さない。そういえば、その年の夏に、ミサイル発射!というアラートがテレビを占拠したことがあった。あれはいくらなんでも自民党のやりすぎだと思ったのだが、選挙で大勝したところを見ると、それなりの効果があったのだろう。有権者もアホである。
起承転結の「結」が比喩的であり過ぎて、インパクトに欠けているが、もしかしたら続編を意識しているのかもしれない。続編があったらこんな感じだろう。非常識で低能だが、純粋培養でプライドだけは高く、決してくじけないお嬢様育ちのおばさんが国会に乗り込む。不純物のない善意は空回りの連続で、与党からも野党からも国民からも馬鹿にされるが、谷村のアイデアと根回しでいつの間にか・・・というストーリーだ。見てみたい気もする。
予告編にちょっと騙された?いい意味で
政治家や選挙戦に関するダークコメディだったが
決して重い訳ではなく笑い飛ばす感じで弾けていた。
面白かった!
政治家の秘書の皆さんお疲れさまです。遠からずノンフィクション感があり政治の闇(病み)を見た感がありました。
政治不信を感じている方には必見かも知れません。
4
全編を通して、少し熱量が足りない印象
「記憶にございません」の様な大爆笑が起こるでもない、過剰に笑いを誘わず、ひたすら苦笑の連続でした。
ちょっと物足りないなと感じましたが、逆に、そのような様がリアルさを感じます。
こういう複雑で地味なところが政治であり、無党派層に見向きもされない今の国家が形成されているのだなと思った。
爽快さが欲しかった。「変わらなさ」だけがある。
ポスターの「ポリティカル・コメディ」の文字に、コメディ好きとして笑えることを期待して観に行った。
まず、宮沢りえ演じる川島有美がどんな人生を歩んできたのかが今イチわからないまま進む。なので、そのうち解き明かされるのかと思いながら観ていたが、特にそのような展開は何も無い。
バリキャリなのか世間知らずなのかも中途半端。
ただただ、「議員秘書というお仕事のあるある」は秘書目線で羅列で見せてくる。
そして窪田正孝演じる議員秘書の人物像もよくわからない。今のようなスタンスになった経緯があるはずなのに。
シニア世代の「変わらなさ」は充分突きつけられたが、それを受けてじゃあどうするのか?どうなるか?に、夢物語っぽくなったとしても爽快感が欲しかったです。
ほんとに最初からこの台本だったのでしょうか…?もう少し深く描こうとして何かNGになって薄まったのだと思いたいです。
素直
政治や選挙を独特な角度で皮肉るコメディ。
新年早々良い邦画観たなぁと思いました。前半はとにかく熱意だけはある有美(宮沢りえさん)が暴走していく姿をニュース映像などの視点で面白楽しく笑っていたのですが、中盤をすぎた辺りで、「あれ?これ笑っていいのか…?」と思ってしまうほどの政治・選挙の裏の面に打ちのめされていく有美の姿を見ていると苦しくなっていく作品です。
良かった点
・前半の大暴れがとにかく大笑いできる。有美が飛び降りようとした時に秘書たちが冷静にマットを敷いて、敷いた上にゆっくり突き落として受け止めたり、YouTuberの突撃に思いきり立ち向かっていったり、後援会には容赦なく老人会と言い放ったりと、気持ちよく笑える瞬間の連続でした。
・現実が全てそうなのかは分からないけれど、秘書の苦悩と口封じ的な行動が妙にリアルで、今後選挙に行く時に立候補者を見るたびにそう考えるんだろうなーとムズムズ。
・北朝鮮のミサイル発射、女性差別な発言、少子化問題など、一部の方々が敏感なテーマを容赦なく扱うので、笑ってもいいのか?とは思いますが、結局は笑ってしまう不思議。
・成功しようとすると失敗、失敗しようとすると成功してしまうというコメディの常套手段でありながらもしっかり笑えて、最後の俺たちの戦いはこれからだ!的な展開も意外とカッコよく決まっていて良かったです。
・役者陣の演技、特に窪田正孝さんの表情と行動のバリエーションの豊富さに驚きました。誰か1人の演技に一点集中して見ても面白いはずです。
なかなか楽しい作品でした。大作多めなのもあり座席数自体はあまり多くないですが、時間に余裕が有れば是非見てほしい作品です。
鑑賞日 1/7
鑑賞時間 15:40〜17:35
座席 G-5
監督と出演者に拍手!
日本没落の核心をギリギリのラインで踏みとどまりながらコメディに仕上げた、本当は笑ってられない、でも劇場では大いに笑える映画でした。
宮沢りえの屋上での抗議は、マジの監督の主張なのだと思います
でもこれを周りの出演者の演技で、コメディにしてしまったのは、笑いながら身につまされました
この映画はコメディですが、下手なサスペンス映画以上に、怖さを感じました。
笑っているのは今のうち
何もしなければ現実の日本はパニック映画にもなりえるのだと・・・
ぜひ見てほしい映画ですが、たぶんメディアは忖度して程々にしか宣伝しないかも
ギリギリのラインを狙った監督に改めて拍手です
結構攻めてるエンタメ。
基本はコメディですが、色んな生々しさが面白かった。「タブーに怯まず」と言う描写スタンスは、政治家と金と言う所まで一貫しているトコロが良かったです。
精鋭化した製作陣による政治ネタの映画にウンザリしていたワタクシとしては、こんな皮肉り方の方が、素直に物語に入り込めて。
楽しかった。
割と。
もう一押し欲しかったかな
鑑賞予定はなかったのですが、イオンシネマの無料鑑賞クーポンが期限切れになりそうだったので、なんとなくよさげな本作をチョイスして鑑賞してきました。政治に疎い自分には難しいかなとも思いましたが、政治や選挙の裏側をわかりやすく描いてくれていて、なかなか楽しい作品でした。政治家にとっての講演会の意味や大切さ、SNS 頼りの炎上手法や支持率上げのための拡散など、なんでもかんでも政治に結びつけているところも笑えました。
ストーリーは、病気で倒れて一線を退くことになった代議士である父の地盤を引き継ぐことになった、娘・川島有美が、やる気はあるものの政界の知識や常識に乏しく、数々のトラブルを引き起こし、それに事務所の秘書たちが振り回される中で、政治にとって本当に大切なものに気づいていくというもの。全編コメディタッチで描きつつ、現代の政治の在り方をチクリと刺すような展開がなかなかおもしろかったです。
主演は窪田正孝くんで、忠実で有能な働きぶりを見せる一方で今の政治の在り方や自分の生き方に疑問をもつようになる、議員秘書役を好演しています。そんな彼を振り回す川島有美役の宮沢りえさんも、世間知らずのお嬢さまゆえの歯に衣着せぬ物言いで反感を買いつつも、政治に正面からぶつかっていく姿がしだいに共感を得ていくという役どころを、いいさじ加減で演じています。脇を固めるのは、小市慢太郎さん、音尾琢磨さん、内田慈さんら安定の布陣。
それにしても、よくテレビで見る「代議士は何も知らず、すべて秘書がやりました」の裏側で、どのようなやりとりが行われているのかを見ることができたのは勉強になりました。そして、政治や選挙の裏側に正義など存在しないというのもよくわかりました。もちろんこれが全てだとは思いませんが、政界に限らず、どの業界にも表沙汰にできないことや組織のしがらみや慣例があります。正しくても貫けない、間違っていると知りつつやめられない、そんな中で折り合いをつけながら清濁あわせ飲むしかないのもわかります。しかし、そんな業界の常識は、世間の非常識であることもしばしば。自分を含め、本作が自身の働きぶりを振り返る機会になった人も少なくないのではないでしょうか。
と、こんな感じで、父の疑惑に触れた川島有美が秘書の対応に疑問を投げかけるシーン、市民目線の川島有美の支援を通して谷村が本来の政治の在り方を取り戻そうとするシーンなど、物語がさらにおもしろくなりそうな雰囲気が何度か漂いました。しかし、そこからイマイチ加速しなかったのがもったいなかったです。車に例えるなら、シフトアップしながらアクセルを踏み込まなかったような感じです。ラストもそんな感じで、ややもどかしくはありましたが、全体としては悪くはなかったかなという印象です。
序盤がピーク、以後徐々に停滞。
屋上曇天に赤で日の丸三島の如き宮沢に乗るも、
それがピークで以後徐々に諭され屈して神妙に停滞。
政治の茶番閉塞をリアルに語る気なら基調は喜劇でないはず。
天賦の異物感で平成初期に切り込んだ宮沢の破壊力も起動せず、
撮り手の動機不足が停滞の要因か。
予定調和を破壊しようと暴れる宮沢りえが超絶にキュート、現代風刺をパンパンに詰め込みながらあくまで微笑ましいポリティカルコメディ
邦画にありがちなナラティブな台詞、下世話なテロップやナレーションを廃して父親の地盤を引き継いだ娘の選挙戦にこれでもかと現代風刺を塗りつけて爆笑をかっさらう痛快作。全然乗り気じゃない上に全く政治に無知で空っぽの世襲候補を演じる宮沢りえが世襲議員あるあるを全部引き受け、黙々と彼女を支える秘書を窪田正孝を見事に体現、予定調和に抗えば抗うほどズブズブと沼にハマっていくスラップスティックなのにリアルなポリティカルコメディに仕上がっています。とにかく宮沢りえがバカみたいにキュートなのでそれだけを眺めるだけで満足出来る辛辣にも程があるのに微笑ましい作品です。
宮沢りえ演じる議員候補の行動基準がよく分からない
2022年劇場鑑賞7本目。
父親が倒れて立候補する事になったが実は政治に興味なく、辞退も許されない空気なのでわざと落ちようとする、という予告の内容なのですが、本気で落ちようとするならもっとやりようはある気がするし、終盤なんか言っていた事とやっている事が全然違うのにそこについての説明がなく、作っている方は分かっているのかもしれませんがこちらは「えっ、なんで?」という感じで終わってしまいました。落選に向かって全力を尽くすという設定は面白かっただけに本当に残念です。同じ設定で三谷幸喜辺り作ってくれないかなあ・・・。
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