マークスマン

劇場公開日:

マークスマン

解説

リーアム・ニーソン主演で、元海兵隊の狙撃兵とメキシコ人少年、彼らを追う麻薬カルテルの攻防を描いたアクション。かつては海兵隊の狙撃兵だったジム・ハンソンは、妻に先立たれ、いまはメキシコ国境付近の町で牧場を営みながら愛犬と暮らしていた。ある日、メキシコの麻薬カルテルの魔の手から逃れようと、国境を越えてきたメキシコ人親子の母親が追手の銃弾に倒れる。息を引き取る直前の母親に11歳の息子ミゲルをシカゴに住む親類のもとに送り届けてほしいと託されたジムは、仕方なくこれを引き受ける。シカゴへ向けて旅立つ2人を、アメリカに不法侵入したカルテルが執拗に追撃する。監督はクリント・イーストウッド主演の「人生の特等席」で監督デビューを果たしたロバート・ローレンツ。

2021年製作/108分/G/アメリカ
原題または英題:The Marksman
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2022年1月7日

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映画レビュー

3.5リーアム無双にクリント味を足した“運び屋スナイパー”

2022年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

興奮

舞台俳優出身、「シンドラーのリスト」などで演技派として名声を得たリーアム・ニーソンは、大ヒット3部作「96時間」(2008、12、14年)以降、元軍人などの設定で並外れた戦闘能力を備えた屈強な中年オヤジ(還暦を超えてからは初老男も)を演じる作品に出続けているが、本作もそうした流れに沿う一本。 ただし、監督のロバート・ローレンツは2002年の「ブラッド・ワーク」以降すべてのクリント・イーストウッド作品で製作に携わってきたそうで、初メガホンもイーストウッド主演の「人生の特等席」。イーストウッドが追求してきた孤高のヒーロー像や男の美学の薫陶を受けてきたと言えそうで、たとえば本作の主人公ジムとメキシコ人少年ミゲルの人種を超えた疑似親子の関係は、「グラン・トリノ」や「運び屋」でも描かれた関係性を反復している。ついでに言えば、イーストウッドは実在したネイビーシールズ所属の狙撃兵を主人公にした「アメリカン・スナイパー」を監督しており、同作にもローレンツは製作で参加していた。 そんなわけで、ローレンツが監督第2作となるこの「マークスマン」で脚本にも参加し、ニーソンがこの10年来たびたび演じた“静かに暮らしているが、いざとなったら滅法強い元軍人”というキャラクターに、イーストウッドの主演作や監督作で描かれてきた要素を加味してストーリーを構成したのはある意味自然なことだったのだろう。 ニーソンは現在69歳、さすがに「96時間」3部作の頃のような激しい格闘アクションは減ったものの、元狙撃兵という設定が奏功し、麻薬カルテルの悪者連中に狙われた少年を守りながら親戚の家まで送り届ける旅において、敵に狙いを定める静かな緊張感に満ちたシーンで観客を魅了してくれる。

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高森 郁哉

3.0師匠イーストウッドから受けた影響がありありと

2022年1月30日
PCから投稿

『マディソン郡の橋』以来、数々のイーストウッド作品に携わり、『人生の特等席』では監督を務めたロバート・ロレンツ。監督第二作にあたる本作を観ていると、その序盤で気付かされることがある。苦難の連続で肩を落とし、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる主人公のキャラクターが、イーストウッド映画の主人公とそっくりなのだ。今年70歳になるリーアム・ニーソンも今回はアクション控え目。その代わり、この映画では少年と共に育むさりげないドラマシーンが記憶に残る。特にテレビでイーストウッド主演『奴らを高く吊るせ!』(68)を眺めながら、二人がわずかな言葉を交わすくだりは、それが映画全体の評価を左右するものではないにせよ、三者の変則的共演という何かしら面白い瞬間を目撃してしまった喜びが観客の胸に明かりを灯す。おそらくロレンツは、アクションよりもよっぽどこのような人間味あふれるドラマ醸成の方が得意なのではなかろうか。

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共感した! 3件)
牛津厚信

3.0自分で選ぶ道

2024年4月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 12件)
近大

2.5前半でちょこちょこっと落ちてしまったので採点はとりあえず…で。 毎...

2024年3月20日
iPhoneアプリから投稿

前半でちょこちょこっと落ちてしまったので採点はとりあえず…で。 毎年製作されるリーアム兄貴主演のアクション作品の新作は、ジーナ・ローランズ姉御主演の名作『グロリア』+イーストウッド御大の『グラン・トリノ』&『運び屋』の合わせ技。 劇中に、(多分ですけど)イーストウッド御大の『奴らを高く吊るせ!』をテレビで見ている場面があった。 少年を託されシカゴを目指し、自らの命を張る男。 それを執拗に追いかける悪党メキシコカルテル軍団と警察隊。 面白くなる要素は満点でしたね。悪党軍団の見た目だけで「コイツら凄え〜ヤベ〜奴ら!」は、いざリーアム兄貴と対峙した際には意外にも大した事なかったりしてちょっと肩透かし感が強いか(ー ー;) この手の作品の多くが、警察が全くあてにならないから逃げに逃げる訳だけど。それにしても、最後まで全くあてにならない。寧ろ、警察の描写を全く入れなくとも良かったのではないか?…とすら。 ここ数年の、アメリカ国内での銃規制に対する盛り上がり。それに反対派するかの様に『クワイエット・プレイス』みたいな〝 自分の身は自分で守る 〟的な作品が(利権絡みなんでしょうが)ハリウッドの映画界の中では時々現れる。 この作品でも少年に対してリーアム兄貴が、 (後半にかけての伏線の意味もあるが) 銃の使い方を教える場面があり。観ながら「嗚呼その手の流れか」との思い。 まあ、アクション映画なんだから別に悪くはないですけど…ちょっとだけ「何だかなあ〜」って思いはどうしても持ってしまいますかね。 暇つぶしには充分でしたけど、何が何でもスクリーンで…って作品ではなかったのが本音。 クライマックスに向けて段々と盛り上がって行ったのに、肝心要な麻薬カルテル悪党軍団がリーアム兄貴と対峙してしまうと。ドンドンと小物感が強まってしまい、意外にも盛り上がらずにエンディングへと至るので、どうしても尻すぼみ感は否めない作品ではあった感じでしょうか。 でもリーアム兄貴の作品ならば、今後もドンドン動ける内は頑張って欲しいし、此方も積極的にチケットは買う気満々なので 。配給会社も興行成績なんぞは気にしないでガンガン買い付けて貰いたい。 2022年 1月9日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン8

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松井の天井直撃ホームラン