ミナリのレビュー・感想・評価
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期待した割には…
表層的で深みが感じられない平坦な映画。韓国移民の話だから、当然アジア系への人種差別の問題があるにもかかわらずそこには一切触れず家族だけに焦点を合わせた内容。一人一人の人物の心理もどっち付かずで、面白味に欠ける。かなり以前にフジテレビのドラマで古谷一行主演の「オレゴンから愛」というこの映画を彷彿させる日系移民のドラマがあったが、そちらの方がストーリーも上手く描けていた。この作品が既に何らかの賞を獲得したのは時代なのかもしれない。非白人的な視点で、人種の多様性を意図しやすいキャスティングと背景に、ここ数年アジア系の作家に注目が集っている今のタイミングが重要なのかもしれない。アカデミー云々が騒がれているようだが、果たしてそれに値するのかどうか…疑問が残る作品だ。ミナリ(芹)という題名も雑草よろしくどこでも育ち、金のある無しにかかわらず、広く誰もが口にする野菜という逞しさ、強さを象徴しているのだが、それもお座なり程度である。
成功を夢見るお父さん?
一昔前のアメリカで、子供に成功した姿を見せたくて農業を夢見るというお父さん。その家族はたまったもんじゃない。。そう言い繕ってるだけで、彼自身が成功したかったかのように見えたが、ミナリとちょっと変わった家族の姿に希望がちょっと見える。自我を通すだけではなく、周りの意見も聞いて前に進む。上手くいくといいな。
最後ハンイェリが歌うrain-songは余韻が残って良かった。
何の感銘も受けなかった
アカデミー賞にノミネートされるほど評判の高い作品だが、当方にはあまりピンとこなかった。序盤のシーンで韓国女性はやはり暴力的なのかと、まず気持ちが冷めた。続いて、妻の説得に子供を使おうとする夫のやり口にも落胆した。互いに約束が違うと言って相手を非難する夫婦。べらんめえ調の言葉遣いの下品なおばあちゃん。
韓国は儒教の影響が残っていて年長者と家を大事にする。人間に精神的な自由をもたらしたキリスト教とは相容れないはずだが、そのあたりの整合性は問題にされないままストーリーがすすむ。ストーリーといっても、場面は多くなく、家の中と畑、それに教会くらいだ。あとは自動車で道を進むシーン。
ひよこの雌雄の鑑別はかなり難しいというのはテレビで見たことがある。鑑別師として一定の水準に達した夫は、別の仕事に投資してもっと多くの収入を求めようとするが、まだ鑑別師としては伸びしろのある妻は、スキルアップすればそれ以上の安定した収入が得られ、貯金をはたくなどの冒険をせずに済むと考える。どう考えてもふたりの将来展望は平行線だ。
昨年の春に鑑賞した映画「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」の大きな世界観に比べるのは可哀相だが、家族のありようが問われる部分は同じである。成功して金持ちになりたいだけの男を、不屈の魂とかいう言葉で褒めたくはない。農業に対する愛、もっと言えば生き物に対する愛がないのだ。いや、あるのかもしれないが、それを感じさせるシーンがない。
将来展望が違う妻は夫の畑仕事を一切手伝わない。妻にしてみれば血の繋がっている自分と子供とおばあちゃんが家族で、夫は家族ではないのだ。そのあたりは夫も感じていて、微妙な疎外感がある。だから子供に自分の存在感を示したい。しかし自分と子供は血が繋がっていることを忘れているようだ。
結局、登場人物の誰にも感情移入できないままに終わってしまった。エンドロールを見ながら、ウィル・パットンが演じた、トラクターをジェイコブに貸してくれたポールを中心にして本作品を見直してみたらどうなんだろうと思った。日曜日ごとに大きな十字架を肩に担いで道を歩くポール。独特なキリスト教徒で、オカルト的な怪しい雰囲気も漂わせている。意外に面白そうだが、本作品とは別の話だ。
当方の感受性のなさを露呈しているのかもしれないが、本作品からは何の感銘も受けなかったというのが正直なところである。
あの頃、色々あったけど。ミナリのおかげ!
1 アメリカンドリ−ムを目指した韓国人男性のア−カンソ-での農場づくりと家族との暮らしを描いた人間ドラマ。
2 この映画の縦軸は、アメリカで農場を運営する夢に挑戦する若者の姿。そこに横軸として、そんな男と生活を共にする家族の日常と揺れる思いが重なる。
3 演出の特徴としては、先ず、描写がとても穏やか。大河ドラマや苦労物語にしない加減の良さが心地良い。そしてミナリの扱いも上手くハメていた。次に、家族や婆ちゃんの事情の提示が絶妙であった。子供と親たちの英語力の違いから子供はメイドインアメリカであることを示したり、夫婦のヒヨコの雄雌鑑別の経歴から種銭稼ぎの苦労の日々を想起させた。この手法は説明不足と思わせながら、その実雄弁で上手いやり方だと思った。その後、この一家がどのような人生をたどったかは知る由もないが、恐らくミナリのおかげで良い方向に進んだことが予想された。
4 冒頭のシ-ン辺りで不思議に思ったのは、時代設定が現代ではなく80年代であること。そこで思ったのは、この映画の中の長男は、監督の分身で、自分が知りえた限りで「あの頃」を思い出して、描いたのではないかということ。そして、婆ちゃんはチョットやんちゃだけどバイタリティのある韓国人のDNAを具現化したものであろう。この映画を通し監督は、自分の未来を切り開いてくれた両親や祖国、心良く受け入れてくれたアメリカのコミュニティに感謝を顕わす。と同時に、かつて祖国であった戦いや分断の中で斃れた人に鎮魂する。そんな映画であった。
よかった
懸命に収穫したものが燃えてしまってつらい。結果的に子供の健康によかったのだけど、ママさんは「私たちより仕事をとった」と言って怒っている。パパさんの選択で子どもの健康がよくなるわけだし、そこは主張の食い違いなのでお互いさまとは言えないのだろうか。ミナリで儲けが出るのなら、苦労して農業しなくていいので、それまでの苦労はなんだったのかという気持ちになる。
我儘家族
アカデミー賞作品賞受賞と聞き鑑賞。
はっきり言って面白くなかったです。タイトルが芹と関わりがあるとかあんま分かりません。
最初から父親の身勝手ぶりがいきなり飛び出します。子供や妻のことは考えずに自分の楽園を作りたいとかなんとか、身勝手が先走っているあたりステレオタイプな父親だなと思います。
おばあちゃんもあまり好きではないです。全体的に口は悪いし、色々いらないお節介をはたらくしで見ていて面倒でした。そりゃ小便提供するよなって笑
家屋を燃やしたのもイマイチ分かりません。おばあちゃんどこか違う方向へ行こうとするし、最後まで?が付き纏う作品でした。
君の名はのハリウッド版は成功することを願っています。
鑑賞日 3/22
鑑賞時間 12:10〜14:15
座席 D-6
予想していた決着ではなく
そんな派手なことが起こるわけでもなく、ある家族とその周りだけの小さなストーリー。おばあちゃんらしくないおばあちゃん、たくましいが孫には甘くなるのはどこも一緒か。デビッドくん生意気かわいい。
ただ賞レース的に考えるとちょっと物足りないかな。
映画って難しい。 好きなところもあるにはあった。 私はユンヨジョン...
映画って難しい。
好きなところもあるにはあった。
私はユンヨジョンの大ファンだし、物語のバックグラウンドもキャラクター設定も興味深い。
俳優陣も良かった。
人それぞれの感じ方があるとは思うが、私個人としては今ひとつ話しの流れに感情移入しづらいところがあった。
期待しすぎた自分がいたことを認めながらも、やっぱり残念な気持ちは否めない、そんな映画鑑賞になってしまった。
蒔いた種はしっかり生える
この作品を観終わったとき、
作品全体が心に染み込んで残っているなあと感じました。
ストーリーが大きく動いたり、弾けたりするようなことはありませんが
この家族の出来事を、この家族と同じ視点で観ていることが心地よいです。
祖母が家族に加わったことで化学反応を起こして
ちょっとハラハラするような気持にもなり
クスッと笑わせてくれるようなところもありました。
「すごく感動した!」とまでは言えませんが、
何となく気持ちが優しくなっていました。
蒔いた種はしっかり生えて結果が出るのだと
それを信じて生きていきたいです。
いい話なんだけど、なんか昭和のドラマみたいだったなぁ。
アメリカ南部にあるアーカンソー州へ、農場主になることを夢見て移住してきた韓国人一家を襲う困難と家族模様が描かれたヒューマン・ドラマ。
主人公である家長のジェイコブ・イーを演じたのは、ドラマ『ウォーキング・デッド』シリーズや『オクジャ』のスティーヴン・ユァン。本作の製作総指揮も務めている。
スティーヴンと並んで製作総指揮を務めているのは、『セブン』『オーシャンズ』シリーズで知られるオスカー俳優のブラッド・ピット。
第78回 ゴールデングローブ賞において、外国語映画賞を受賞!
第36回 サンダンス映画祭において、グランプリと観客賞の2冠を達成❗️
今年のアカデミー賞で6部門にノミネートされている超話題作。
安心と信頼のA24と、ブラピ率いるプランBという鉄壁の製作体制。
この製作陣でアジア系移民を扱うなんて、完全にアカデミー賞を獲りにきている映画やん。
全米で大絶賛されている映画なんだけど、個人的にはフツー。
アジア系移民を扱ったA24作品なら、2019年の映画『フェアウェル』の方が好きだなぁ。
勿論悪い映画ではない。
「夢を追うことには犠牲が必要だ」ということは誰しもが頭では分かっていることだろう。
しかし、その本質を理解しているのか?夢という甘美な響きの裏側に、思い描くエデンの楽園の裏側に、音もなく忍びよる蛇の存在とその激烈なまでの残酷性を本当に理解しているのか?ということを突き付けてくる一作。
そして、個人の努力ではどうすることも出来ない、神のみぞ知る領域があるということを伝えてくれる映画。
全体的に非常にキリスト教的な宗教観が強く打ち出されており、またそのほとんどが移民であるアメリカ人ならば絶対に共感するところがあるのであろう移民の困難が描かれているので、まぁアメリカ本国では受けるだろうな、というのが素直な感想。
勿論日本人にだって、イーさん一家の苦労には共感するところがあるし、特に農家の人、何か夢を追っている人には強烈に刺さるかも知れない一作である。
走ることを止められていたデヴィッドくんが最後に走りだすという展開や、ジェイコブが移住初日に提案しスルーされてしまった家族での雑魚寝が、クライマックスになって達成されるという展開は、綺麗に伏線を回収しており、ちょっと優等生すぎる感じもあるにはあるけどもお見事。
でもねー、やっぱりつまらないんですよ。
全体的に暗すぎる。個人的に暗い物語って苦手。
次から次へと悪いことが起こっていって、結局最後まで酷いことが起こりっぱなし。
まぁ最後には一筋の希望が残るわけだけど、それにしたってあそこから盛り返すのは相当キツいっすよ。イーさん頑張れ。
何というか、終始気が張っていて、抜きどころがない作品という印象。
倉本聰とか橋田壽賀子とか、一昔前のドラマ脚本家が好きそうな物語だなぁ。
『おしん』とか『北の国から』とか苦手な自分にとってはやっぱりこの作品も辛い…😖まぁ『おしん』も『北の国から』も真面に観たことないんだけど😅
ユン・ヨジョンさん演じるお婆ちゃんのキャラクターはユーモラス。でも、それをもっと前面に押し出していっても良かったんじゃないかな。
「えっ、もう病気で倒れちゃうの!?」と思っちゃった。もっと観客を笑わせて、物語を引っ張って引っ張って…からの悲劇的な展開の方が、ドラマとしては盛り上がったんじゃないかなぁ。
『ウォーキング・デッド』を観てきた自分にとっては(まぁシーズン6までしか観てないけど💦)、「グレン頑張れー☺️」という感じで、応援しながら観ることが出来てよかった。これがなかったらもっと退屈していたかも🥱
『バーニング』で納屋を燃やしてた男の納屋が燃えた…🔥とか思ったのは自分だけじゃないよね?
やっぱり明るくて楽しいコメディ映画の方が自分は好みだということがわかった。
作品賞は難しいかも知れないけど、助演女優賞は獲るんじゃないかな。脚本賞もイケるかも…🤔
この感想文を書いていて気が付いたけど、お父さんの名前はジェイコブ=ヤコブ。
「だから、兄弟たちよ。主の来臨の時まで耐え忍びなさい。見よ、農夫は、地の尊い実りを、前の雨と後の雨とがあるまで、耐え忍んで待っている」
ヤコブの手紙にはやたらと「忍耐」という言葉が出てくるみたいだけど、この一文がこの映画の全てを表している気がするわね🍥
アーカンソー州の平たい顔族
まず驚いたのは、トレーラーハウスが案外広いこと。最初はボロかったけど、きれいになっていくうちに住みたくなるほどになっていった。1980年代には年間3万人もがアメリカへと移住していた韓国人移民。今では日系アメリカ人よりも多くなっているらしい。
イー一家の大黒柱ジェイコブを演ずるのがスティーブ・ユアン。萩原聖人と鶴見辰吾を足して二で割ったような風貌の彼は『劇場版バーニング』にも出演していたが、やっぱり燃える男を演じていた。運転はしてなかったけどトラクターまで出てきたから、ついつい脳内では「燃える男の赤いトラクタ~♪」と口ずさんでしまいました。
心臓疾患のある可愛い男の子デビッドくんも印象に残りますが、もっと刺さったのが十字架を背負う男ポール。悪魔祓いとかハレルヤとか叫ぶし、ちょっとやばい人か詐欺師なんだと思っていたけど、違ってた。どこに住んでるんですか?気になります。いや、実は彼は存在していないイエスのようなキャラだったのか?と、いろいろ思いを巡らせてしまいました。キムチ好きで~す♪もいい。
苦難の連続だった移民生活。水の問題、取引先の問題、妻とのケンカ、デビッドの病気などなど。人種差別がそれほど扱われていなかったのが救いでもあったかな。料理もできない、花札を教えるなどのおばあちゃんも独特のファンキーキャラで面白かったです。そして達成感から奈落の底へ・・・という運命のいたずら。それでもくじけない。家族、そしてポールと二人で頑張ってみよう。さあ行こう、さあ行こう。地平線に立つものは俺たち二人じゃないか♪by小林旭
期待値を上げすぎた
韓国映画の派手なテンポや感動を期待しすぎていた。示唆に富んだ構成で、主人公一家のその後がどんなふうか想像力を掻き立てられるものの、個人的に好みじゃなかった。最後のテロップで見るまで、ブラット・ピッドが製作に関わってると知らなかった。
素晴らしき👏アラン・キム君
公開間もない本作
レビュー数の多さにオスカー本命の勢いと関心度の高さを感じましたね〜
A24とプランB、話題のタッグの制作とあれば劇場に足を運ぶ方も多しでしょう…
皆さんの秀悦なレビューの嵐の中
今更、私ごときが語るのは恐縮過ぎて💦
ただ、無表情ながら豊潤な演技を見せたデビット役のアラン・キム坊やに胸が熱くなり心捉えられました
地味ながらも腰を据えてスクリーンに吸い寄せられた115分でありました
夢では無く目標といいって貰いたい
1980年代、カリフォルニアからアーカンソーの高原に移住して、孵卵場でヒヨコ鑑定士をしながら韓国野菜をつくる農園をつくる父親とその家族の話。
凄腕ヒヨコ鑑定士の夫と、同じくヒヨコ鑑定士である妻、小学校高学年位の長女に小学校低学年位の心臓に疾患を持つ長男という4人家族に、嫁の母親が合流する家族。なぜか子供たちは学校に行っていないみたいだけど。
家族の夢の様に夫は語るけれど、妻は乗 り気ではないし、息子の身体のこともあり町に住みたがるという序盤から、自分で井戸を掘って地下水を掘り当てて、変人ポールの力を借りつつ野菜作りを始めるストーリー。
冒頭からイマイチ夫婦仲が良くないシーンが多いし、ちょっと自己中で行き当たりばったりな印象がある夫。
ハルモニも如何にもな時代に取り残され感ありありで、やっぱり引っかき回し役。
いくら映画とはいえ手堀りでその浅さで?と思っていたら、ちゃんと意味があった訳だ。
様々なトラブルが積み重なって行く様や、その中で我が道を貫き通そうとする夫は痛々しくも感じたけれど、余りにも大きなトラブルからの反発で産まれた形は、絆の片鱗がみえて温かかった。
そして、片寄っていたりはするけれどポールはなんだかんだ良いヤツだ。
韓国のアメリカ移民のリアリティがよくわかった。男の子がよかった。一...
韓国のアメリカ移民のリアリティがよくわかった。男の子がよかった。一人一人がせつなかった。おばあちゃんの描きかたもよかった。テンポとシーンがよかった。
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