プロミシング・ヤング・ウーマンのレビュー・感想・評価
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観客の心をえぐり、見る人の考え方を映す鏡のような映画
見終わった印象はデビッド・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」に近くて、観客の心をグサグサとえぐる感じがありました。ただ本作ではビビッドなテーマをあつかっているため、鑑賞後「ああ、面白かった」だけでは終わらず、いろいろと考えさせられるところがあります。
ある理由でまわりから1人だけ取り残されている主人公の女性キャシーがとる行動について、いろいろな捉え方があるはずです。彼女に感情移入して痛快な思いをするか、哀れに思うか、何もそこまで……と感じるか。そうした感想を語ることで見る人の考え方が映される鏡のような映画になっていると思いました。
男性優位社会というシステムの加害性をポップに暴く
この映画を観て、「男なんてみんな死ね」という乱暴な物言いが、すごく身近なものに感じられた。もちろん男性がみんな死ぬことなんてありえないし、本当に死ねと思っているわけでもないが、ガチガチに固められた女性を搾取するシステムの中に自分自身も取り込まれていることを突きつけられて、しかも男性のひとりとして「悪意なき傍観者」という立場から抜け出そうにも変革する術が見つけられず、じゃあもうこのシステムを終わらせるには男性がみんな死ぬしかないなと、そんな暴論を半ば真面目に考えてしまうのだ。
脈々と受け継がれてきた男性優位の歴史の中に、自分も生きている。気持ちの上では主人公の怒りや憤りに共感し、踏みつけられてきた女性たちを思って胸を痛める。しかし、それが何になるというのか。世の中が1ミリでも良くなって、虐げられてる女性を救えているだろうか? と、現実の社会の底なし沼みたいな闇の部分と、それを支えている偽善の在り処を、徹頭徹尾ポップに、ピカレスクものの形式を使って描いている。面白い、面白いと思わせて、正面からブスリと刺してくる。とてつもなく鋭利で切実な映画だと感じた。
彼女は何に対して復讐しているか
タイトルは将来有望な若い女性という意味。その将来有望な若者が性的暴行されたことで命を断ち、その親友は男たちに復讐していく。リベンジストーリーものの体裁で、現実に横たわる問題を抉り出している。クラブで泥酔したフリをして同意なく性行為に持ち込もうとする男たちを痛めつけるという行動を繰り返している主人公。彼女の標的は、そういう類のくそ男であるが、やがて親友を死に追い込んだ男の結婚の話を聞きつけ、復讐を企てる。女性の立場に「理解」あると思っていた男性も実は彼女を裏切る行為を以前にやっていたことが判明する。復讐の対象は大勢の男、そこにたった1人で乗り込む主人公の心の強さが光る。決して特殊な力を持ったスーパーヒーローではない彼女のやり方がある種のハニートラップ的な、「女を利用する」やり方であるのも皮肉が効いている。そして、死なばもろともの結末。彼女の復讐対象は、ホモソーシャル社会が生んだひずみそのものだった。
後味痛快。フェミニズム万歳。衣装にも注目。
クラブのソファにだらしなく座り、泥酔していたはずの主人公キャシーが、その後、豹変して言い寄ってきた男たちに鉄拳を喰らわす。それには理由があるのだが、キャシーが夜な夜な繰り広げるリベンジマッチは、新しいボーイフレンドの登場によって少し捻れて、やがて、彼女をさらなる絶望と怒りの淵へと追い込むこととなる。監督も兼任するエメラルド・フェネルの脚本は、起承転結の中の、特に結、言い換えれば伏線の回収部分で強烈な展開力を発揮する。まるで複雑な数式に対して明確な答えが提示されるように。なので、後味痛快。フェミニズム万歳。この映画の後、恐らくバチェラーパーティに関するコメディ映画は作りづらくなるのではないだろうか?そもそも、もうそんな時代ではないのだ。キャシーの何層にもなった感情を、表面的には怠惰な演技で表現するキャリー・マリガンが凄くて、その姿はしばらく脳裏から離れない。ラストシーンでキャシーが纏うラバー製のナース服を含めて、エスプリが効きまくったガーリーなワードローブにも是非注目して欲しい。
ストーリーがいい
面白く観れました。
ただ、流れとしては最後にもうひと捻りほしかったかな。
あれだと、結局主人公が報われない気がして。
うーん…
もっと高得点にしたかったのだけど
復讐にのみ人生を使ってしまったことと
人は立ち直る機会が与えられないのかな?って
被害者側も加害者側も
もちろんのうのうと生きてられるのは
嫌だけど💦
そんなことじゃないか💦映画なのだから。
ほんの少しの幸せなシーンが可愛いらしく描写されていて
その前のサイコパスなシーンはただ痛々しくて、
なんだか観終わった後
色んな感情が⤵︎
クソ男どもも腹立つけどさ
映画にしてしまうとヒロインがただ不憫だった
誰が報われたかな?って…
そこまでしないと思い知らせることはできないのか
おそらくは男性ならば日頃全く意識をしないで過ごしていられることなのだろうが、女性は日々このような危険やストレス、不平等にさらされている。
大半の男性はうるさいなーめんどくさいな、と耳を塞ぐのであろうが、少しでもこの映画で疑似体験で考えて見てほしいと思うものだ。
もちろん女性だからってみんながここまでの酷い目にあうわけではないのだが。でも例えば夜遅く帰る時もエレベーターでも警戒して行動している。なのに未来があるのは若い男子だけ、など言われたらそりゃあ何かしら思い知らせてやろうと、そんな気持ちを抱くのは大変理解できる。
予想はしてたとはいえ、この人なら違うだろうと信じかけた人も、己の立場が危うくなれば豹変。
ほんと救いがない…。いや、そんなもんだとあきらめて忘れて別の道を選んで進めばいいとも言えなくもないけれど。親だってそう思ってる。それではニーナは?引き裂かれた心は?彼女には自分を救う方法がこれしかなかったのだろう。
それが最終的にああいうことになるので…皮肉だし、思い知らせるのにそこまでしなくてはいけないのだろうか?やはり不公平だよな?とどこかに腹立たしい火が燻って残っている。
誰に対しても人権は平等にあるべき!それだと困るのか?世の男共は💢
バーで泥酔している女性客(キャリー・マリガン)を遠目で見ていた男性客三人。
あぁいった女は簡単に性の捌け口として利用できるとばかりに声を掛け行為に及ぼうとするが…。
本当に少しでも多くの人に観て欲しいかなと思う。
人生を奪われた女性と、残された親友の苦悩。
キャリー・マリガンは、そんなクソみたいな男共に夜な夜な“お仕置き”をしているんだけれど、亡くなってしまった親友の母親に諭され もう一度自分の人生を生きて行こうと心に思ったけれど、ある裏切りがきっかけとなり、命を懸けて復讐するという…悲しいな…。
最後に訪れた 憎き標的のバチェラーパーティで、命の危機が訪れることも織り込み済みの決死の覚悟が悲し過ぎた。
女性は性的消費をされて当然の存在?!
女性は性的コンテンツであることを自覚して それにふさわしい言動をすべき?!
違うよね?
ミニスカートをはいたり、夜道を気を付けて歩かなきゃいけないのはなんで?
そんな格好してたら襲われても仕方ないとか自己責任とか言うのって 大抵男だよね?
伊藤詩織さんの時も、“被害者らしい”格好しろとか、なんだよそれ💢着るものをいちいち指図するな💢
(今話題のColaboもそうだけど、Colabo叩くひ◯ゆきとかほんとヤバイでしょって。
現場も知らない、知識も無いくせに叩かない方が良いと思うけどね。女の人に恨みでもあるのかしら…。)
男も女も変わりなく 同じ人権を持った人間として、何故見ることができない?
基本的に日本人の男の人って幼稚な人が多いから 直ぐに相手のせいにしたがるけど、自分のしたことを正当化する為に 相手を攻撃するな💢
女の人は「襲って下さい」なんて思ってると思うか?!だから襲ったって?!ふざけるな💢夜道歩くのに何で女の人がビクビクしなきゃいけないんだ?!
エリートのバカ男の人生を守る為に、裁判所が犯罪者に対して寛大な判決を下すことって…今までもそんな判例幾つもあったよね。
女性はいつでも我慢を強いられ、踏みにじられ、忘れ去られていく。
こんなこと あってはならないと一人一人の意識を変えていかないと、女性の人権は護られない。
この作品はただの復讐劇では無いですよ?
因みに、ボー・バーナム…コメディアンかと思ってたけど(笑)
この作品を観る大分前に、たまたまボー・バーナムのおもろい動画見てたからコメディアンだと思ってたわ(笑)。
こんな見た目の誠実そうで、一緒に居て愉快な人でも一皮剥けば…な脚本もナルホドです。
ブリちゃんの曲が、凄く不穏な感じで使われていて 衣装やその先の展開に合ってて 良かったです。
事件のあらまし
鑑賞し終わってからストーリーを調べて初めてキャシーがとっていた行動がり理解できた。
ストーリー中でもそうなんだろうなというニュアンスしかなくてモヤモヤしてたけど、やっばそうだったのか。
精神を病んでいても幸せになりたいという意志が芽生え始めてたのにライアンのせいで台無しだ。ライアンはいざとなると本性が現れるクソだった
否定はしませんが
男性やその社会に組みする女性をディスりたいだけの作品。その境遇でそこまでするぅ?ただ、水色の洋服はとても似合っていた。
ラブストーリー?サスペンス?
前半はよくストーリーがわからなかったが途中からキャシーの行動の原因がわかって理解できた。
必殺仕置き人に似ているが報酬はない。
恋人との誤解もあったが仕方ないことでまた、理解し合えたことは良かった。
確かにラストまでのネタバレはダメというのはよくわかるし、それでも書きたくなるのが心情だ。
それでもそれでも書かないのは真っ白な状態でこの映画を見て欲しいから。よって、レビューも少なめに。
アカデミー賞脚本賞、あっぱれ!
ストーリーは知ったけれど「もう一回見たいか」と思わしてくれる映画やねえ
さいきょうPと地獄の生きものたち
見終わってから目にしたプロデューサー、マーゴット・ロビーの字面に猛烈に納得。
どう考えてもマーゴットがやりかねない役だもん。。
そこをあの可憐なキャリー・マリガンがやるっていう。役者さんとしては大好きなんだけど、この役には正直ちょっと違和感。
スタイリッシュなアングルと色合いで、ゴダールとか連想させるシーンもあったり、実は時間が取れなくて2日にわけて観ましたが、序盤からめちゃくちゃテンポよくて止めるのが大変でした。
女性たちが日ごろ味わっている地獄を疑似体験できる映画でもあるので、かわいい娘のいるパパたちは見といたほうがいいんじゃないかな。。
2人の賢くて優秀な女性を見捨てる代わりに得られたものの帰結があのパーティだとするなら、本当に世の中はクソ、控えめにいって地獄だけど、似たような事例が後を絶たない。正規ヒューマンである男を生かすためなら「補欠」の女のことなんかどうでもいいっていうリアリストたちの既視感がすごい。
「ROMA」観た時も思ったけど、マッチョ志向の男性がやたら強さにこだわるのは、実は臆病さの裏返しなんじゃないかっていうこと。その怯えの源泉がどこにあるのかは知らないけど、もし男性優位社会そのものが元凶になっているならもはや持続可能なマッチポンプ。
それが弱まって救われるのはなにも女性だけではないっていう話。
世の男たちは観た方が良い作品
アカデミー賞脚本賞受賞作品。
「前途有望(プロミシング)」でありながら、性暴力によって未来を絶たれた親友の代わりに男たちを罰していく主人公の話。
『ジョン・ウィック』のような爽快感はなく、いかに主人公が復讐を成し遂げるかをサスペンスフルに描いている。
「サイコ女」「狂ってる」と追い詰めた男たちに罵倒されながらも着実に計画を遂行していく主人公キャシーの姿は、男性主体の世の中に深々と重いパンチを放っている。
個人的に観賞後の印象は『ブレイキング・バッド』に近い。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』はマーゴット・ロビーが立ち上げた会社ラッキーチャップ・エンターテイメント製作。マーゴットは映画業界に女性主体の映画がもっと増えるべきというポリシーの下、精力的に作品を制作している。
すっきり
なめられた分しっかりボコボコにしていくところが好きです。
クソッタレばかりでてきますが、ラストシーンもとてもすっきりしました。
戦う女
自分の憧れで分身とも言える親友が壊れた、
それは自身の崩壊でもあったのかも。
女を性の対象としか見ない男への侮蔑と復讐、
最後は自分を取り戻すために命をかけて戦う。
心を入れ替えた者には許しを与え
そうでない者には容赦しない。
ポップな画面に隠された
揺るがない決意。
理解あるような父が娘の「失踪もありえる」といい、
うざかった母が、「娘は誰にも言わず失踪するはずが
ない」と断言する、その対比も興味深かった。
おとこなんて
男なんて所詮そんなもん
酔っ払ってやられるのなんて当たり前
そんな世界で生きてる
そう思う反面
大切な人が死んで
自分もすべて失って
なのに殺した人たちは
幸せに生きてたら
きっと許せない
女を使って復讐するの
かっこいい
レイプで亡くなった親友の復讐に燃える女性の物語
前知識なしで鑑賞。鑑賞者の性別は男。
大学のパーティーでレイプ事故があり被害者の女性は告訴したが、双方お酒を飲んでいたこと、その場にいた人からの証言もなく、また「お互い酔っていたならしょうがない」という雰囲気が当時はあり、結果的にレイプとして立証されず、被告が罪に問われることはなかった。被害者はその後、自殺をしてしまった。
この作品は、その被害者の幼少期からの親友かつ大学での同級生だった女性の、「泥酔した女性を本人の合意なく性欲のはけ口としようとする男性(持ち帰り男)」や「レイプを訴えても真剣に取り合ってくれない周囲の人々」への復讐と怒りの物語である。しかしそんな彼女の復讐物語も、「精神的にちょっとやばいところがある」と見放されてしまう。。
要所要所でポップな演出があり全体的なテーマの重さが一部中和されており「重すぎて見れない」ということはなく、また序破急な展開により、重い内容ながらも引き込ませる演出となっている。
テーマ的に、内容に共感する女性がメインの対象なのかもしれないが、男性でも引き込まれる作品となっている。
過剰な復讐劇、左巻きのマッチョ映画
映画としては面白くないわけではなかった。
ラストも含めて意外性が2点あった。
だが、なぜここまで評価が高いのかという疑問は最後まで消えなかった。
いや本当は評価が高い理由は紹介文を読んだけで察することができたが、それを言葉にする面倒くささは、SNSで過激な人間を相手に不毛なやり取りをするのと同じ位に感じたので放置していた。
映画でのやり過ぎな復讐劇を見ることはそんなに珍しくはないが、キャリーの描き方で解せないのは、親友を失わせた自分自身に対する後悔の念や責任の所在を少しも描かず、全ての責任を加害者とされる側に求めるその態度であり、そこになんの疑問を挟む余地のない、おそらく監督はガチなんだろう。
この時点でこの映画はエンタメとして楽しむんだと分かるが、問題なのはこれをリアルな社会問題をからめようとしミスリードさせる評論家である。
最終的に親友を守ることができなかった自分への復讐としてのラストであれば、もっと評価は違っただろうとも思う。
ただのエンタメ映画に思想的な下駄を無理くり履かせ過ぎる風潮は、むしろ白けさせる。
映画として面白い
が、ここまで立ち回らなければいけないのかという現実社会への不愉快さはやはりある。
作品は面白いです。
感情のジェットコースター★
なんでこれを映画館で見なかったのか、本当に悔やまれる。それくらいよくできた復讐劇。恐怖と嫌悪感、その後にくる安堵と幸福感、と思いきや、、、
これ以上書くとネタバレしそうなのでこのへんにしとこう。とにかくいい作品なのでぜひ多くの人に見てもらいたい。。。
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