JUNK HEADのレビュー・感想・評価
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戸惑いながらも楽しく鑑賞
地下を支配する人工生命体マリガンの調査に向かった人間の冒険を描いたストップモーションアニメ。
まず世界観が妙。寿命が伸びたかわりに生殖機能を失った人類。地下開発のために製造した人工生命体と抗争があって、そこから1600年。紛れもなくSFだ。いろんなタイプがあるマリガンや人類の見た目は下手すると少し気持ち悪い。残虐に殺されるシーンも結構あるしシリアスな雰囲気になりそうなものなのだが、そうはならなかったのは、ストップモーションアニメが持つほのぼのした感じと彼らの話す言葉のせいなんじゃないか。
とてもシュールなコメディのようでもある。実際ちょっと笑ってしまうシーンもたくさんあった。
ただ、意外と奥深い話なので戸惑ってしまう。人間とマリガンの言語が違うことで起こるディスコミュニケーション、マリガンを製造したのが人間であるがため神として崇められる主人公、同じマリガンでもマリガンを殺していくモンスターに変異するという特性、女性が圧倒的な力を持つマリガン社会。現代社会を揶揄しているような気もする。
終始戸惑いながら鑑賞し、終わったときには少し呆然としてしまった(いい意味で)。でも、当初のミッションはどうなった!?と思い出した。やっぱり奥深さとか関係ないのかもしれないと思い直した。ただ、面白かったでいいんだ。
タイトルなし(ネタバレ)
面白かった!!!
全てコマ送りの撮影と聞いてびっくりしました…凄い。
独特の言語を使っているところや、全身機械化など未来であってそうでない、どこか別の世界観という雰囲気とは別に、新型ウイルス流行など現代とどこかリンクしている点もあり、近未来の世界のもしかしたらを感じました。
お気に入りキャラが死んでしまったのが残念ですが、全3部作予定とのことで、まだまだ謎が残っているので続編を楽しみに待ちます。
もうちょっと面白くできたんじゃないかな
凄く頑張ったと思うんですが、
なに喋ってるか分からなくする必要ないかなと。
全部1人でやったことが、残念な感じになったのではないかと残念、、、。
監督の執念が結実した類稀なる映画なのは間違いないし敬服しました。 ...
監督の執念が結実した類稀なる映画なのは間違いないし敬服しました。
うろ覚えですが、ストップモーション(と言うんですね)で15秒のCMを作るのに三日間スタジオに缶詰になる、と言う話をどこかで聴いた気がします。ただストップモーションアニメを私は全然見慣れてないので、どう評価したら良いのか迷ってしまいます。独特の世界観は素晴らしいと思います。何かエレクトロロックのPVを観ているようなお洒落さが漂っています。その一方、映画としてのストーリーは凡庸です。仮にこの内容を実写だったりCGで撮っていたら、ほぼ確実に世間の評価はかなり厳しいものになっていたと思います。この手の作品は演技というものがないし、表情も変わらないので、セリフと動作で感情を表現する必要がありますが、そこがちょっと直線的と言うか弱いと思いました。
技術的に凄いものを観たという部分にどこまで感動できるかどうかだと思います。
何語を話してる?(笑)
このサイトで知り、自分好みな作品だと思い鑑賞。
シュールさ、キャラクター、やたら強調される下ネタ(笑)、意味不明さなど予想通りな作風で楽しめました。
7年かけてほぼ一人で製作されたそうですが、観る側としては、まあ、関係無いので率直な感想を・・
すごく良いのです。先に書いた通り、キャラデザインやグロさなど好みなので、観始めた時わくわくしました。が、
ストーリー、構成、編集に難があるのか、中盤かなり冗長に感じてしまい(正直単調な感じ。歩く襲われる、運ぶ襲われるが続く。)
後半登場した「ニコ」もなぜ登場させたのかがイマイチ。(ぶつ切りで終わりましたが続くの?)
素人発想ですが、ストーリーラインとして主人公の他に(例えば地獄の三鬼神が主人公探すとかのストーリー。)もう一つ入れれば単調さが無くなったかなと。
しかし、姿がどんどん変わる主人公、○ンコにしか思えない尻尾(笑)○ンコにしか思えないクノコ(笑)遠慮ないグロさ。
センスは最高!
三鬼神の最後は、JOJOネタ?(笑)
実はマニアックな作品かと
グロいの苦手な人は注意。
■サイバーパンク2021
凄い映画
おとぎの世界の冒険譚。監督、ご苦労様。
独特だけど、王道
良かった点
シネマライクな外連味たっぷりなキャラクタ造形と設定、独特な世界観
子供の頃のあのフィギュアで遊ぶワクワクとした感じ
巨大な空間の演出で世界観にぐっと説得力がある
キャラクターの動きが生き生きとして非常に見応えがある
気になった店
くり返される走って逃げて落ちての一連の展開に飽き
物語の展開が時に鈍重に感じる
ディストピア世界観の映画なれしていない観客が観ると置いてけぼりを食らう説明不足さや(観る側の問題だが) 、唐突に物語が終わり、エンディングを迎える辺り少し気になった。
まとめ
7年かけて作られた執念と狂気の一作。
非常に類稀に見ない独特な世界観で全体的に薄暗さはあるが、
ちゃんと熱い展開は熱いアクション、笑えるシーンは笑えるし、怖い所は怖い、と物語展開に変化球無く全然王道な作品
この奇妙で独特な世界観を後にどのように展開していくのか非常に楽しみです。
続きがあるならば。
造形センスは超一流。製作7年。ストップモーションアニメの神髄を観た!
「期待感」と「リアル」のはざまで、意見の分かれる映画ではあるだろう。
右も左もわからない映画初製作のひとりの男が、ほぼ独学、ほぼ独力で、7年の歳月をかけて作ったストップモーションアニメときいて、みなさんはどう思うだろうか。
「しょせん、たかが自主製作映画」みたいなノリで観に行ったら、正直度肝を抜かれるだろう。
一方で、「巷で大評判、観ないとモグリ」みたいに煽られて観に行って、「あれ、そこまでのもんだったか??」と思う人がいても、別段おかしくはない。
この映画には、想像をはるかに凌駕する部分もあれば、そうでもない部分もあるからだ。
それに喝采するのも落胆するのも、客側の勝手。
本作は完全な個人製作映画だ。だから「客の先入観」からすら、自由なのだ。
僕は個人的には大変楽しめた。
正直、期待していたのは、もっとすごいものだったかもしれない(笑)。
ディストピア感満載で、ダークでシュールでシリアスで社会批評的な作品。
たとえば、『銃夢』みたいな。ぱっと、ロボット/サイボーグの冒険ときいて思い出すのは、ディズニーの『ウォーリー』だが、それとサイバーパンクのノリを混ぜたようなダークSFを勝手に想像していたのだ。あるいは、最近だと『デカダンス』のような。あれは、キンゲとモンハンとロボコンを絶妙にブレンドした凄いディストピア・アニメだった(乗り換えられる義体とか、地上と地下の二重世界とか、設定も『JUNK HEAD』とよく似ている)。
しかし、実際の『JUNK HEAD』はだいぶ違った。
設定自体は壮大だし、世界観も独特だが、お話自体はあまりそれによりかかっていない。
どちらかというと、「記憶をなくしたポンコツロボット」を冒険させるための前提と、それをとりまくビジュアルイメージ&クリーチャーの背景として活用されている程度である。
さらにいえば、映画のなかで設定や世界観はたいして説明されない。最低限わかってもらえれば十分というスタンス。パンフレットを通読して、ようやくわかること、腑に落ちることが山ほどある。逆に言えば、パンフを見ないと設定や世界観の細部は「絶対にわからない」。
かわりに、とにかく「パペットが動くこと」と「パペットの造形」「セットの造形」には、ちょっと信じられないくらいの労力と熱意とエネルギーが費やされているのは、ひしひしと伝わってきた。
やはりこれは、「人形を動かす」ことを第一義につくられた映画なのだ。
この映画の基本は、「暗がりからクリーチャーが出てきて逃げる」と「高所から落ちてバラバラになる」という「一連の動き」の繰り返しでできている。
だから、『ブレードランナー』や『オートマタ』よりは、まちがいなく『エイリアン』に近い。
アニメでいえば、地下世界における「クリーチャー&転落」のアクションという意味では、『メイドインアビス』とか。
壊れるたびに第三者の手で別の姿に作り替えられ、まわりのキャラクターと物語が切り替わっていくという意味では、ある種ロードムービー的な作りともいえる。赤い合羽の少女や三バカ(『ラピュタ』っぽい)とのシーンには、少し宮崎駿臭が漂う。
なんにせよ、この映画において「主人公の目的達成」や「世界観から導かれる批評性」には、さほど重きが置かれていない。より重視されるのは、「アクション」と「掛け合い」だ。
だから本作は、たぶん子供が見ても飽きずに楽しめると思う。
考えさせるより、造形とアクションとスラップスティックとショック描写が優先される。
キャラが惨殺されたりもするが、総じてのノリはのほほんとして、陽性で、あっけらかんとしている。
意外に、「気楽な」映画なのだ。
とにかく動かす。手をかける。こだわる。念を入れる。そこにすべてが注力されている。
この映画の核心は、「ストップモーションアニメーション」であること、それ自体である。
だから、どれだけダーク・ファンタジーやディストピアSFの要素があろうと、この作品の本質は「アルティザン」(職人)の映画である。
考えてみれば、ハリウッド超大作のSFXだって3Dだって、実際にはものすごい手間と人手がかかっていて、十二分に「職人的」ではあるのだけれど、「手作り」「コマ撮り」となると、その親密さ、触知可能な職人感はいや増しに高まる。しかもほぼ独力で作り上げたとなれば、なおさらだ(追加撮影分の1時間には数名のヘルプがはいっているそうだが)。
造形やモーションに関しては、完全に監督の「個」を感じさせるものだが、もちろん何某かの影響はあちこちから受けているわけで、既視感ゼロというものでもない。むしろ、「40代後半の男性(僕を含む)が、日本でさまざまな映画やアニメを享受してきたら必然的に身に付く」教養をビジュアルイメージの背景にもっているのは確かだろう。
あるかないかわからない影響関係を取りざたしてもあまり意味はないが、少なくともジャン・ピエール・ジュネや、テリー・ギリアム、ティム・バートン、ギレルモ・デル・トロあたりの映画とはビジュアル面での類似性が認められる。敢えてコマ撮りを選択しているだけあって、ヤン・シュヴァンクマイエルやブラザーズ・クェイとも、造形上の親和性は高い。日本人でいえば、雨宮慶太のビジュアルイメージとも地続きな部分があるだろう。
クリーチャーの造形には明らかにギーガーからの影響が感じられるが、個人的にはヘネンロッターの『バスケットケース』シリーズや、バーカーの『ミディアン』(クローネンバーグが殺し屋役で出てたあれ)なんかも思い出した。あと、似てる似てないだけでいうと『マブラブオルタナティブ』のBETAさんっぽい(笑)。
とはいえ、造形センスと実際の仕上げに関しては、たとえなんらかの影響関係はあったとしても、独自の世界を形成しているのはたしか。
完全に「グランドマスター」の領域にあり、超一流といっても過言ではない。
ご本人も、映画監督としては駆け出し感があるだろうが、ことデザインと実際の成型技術に関しては、絶対の自信をお持ちなのではないだろうか。
なんにせよ、期せずして同時期に、2作のストップモーションアニメ、『PUI PUI モルカー』と『JUNK HEAD』が世間の評判を呼んでいるというのは、なかなかに興味深い現象だ。
どちらも、製作開始自体ははるか昔であり、示し合わせたわけではない。単なる偶然なのだが、こうやってストップモーションアニメにあらためて光が当てられるのは、かつてのウォレスとグルミットやピングー、チェブラーシカあたりの人気を知る人間としてはうれしい。
コロナに苦しんだ一年を経て、「個人製作」や「手作業の温かみ」への再評価がなされている、というと、うがちすぎだろうか。
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