クーリエ 最高機密の運び屋のレビュー・感想・評価
全178件中、141~160件目を表示
【スパイ合戦】
このキューバ危機を巡る、イギリス人クーリエ(情報の伝達者)グレビル・ウインと、ロシア人オレグ・ペンコフスキーのスパイ活動は、よく知られた話だ。
その前から、米ソ間のスパイ活動は活発で、イギリスのMI6なども巻き込んで、行われていたのだ。
そもそも、ソ連の核兵器製造は、スパイ活動によって、アメリカからもたらされたものだ。
ソ連は核の基礎研究など行っておらず、第二次世界大戦で日本に投下された原爆の威力を知って、政治体制維持の危機感を抱き、原爆製造は急務として諜報活動を活発化させたのだ。
結局、ユダヤ人のローゼンバーグ夫妻が、妻エセルの弟で、第二次世界大戦中にロスアラモスの原爆工場で働いていたデイビッド・グリーングラスから製造・機密情報を入手し、それがソ連側に渡ることになった。
この映画なかで、このウインとペンコフスキーのスパイ活動についてソ連に伝えたのは、ジャック・ダンロップというソ連のアメリカ人スパイだ。
とにかく、現代のサイバー攻撃もそうだが、スパイ活動は国家から企業を巻き込んで非常に活発なのは間違いない。
個人的には、ケネディの強い対応は周知だが、フルシチョフって、あんなに強硬なデブだったのとか考えてしまった。
ごめんなさい、デブは余計でした(笑)。
まあ、ここまで書いた段階では、エンタメ感満載だなと自分でも思ったりするが、あの、拷問や詰問などの場面が嫌でたまらなかった。
排尿、排泄はバケツ……。
まあ、当たり前だが、スパイ行為が明らかになった場合の苦しみは尋常ではないのだ。
日本では、こうしたスパイ行為による拷問は考えられないことだと思うが、実は、名古屋入管のスリランカ人女性が亡くなったケースで、その対応が拷問的だったのではないかと遺族から訴えられていることや、近畿財務局の赤木さんのケースで、民事裁判で係争中の事例も類似したようなものだと考えて、僕は、スパイ活動云々より、拷問の方が、きっついなー思って、そっちの方が気になってしまった。
因みに、ローゼンバーグ夫妻は、裁判の後、求刑通り、死刑になっています。
スパイへの対応も万国共通なのだ。
映画を通して知る史実
世界の危機を救った二人
それは世界を救うビジネス
クーリエ
小口の荷物や書類を海外発送するための「国際宅配便」
航空便を使用した配送サービスの一種
本来は外交官業務の一環で
外交文書を本国と各国の大使館・公使館等の間
あるいは大使館・公使館相互間などで運搬する業務のこと
1960年第初頭の米ソ冷戦がピークに達し
米国の若き大統領ジョン・F・ケネディ
ソ連の脳筋書記長ニキータ・フルシチョフ
宇宙・核兵器開発の過熱と共に両勢力の核戦争への
カウントダウンは始まっていると言われた時期は
スパイの応酬だったようです
そんな情勢下でソ連の高官オレグは
フルシチョフの暴走を危惧し核戦争を回避する
ため内部文書をアメリカへリーク
アメリカはイギリス諜報機関を経由し
オレグの情報を得る手段として
何も知らない英国人ビジネスマン
グレヴィルに真相を知らせぬまま仕事として
カフスボタンを目印にオレグに接触させます
グレヴィルとオレグは予想以上に馬が合い
グレヴィルは真相を知らぬまま最初の仕事で
外される予定でしたがうっかり知ってしまい
最初は怒りますが自分のした事の重要性
オレグの亡命の可能性などを心配し
「仕事」を継続することになります
奥さんに(前科のある)浮気を疑われてもやめません
しかしその情報により
ソ連の核兵器開発は遅れている事などが
判明していきます
(世界の諜報活動史上最も有益な情報だったと
言われているそうです)
そんな間にソ連はキューバにミサイル基地を設置
した事をアメリカ政府が察知
互いに銃を向けている状態の一触即発状態
両国の緊張感はピークに達する中
最後の仕事でグレヴィルはオレグの亡命も
手伝う事になりますがKGBに計画はバレて
おりオレグもグレヴィルも投獄されてしまいます
グレヴィルは獄中で自分のしてきた事に
後悔があったのかなかったのか
ただ希望は捨てずに
本質的な情報への関与の否定を貫き
オレグの事も漏らしません
半年後に(真相を知った)妻との接見が
認められキューバ危機が回避された事だけ知らされ
オレグが望んだ事が実現した事を知り
同じく獄中にあったオレグにそれを
大声で伝えるのでした
オレグは処刑されますが
グレヴィルは人質交換によりイギリスへ
その後帰ってこられるのでした
その後アメリカとソ連の間には
ホットラインが結ばれたのです
カンバーバッジ特有の変わり者キャラが
徐々に首を突っ込んでいったグレヴィルの
微妙な気持ちを上手に表現していたと思います
スパイものといっても007のような
決して派手さはありませんが
60年代のクレムリンの雰囲気など
よく世界観が出ているビジュアルで
入り込むことが出来ました
こうした冷戦下の話はWWⅡに比べると
少ないですがこれから増えてくるのかも
しれませんね
クーリエ、国際宅配便!
Cumberbatch の表情が素晴らしい!
「白鳥の湖」を観ているときのカンバーバッチの表情がたまらなく良かった。食い入るように舞台を見る美しい眼、これで最後、これで「仲間」と共に解放されると願い祈っての涙だったに違いない。(ロシアによるウクライナ侵攻で知ったこと:ロシアでバレエ「白鳥の湖」の放映は歴史的に特定の意味があり、この映像が流れると「何か良くないことが起きた」というメッセージだと。ロシアでも今、自由なテレビ放映や配信ができなくなり「白鳥の湖」が流れたというニュースを読んだ。真偽のほどはわからない。でもそれを踏まえると、この映画で二人が共に見た最後の舞台が「白鳥の湖」であることは、その後の二人に降りかかる災難を示唆しているのかも知れない。2022.03.05.)
1回きりの浮気もすぐにバレてしまうような、たるんだ体ねと妻に言われても何もしないようなごく普通の人。接待ゴルフでヨイショしてお酒に強いセールスマンの彼が、世界の為に動くことに!説得する方もすごいが納得した彼もすごい。その後のカンバーバッチの静かな緊張がピリピリと伝わってくる演技と表情に魅入られました。
当時の冷戦状態、ベルリンの壁がいきなりできる、キューバ危機、核戦争寸前と本当に恐ろしい時代だったことを繋がりとして全くわかっていなかったことがよくわかった。日本は戦後右肩上がりの経済成長、東京オリンピック準備中であちこち工事中の東京で安保闘争。シビアなのに日本はいつも呑気な気がする。では現在の世界情勢は?気候変動、環境問題、難民、アフガニスタン、シリア、南北絡めて問題山積。どれにも日本政府は本気で取り組んでるように見えない。
スパイってこういうのか!KGB、Stasi、CIA、MI6…。007は目立ちすぎ!フィクションとして楽しみます。ダニエル・クレイグ最後のボンド鑑賞前にこの映画を見ることができて良かったです。そして現実の世界を映す鏡でもあり夢も見せてくれるような音楽が美しい映画でした🎶
おまけ
カンバーバッチのスペル、一度書いてみたかった。Ca…❌… Cumber…!「きゅうり」🥒の一部が入ってる!かっぱ巻き大好き。
この緊張感よ!
義理人情
評判も上々、予告も面白そう、ということで鑑賞。
全体的に飽きることなく見れたのですが、なんでしょう超面白い!とまではいきませんでした。もちろんベネディクト・カンバーバッチの肉体改造や表情の作り方などはさすがだなと思ったのですが、登場人物たちの現在地が分かりにくいなと思いました。割と物語はスローに進んでいくのですが、モスクワに行っているのか、祖国にいるのかが分からず、少々混乱してしまいました。
終盤の拷問シーン。現実はもっと悲惨なものなのでしょうが、脚色された今作の拷問シーンもなかなか辛いものだと思います。そこを逃げずにキチンと描いた点はとっても評価できます。ウィンとアレックスの男同士の堅い友情もしっかりと確認でき、ラストのシーンに繋がっていくのも非常に熱いです。
核戦争を食い止めたのが一般人という事実にも驚きましたが、映画館でとてもしっかりしたスパイ活劇を見れたのはとても良い経験だったなと思います。ただ、自分はあんまりでした(^_^;)
鑑賞日 9/24
鑑賞時間 17:50〜19:55
座席 H-8
約60年前のスパイ事件
1962年10月、アメリカとソ連の対立によってキューバ危機が起きた。キューバ危機とは、ソ連がアメリカ・フロリダからすぐ近くのキューバに核ミサイル基地を建設しアメリカが海上封鎖を行い、米ソで核戦争が起きる一歩手前まで行ったことだった。
英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンは、CIAとMI6から依頼されモスクワへ行き、GRU(ソ連軍参謀本部情報総局)のペンコフスキーと接触を重ね、ソ連の機密情報を西側へと運び続けた。そして・・・という話。
事実に基づく話なので、あまり強弱があるわけじゃなくて、特に前半はストーリーがわかりにくくて眠くなった。しかし、後半になると逮捕、拷問、情報操作など、目が離せなくなってきた。
キューバ危機が回避出来たのは彼ら2人の功績も大きかったことを知れて良かった。
平和ボケしてる日本ではイマイチピンと来ないが、隣国中国や北朝鮮、韓国から日本にもたくさんスパイが送り込まれてるんだろうな、って思った。
クーリエの意味が今でいうDHLやFedExなど国際宅配便を指す言葉だと知った。
政治と国民は違う
グッドオールドマナー
カンパーバッチのラストの役者魂は驚くけど
うーむ。後半30分は画面に目が釘付けになるが、それまではどちらかというと静かな展開で緊張感を感じられない。
てもその監禁シーンも他の映画でよく見る光景だけど。
画面が変わる毎にそこが、ソビエトなのか?イギリスなのか?アメリカなのか?良く分からんし、どんな機密を流していたのか分からないので、エンタメ要素が無く盛り上がらない。
まあ、意識してそういう作り方をしてないのだろうけど。
キューバ危機を回避した男達を世間に知らすべく作った社会派映画という感じ
歴史を変えるのは、強く気高い普通の人なのかもしれない
素晴らしい作品です。胸を打たれました。
カンバーバッチが好きなのと実話をもとにしているから菊池していましたが、期待以上でした。
レビューを読んでいたのである程度覚悟はしていましたが、展開は凄まじく圧倒されました。
最後は涙しました。
シルバーウィークはたくさん映画を見に行きましたがベストです。
歴史を変えるのは、政治家などではなく、普通の人の中でも強く気高い志を持った方々なのかもしれません。
主人公の余りの強さ、清さに感動しました。
今我々がこうして平和に生きていられるのも彼やペンコフスキーをはじめとする人達のおかげなのですね。
バレーで涙するシーンが好きです。
政府のコロナ対策など不満を色々感じていましたが、今こうして生きていられることに感謝しなければなりませんね。
それにしてもロシアは怖い国ですね。日本人で良かったと思います。
ネタバレになるから多くを語れませんが、映画として素晴らしいだけでなく、歴史を知る意味でも多くの方に見てほしいです。
クリスチャンのマシニストを彷彿とさせるカンバーバッチ。
彼の最大の持ち味は、カリスマ性のある悪役やモテ男も演じられる一方、こうした普通のいい人を演じられるクセのなさや多芸ぶりであろう。
それが今回多分に発揮された。
そして、僕頑張ってます感を出していないところ。くささがないから、観客の胸を打つ。
エグゼクティブプロデューサーも務めているんですね。
また実話をもとにした新作でジョディフォスターと共演するようなので楽しみです。
最後、本人の映像が出てきましたが、人柄を物語る素晴らしい笑顔でした。
カンバーバッチの役者魂に感嘆
ベネディクト・カンバーバッチの命がけの演技が凄すぎます
予告編で興味があり早速鑑賞。キューバ危機を舞台にした実話。この作品はたくさんの人に見て欲しい傑作です。
特に後半のベネディクト・カンバーバッチの命がけの演技は神がかってます。
1962年10月、アメリカとソ連の冷戦時にCIAとMI6の諜報活動を突然依頼されたセールスマンが主人公です。
前半の単なる西欧に土地勘のあるセールスマンのスパイ活動依頼から徐々にソ連の諜報活動に入れ込み、ソ連側の情報源ペンコフスキーとの友情、それぞれの家族との葛藤、様々な社会情勢の変化と迫る来る核戦争の危機。
中盤の息詰まる展開は見応えがありました。ラスト近くの男同士の友情シーンは個人的に感動して泣けました。
実話だけに今だから映画化できたというストーリーです。誰にでもお勧めできる作品。ぜひ映画館でご覧ください。
「終戦」とは、いつのことを指すのだろう
先の大戦から76年を過ぎ、昨年あたりはメモリアル的な感じで第二次大戦の作品が多数公開されていたように記憶しています。
しかし、戦闘は終わったにしても、今作のようにキューバ危機ならその危機を回避してからまだ60年足らず、人間で言えば還暦前の出来事ですし、戦争に関わった人たちの心を思えば未だ継続している人もいるのではないでしょうか。
そういった意味合いからこのような作品が公開され、戦争を風化させない気づきになるのは意義があると思いますし、国家は違えど人の心は通じ合えるもので、それが裂かれてしまうやり切れなさも伝わりました。
そしてなんといってもカンバーバッチ!体型のことは他のレビューに多数載るでしょうから割愛させてもらいますが、セールスマンとしての満面の笑みや国・家族を思いやるときの苦悩の表情の切り替わりは素晴らしかった。引き込まれたというより「前のめり」になって見入ってしまいました。
おすすめの一本だと思います。
全178件中、141~160件目を表示