マ・レイニーのブラックボトム

配信開始日:

解説

1920年代のシカゴを舞台に、「ブルースの母」と称される実在の歌手マ・レイニーと彼女を取り巻く人々を描いたNetflixオリジナル映画。「フェンス」の原作者としても知られる劇作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を、「サヨナラの代わりに」のジョージ・C・ウルフ監督のメガホンで映画化した。1927年。シカゴの録音スタジオで、人気歌手マ・レイニーのレコーディングが始まろうとしていた。4人組バックバンドのひとりであるトランペット奏者レヴィーは野心に燃え、他のメンバーたちと揉め事を起こす。やがて遅れて到着したマ・レイニーは白人のプロデューサーらと主導権を巡って激しく対立し、スタジオは緊迫した空気に包まれる。マ・レイニー役に「フェンス」のオスカー女優ビオラ・デイビス。「ブラックパンサー」のチャドウィック・ボーズマンがレヴィーを演じ、彼の遺作となった。第93回アカデミー賞では、ボーズマンが主演男優賞、デイビズが主演女優賞の候補に挙がるなど計5部門でノミネート。そのうち、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門を受賞した。Netflixで2020年12月18日から配信。

2020年製作/94分/アメリカ
原題または英題:Ma Rainey's Black Bottom
配信:Netflix
配信開始日:2020年12月18日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第93回 アカデミー賞(2021年)

受賞

衣装デザイン賞 アン・ロス
メイクアップ&ヘアスタイリング賞  

ノミネート

主演男優賞 チャドウィック・ボーズマン
主演女優賞 ビオラ・デイビス
美術賞 マーク・リッカー

第78回 ゴールデングローブ賞(2021年)

受賞

最優秀主演男優賞(ドラマ) チャドウィック・ボーズマン

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ビオラ・デイビス
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映画レビュー

3.5絶望と抵抗の歴史を想像する

2021年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 「ブルースの母」マ・レイニーのレコーディング前後数時間の出来事から、黒人が人種差別で負った傷の根深さを浮かび上がらせる映画。
 白人のマネージャーに無茶振りを連発するマ・レイニー、白人プロデューサーを利用してのし上がることを目論み面従腹背を決め込むトランペット奏者のレヴィーの振る舞いが描かれる。
 経験則上、彼らは白人とまともに協力して仕事をしようという気はない。白人が自分たちの才能を欲しがるなら、そこに大いにつけ込むくらいのふてぶてしさで行かないとたちまち踏みつけにされてしまう。それを恐れてのことだろう。
 陰鬱な緊張感と救われない展開だが、ヴィオラ・デイビスの迫力ある存在感と、チャドウィック・ボーズマンの魂の咆哮のようなモノローグは白眉だ。マ・レイニーもレヴィーも聖人君子からは程遠い。しかし彼らを苦しめる差別の歴史は、なり振り構わず抵抗し続けない限り彼らを飲み込んでゆく。

 黒人差別はもちろん決して自分と無関係な問題ではないのだが、我が事として捉えられるほど身近に体験したことが個人的にはない。問題のあまりの根深さに、彼らの気持ちを想像は出来ても感情移入するのは難しかったというのが正直な感想だ。簡単に分かったような顔をしてよい問題でもないと思う。
 それでも、レヴィーの慟哭にも似た叫びやいくつかの象徴的な描写は、彼らの思いを想像する手助けになった。新品の靴は彼の人間としての尊厳を表しているのかも知れない。そしてリハーサル室の扉は……。
 「マ・レイニーのブラックボトムが映画になるまで」というパンフレット代わりのような動画も必見。

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ニコ

4.0明るさと痛さを演じ分けるチャドウィック・ボーズマンが圧巻!

2020年12月19日
PCから投稿

泣ける

悲しい

1927年のシカゴ。とあるスタジオで"ブルースの母"と呼ばれた伝説の黒人シンガー、マ・レイニーの新作レコーディングが行われようとしている。だが、マ・レイニーは白人マネージャーやプロデューサーに対してわがままのいい放題だし、録音に参加する自信過剰で明るいノリのトランペトターのレヴィーは、マ・レイニーの代表曲である"マ・レイニーのブラックボトム"を勝手にアレンジしようとして、マ・レイニーの神経を逆撫でする。この2人が、なぜわがままで頑固にならざるを得なかったのか?なぜ、明るくかつ自信に満ちて見えるのか?その謎が徐々に解き明かされていくに連れて、言葉にするのも憚られる当時の黒人差別の実態が浮かび上がっていく。マ・レイニーとレヴィーは表現方法こそ違え、同じ怒りを抱えつつ白人社会と対峙しようとする、不幸な似た者同士であることが。凝ったメイクでマ・レイニーを演じるヴィオラ・デイヴィスが視覚的に強烈だが、レヴィーの軽妙さと、それとは裏腹な痛々しい素顔を演じ分けるチャドウィック・ボーズマンが圧巻だ。これが遺作となったボーズマンには本作でアカデミー主演男優賞と、同じNetflixが配信する「ザ・ファイブ・ブラッズ」で助演男優賞候補の可能性が高い。故人が同じ年のアカデミー賞の2部門で候補になるのはオスカー史上初。2つの中では「マ・レイニー~」の方が有力だと思うが、さて。

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清藤秀人

3.0マ・レイニー横柄すぎない?

2024年9月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

当時の黒人の抑圧された感情とそこからくる苛立ち、抜け出せない環境、ブルースが救いだったことは伝わるが、それは他の作品でも多く描かれているし、マ・レイニーが横柄過ぎて少し共感が薄れてしまった。

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にち

2.0伝記映画なのに、熱が伝わってこない。

2024年5月26日
PCから投稿

チャドウイックの姿が痛々しいし。
W主演で話が中途半端。
加えて、マのメイクがどうもオバQ(に扮した芸人さん)・・・。

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ゆき@おうちの中の人

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