カムバック・トゥ・ハリウッド!!のレビュー・感想・評価
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超ユルいんだけど、それはそれでよし。
牙が抜けたデ・ニーロ。という言い方は失礼な気もするが、油が抜けたようなデ・ニーロもまたいい。映画業界を口八丁で渡り歩いてきたC級映画専門のプロデューサーという役どころで、借金に首が回らなくなって作る気もない映画をデッチ上げ、主演俳優を事故死させて保険金で稼ごうとする。もう、映画愛と損得がゴッチャになってとっちらかったことをやらかすキャラクターは、まさにデ・ニーロが演じ続けてきたきた狂気スレスレの系譜に連なるもの。ただし本作は超ユルいコメディで、デ・ニーロが凄みを感じさせたりはしない。『グランパ・ウォーズ』もそうだが、ほとんど人畜無害となった今のデ・ニーロも味わい深いのだ。
これ、古いウェスタンへのオマージュだけに、もっとお金と時間をかけてフィルムで撮れていたら?と思うところもあるのだが、まあ、贅沢は言っていられない映画作りの話でもあるので、ルックの安さもまたご愛嬌か。ヘビーで長期に渡った『アイリッシュマン』の撮影に疲れたデ・ニーロが「なにか軽いものをやりたい」といい出して本作を選んだというエピソードもいい。
保険金殺人狙いのワルP=デ・ニーロと、ダイ・ハードな老優=ジョーンズで笑わせる往年のハリウッドへのオマージュ。エンドロールにもお楽しみあり
舞台は70年代ハリウッド。B級映画「尼さんは殺し屋」が猛抗議を受けて大コケ、プロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)にはギャングのレジー(モーガン・フリーマン)からの借金35万ドルが残ってしまう。マックスが起死回生の策として思いついたのが、主演俳優に高額の保険金をかけ撮影中の事故に見せかけて殺すこと! 老人ホーム暮らしの往年の西部劇スター、デューク(トミー・リー・ジョーンズ)はそうとは知らずオファーを快諾、久しぶりの撮影に臨む。
マックスは事故を誘発するあの手この手の仕掛けを現場に仕込むも詰めが甘く、デュークも長年の活劇出演で鍛えた勘とスキルで危機を回避。それどころか、マックスの仕込みがスリリングな状況を盛り上げ、図らずも名場面の好アシストになってしまう。借金を返さなければ殺すと日々マックスを脅していたレジーは遂にしびれを切らし、手下を連れて現場に乗り込んでくるが…。
監督はデ・ニーロ主演作「ミッドナイト・ラン」で脚本を手がけたジョージ・ギャロ。まだ学生の頃にイベント会場でたまたま未完成映画「The Comeback Trail」のラフカット上映を目にし、その設定を大いに気に入る。業界入りして長い年月が過ぎ、「Comeback~」を撮った監督の未亡人と知り合いリメイクの権利を得たことで、本作の企画が始動したという。
デ・ニーロは、借金返済のため保険金殺人を企てるとんでもない悪徳プロデューサーだが、ポンコツぶりが憎めないマックスを熱演。ジョーンズのとぼけた渋さもいい。フリーマンは2人と絡むシーンが少なく、実質的には友情出演といったところか。「イントゥ・ザ・ワイルド」で飢餓状態になる青年を演じたエミール・ハーシュが、本作では売れっ子プロデューサー役でふっくらした顔を見せている。
ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の西部劇「捜索者」をはじめ名作のオマージュや言及も多く、長年の映画ファンなら楽しめるポイントも多いはず。エンドロールの後に劇中映画「尼さんは殺し屋」のフェイク予告編が流れるので、途中退席なさらないよう。「グラインドハウス」にフェイク予告編が含まれていた「マチェーテ」のように、「尼さんは殺し屋」も“嘘から出たまこと”にならないかと少し期待してしまう。
保険金と情熱
B級映画『尼さんは殺し屋』が大ゴケし、窮地に立たされた映画プロデューサーのマックス。
しかも、出資者でもあるギャングのレジーは35万ドルの返済を彼に突きつける。
何とか金を工面しようとマックスはかつての弟子であるジミーを訪ねるが、条件として彼が所有する最高の脚本を売り渡さなければならなくなる。
泣く泣く脚本をジミーに譲渡するマックス。
だが、その映画の撮影中に主役俳優が事故により亡くなってしまう。
するとプロデューサーであるジミーのもとに多額の保険金が支払われた。
そこでマックスは撮影中に死亡事故を起こし、保険金を手に入れるという悪知恵を思いつく。
再びレジーを説得し元手を手にした彼は、死にたがりの往年の映画スター・デュークを担ぎ出す。
何とも不謹慎な幕開けである。
特に映画スターが落下して死亡する場面で、笑顔を隠せないマックスの姿にはゾッとする。
こういうダークなアメリカンコメディは良し悪しが大きく分かれるが、個人的には中盤からの盛り上がりが良かった。
死にそうで死なないデュークが面白い。
馬に跨ることすら覚束ないのに、馬上から吹っ飛ばされても、崩落した吊り橋に巻き込まれても無傷で生還する。
しかもマックスの思惑に反して映画の出来は素晴らしい。
彼は忘れかけていた映画への情熱を取り戻し、作品を完成させるために尽くそうとする。
こうなるとマックスの案に乗じて出資したレジーの存在が邪魔になってくる。
痺れを切らしたレジーは自らデュークを殺すために乗り込んでくる。
が、映画のラッシュを観て一気に作品の虜となってしまい、作品の完成を心から待ちわびるようになる。
彼もまた映画をこよなく愛していた男で、初心を取り戻したのだ。
それは現状に絶望していたデュークも同じである。
こうして映画は無事に完成しハッピーエンドを迎える。
出だしが不穏だっただけに、最後は清々しい気持ちになれた。
また1970年代が舞台ながら女性監督が起用されるなど、今のハリウッドを象徴するような作りでもある。
芸達者なのにどこかポンコツな馬のバタースコッチもいい味を出している。
『尼さんは殺し屋』だけでなく、『マイダーリンはビッグフット』や『戦慄の殺人ガスバーナー』など目眩のするようなミラクル映画社のラインナップも面白い。
何気に馬に蹴り飛ばされても、爆風で吹き飛ばされても死なないマックスが一番謎ではあった。
よくできた職人映画
言っちゃえばベタな話で、第一幕でほぼオチまでわかる
でもまあ脚本から演出、編集と職人技に優れた映画で、おかしなひっかかりもなく最後まで観させられる。あと当然だが名優揃いなんで演技は完璧。後味もいいんで、夜にこれ観てぐっすり寝るのがお勧め
可もなく不可もなく、の平均的なハリウッドコメディ
ロバート・デ・ニーロさん、トミー・リー・ジョーンズさん、モーガン・フリーマンさんの大御所3人が繰り広げる平均的なコメディ作品
キャスティングで解りますが、ハリウッド映画でありがちな下品なおバカコメディではなく、お行儀の良い大人向けのコメディで、とても見やすく楽しめました
1970年代のハリウッド映画業界が舞台
借金を返すために老プロデューサーが老俳優を騙し、保険金目当てに撮影中に事故死させる計画が上手くいかず・・・と、なかなか楽しい設定でハッピーエンドなので後味のいい作品
老プロデューサーを演じるデ・ニーロさんが安定の上手さ、トミーさんがなかなか死なずヤキモキする様は最高に面白かったです
トミーさんが自殺願望の老俳優を好演し、とてもシブくてカッコよかったです
モーガンさんも出番は少ないけどスーツがすごく似合っててカッコ良かった
何となく暇を持て余した時に観るのに最適な良作でした
A級俳優の演じるB級映画は、なかなかお目にかかれ無い。
終始ニヤニヤしながら鑑賞した。
ツッコミどころはたくさん有るが
B級の制作現場だと思えば許せる。
「楽しんで作る」
だから「楽しんで観る」
それが全てだと思う。
この作品を見ながら思い出した人がいる。
それはB級を撮り続け最高の作品も残した
映画人で喜劇人のメル・ブルックスで
彼の人生に被る部分も有るのではと感じた。
本編が終わり、エンドクレジットの途中に
突如「尼さんは殺し屋」のシーンが登場するが
尼さんなのに行動も台詞も衣装も破茶滅茶で
タランティーノの好きそうなB級っぷりが凄くイイ。
この映画は案外貴重な作品なのかも知れない。
※
名優揃い踏みのコメディ
実はコメディが好きなんじゃね?ロバートデニーロ
根っからの悪役でないところをうまく演じるモーガンフリーマン
これだけボケると最高トミーリージョーンズ
マジでこの3名が絡むたびに笑わせてくれる。
拙的には女流監督のケイト・カッツマンが押し出す
「わたしいい絵を撮りたいんです」と
事故が起こるように仕向ける流れが
笑いを取っているところにこの映画の真髄がみてとれる。
70点
イオンシネマ近江八幡 20210605
名優3人の共演作品
ロバートデニーロ扮するプロデューサーマックスバーバーが作った映画が低俗であると酷評を受けデモられていた。マックスはモーガンフリーマン扮するレジーフォンテインから35万ドル出資してもらっていたが48時間以内に返せと言われた。やむなくマックスは賞をとるための脚本を120万ドルで売りに出した。マックスはトミーリージョーンズ扮するデュークモンタマを主役にすると言って詐欺をしかけた。
名優3人の共演作品だね。なかなか楽しいコメディだったよ。
3人がとっても良い!
この3人がそれぞれ役にマッチしててとっても良かったです
シリアスなロバート・デ・ニーロも大好きだけど、こんなトホホなロバート・デ・ニーロも楽しくて大好きです
ストーリーは想像通り進んでいくけど退屈する事もなく、ずっと笑顔で観れる作品でした
オマケしてくれてるようなエンドクレジットも楽しかったです
何を演じられてもはまるロバート・デ・ニーロは素晴らしいです
力が抜けていい感じの名優
名優の3人が”B級”映画づくりに絡んだコメディ、見せつけるような演技は全くなく、地でやってる感じ。ストーリーが単純で、笑う所がそれほど笑えなかった。エンドロールで流れる、他のB級映画紹介と本作の始まりの”シスターが殺しまくる映画”の予告編が一番笑えた。
ルバーブ
豪華な駄作。話としてはプロデューサーズ的で展開もある時点から予測できる。年配の男優達がやっているが本当にやりたくてやっているのか?と。あまり溌剌とした感じも無く痛々しい。最後にいつも取ってつけた様にLGBTが出て来るし、最近の映画はなんだかやりにくい。尼さんは殺し屋の映画の方が面白そう
豪華俳優陣
ロバート・デ・ニーロのファンなのと面白そうなので見た。
俳優陣も結構豪華で期待感は高まったがちょっとみんな歳取りすぎたか?
80インチのスクリーンでも年寄り感満載なのに映画館で見たらと想像するとアップの顔はきつそう。
物語は結構単純で思い通りに運ばないからコメディで失敗の連続も悲壮感は漂っていない。
感動はあまりなかったがそこそこ笑えたので見て良かった。
それにしても馬に中々またがれないのにあんな素晴らしいスタンができるなんて、ありえん。
トミー・リー・ジョーンズやるなあ。
せめて馬に乗る前にジョージアコーヒーを飲んでくれたら日本のファンは大喜びなのに。
プロデューサーズハリウッド版
プロデューサーズが大好きなので、ライバル会社の俳優が死んだ時に保険金目当てで作品作るなってすぐわかった🤣
展開わかっても豪華俳優陣だし、なんかゆるくて面白い✨
デニーロ目当てで見たけど、トミーリージョーンズが最高にかっこよかった😊‼️
お達者コメデイ
大御所3人の平均年齢は78才ですが現役バリバリのお達者ぞろい、スタントマンはいたのでしょうがハラハラします。
盛りを過ぎた大スターの末路を描こうとすると悲劇になってしまいますが、業界風刺も取り入れた毒気満載のコメディ仕立て、大御所たちもご満悦でしょう。
映画業界とマフィアの癒着はハンサム・ジョニー(ジョン・ロッセーリ)を出すまでも無く公然の裏話、詐欺のプロットは「プロデユーサーズ(1968)」と似た逆転の発想ですね。
悪徳プロデユーサーだけだと反感しか抱けませんが相棒の甥が正直な真人間なのでかろうじてついていけます。あれだけ死にたがっていた老優がなかなかしぶといのは皮肉でしょうが笑えます。強面のマフィアの親分が実は根っからの映画好きというギャップも面白い。ストーリーと言うよりキャラクターの妙で魅せる映画かな、馬のバタースコッチも名演技でした。
セリフも映画に絡んだ小ネタで満載だし劇中劇も西部劇だから古くからの映画ファンにはさぞ受けるでしょう。
冒頭の映画館前の牧師や尼さんたちのボイコットのデモ、どうやら映画が大コケしたらしいとは分かるがどんな酷い映画だったのか・・、なんとその謎はエンドロールで明かされますのでお楽しみに・・。人をくった大人のコメデイ、面白かった。
劇場で見なくてラッキー(^-^)
いやぁ、電車代5000円使って劇場でみるつもりで予定立ててました。仕事の都合で鑑賞かなわずガッカリしてましたが、これはDVDの鑑賞でちょうど良かったです。
思った通りの展開でしたが、豪華な俳優人のコミカルで軽い演技が最高でした。
モーガンフリーマンの映画愛あふれるギャングいいですねえ。
ロバートデニーロ感、全く感じない小物なプロデューサーも
トミーと荒野がピタリとあって、B級映画なのに時々大作映画っぽい絵づらになってるところも、私は大好き。
最初の入りがタルくてここだけうんざりしてました。
文句と言い訳、がめつさの塊のデニーロには眠さしか感じませんでしたが、多分映画制作陣はどこもこんな感じなんでしょう。
エンドロールで流れていた『尼さんは殺し屋』も観たかったなぁ。
もちろんDVDで。
映画愛が感じられる
出張先のホテルの洋画チャンネルで
2泊だったので2回に分けて観ることができた
このホテルは映画のポスターが貼ってあったり
パンフレットが置いてあったりして泊まるのが楽しみな先
テレビも大きくて大満足
デニーロ好きのオラとしてはスクリーンで観たかったのだが
時間が合わず断念した一作
70年代の映画業界の話で
タラ監督のワンスアポンナタイム…と似たテイスト
脚本は三谷幸喜風で主人公の状況がどんどん悪くなる
追いつめられるデニーロに爆笑した
映画愛が感じられるのも三谷チックだった
今年の10本に入る傑作コメディ
監督はミッドナイトランの脚本家だと知り納得
いやぁ得した
> エンドクレジットの前に決して席を立たないで。
> サプライズのオマケ映像が待っていて、
> 最後まで笑わせてくれるから!
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