Style Wars

劇場公開日:

Style Wars

解説

ヒップホップ黎明期を記録したドキュメンタリー。1970~80年代初頭のニューヨーク、サウスブロンクスで生まれたスプレーアート「グラフィティ」を題材に取り上げた作品で、ラップやブレイキン(ブレイクダンス)など、後に「ヒップホップ」として世界中の人々を魅了するカルチャーが誕生する貴重な瞬間が捉えられている。同時期に製作された映画「ワイルド・スタイル」とともに、ヒップホップファンのバイブルとして語り継がれてきた。日本では長らく劇場未公開のままだったが、2021年3月に劇場初公開。

1983年製作/70分/G/アメリカ
原題または英題:Style Wars
配給:シンカ
劇場公開日:2021年3月26日

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映画レビュー

4.5優れたグラフィティ・アートを、映像として記録してくれたことに感謝したい一作。

2021年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『ワイルド・スタイル』(1983)年と同様、ヒップホップ文化の黎明期を捉えた記念碑的作品とのこと。『ワイルド・スタイル』は未見だし、そもそもヒップホップ文化全般に疎いのため、ヒップホップに造詣の深い方々ほどは内容を深く理解することはできなかったと思うけど、グラフィティ・アートのライター(描き手)達を中心に取り上げ、ブレイキンやラップがどのように発達してきたのかを描くだけでなく、彼らが対峙する公権力側や一般市民の声もきっちり記録している本作が、文化史的のみならず社会史的にも貴重な資料となっていることは上映時間内できっちりと理解させてくれました。また車体に描かれたグラフィティは、ライター同士のボミング(グラフィティの描画を指し示す言葉)合戦の中で生み出されていったいったとは信じられないほど洗練されていて、グラフィティの大写し、そしてその制作過程を眺めるだけでも心拍数が上がります。

グラフィティもブレイキンもラップも、ようやく若者(反抗)文化として成立しつつあった時期でもあるので、その担い手達の活動や原動は、まだ固まりきっていない何かを内包した荒削りな部分が多分に含まれています。だがそれを記録した映像の方は、本当に目の前に起きていることをリアルタイムで撮影したとは思えないほど入念に計算されていて、それは例えば冒頭の、暗闇に浮かび上がる列車の映像などに現れています。列車の形が見えたかと思うとそこに無数に書き込まれたグラフィティが目に飛び込んできて、現代アートの鮮烈さが直接突き刺さってきます。

パンフレットは決してページ数が多くないものの、作品に登場したライター達の来歴を詳細に記述していたり、ヒップホップ文化についての解説が詳細なので、映画に感銘を受けた人には必携の一冊となっています。

タイトルの"Style Wars"は、ライター同士の張り合い、ライターと公権力の対立を意味しているのかと思っていたんですが、もしかして"Star Wars"と掛けている?

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yui

4.0文化とは

2021年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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hiro

3.0まあまあだった

2021年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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吉泉知彦

4.5今や貴重な歴史の証言

2021年4月22日
iPhoneアプリから投稿

私はニューヨークに行ったことはないが、留学先のイタリアでもよくローカル線の車体にグラフィティが描かれていて、アメリカから世界に広がった現象の始まりを見るようで、全編が興味深かった。ラップやブレイクダンスと並行してヒップホップを作っていったことも分かり、面白い。
グラフィティのライターだけでなく、グラフィティを嫌う市長や交通当局、市民の声も出てきて、客観的な歴史の証言になっている。
グラフィティが何よりも自分のニックネームを大書するもので、秩序への挑戦であり、貧しい生活の中で彼らのアイデンティティの確立に役立ったのだと思う。こういうものを完全に排除する国より、奨励はしなくとも許容したり共存できる国のほうがよいのではないか。結局、彼らから多くのアーチストが出た訳だし。

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Boncompagno da Tacaoca