BLUE ブルーのレビュー・感想・評価
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ボクシングを愛する強くて弱い男たちの話
ボクシングは痛々しくて見るのが苦手で、正直どこが面白いのか分からないと感じています。
その気持ちは映画を見終わった後もあまり変わりませんが、男たちを魅了するものがあると言うのは理解できました。そしてボロボロになっても戦う姿が美しくて、敗者もっっこいいということも。
松山ケンイチさんはとても良かったですが、東出昌大さんのダメな男感良いですね。すごく献身的な彼女に対して乱暴な口聞くとことか。もちろん身長があって身体が引き締まってるのでボクサー姿は文句なしに格好良かったです。
65点
東出アンチの当方が半信半疑で鑑賞
別に不倫がどうとかどうでもよくて、単純に彼の演技が生理的に無理。生理的に無理な演者は滅多にいなくて、アスリートの羽生結弦くらいです(ん?
何が無理ってなんていうんだろう、じゃべりかた?とか所作とか動作とかがもう鳥肌立つキモさ、鼻につくし吐き気してキショい
散々言いましたが、今作は初めて彼の演技を終始ストレス無く観れました。笑
なんか知らないけどあんまり彼のその嫌な要素を感じなかった。
ボクシングって非常に映画にあってるスポーツですが、イマイチ盛り上がりに欠けていた印象でしたが、撮り方や役の描き方は良かった。
是非
ボクシングものとして残念な仕上がり
ヒメアノ〜ル
空白
を観て次の吉田恵輔監督作品を観たくてチョイス。
失敗。
キャスティングミス
ボクシングの世界観
こうじゃないんだよなぁ。
あゝ荒野の方がまだマシだった。
現実のボクシングはということではなく、やっぱりこの世界を描くならドン底感が出てこないと映画としては厳しい。
私にとってこの映画の救いは、木村文乃さんのかわいさダダ漏れだけで、既にボクシング映画を観に行ってない😅
痛い。
見ているのが辛くなるほど、心も身体も痛い作品だった。肉体の強さと心の強さ。ふたつを兼ね備えるのは難しい。何かが欠けていても、どうしてもそこから抜け出せない。他の作品もそうだけどボクシングってやってる人しかわからないそーゆー魅力があるんだろうな。一番バランスが取れている楢崎の未来に期待したい。そうそう、時生かっこよかった!
痛いほどに純粋
ボクシング映画は好きで良く観るが、誰もヒーローがいない作品は初めてかもしれない。
純粋なまでに打ち合い、純粋なまでに惨めな自分を曝け出す。それでも純粋に勝ちを求めて。
ボクシングが本当に好きならこの作品を好きになるにちがいない。
数多の敗者がいて初めて勝者がいる。敗者に光を当てたこの作品の意味をもっと多くの人が知るべきだ。
あの人、本当につえぇよ
映画「BLUE ブルー」(吉田恵輔監督)から。
ボクシングが題材の映画は、ほとんど苦労した人生から、
努力して、努力して、最後に栄光を掴む展開が多い中、
今回は、その努力も報われず、負け続けてもリングに上がる。
そこに、男としての強さ、カッコよさが表現されていて、
うん、こういう生き方っていいな、と思いながら、
スポットライトが当たる人は、ほんの一握りで、
ほとんどの人は、こうなんじゃないかな、とメモをした。
自分の生き方の軸がブレずに、コツコツと続ける、
それは、プロボクサーを引退してからも、同じこと。
だから、何げない生活(仕事場)のワンシーンで、
映し出される、負け続けた主人公のシャドウボクシング、
フットワークよく動くステップを「美しい」と感じるし、
胸が熱くなる。
そんな彼の生き方を見て、ボクシングの勝敗とは関係なく
「あの人、本当につえぇよ」と誰もが思う。
久しぶりに、耐えることの強さを教えてもらった作品。
いいタイミングで、いい作品に出逢えたなぁ。
本当の強さとは?!
内容は、ボクシングに取り憑かれた人たちのお話。監督自身のボクシングに対する見方と自身の経験から言える勝負に呪われた自分語りの様に感じた。決して強くはなかったんだろうな。スポーツでも何でも勝負には、勝つ人がいれば負ける人がいる訳で、どちらの視点で見るかによって違って見える面白さ。スコセッシ風の中盤ホットスタートも観てて面白かったです。定番スポ根モノのカタルシス解放(努力.根性.勝利)には程遠いですが、それが地味に新鮮で現実っぽくて気に入りました。
気持ちのいい奴ら
「空白」を見て吉田監督に惹かれ、劇場で見逃していた本作を配信で鑑賞。
感動した、と言う作品ではないかもしれない。しかし、松山ケンイチ、東出昌大、柄本時生、木村文乃ら、登場人物たちの互いの関係性が、感情が、表情や絞り込まれた短いセリフでビンビン伝わる。
「空白」同様、脚本、撮影、編集、美術も含め、基礎体力の高い映画作りという印象。更に旧作に遡って見たいと思わせる、気持ちのいい作品だった。
本当の強さとは
『アンダードッグ(後編)』のレビューでも触れたが、意外と邦画はボクシング映画が豊作。
そんな歴代チャンピオンに、新たな挑戦者が。
ボクシング映画の醍醐味の一つは、ハングリー精神である事。本作も然り。
プロボクサーの瓜田。教え上手で、優しい性格。が、試合は負け続き。それでも何故、この男はボクシングを続けるのか…?
後輩の小川。彼らのジムで最も日本チャンピオンに近い。恋人は瓜田の幼馴染みの千佳。何もかも順調だが、最近パンチドランカーの兆候が…。
ゲームセンターでバイトするヘタレな青年、楢崎。意中の女の子に見栄張ってボクシングやってると嘘付いて、“ボクシング風”だけを習いに入会。しかし続ける内にハマっていく…。
三者三様だが、これまでのボクシング映画で描かれてきたあるっちゃああるの定番。
ボクシング映画はストレートでいいのだ。
後は闘い方によって、ジャブか、KO級のパンチか。
本作は『あゝ、荒野』や『アンダードッグ』のようなKO級ではなかった。
どちらかと言うと、ジャブで小出しし、時折ホディブロー、じわじわじわじわと効いてくるパンチ。
それもこれも吉田恵輔監督の試合が巧い。
自身も30年以上のボクシング経験者。劇中のボクシング指導も自ら。
製作に8年。
それだけでも拳に込めた熱い思いが分かるが、特に経験者だからこそ描く事が出来たのは、3人の男への眼差し。
設定としては先述の通り、あるある。が、見ていくと、他のボクシング映画とは違う。と言うのも、勝者が居ないのだ。
大抵のボクシング映画の主人公の場合、負け続きでも、最後の最後には、勝つ。が、本作の場合は…。
弱者新人ボクサー。負けてばかりでも、やはり同じく、奇跡的に一勝する。が、本作の場合は…。
遂に掴んだ日本チャンピオン→パンチドランカーなど一旦どん底へ→無理を押し切り試合に臨み、再び栄光を掴む。が、本作の場合は…。
そんな作られた嘘っぱちなど起きやしない。
実際にリングの上に立って、闘って、その世界に居た人だからこそ描ける、ボクシングのリアル。
無情ではあるが、重く悲しいだけではない。
教え、支え、人と人の拳がぶつかり合う中の人と人の温もり…これこそ監督自身の体験談の中で最も描きたかったように感じた。
『あゝ、荒野』や『アンダードッグ』は2部作で5時間近い大作であったが、本作は2時間弱。勿論、2部作ではない。
あちらの作品にどっぷりハマった人には物足りないかもしれないが、本作は見事1本の尺に纏めただけではなく、省略の美と見た。
例えば、楢崎がプロテストに合格するシーン、楢崎と先輩ボクサーがあっさり和解して唐突にも思うだろう。他にも一見説明不足と指摘されそうな点が幾つか…。
くどくど描かず、見るこちらにその背景のドラマを想像させる。
ニヤリとしたり、胸をグッとさせられた。
安藤サクラ、菅田将暉、森山未來…演技派×ボクシングで名試合となる。
本作は、この人。松山~ケンイチ!
脚本に惚れ込み、2年間役作り。
試合シーンもさることながら、本人の素のような雰囲気もマッチした温和な名コーチぶり!
ボクシング映画で異色の主人公。
王道のボクシング映画主人公タイプは、東出昌大の方かもしれない。
才能。恋人。栄光。
どん底…。
試合シーン、熱演、パンチドランカーの悲しさ、苦悩…感情の見せ場など最も多い。
瓜田と小川はいい先輩後輩で、2人の友情も見所。
が、そこに千佳が入ると微妙な空気になる。
小川の恋人。結婚を考えている。
元々は瓜田の幼馴染み。そして初恋の相手。
千佳も気軽に瓜田に会うなど、一見仲の良い3人だが…、
小川がボクシングを始めたのは瓜田がきっかけ。なのに今では、小川の方が躍進。そればかりではなく、千佳までも…。
瓜田は本当はそれをどう思っているのか…?
小川もそれをどう思っているのか…?
本筋に邪魔にならない程度に、二人の男と一人の女のラブストーリー。
それも分かるほど、木村文乃が魅力的。
柄本時生は絶妙なユーモアを入れてくれる。
最初は本当にただのバカ。(失礼!)
しかし次第に少しずつ強さを身に付けていく。プロテストにまで合格。
一緒に受けた先輩は落ち、憤慨。スパークリングし、初めてその先輩に勝つ。(この後ちょっと事件が起きるが…)
最初はヘタレだった楢崎がカッコ良かった。
でもやはり、弱いのは弱い。初試合はビビって負け。その次の試合も負けるも…。
新人ボクサーがひたすら強くなっていくのではなく、弱カッコいい。
クライマックスはメインキャストたちが拳をぶつかり合わせるのがお約束。
しかし、本作は何と、否!
盛り上がりに欠けるとか、ラストに一番の見せ場が無いとか意見ありそう。
確かにボクシング映画に於いて、そういう展開は熱く、最も盛り上がる。でも時々、胸締め付けられる思いになる。
本作はそうじゃないのだ。
ある試合を最後に、瓜田は姿を消す。引退を決めていたのだ。
勿論その試合は負け。楢崎も負け悔しいのに、笑顔の瓜田を責め立てる。
小川は別れを言えなかった事、千佳を含めた自分たちとの事…。
そんな楢崎の元に、瓜田から一冊のノートが届く。あれだけ責めたのに、的確なアドバイス。
単なるお人好しや優しさじゃない。これがこの人の強さなのだ。
何も強さとは、試合に勝つ事だけではない。
ただひたすらボクシングが好きという強さ。
最愛の後輩、最後の後輩を見守る強さ。
一方は諦めざるを得ないとしても、もう一方はその教えを引き継ぐ。
そして、何処か離れた地で…
彼もまた諦めていない。
ウリちゃーん
吉田監督が現在でもボクシングをやっているとのことで、殺陣は素晴らしいとしか言いようがない。出演者全員がプロボクサーにしか見えなかった。
思わず、「ウリちゃーん」と叫びたくなる自分がいた。
ボクシングあるある満載の名作である。
音源が残っていたら宇多丸さんと吉田監督の対談「本当にスゴいボクシング映画はこれだ」を是非、参照下さい。
それでも
「青=挑戦者」
タイトル通りの内容だった。
ボクシングを軸に描いてはいて、とてもわかりやすい内容だった。挑戦した者だけが、勝者にも敗者にもなれる。元を正せば、そこがスタートだ。
動機は様々だ。好きな子の気を引く為、ソレが好きだから、才能があったから、その他諸々。
誰でも始められる。
でも、誰でもは続けていけはしない。
ハッピーエンドで終わる事を期待はしていたが…そうそうそんな都合のいい事は転がってない。
勝者が居れば、それ以上に敗者がいるのだ。
でも、その敗者であるという事は、挑戦者であった事の証明でもある。
今作はそんな敗者達を描く。
明確に勝ち負けが存在し、己の身体のみで闘うボクシングという題材で。
皆様、ボクシングのトレーニングには励んでたようで、中々の仕上がり具合ではあったのだけど、頭抜けてるのは、やはり松山氏。
ラストのシャドー…美しかったぁ。
あそこがヘッポコだったら、作品としては台無しだし、「彼は敗者ではない」との結論にも至らなかった。
勿論、勝者ではないのだが、それでも彼は敗者ではないと思える。また、へらへらとはしているが、しっかりと憤りを伝える繊細な芝居…見事だった。
ボクシングの映画で、ちゃんと試合も描いてはいるが、それで居続ける為、そこに立ち続ける為、そこに上る為、その葛藤や決断、信念を真正面から描いたロマンチックな作品だと思う。
コロナ禍で劇場に行けなかったのが悔やまれる。
頭悪いなぁと思う人もいるだろう。
そんなんで食っていけないならやる意味もなくない?と言う人もいるだろう。
その通りだと思う。
そう言ってしまえる人達には、きっと理解はできない。どんな言葉を並べても共感は得られないと思う。
そんなものに出会ってしまった自分の不運を呪うしかない。そんなものに人生の大半を消費し、振り回される不運を呪うしかないのだ。
でも、それでも、だからこそ生きていると思える。
コレがやりたいから生きているんだと思える。
それ以外は、実の所どうでもいいんだ。
やめれる奴は幸せだと思う。
続けていくには、負荷も負担も葛藤も苦しさも犠牲も金も、全部背負っていかなければならない。
…と、当の本人達以外はそう思うのだろう。
当の本人達は、覚悟も自覚もあるので、案外シレッと背負っちゃってるし、今更そんな事も深刻には考えてない、と思われる。
しょうがない、出会ってしまったのだから。
そんな連中の物語。
ラストに至り、それぞれの道を走っていた引退した人と、現役の人の道が合わさり1つの道を走る姿に、温もりを感じる。
応援というには辛辣なメッセージに溢れる本作なれど、それでも綺麗事だけではないって現実を、夢みがちな現代に真っ直ぐ届ける優しさを持ち合わせた作品だった。
こんなの万人に刺さる!圧倒的熱量とボクシング愛
勝てないボクサーと絶えない怪我。残酷なほど如実に出るセンスの差、熱量と才能は別。松ケンのキャリア史上トップレベルの熱演・名演技に魅せられる。挑戦者たる青コーナーの美学。泥臭くて美学なんて大層なものじゃなくても確かに見る者の心揺さぶる。あ、そっか。センスはないけど基本に忠実、本当は回復してないけど笑顔を見せる。でも、まぁ、これ基本だからさ。感情を圧し殺すように自分を表に出さないで、人当たりいいように物腰柔らかく飄々とした感じ。
アツい!スパー!ボックス!! いつもの練習。もっと速くコンパクトに。ういっす、ういっす。東出の役どころはもっとクソ生意気かと思っていたら、思ったよりちゃんと先輩にあたる主人公への敬意を忘れない。あーざっす。シュッ!シュッ!ドカドカドカドカ。不在で際立つ主人公の存在。ラストカットの余韻もすごかった。松山ケンイチ最高!! 全力で惚れ直した。『キッズ・リターン』がリターンしたアダルツ・ネバー・ゴーバック?
時に切なく、時に残酷。挑み続ける者達の、闘いの物語!!
【賛否両論チェック】
賛:瓜田と小川、楢崎という、3人の青年それぞれのボクシングとの向き合い方と、千佳という女性の存在を通して、青春の全てを訴えかけてくる様が印象深い。
否:展開は結構淡々としていて、予定調和感も否めない。ラブシーンもあり。
負けても負けても向かい続ける、時に馬鹿正直な主人公・瓜田と、夢に向かって真っすぐな親友・小川。そしてひょんなことから、次第に目標を見つけていく楢崎。時として群像劇チックなタッチで、三者三様のボクシングとの向き合い方を描いていくのが印象的です。
そしてそんな瓜田と小川の間に、より深みを生んでいく千佳の存在も、青春の切なさや、時に残酷さをも伝えてくれるようで、観ていて思わず身に染みてしまいます。
終わり方も少し好みが分かれそうな気もしますが、夢に挑み続ける者達の切なくも熱い物語ですので、是非チェックしてみて下さい。
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