シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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一文字を好きにさせる壮大なプロローグ
池松壮亮が本郷と聞いた段階で、思うそのままの1号。鬱々として内向的。そしてその割り切れない雰囲気がそのまま作品のカラーとなっている。多分、イメージぴったりなのだろうけれど、庵野秀明が最も苦手とする、人の感情を伝えるという部分とハマりすぎて、全く感情移入できない。この感情移入出来ないのは、ほぼ全ての人物に対してなのがすごい。全く入ってこない行動原理、全く入ってこないセリフ。とにかく感情や状況をセリフで片っ端から話すので、感情置いてけぼりの説明としか感じられない。
私自身、エヴァは主人公と同世代から感情の成長を追って行ったから、辛うじて感情移入できた。ゴジラとウルトラマンはある意味ディザスタームービーなので、客観的に状況を追っていくだけだから感情は関係ない。でも今回、大人を主人公として登場人物の関係を追っていく物語の中で、圧倒的に感情が伝わらないのは致命的。
だからこそ、一文字がステレオタイプなヒーロー像として現れた時に、本当にホッとした。彼だけがわかりやすいのだ。だから一気に好きになる。それまでの演出は2号を立てるためだったと思えるくらいに。だとすれば、成功。
そう言えば、仮面ライダー本放送時も2号がで出てから爆発的に人気が出たと聞いたことがある。そこまでトレースしているのだとしたら恐るべし。
ライダーキックの必殺技感が凄まじい
ゴーゴーレッゴー輝くマシン
役者さんたちの演技がすごく仮面ライダーの映画と感じさせない。当時の...
ヒーローは脚力と哀愁でできている
ヒーローたちの卓越した腕力(特に脚力)と、闘いののち風に吹かれて佇む哀愁を、シンプルに感じたら、この作品はまずそれでいいのかなと思いました。
「仮面ライダー」はもちろん変身モノの大傑作として知っていましたが、詳しい知識はほぼナシ。観賞後、ネットなどに嵐のように溢れた情報で知りました。
◉最初に血しぶき
プロローグで見せられたショッカーたちの流血の量と、身体が破壊される生温かい音にまず圧倒された。これから始まるのは本気の戦争ごっこ。世界征服を企むショッカーを倒すため、今は全力で破壊を! と言う仮面ライダーたちや緑川ルリ子(浜辺美波)の決意。そして制作者が「ごっこ」に込めたエンタメ=「悪をグシャっと潰す快感を、大人にも子どもにも」の本気を感じたような気がします。
◉蝶の誘い
チョウオーグの語りによって、ショッカーの目的は人類の魂を別空間「ハビタット」へ移して、幸福な世界を創ることであると知らされる。原作マンガのショッカーは、もっとストレートな世界制覇を狙う組織だったはず。
ところが、現在の物語世界で主流になっている、意識と魂の溶け合った共同世界を生み出すことがショッカーの目的だったとは! 一括りにしてはいけないのでしょうが、「シン・エヴァンゲリオン」の人類補完計画から「ワンピースレッド」のウタワールド、「エブエブ」のベーグル世界まで、ある枠の内に全てが同じような状態で収まることが、闘いの起きない平和な世界に至る道と言う理念。
崇高な世界征服を掲げつつ、体育館に並ぶ死体。それは大量抹殺を行うカルトっぽさにも通じるようで、設定としてはなかなか怖かったです。しかしこのショッカー組織の理念が、大人仮面ライダーのための付加としても、本当に必要だったのかは、かなり疑問。「改造と変身」の悲哀だけで足りていたと思うのですが。
今回登場するオーグの中で唯一、草食系のチョウが、人類を幸せな世界に導くリーダーになる。清楚で優美なシロチョウ? が最強の怪人として君臨するギャップ。ただし0号(森山未來)が得体の知れなさは充分に醸し出していたものの、こだわりを失くした男の爽やかさみたいなものまで目立っていたようで、ちょっと残念。
◉やがてヒーローたちは憂鬱になる
バッタ、クモ、コウモリ、サソリ、ハチ、カマキリ+カメレオン、変異バッタ、そしてチョウを次々に倒していく仮面ライダーたち。ヒーローに休息はなかった。本郷猛(池松壮亮)と一文字隼人(柄本佑)と緑川ルリ子は敵を潰すたび、自分たちの存在理由に振り回されて、癒し難い傷を負っていく。そもそもが、これはショッカーたちの内部抗争の物語。三人には拭い難い虚無感が付き纏う。
その心象風景としての、夕陽の干潟や赤錆びた線路は本当に美しかった。エヴァ再びでも、ここは構わないと思っていました。本郷と緑川の我慢比べに、一文字が割って入る感じでしたが、内側は傷だらけなのに、凛々しすぎるルリ子。頑張りすぎないで!
原作の展開は知りませんでしたが、ルリ子のみならず本郷も肉体は滅んでしまうんですね。最後に一文字が走り去って、その姿に溢れる寂寥。バトンの渡し方が、ややアッサリかなとは思いましたが、ヒーローの生き様と死に様は受け取って幕。
「人類の自由と平和を守る」? 「大自然の使者」?
昭和ライダー世代ならば
特に観ていただきたい作品とは思いますが
石ノ森先生の漫画版
そしてTV版
それらの雰囲気や要素はあるものの
一文字隼人像はともかく
自身が改造人間になった事と
同類殺傷に苦悩する部分のみが色濃く
あまり憧れの対象にはなりにくい
本郷猛像となっており
「人類の自由と平和を守る」
「大自然の使者」等の志はあまり感じられず
個人的にライダースピリッツがある作品には思えませんでした。
○コアなファンへのサービス
シンウルトラマンよりも多いように思えました。
・TV版旧1号を細部までリスペクトしたデザイン
・冒頭の三栄土木と書かれたトラック
・蜘蛛男編を完全リメイクした対決シーン
・漫画版の13人の仮面ライダーに似たシーン
(原作同様に銃を所持してのバイク戦闘だったので、本郷!と不安でした)
・1号から2号への継承部分
ざっと挙げても多数散りばめられていました。
(また余談ですが
シン・ウルトラマンではBタイプが未登場ですが
シン・仮面ライダーでも非常に残念な事に
桜島タイプは省かれました。
この部分は漫画よりなので、新1号も省かれた事になりますね)
○あまり宜しくない点
個人的感想では、1号2号のデザインや一部にしか
良い部分が見当たりませんでした。
(特に映画鑑賞後、NHKドキュメントも観てしまい尚更)
・アクションの統一性のなさ
リアルにするかヒロイックするか、どっち付かずでした。
最後3人での戦いは、終始泥臭い戦いで
仮面ライダーBlack Sunの張りぼて戦闘を思い出し
(2号のヘッドバットは良かったのですが)
CGである事を暗闇とスピードで誤魔化したような
大量発生型相変異バッタオーグ戦
(ドキュメントと異なり、ショッカーライダーデザインも把握出来ないほど)
双方が極端過ぎて、違和感と、安っぽさを印象付けてしまいました。
またドキュメントでの苦悩がそのまま映像としても残り
本郷役池松壮亮さんが、TV版当時の藤岡弘、さんのよう
ライダー1号アクションまでこなす事に、果たして意味を成しているのか?
(バイク事故で大怪我をしてしまった藤岡弘、さんの過去もあり)
池松壮亮さんが足を挫いてしまった件も含め、疑問で気の毒に思えました。
・何故か尺の長いハチオーグ関連
上記部分より、もっと本郷の心情に時間を割いてほしかったです。
緑川ルリ子とヒロミ(ハチオーグ)の女性キャストが
男性ファン用ならば、本郷猛や一文字隼人も
TV版と同じく撮影当時の若手イケメン俳優起用
男性キャストで、女性ファン用に振り切るべきでは?とも思いました。
ルリ子を改造人間にして、ヒロミとのドラマ部分を作るなら
一文字隼人が仮面ライダー第2号となる部分を
石ノ森先生の漫画版、更には村枝先生のライダースピリッツのよう
もっと大事に描いてほしかったです。
(あくまで本作ではあまり意味の無い刑事ではないK
シャドームーンと融合したようなデザインの
サナギマンにはならないイナズマンも、必要な要素か?と疑問でした)
・リスペクトになっているのか?
確かに漫画もTV版も、絶命時の泡状表現はありましたが
証拠隠滅とはいえ、わざとチープにしているように思え
(石ノ森先生漫画版の方が徐々に白骨化したりしてリアル)
登場人物達を失う度にブクブクされ、興醒めしてしまう事が多々ありました。
また序盤の血飛沫表現、あれはTV版蝙蝠男編のリスペクト
あるいはリアルティ追求なのかも知れませんが
仮面ライダーアマゾンズのよう、振り切っているのなら兎も角
妙にチープな泡状絶命とかけ離れ過ぎていて
客層を狭めるPG12指定にするまでの意味があるのか?と
理解出来ませんでした。
●総評
私個人は熱烈な旧1号、旧2号、桜島、ダブルライダーファンなので
スピリッツが感じられなかったり、不釣り合いな要素に嫌悪感は出るものの
一文字隼人のラストシーンで救われました。
石ノ森先生の漫画版を上手くアレンジしていて良かったです。
(終演スタッフロール時の3曲も良いのですが、仮面ライダーのうたを流して
「嵐とともにやってきた~♪」で
ショッカーオーグを蹴散らす映像がほしかったです)
今回は悪い意見の方が目に入り
これでシン・仮面ライダーは終わり、そうなると寂しいです。
(せめてTHE FIRST、THE NEXTのよう2部は制作してほしいです)
やはりシン・ウルトラマンの方が絶賛までとはいかないものの
ウルトラマンのスピリッツまでリスペクトを感じられ
撮影現場の雰囲気も良く、それを映画にまで反映しているように思えます。
今後、庵野さんはデザインや脚本に情熱を注いで
アクションやドラマ部分は各専門家にメインを任せ
もっと肩の荷を下ろして、続編を作ってほしいと思いました。
大人向けの仮面ライダー
作品レビューでなく制作姿勢への感想提言記録
まずは映画館でリブートが観られたことに感謝する。
カルト・怪作の面白さはそれなりにあったが、監督当人が目指していたはずの大衆向けとは呼べない出来からいえば失敗だろう。
いいところ・悪い所の内容は色んな人が細かく指摘する通りだ。
庵野氏は偶然を得たり他人の力を強奪する事で自分の才能の限界を越えたいともがいているのだろうが、実写経験が少ない事もあり、その独善的かつ客観性を欠く手段が逆効果である事がもはや作品の出来で証明された。
バランスは悪いがやはり彼なりの才能は確実にあるのだから、自分と他のプロフェッショナルの才能を信じて、自分と他人を上手く操って今後もっとフリー&ストレンジ&ポップな作品作りをして欲しい。
おそらくそれが彼の才能が最も輝く創作だろうと思う。
そのためにはまず、彼が無意識に囚われているオタクコミニュティの視線からの解脱をする事が必要だろう。
大いなる奇才がハビタット空間に閉じ籠り、好事家相手の小さな箱庭作りに精を出すのはまだ早過ぎる。
生臭いこの世で、我々悟りを知らぬ愚かな大衆を相手に果敢に格闘を繰り広げるカントク・アンノの姿を多くの人が期待して見たいはずなのである。
庵野秀明のリスペクトによる仮面ライダー
「シン」シリーズは庵野秀明の表したかった作品の在り方を伝えるもの、という大前提を見ずに、「大衆向けじゃないからダメ」という人が多すぎると感じた。
私はそもそも庵野ファンではなく、仮面ライダーファンだった。しかし、庵野秀明展をたまたま見かけて、この人の「リアリティの追求」と、相反するような「作られている映像ならではのこだわり」を見た者としては、それが十分に理解できた。
例えば、戦っているときのカメラワーク。近くで戦えば、互いが必死になるはず。その時のカメラワークが綺麗すぎると、臨場感が薄れる。最近の特撮は、子どもも見られるようやや遠目に、空撮などを駆使してきれいに撮影する。すると、目の前の戦いが他人事のように映る。一方の本作は、ブレて見切れて、拳が耳の横をかすめるようなカメラワーク。そこがリアリティ。
そこに昔ながらの戦闘BGMが流れてくる。先のカメラワークに、昔ながらのBGM。「リスペクト」を忠実にしながら、しかし映像は鮮明で、ただ昔を再現するだけではない、ひとつの「作品」として、作られたこだわりの部分が感じられる。
また、ストーリーが薄いという意見もあるが、ただ悪意的なエゴに徹して戦うものから、話し合うだけでは理解し合えないそれぞれの正義をかざして戦うものまで様々で、それが戦う描写ひとつひとつに表れていた。悲しみを越え、戦争を越え、強く生きることをテーマに生まれた仮面ライダーに「戦いが多すぎる」という批評はいかがかと思う。背負って戦うから、仮面ライダーたると思う。
ドキュメンタリーではあらゆる方面から文句をつけられていた庵野監督。しかし、エンドロールの名前を見るに、光学を一人で研究する気概も伺われた。それが、画面全体に広がる光や爆発に表れている。見る側からしたらただ眩しいだけだが、仮面ライダーが巻き込まれるあの位置で画面全体に光や爆風が映らないことは「ありえない」のである。
つまり彼は前線に顔を出さないものの、決してこだわりがないわけでは無いし、むしろ追い求めすぎるのだ。それについて行けないスタッフが多いことに何ら問題はない。それもまた仕方ないのだ。
光学的こだわりを描いたラフ画などが絶対あるはずだ。それらとスローモーション映像などを照らし合わせ、語ってもらって初めて120%の作品になると思う。シン・仮面ライダーへの理解を深めるためだけの庵野秀明展があってもいいくらいだと思っている。良い意見も悪い意見も含めて、まだ私達は、この作品を批評できる立ち位置にいない気がしている。
人に勧められないという意味
一度目は初日に観たのだが、いざに感想を書こうと思いつつ筆が進まなくドキュメンタリー番組観たりYouTubeで色んな感想観たりしてたらまた観たくなり先日2回目観ました(ハチオーグのタグゲット、あらら)。
題名にも書いているけど色んな人がこのフレーズを使ってるんですよね、実際自分もそう書こうと思ってましたし。
メチャクチャ面白いんですよ、味方も敵のデザインは良いしテンポ良いし肉弾戦は迫力あるし。
ただ、そのプラス要素を吹き飛ばすくらいにCGの粗さが目立つわキャラ付けのアニメ口調な口癖が引くってのはあるんです。
相変わらず人類補完計画だし。
そこにどんだけ目を反らせるかがこの映画を楽しめるかだと思う。
観に行こうか迷っているレベルの人は多分楽しめない。
ちなみに自分は藤岡ライダーと倉田ブラックしか観てませんが庵野バフで楽しみにしてた組でした。
ただ、資金不足で思うように作れないって苦しんでたけど、今までのシンシリーズもだけどちょい役に名俳優使うの止めたらもう少しそこらへんカバー出来るのではと思う。
なにはともあれシンシリーズ完走おめでとうございます。
庵野監督から仮面ライダーへの愛の詰まった贈り物
生粋の仮面ライダーファン(平成~令和)ですが、めちゃくちゃ面白かったですよ!
仮面ライダーが好きな方、庵野監督の作品が好きな方はもうレビューなんて読んでないでさっさと映画館に行っちゃってください!!
それでもまだ一歩を踏み出せない方はぜひ、私の感想で良ければ読んでいってくださると嬉しいです。
---ストーリー---
昭和の時代に放送されたオリジナル準拠という印象はかなり薄いです。というかそう思っている方は高確率で面を食らうでしょう。視聴の感覚としてはSF映画を見ているイメージを持つと良いでしょう。
まぁそうは言いましたが、作品の展開そのものは王道中の王道で、男性諸君の心の内に秘めた少年心が呼び覚まされるような熱い内容です。シンウルトラマンの時と同様に、場面の切り替えがとても上手くテンポが良いので2時間の大作でも全く飽きることはありません。
ライダーとしての苦悩や、守ること戦うことの意味などなど良く特撮作品で描かれることの多いテーマについての、庵野監督なりの解釈を知れたのが1特撮ファンとしてはとても胸が熱くなりましたね。
---特撮---
圧巻。この一言に限りますね。amazonprimeにて絶賛配信中の「仮面ライダーアマゾンズ」を通して感じた通り、仮面ライダー×バイオレンスアクションのアクションの相性が良すぎるんですよ。爽快感と迫力が数倍増しになります。
バイクアクションも素晴らしかったですね。ちょっとマニアックですが、バイクの排気音に燃えましたww
なんだかCGを毛嫌いしている方が結構いらっしゃるようですが、最新技術と古典的特撮撮影術が掛け合わさることによってこれ以上ないほど見ごたえと迫力のあるとても”濃い”特撮に仕上がっていると感じました。
---演技---
私はアニメ専門であまり邦画は見ないのですが、こんなにも素晴らしい演技をする役者さんもいるのかと感銘を受けました。
庵野監督は非常にこだわりが強く、俳優ふくめ撮影陣はとても大変だと耳にしますが、そんな中でこのような素晴らしい演技を披露してくださる演者達には本当に頭が上がりません。
ただの1視聴者の私ですが一言言わせてください。「本当に素晴らしい作品をありがとう。」
---総括---
この映画のプロジェクトが発表された段階から非常に注目していましたが、私の予想なんてヒョイと飛び越えていきましたね。
本当に庵野監督含め制作陣の”魂”もとい”情熱”を肌で感じることができる文句なしの☆5を与えられる作品だったと私は思っています。
1人でも多くの方が、この作品に興味を持ち観に行って下さることを願いながら、本作品の感想を締めさせていただきます。
面白かった!!も一度観たい!
TVシリーズの最初の、風を受けて変身する1号ライダーと、石ノ森章太郎の原作の仮面ライダー、この2つへの、揺るがないリスペクトが、まず、ステキです。
そもそも、、改造人間って?
、、、、という、当時の、子どもたちのオタクな疑問に、その頃の子供の一人として、しっかり妄想して描いているのがまた、いい!
石ノ森章太郎の漫画に出てくる脇役の女性は、子供には耐えきれないくらい、母性的な色気を持っていて、緑川ルリ子を浜辺美波にさせたあたり、うん!分かってるな!庵野さん!
浜辺美波さんは、滑舌だけもうひと頑張りしてほしいけど、すごく良かった!石ノ森章太郎の描く女性を体現しつつ、庵野さん的ヒロイン(綾波レイ?)の要素も表現してましたよね!
賛否両論、上等!
もっと盛り上がって欲しい!
あくまで石ノ森版仮面ライダー
微妙というか結論から言うと石ノ森版仮面ライダーを撮りたかっただけかと思う。原作は石ノ森章太郎なんだから当たり前と思うだろうが、あくまでTV企画として石ノ森章太郎の原作があって彼の漫画から実写したわけでは無い。しかも漫画は実写からインスパイアしたアイデアだという事をどれだけの人が知っているのだろうか。デビルマンやマジンガーZ同様に仮面ライダーはあくまでTV用の企画であって漫画がベースでは無い。という訳で映画はずっと石ノ森版仮面ライダーを追っかけている。そして石ノ森ワールドも展開していて如何に石ノ森ワールドを撮りたかったのが判る。
だからこそ賛否が分かれるのであろう。あくまで仮面ライダーはTVのヒーローであって漫画の焼き直しじゃ無いし、特撮としてのあゆみやプライドもあるだろう。観ている側も撮る側もそうだろうし反発もするだろう。リアル世代のワタシですらどんなもんかと思う。仮面ライダーを知らない世代からすればなんだかよく判らないと思われてもしょうがない。
リアル世代からもう少し言わせて貰えばライダーのアニキ感が全くないのが残念だし孤独感があっても孤高感が無いのも残念なライダーでした。それが今風とか石ノ森テイストと言われればそれまでの話なので★は3つですね。
傑作! 泣けた。仮面ライダーを知った!
こんなに泣けるとは思っても見なかった。深いところに届く感動があった。私は原作を読んだことは無いのですが、石の森原作が描いてみせた精神世界に忠実な映画だとすると、石ノ森章太郎さんに乾杯です。素晴らしい。(多分、映画には、さらに現代的な、ヒトに関する最先端のエビデンスや洞察が反映していると思われる。それが映画を見る私の心の深層を刺激し、ふるわせる。そういう意味で監督の庵野さんは観るものの想像力を喚起させる確かな技量と、人という存在への深い洞察力を持っている。)
二、三度ほど涙がとめどなくこぼれ溢れるのに任せたままスクリーンを見るしかない時があった。感動した。これは人間の現代的な基本問題へと目を向けさせ、それについて個々の人に想像させ、考えさせる真の(シンの)、そして真摯な芸術的映画だと思った。傑作!
単純に面白かった!
仮面ライダー自体あまり興味がなかったのですが、はじまって数分で引き込まれてしまいました。子供の頃テレビで観た仮面ライダーのアクションや手法などを取り入れつつ、多少分かりにくさはありますが、スピーディーで迫力がある映像になってたと思います。
ユニークなオーグメント達や戦いなどにワクワクし、ライダー達やサイクロン号もかっこよかったです。展開があっけらかんとしており、本郷猛とルリ子の暗い部分も重くなりすぎず、バランスが良かったかと。
昔テレビで観たショッカー軍団はバッタバッタと倒され、人間(元?)である事を忘れさせる所がありましたが、戦いで血を流す姿は、仮面ライダー・本郷猛の戦う事への葛藤を現したかったのでしょうか。
ラストの戦いは他の戦闘シーンと比べ、やや失速気味のように思えました。制作の意図や表現なのかもしれませんが、クライマックスには少し物足りなかったかな。
独特なセンスなど、庵野監督にしか作れない作品で、一見の価値ありだと思います。内容が違うので当たり前かもですが、シン・ゴジラとはテイストがガラリと違っている部分も良かったです。
全912件中、261~280件目を表示










