竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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酷すぎてスタッフロールで笑った
感動させようと色々詰め込みすぎ。いきなり竜と関係を持とうとしたり、正体を暴こうとする理由が何かあるのかと情景描写だけでは伝わらなかったため深く探ればわかるのかと思ったが、最後まで見てどうやらそんなことは考えていないことがわかった。いきなり竜が出てきて、謎に関係を持とうとして探り、なんか踊って歌って意気投合、これから竜との話が展開され説明されるのかと思いきや父親がどうとか母親がどうとかやっていきなり児童虐待云々で同情を買い、無責任な馬鹿な発言で子供に論破されるが身元を公開して子供が打ち解け、急に団結しだしなんかやったぜ感出して終わり。竜の正体はイケメンくんとか父親とかだと安直すぎるので驚きを与えたかったのだろうが、全く話に出てきていなかった一瞬出てきた人物が竜というオチ。伏線でもなんでもない。だったらイケメンくんとかカヌー男とか父親で王道を進めば良かった。こういう広大な空想世界は現実だったらおかしいよねと思わせないように作品を仕立てなければならないが、全く努力がなされておらず、「なんで運営はこんな犯罪を簡単に予想できるのに対策しないのか」「民間人にプライバシーの権利を侵害する権利を持たせる問題点」また、技術的にフルダイブできるのはわかるとしても、どんなものか殆ど説明されておらず、声や五感、現実世界と空想世界の人間の状態など一々シーンごとに気になって仕方がない。結局竜だとか殆ど関係ないし空想世界上の人間が感性に溢れすぎていて、現実とのギャップに嫌悪感を抱いた。製作者側はもう少しインターネットにおける人間を観察した方が良いと思う。音響と音楽と映像は素晴らしいので星2くらいかと途中まで頑張っていましたが、意味不明な展開と急な家族愛御涙頂戴で吐き気を催し頭を抱えながらも星0.5とさせていただきました。この映画をおもしろいという人とは関係を持ちたくないと思いました。スタッフロールではここまで酷いものがよく作れたなと一周回って感動し、笑いが込み上げてきました。今年一の駄作です。
すごい、いい歌
そばかす姫の成長物語。
uに出会い、色んな人に認められ、竜と出会い成長していく。優しい心を取り戻していく。歌には魅了されるし、映像もすごい綺麗。
ただ、省いた方がわかりやすいようなシーンや、説明が欲しいところも多々あった。竜も意外と言うかなんというか、お、、おぅ、、って感じ。
いつも通り最後の前辺りまで激アツ展開からの、ラストシーン付近は勢いって感じがしてしまう。
でもまぁ、映像素晴らしいし、歌がいいし、主人公の成長や竜との終わり方、最後のシーンもまぁ良かったので普通にいい作品でした。
とうぶんは、この曲聞いていこうと思います!
つまんなくはない ポイントで泣きもした 映像はきれい
なんであのこ歌うとゲロ吐いちゃうくらい歌えなかったんだろ?
なんかすごい1番だいじかもしれないとこがわかんなかった
死んだお母さんが音楽すきだったからかなあ?
仮想現実ではあんなに竜を助けたい、守りたい、愛してる、みたいにしといて、
現実では結局幼なじみと両思いとかよくわからない…
あとDVのおうち探しが、住所も分からないのに1人で行ってること、あんな小さな窓からの景色のみで歩いて探して、すぐ見つかること
いろいろ変だ〜
中村佳穂さんは素敵でした💕
キラキラ映像もきれいでした
映像と音楽は綺麗
歌や音楽、映像はとても魅力的だと思います。
でも、ストーリーが、キャラクターが、違和感ありで残念。
自分を置いてきぼりにして他人を助けに行って亡くなってしまった母の気持ちを理解して、愛されていたんだ、と強くなれる主人公を描きたかったのだろうとは思う。
だけど「U」の世界で現実と違う自分、というあおり文句の割りには、批判とか言いたいことだけ言ってる世界や、自称正義のヒーローにスポンサーが次々とついたり降りたりするのも、おばさまたちへの身バレも、可愛くて太陽のようなルカちゃんが実は自己肯定感が低いのも、しのぶくんの言動も、お父さんとの距離感も、ヒロちゃんの目的も、なんだか全部、ストーリー回しのためだけの取ってつけたような感じがする。
50億人から、竜を見つける方法も、あんな偶然なの?そしてビルが2つ見えるところにある家の特定ってそんなピンポイントでもないだろうし…1人で行かせる意味わかんないし、DV父がほっぺた引っ掻くまでした後にあんなにびびってしまうのも、あの兄弟が今後どうなるかも、きちんと解決できてないと思う。
もう少し踏み込んで描いていたら、こんなモヤモヤしないのにな。
サマーウォーズ×美女と野獣
母の死を受け入れられない女子高生、自分に自信がなく、殻に閉じこもる日々が続いたがUとの出会いが彼女を少しずつ前向きにしていく。
SNSの間違った正義、誹謗中傷、虐待など現代社会が抱える問題をバランスよく描写してあった。
何より絵がとても綺麗で歌も素晴らしく映画館で見る価値のある作品だと思いました。
家で鑑賞するのはもったいない。
細田守を見捨てなくて良かった。
ラストのスズが一人で竜の子を助けに行く演出は、さすがにどうよと思った。あそこは、例えばお父さんとかしげる君いかせないと。もしくは、ネットの良い力を示して、見ず知らずの人たちが集まるとか、サマーウォーズを彷彿させる演出だったら評価5だったなぁ。
それ以外は、程よく共感できて良かった。
背景が美しく、仮想空間のスケール感もいい! 描いた問題もよく分かる。キャラクター達のやり取りも後半になるにつれ良くなってくるし、それぞれの描写も分かりやすい。
後、歌がいい!! 宇多田ヒカルより断然惚れ込んだ。
サマーウォーズ以降、私的には今一つの映画が続いた細田守だったが、見捨てず見続けて良かった。
正当な評価を受けるべき作品
細田監督の認識は薄かったのですが、地上波で流れた「バケモノの子」がなかなか良かったので、衝動的に観たくなり家族で行きました。
とにかく細部まで丁寧に作りこまれている作品です。映像・音楽の良さはもちろん分かり易いのですが、家族の死を受け入れられない女子高生と父、片親家庭におけるワンオペが引き起こす虐待、SNSに拡散する無責任な誹謗中傷・まやかしの正義、高校生の淡い恋模様、など複数の社会的なテーマが絶妙に盛り込まれており、「サマーウォーズ」のような単なる娯楽作品には留まりません。
なぜレビューで低い評価を付ける方が目立つのか、その内容を読んでみると、監督の意図がうまく伝わっていないようです。そしてそれが、ご自分の読解力不足と考えず、説明不足ととらえているようですね。年代による差もあるのでしょうか。
単純で娯楽性要素の強い作品が万人に広く受けやすいですが、本作のように想像力や理解力を要求するもの(私は分かり易いと思いますが)も、素晴らしい作品は正当な評価を受けるべきです。
自分が気に入らないからと言って、この作品のレビューにボロカスコメントを書くのはどうかと思いますよ。そのような考えがSNSで拡散され主流となる世の中は恐ろしいです。まさにこの映画のテーマでもあるのですが。
それでも私以上に深く理解している方もたくさんいらっしゃり、レビューを拝見すると安心します。鈴が自分の行動を通じて、母親の気持ちの理解に至った瞬間の表現は圧巻でしたね。あえて付け加えるなら、私は二人の父親の気持ちに注目しました。
一人目は鈴の父親。突然愛する妻を亡くし、その後心を閉ざしてしまった娘と暮らす。辛かったでしょうね。不器用だが大切なことは理解している彼は、娘を信じて見守り続けました。終盤の役所さんのセリフ、他の情報を遮断した演出は見事です。
もう一人は恵の父親。こちらも妻を亡くし(詳細は不明:例えばこれを説明不足と非難する必要があるのか?)たあと、二人の息子(しかも一人は要特別支援)を育てている。対外的には評価され(?:報道写真があった)、「出来た父親」を演じていたが内情は違っている。子供たちに辛く当たるのは、自分でも間違っていることはわかっているのに、もう一杯一杯で変わることが出来ない、自己矛盾。しかし、そこに突如現れた鈴の毅然とした態度に、遂に我に返る。鈴を殴ろうとしても殴れない父親の葛藤を、繊細に表現した路上シーンは素晴らしかったですね。鈴は父親も救ったのです。
細田監督に興味を持ち、「未来のミライ」を観てみました。未熟な両親が二人の子供の育児を通じて成長していく作品ととらえました。子育て・家族の営みは、時を超えて脈々と受け継がれ、これからも続いていく、それをファンタジー風に表現しています。低評価のレビューが並びます。確かに娯楽性が乏しいですし、このテーマでは一般受けはしないでしょうね。でも「竜とそばかすの姫」を見た後では、ジワジワと感動が押し寄せてきます。ああ、細田監督は人間愛に溢れている人なんだ、頑張っている人を応援しているのだ、理不尽な誹謗中傷や、薄っぺらい正義感は苦手な人なのだ、と私は理解しました。
このような素晴らしい作品を世に送り出して頂いた、監督・スタッフの方々に深く感謝申し上げます。今後の活躍を期待しています。
開始10分の話と終わり20分辺りの考察
近未来型SNSコンテンツ"U"、
現代のSNSでの賛美や批判の声を扱っている部分もあるので レビューを書くというのも心苦しい部分もありますが…
開始10分がこの映画のピークだったと思います。音楽も映像もとっても綺麗で、ゾワゾワっとこれは凄い!と鳥肌がたちました。サマーウォーズのOZの世界を初めて見た時と同じ気持ちでした。
ただそこからは面白く無いわけじゃないけど、なんだか退屈…竜の正体が早く知りたい。誰なんだろ!気になる!!!って感じの早く知りたいじゃなくて、もういいから早く教えてください( ˊᵕˋ ;)って感じの早く知りたい。(伝わりますかね?)
あとこれは私の欲でしかないのですが、最後の河川敷のシーンは すずちゃんとしのぶくんのキスシーンが欲しかった!!!それだけです!!
これは私の理解不足かもですが、警察?っぽいことしてる集団のスポンサーが外されていくシーンがあるのですが、あれはなんで外されたんでしょうね…竜が悪いこと?アカウント停止?みたいなことをしてたのは事実なら、警察っぽい人達がしてたことって間違ってはいないのでは…?ちょっと無理やりすぎたからスポンサー外れたってことなのかな…
⚠️ここからは考察ゾーンなので
事実とは異なる可能性があるので
把握のほどよろしくお願いしますm(__)m
すずちゃんが1人で東京に向かうシーン。
レビューでも何件か、『高校生とはいえ子供だけで行かせる?』『おばさん達ついて行くでしょ普通は』なんて声を見かけました。
それはすずちゃんのお母さんが亡くなった図と非常に似ていると私は思います。
すずちゃんのお母さんだけが名も知らぬ子を助けに向かい、河川敷にいた他の大人は見てるだけ、あげくすずちゃんの母は「1人で助けに川に入るなんて」とネットで大バッシング。
何だか今起きているレビューの図と似ているなぁなんて思いました。
こんな考察をしていたら結構面白い映画だったと思いますが、映画だけで伝わってくる内容は少し物足りない部分が多かったのも事実だと思います。
ただ映像と音楽は非常に綺麗でしたし、美女と野獣のオマージュも個人的には好きでした。
2度目の視聴
先週の土曜日に視聴してから今日に至るまで熱が冷めず本日2度目の視聴。
2度目見て気付いた事は、この映画は誹謗中傷被害の社会問題を取り上げている一方で、少なくとも「批判」と言う行為に対してはかなり肯定的だと感じた。
それを感じさせる最大の要因は鈴の親友のヒロだった。
彼女は物語序盤から学校の人気者のルカや忍を批判し、称賛しかない作品には結局コアなファンしかいない証拠。 裏表のない賛否両論こそが人を叩き上げ本物を生み出すと言う様な発言をしていた。
ならばリアルな評価でも意見が真っ二つに分かれた本作は、ある意味では細田監督の狙い通りであり、細田監督の価値観で言う本物なのではないかと感じた。
少なくても自分としてはこれまでの作品の酷評が細田監督自身を鍛え上げ、監督自身が納得した作品が産れた様に思えた。
ならば本作を監督の価値観から本物と評価するなら、最大級の賛辞は⭐︎5の評価ではなく半分の⭐︎2.5だと感じたので、大好きな作品だけどあえてこの評価にしました。
作品自体が批判もウェルカムもスタイルなら、言わせてもらうと好きな立場の自分から見ても脚本的に穴だらけで受け付けられない部分も多いです。
主人公がネットで個人特定すんな。 忍、お前バスケ上手い以外特に活躍しとらんし無責任やん。
50億人からそんな都合よく竜の正体見つかるのか? 大人達は何故鈴を1人で行かせた?
DV親父が鈴見て腰抜かす意味がわからん。 少なくとも自分にはDV親父の正体がジャスティンとは思えなかった。
けどその一方でアニメーション作品トップクラスの映像と音楽に鳥肌が立ち、30年前に自分の美女と野獣を描きたいと言っていた細田守の夢が叶った瞬間に立ち会えたのは光栄な事だと思えたし、
鈴の母の行動には正しくないとしてもやっぱり批判的な言葉は浴びせたくないし、何より母と同じ様に一時はルカの為に自分の恋を諦めちゃったり、他人の為に結局自分も危険な道に飛び込んじゃう泣き虫で優しい鈴が大好きです(笑)
過剰な正義は時に悲劇を産むけど、少なくとも身近な誰かを確実に救えるのはネットの書き込みではなくリアルな行動だと言う事もまた事実だと思います。
この作品は鈴や鈴の母だけでなく、周囲の大人達にもあえて間違った善行を行わせながらも、その誤った善意を優しさで肯定的に受け止めようとしてる様にも感じました。
正直自分が好きな作品が酷評だらけでモヤモヤしてたけど、批評も受け入れられたら随分スッキリしました。けど誹謗中傷は駄目。
ラストのシーンでも賛否両論はあるけど、自分としてはネット世界で素顔を晒しても危険じゃなくなった、今はまだファンタジーの世界で鈴達が幸せに暮らしてるのを祈ってます。 ブログみたいな気持ち悪いレビューすいませんでしたm(_ _)m
評価2.5だけど、個人的にはこれ以上にないくらい価値観を刺激された作品でした。 Blu-rayも出たら定価で速攻買わせて頂きます。 ではでは。
現代における主人公の心の成長を描いた意欲作
前評判通り、感動をしたのだが
「時かけ」や「サマーウォーズ」とは
かなり違う類の感動だった。
終始、主人公の葛藤に寄り添いながら
ボディーブローのようにジワジワと
涙腺を攻めてくるような印象だった。
クライマックスでは主人公の最大の勇気とともに
歌の魅力も相まって、こぶしを握り締めながら
画面に見入ってしまった。
物語自体は、少し読解力が必要で
散りばめられているヒントから
自分で補完をしなければいけないところが多い。
一言補足してほしいというところもあったが
丁寧に見ていれば納得できるし
説明しすぎないことによって心情が
リアルに伝わってきたところも良いと感じた。
細田作品においては、主人公の成長が
テーマに挙げられており、入道雲のシーンは
特に重要な場面になっている。
自分を置いて見知らぬ子を助けた「母親の死」
から自分の価値を見つけられない主人公が
最後は自分も同じように
見知らぬ子を助けるために走り出すという
母親との繋がりを感じられたシーンは
理解した時にグッとくるものがあった。
このシーンは特に大事で
後先考えず、飛び出してしまうことで
自分も母親と同じだったんだと
母の気持ちを察するとともに
学生ならではの無鉄砲さも
含むことで納得感を演出する。
ここは主人公視点で見ないと、
あり得ない話だと冷めて見ることもあるだろう。
また母親が濁流に身を投げ出したのと同じように
ネットでの身バレという、社会的な死に
自ら飛び込むという描写は
現代社会とも結びついていて正直ゾッとした。
最後の虐待のシーンついては
父親をとんでもない悪だと決めつけていいものか
かなり迷うところもあった。
それは物語の中で一貫して語られている
人の一部の行動を見て決めつけることで
誹謗中傷を生むという点である。
学園のマドンナのルカが
素直な良い子あったように
父親の本性はまだ見えない部分もある。
(もちろん父親は悪い部分が多いが…)
おそらく障害のある弟が、何もいうことを聞かず
母親のいない中で、仕事しながら
不器用に子どもを叱りつける父親を
どこまで断罪すべきか。
竜のあざが物理的ではなく、
心のあざだという点も相まって
実際に暴力を振るっていたのかどうかも不明だ…
父親と向き合うという恵だが
それが出来そうだと思える要素が本人に
あるということであれば、壮絶な虐待の
イメージはミスリードなのか…。
このあたりは想像をするしかない。
したところで正解はないが。
これはただのラブストーリーではなく
社会風刺と個人のドキュメンタリー要素が
多いという点で、昔の細田作品より深く
難解なものになっている。
あえてミスリードを誘うテクニック
(竜の正体など)もあり
本当にサラッと描かれている心理描写や
セリフなどがあるため、
観賞するときは集中して読解しないと
ストーリーに置いていかれるだろう。
脚本が破綻しているのではなく
逆に練り込まれすぎていて
理解する前に物語が進んでいるのだ。
伏線回収や、なぜこのシーンがあるのか
読み解けばしっかり答えは隠されているので
見終わった後に考察することをオススメする。
私はまた歌い続ける
細田守監督最新作。
すでに言われている通り、『サマーウォーズ』のようなインターネットの世界。
開幕は新しいインターネット世界“U”へようこそ。登録者人数は50億人以上。そこであなたは“As”と呼ばれる分身=アバターとなり、仮想世界とは言え、この世界を自由に過ごせる。現実世界の失敗や辛い事をやり直す事も…。
あれから10年以上。さらに進化した“OZ”の世界のよう。
今、“U”の世界で話題沸騰の存在が。突如現れた謎の歌姫、ベル。
華麗な衣装、圧倒的な美貌、何より聞く者全てを魅了する歌声…。
開幕からさながら“ベル・ショー”とでも言うべき豪華絢爛な歌唱シーンで始まり、引き込まれる。
一体、ベルは何者なのか…?
その正体は…
…私なんです。
高知県の田舎町に暮らす女子高生、すずがその正体。
特別活発な性格でもなく、ましてやマーチングバンドの可愛い人気者でもない。内気な性格。
そんな彼女が何故、仮想世界の歌姫になったのか…?
父、母、自分の3人。幼い頃は平凡だが、幸せな暮らしだった。
明るく優しかった母。歌も母が教えてくれた。
ある日母は、氾濫した河岸に取り残された子供を助けて、犠牲になった。
ネット上では称賛どころか、誹謗中傷の声、声、声…。
すず自身も母に対して疑問。どうして、他人なんかを…?(←終盤のすずの行動に伏線として繋がる)
以来、心を塞ぎ込む。父も不器用ながら優しく、常に気を掛けてくれるが、会話も少ない。
歌う事も辞めた。無理に歌おうとすると、吐き気すら催す。
そんな時知ったのが、“U”。
学校の人気者をモデルに、自身の特徴であるそばかすを付けて登録。
勇気を出して、“U”の世界で初めて歌ってみたら…
突然現れた“新人”に、賛否両論。何だかこの賛否両論の声は、細田監督が自身と作品への胸中に感じた。
とは言え、予想以上の大反響。仕立て上げた毒舌親友は面白がってるが、こんな筈じゃなかった!
でも、この世界でならやり直せる。辛い現実から一時でも逃れられる。また歌える。
すずの背景や経緯をリリカルに描く。
あっという間に“U”世界の人気者になったベル=すず。
世界中が注目するコンサート。
その直前、突然乱入した謎の黒い竜。
以前から“U”世界で荒らしをする有名な嫌われ者。
“U”の住人や自警集団“ジャスティス”は、竜のオリジン=正体を暴こうと躍起に。
竜に自分と同じ孤独を感じたすず。ジャスティスの捜査網を掻い潜り、竜が住んでいるという城へ。
竜は気性荒く、誰も近寄らせぬ性格。
すずは諦めず幾度も城を訪れる。
ある時、ジャスティスのリーダー、ジャスティンに捕まってしまう。竜の居場所を言わなければ、オリジンを暴く=アンベイルするという。
そこを助けに現れた竜。
危機を脱して、城に戻って…
すずは歌を届ける。
竜の心が穏やかになっていく。
誰かの手の差し伸べが必要だったのだ。
しかし遂に、城がジャスティスや住人たちに見つかってしまう。
取り囲み、乗り込み、オリジンを暴け!
それはまるで、もはやSNSの誹謗中傷ではなく、魔女狩り。
すずは竜を助けるべく、城の中へ…。
…と、お気付きのように、途中から話は『美女と野獣』に。
美女=ベル、野獣=竜、さらには城や薔薇やダンス、竜に支えるサブキャラ、正義を振りかざす傲慢な悪漢=ジャスティン、展開まで何もかもクリソツ。
何やらバッタもんと言われてるみたいだけど、個人的には細田監督は包み隠さず『美女と野獣』をやりたかった最大限の“オマージュ”に感じた。
作品を彩る歌や音楽は素晴らしく、魅了される。
OPの“U”世界へ誘うアップテンポの歌もいいが、終盤すずが、ある人物の為に心から届けた歌が感動的。
毎年、アニメ映画の中からその年を代表するような歌曲が誕生するが、今年はもう本作でほぼ決まりだろう。観てからもずっと、頭の中でリフレイン。
言うまでもなく、抜擢されたミュージシャン、中村佳穂の歌唱力。未経験ながら声優としてもそう悪くはなかった。
色々レビューを見ると、ストーリーについて賛否両論。良かったという声もあれば、細田監督史上最低、中には映画史上最低なんて声も…。
さすがに奥寺佐渡子が手掛けた作品ほどではなかったが、細田監督が自分自身で手掛けるようになってからの中ででは一番良かったと思う。
三度インターネットの世界に挑み、当たり前になっているネット世界の誹謗中傷、『美女と野獣』風のファンタジー、現実世界でもヒロインの再起、成長、青春、家族、社会問題に切り込む。
そこに、華麗な歌、ビジュアルなどのエンタメ性。
多少詰め込み過ぎではあるが、満足度は大きかった。
失礼ながら『未来のミライ』がいまいちだった分、久々に面白い細田作品が帰ってきた!…と嬉しくなった。
名作だし、好きなのは分かるが、余りにも『時をかける少女』や『サマーウォーズ』と比較し過ぎかなと。それに、『サマーウォーズ』だってよくよく考えてみれば、田舎の大家族と平凡な高校生がネットからの世界危機を救うという、ありえねー!話なんだから。
判明した竜のオリジン。が、却って逆効果。激しく拒絶される。
竜のオリジンに、すずは自らジャスティンのアンベイルする光を浴び、正体を晒す。
歌姫ベルのオリジンは、平凡過ぎる女子高生。
またしても誹謗中傷の声。騙された!
でも…
竜を助ける為には、オリジンとオリジン対等に。
親友たちに支えられ、歌う。
どうかこの歌声が、届いて!
自分に自身が無く、それこそそばかすすらコンプレックスであっただろうすず。
そんな彼女が世界中が見る中で、心に訴え掛けるように、響くように歌う。
このシーンのすずの姿と歌は、ベルの時より美しく、魅力的であった。
竜のオリジンの心に再び届く。が、オリジンにはある“問題”が。
その為に居ても立っても居られず、行動を起こすすず。
竜のオリジンは、全く面識も無い赤の他人。
そんな他人の為に奔走する。
かつての母のように。
幼い頃は理解出来なかった母の行動。
誰かが困っている。苦しんでいる。助けを欲している。
それが誰であろうと。他人であろうと。
手を差し伸べる。
今は分かるよ、お母さん。
すずはまた歌い続けるだろう。この出会いや経験を通じて。
我々も勇気付けられるだろう。そんなすずの直向きさに。
誹謗中傷や賛否両論などどーでもいい。いや寧ろ、それほどの期待や注目の表れ。細田守監督作品はこれからも見続けていきたい。
前述したが、
ヒロインの成長、青春、家族物語、社会問題も織り込み、耳に残る歌、美しい画、エンタメ性、そして夏!
やはり夏はこういう日本アニメ映画が観たくなる!
余談その1
「私と同じじゃん…」って言ってたけど、ペギー・スーのオリジンって…?
余談その2
実は観たのは(月)。ここ数日仕事が忙しく、暑さで頭がボーッとしてレビューの筆も回らず。4日掛かってやっと書き上げました…。
音楽と映像は良いのですが…
音楽と映像は映画館での鑑賞に値すると思います。ですが、脚本はひどい。酷評もあるバケモノの子はファンタジー系エンタメ作品としてそれなりに楽しめた口ですが、個人的にはこれはダメでした。
Uの世界や人の心の機微があまり丁寧に描かれていないのは横に置いておくとしても、子供の虐待って、ここまでふわっと荒唐無稽に料理してしまってよいテーマなのでしょうか。竜のオリジンが明らかになっていく過程でもやもやが増加し、主人公(田舎の女子高生)が竜を救うために急遽単身夜行バスで上京という展開になると完全に現実に引き戻されてしまい、ぎょっとしたというか、ん?この年頃の社会経験のない子が一人で?危なくない??この子が行っても何も解決しないよね?むしろ状況悪化するリスクない?周りの大人何してんの?大丈夫か???となってしまいました。主人公の成長を描くためのエピソードなのでしょうが、物語上の顛末も含め、かなり雑だと思います。
途中までは映像と音楽は良くできているのでそれなりに楽しめたものの、クライマックスが近づくにつれファンタジーとしても楽しめなくなり、終盤は疑問符ばかり浮かんでしまう作品でした。
絵と歌で観る作品
絵と歌は素晴らしかった。
ストーリーは何とも。
まず、主人公の親友?が酷すぎる。最初から終盤まで主人公を見下した発言。あんたは取り柄のない平凡な人間、ってずっと言い続けるのモラハラですよね。あんな友人は私ならとっとと縁を切ります。
途中の美女と野獣シーンはベルの作画をアナ雪のイラストレーターに頼んでいるくらいだから許可取り済なんでしょう。しかし、オマージュなんでしょうが、あまりに同じすぎるので気が散りました。
最後もなぜ高校生の鈴だけに任せて、大人がついていってあげないのか。どうやって事態を収めたんでしょうか。あれだけで良くなるとは思いませんが。鈴が家に行くのはわかるとしても、児相や警察と話をするのは大人の責任では。大人が何人も側にいるのに。フィクションでもあれはない。
佐藤健くんの声も、竜には合ってますが、流石に中学生の男の子には不釣り合い。
竜の正体をミスリードするためでしょうが、最初のネットの画像だけですぐ竜の正体はわかるので、意味ないよなぁ、と思いました。
ところで、Uの中で歌うって、どういう理論?頭の中で歌えばいいってこと?
扱うテーマに対しての無責任さ。DV描写に要注意。
細かいことを挙げるときりがないですが、
とにかく脚本と構成が滅茶苦茶なのが酷い。
展開やキャラクターたちの感情の起伏に脈絡が無さ過ぎて、感情移入するどころか疑問ばかりが募って物語に集中出来なかった。
ここまでツギハギな仕上がりになってしまったのは、ここ最近ではっきりわかってしまったが細田監督の脚本能力の限界だと思う。
また、ここ最近の世間の急速な価値観のアップデートに監督自身がついていけていない。いまさら自身の価値観なんて簡単に変えられないのだろうけれど、積み上げて築いた知名度やブランドの大きさに、自らがついて行けていないのが見ていてなんとも虚しい。
監督・原案に徹して、脚本作業はそれに秀でた方に任せたほうが作品のクオリティは絶対にあがるだろうに。
・
また、これは作品に対してではないですが、映倫の基準はどうなっているのか少し疑問。
最近の大作だとテネットでも一部で問題視されましたが、執拗なDV描写に対してはPG12くらいは付けても良いと思う。
ああいう描写を規制しろなんてことではありません。
ただ、ああいう描写に抵抗がある方への予備知識は大事だし、なにより子供に対しても助言なしに見せていいものとも思えない。
当事者になったことのない自分でも少し恐怖感を覚えるのに、少しでも被害にあった方のトラウマを非常に刺激すると思う。
性描写やグロ描写だけに重きを置くのはそぐわない気がしています。
・
Uは「現実はやりなおせないけどここではやり直せる」「なりたい自分になれる」というコンセプトのはずなのに、実の所アバターとの身体シンクロ機能があるだけで今のSNSと特に何も変わらないのが少々つまらない。
結局皆Uの世界でも現実の人間の方に興味を向けていて、Uの世界の意義とは?と疑問。
タイトルにまで入れている「そばかす」の扱いも雑。
特に物語において何のキーにもなっていないし、鈴の内向的さは容姿のコンプレックスからではなく母の死から起因したもののはず。ただ内気で地味な女の子のテンプレ要素として記号的に扱っただけなら、あまりにも感覚がアップデート出来ていない。
途中の美女と野獣のオマージュというよりは、下手な模倣のようなシーンは止めてほしかった。
30年も前の作品である本家を映像的にすら超えられていないのに、せめてお城・薔薇程度のオマージュでよかった…ダンスまでさせた意図がわからない。
・
ヒロちゃんの台詞回しが全体的に攻撃的なのは何故なのだろう。毒舌というよりは特に鈴への言葉は暴言に近いものが多く、悪意のあるなし関係なく少し不快だった。
「ズケズケいうオタクな女の子」のイメージを下げたいのか何なのか…親友というポジション付をするならもう少し「毒舌」としての練りようがあったと思う。
予告にもあった「元の弱い自分に戻っていいの?」という台詞。あれはてっきり鈴を後押しするものだと思っていたのに、まさか真逆のニュアンスだとはおもいもしなかった。
もちろん本来の姿を晒すか?晒さないか?の葛藤の描写は必要になるが、それは鈴の内側の描写でよかったのではないか。わざわざ、しのぶくんとヒロちゃんに言い争わせてそれを表現したのは何故なのかと少し疑問だった。
親友ポジションであるはずのヒロちゃんにやたらと下げセリフを言わせていたのがとても印象に残ってしまったので。
・
やりたいことというよりは、社会的なテーマを適当に詰め込み過ぎて何も消化出来ずに終わっていて非常に稚拙に感じる。
重いテーマを盛り込めば、深いストーリーに見えるし感動するでしょう?みたいな意図が透けて見える。
インタビューで「恋愛やアクション、サスペンスの要素もありつつ、一方で、生と死という本質的な大きなテーマもある」と語っていたが、
明確に意図的に生と死をテーマに盛り込んだのなら、責任を持って描いてほしい。
特にネットリンチや、虐待は現代社会においても非常に重大な問題。
それをテーマとして脚本に盛り込むからにはそれなりに責任を持って描くべきなのに、
特に虐待問題に関するアンサーがあまりにも軽すぎる。
何故大人が最後に一切関与しない?
何故子供だけが頑張る?
鈴が決めたことだから…じゃないだろう。
大人がここで出張らないでどうする。
ケイたちは孤立してしまっているが、少なくとも鈴は周りを善良な大人に囲まれているのに。
あの虐待描写は明らかに命の危機まで感じさせるものだった。それなら救出に向かう描写も真に迫ったものにするべきだ。
あんな女子高生ひとりだけでどうにかするファンタジー描写はあまりにも無責任。
特に、最後ケイに「俺も戦うよ」(うろ覚えですが…)的な事を言わせた事が非常に遺憾。
彼はずっと弟を守って十分過ぎる位に戦ってきたのだから、あそこは大人が『もう頑張らなくてもいい』と言ってあげるべき所なのに、子供たちだけを抱き合わせてどうしたいのか?
つまらなかったな…と思う映画は個人の趣向なので数多あるけれど、脚本に不快感を感じたのは久々。
扱うテーマには責任を持って欲しい。
冒頭のUのイントロ映像、
ベルのライブシーンと歌声はとても良かったです。
カミシンとルカちゃんのシーンはほっこりしました。
歌が秀逸
この映画のテーマは「守ること」
それにつきるのではないでしょうか。
ネット社会に生き、ストレスを抱える現代人が無くしてしまったもの、
それに気づかせてくれたので、Belle の最後の歌が人々の心に響いたのではないか。
そう思えてなりません。
歌がほんとに良かったです。
設定のささいな部分は、映画なので良いと思う。
あとからキャストを知りましたが、
合唱団が豪華メンバーでしたね。
映像は良いけどストーリーがモヤモヤする
?と思う場面があまりにも多すぎました。
まず、すずが竜に惹かれ固執する理由がわからない。美女と野獣がチラついて集中できない。高校生1人で川崎に行かせる大人たち。すず本人の姿で歌ったのに、僕はまだ信じないと言い出す竜。歌で信じなかったのに抱きしめられた時の感触で信じる竜。家の外に出られるのに助けを求めない竜たち。
細田守監督は脚本を他の人に依頼すべきだと思います。バケモノの子、未来のミライ、竜とそばかすの姫、全て同じです。
伝えたいことが無い作品
うーん
僕はダメでした😷💦💦💦
(ごめんなさい…)
冒頭5分ぐらいは、おおっ!すごいものが始まるのかな、とすごく期待しました。
それは裏切られてゆきました。
ダメだったところ
○物語の偶然きっかけが多すぎる
○そもそも竜を追いかける動機が謎
○竜が嫌われている理由が無理すぎ
○中盤が「美女と野獣」のパクリ
○終盤のUでの主人公の意を決した行動がシナリオ上意味がほぼ無かった。
あと…これはうまく言えないのですが、
登場人物の傷の負わせ方が、感動する為の前置きとして作られたような感があって、僕はよくないなあって思いました。
【以下ネタバレ含む】
あと、これ、下手したらディズニーに訴えられるんじゃないかと思うんですが…。
キャラクターの目の感じとか、美女と野獣の城のくだり…動きから、薔薇も出てくるし、ダンスもして、城も燃えるでしょ…💧もうまるパクリというか、こんなん作るなよ〜…って、え、カンヌ持ってったの?と、なんか恥ずかしい気持ちになりました。
もうライオンキングがジャングル大帝のパクリだとか、日本が言う資格無くなったなと思いました。
ラスト、せっかく歌うのに、歌う以前の動画録画を見て、場所確認してるし…。え、歌った意味ほぼ無くね⁉︎ となりました。
あと、嘔吐とか、露骨に描く必要性があったのかなって、必要以上にキャラクターを傷つけてる気がするんですよ。
それとなく描けばいいじゃん、ってところを、ありありと、割と見せる。なんか今までの細田監督作品で一番残酷で愛のない、見えない作品だな、と感じました。
そもそもこの映画を通して言いたいことなんてあったんか…と思うような感じがします。
豪華スタッフを使って、それで何か言いたいことあった?みたいな、あ、音楽いいよね、映像いいよね、とは言えるけども、で?となる。で?、え?、となる。
筋無いじゃんって思う。
この映画を感動した、という人が、あらすじを、全て思い起こして言える人間なのか、を考えると、どうかなと思ってしまうぐらいでした。
虐待をなぜされているのかの背景、している人間の心理まで深く入りこもうという意図は、今作をもって全く放棄しているように感じました。
監督はしばらく…5年以上は休んだ方がいいと思う。
観た感じ何も…何も言いたいこと、伝えたいことは無いってことが、伝わりました。
「小さくても自分の世界を」作れるぐらいに、周りの人も休ませてあげて欲しい。
ほんと残念な映画でした。
Bellが可愛かった❤️
これはどちらかというと男性より女性が見た方が良かったと思えるのかな??
低評価な方達も
怒鳴っただけで虐待なの??(生々しい虐待を見せろと言うのか)とか
虐待されてるのにインターネット環境??(今の時代なら普通にあってもおかしくないのでは…)とか
おばさん達がなぜ鈴を見守ってるの??(お母さんがなくなってふさぎこんでる鈴を心配してるのでは)とか、どうでもいいことを突っ込みすぎなような…
(そしてなぜかレビュー1件が多い)
Bellがとても可愛くドレスも可愛いかった~!!
歌もうまいし、とにかく映像も凄い綺麗でした。
おばさん達が鈴に関わっていく所もなんかジーンとしました。
低評価のレビューがけっこうあったので、
行くのを悩んだけど見て良かったと思える作品でした😊(ここのレビュー欄は何が起こってるんだ??)
雑すぎるストーリーと人物造形
細田守監督の作品を見るのは6作目ですが、こんなにひどいと思ったのは初めてです。
オマージュではなくサマーウォーズの焼き直し+美女と野獣のパクりというのが、見ている最中に思った初めの感想です。
見終わって、何がこんなにも苛々するのか考えた結果、一番腹立たしいのは人物造形の雑さだと気づきました。
主人公の周りに「いい人そう」な人たちが出てきますが、最後まで彼らの作中での役割が見えません。結局、彼らは口だけで何の行動もしません。
正義を振りかざす「悪そう」な人たちが出てきますが、彼らの目的や意図は最後まで表面的でただの悪役以上のなにものでもありません。
「虐待していそう」な父親と「傷ついていそう」な少年が出てきますが、虐待の実態とも言えるシーンはたった一度の怒鳴り声だけ。
因みに、虐待されているはずの少年はインターネットに繋がるPCを与えられ、システム構築のノウハウを何故か持っており、ネットの世界で大暴れしています。そして、ネットで大暴れする行為が何かを守るためらしいのですが、結局最後まで何のために暴れていたのか分かりません。父親に傷つけられるカタルシスで暴れて他のユーザーのシステムを壊していたなら迷惑な話です。というか、それ父親と同じです。
そして、それだけの能力がある赤の他人の少年(中学生くらい)を女子高生の主人公が一人で、虐待していそうな父親から守るために助けに行きます。周りの大人は事情を知っているのに、一つも手助けしません。
やさしそうな人たちがいるのは高知の片田舎で、虐待していそうな父親と、その子供がいるのは東京です。何、その先入観!
そして、はるばる東京に来た主人公は、奇跡的に、その傷ついていそうな少年と会います。そして虐待父親の前に立ちはだかるのですが……、少年と大きさ変わらない少女が、がたいのいい成人男性の前に立ちはだかって何ができたのでしょうか。
そして次のシーンで主人公は地元に帰ってきています。少年がどうなったか(児童相談所に連れていけたかなど)全く分かりません。というか、少年は確実に自分で児童相談所に行く能力を持っていました。
何が苛立たしいかといえば、たった数言で「こういう人間だ」と作り手が断定して、受け手に押し付けるやり方です。それ、映画の中で「断面だけを見て批判だけする傍観群衆」として描かれている人々と同じじゃんって心底思いました。
表面性を打ち破った先に「作品」があるのではないでしょうか。
母親が死んでから面と向かって話せなくなってしまった自分の父親を主人公はどう思っているのか?
主人公が本当に越えられていないものとは何なのか?
塞ぎ込む娘を父親はどう思っているのか?
妻をなくしたことをどう受け止めているのか?
幼なじみは主人公を何故、気にかけ続けるのか?
クラスの仲良しな少女は、何故、世の中を斜に見ているのか?
合唱団のおばさんたちは主人公の何を、何故見守っているのか?
こんな問いはほんの一部でしかありません。
「母親が死んだから」そんな一言で片付けず、きちんと描いてほしかったです。作者が100考えてようやく1か2伝わるのが作品だと思います。作者が練れていない人物が受け手に伝わるはずはありません。
表面性を保って安全なエンターテイメントを作りたいなら、ディズニーぐらい子供を楽しませるプライドとポリシーを持って勧善懲悪にすればいいと思います。中途半端に問題意識持って、一見深そうな作品っぽくして、掘り下げもしないで逆にステレオタイプな人間を描いてしまうなんて、勧善懲悪以上に危険な害悪だと思いました。
ストーリーの雑さで言えば、主人公の通う学校の描写が数分間出てきます。そして、陰キャの主人公が「イケメンの幼なじみ」に手を掴まれている瞬間を見られて、クラスLINEが大炎上していじめられかけます、が、「勘違いだよ」と訂正することで、事なきをえます。その後、クラスのことは一つも出てきません。そのシーンこの映画に必要だった? と本気で謎に思えます。そういうシーンがたくさんあって、結局何が描きたかったのか……。
激似のサマーウォーズの方は、ちゃんと一人一人の個性と役割がありました。端役の一人一人にまで血が通っていました。
暴走AIを作り出してしまった無責任なエンジニアにも無責任になってしまった「背景」が見えました。
サマーウォーズを見た人にしか分からない表現になってしまいますが「満開の朝顔が咲き乱れる小道を、祖母に手を引きずられるように歩いていく少年の姿」だけで、エンジニアの彼の痛みも、悔しさも、理不尽も感じさせてしまう、描写、造形の繊細さがあの映画にはありました。そうやって一人一人をきちんと描いたからこそ、人間の「あたたかさ」が伝わってくるというのに、そういうものを疎かにして「これが優しさだ!」「これがあたたかさだ!」と押し付けられても「そうですか」としか、私には思えませんでした。
伝えたいことが「分かる」のと「伝わる」のは全然違うと思うのです。
これでサマーウォーズより6分も長い!
お金をかけて、キレイな画像を作って、キレイな歌を入れて、これはPVじゃなくて映画でしょうが、と言いたくなる作品でした。
何でそうなった?が多過ぎる
自分はストーリー重視なので評価低めです。
映像と音楽は良かったです。
以下どうして?と思った点を箇条書きしていきます。
・川の真ん中に取り残された子供の親何してたの?
・主人公はなぜUを始めた?
・竜はなんでUで暴れてた?
・主人公はなぜ竜を好きになった?
・竜に「あなたは誰?」って聞いてどうするの?名前聞いたところで知らない人でしょ
・薔薇にはどういう意味が込められてた?
・竜の周りにだけAIがいたのはなぜ?
・歌のおばさん達いる意味あった?
・なぜ女の子1人で東京に行かせた?
・DVしてる父親はなぜただの女の子にあそこまで怯えた?
・DV受けてた弟の方はなぜ喋り方がぎこちなかった?
・結局DV問題何も解決してなくね?
・犬が前足を怪我してた理由は?
・結局主人公はどっちの男が好きなの?
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