孤狼の血 LEVEL2のレビュー・感想・評価
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色々としんどい
そもそもだ。ヤクザ映画であんな派手なプロモーションをするべきなのか。無駄にコンプラを重んじる現代に、ヤクザ映画をエンタメ化する必要があるのか。一作目を素晴らしいと思う身だからこそ、この流れに大きな違和感を感じていた。でも、ずっと追いかけてきた白石監督だから、孤狼の血だから、作品は大丈夫なはずと信じていた。いやな予感が当たった。しっかりと裏切られた。
結局彼も「商業映画」と言う渦に飲み込まれたのか。災難だ。こうして優秀な才能は拝金主義の犠牲になっていく。今更ではあるが、こんなことを繰り返していたら、いつまで経っても韓国映画には追いつけないだろう。
今回、ピエール瀧がキャストから消えた理由も薄らと分かってしまった。商業的大ヒット風作品に犯罪者は要らないのだろう。それが人を理不尽なヤクザ映画であってもだ。
金を出す奴は、作品に口を出すべきでない。
何処の誰だか知らないが、取り乱して泣くべきシーンで涙のひとつも出ないアイドル女優はこのヤクザ映画に必要ない。彼女にはもっと活躍すべき舞台があるのだろうから、恋愛コメディか何かで邁進するべきだ。彼女のファンを銀幕越しにメロメロにしてあげれば良いだろう。こんなの本人にとっても気の毒なんだ。持つタバコを吸わない。頭の悪いヤクザに乳の一つも揉まれない。この役を演じきれる才能ある女優はたくさん居るのだから、監督はこのキャスティングで首を縦に振るべきでは無かったのだ。
金を出す奴が口を出すとこう言う悲劇が起きるのだ。
仮にもヤクザの大親分がコメディをするべきではない。くだらないギャグの裏に見える狂気こそが大親分だ。往年の大女優をヤクザ映画に呼び戻して雑な扱いをするべきではない。あんなことで姐さんを殺すのヤクザじゃない。昔なヤンチャな経歴だけで生きてるくせに、凄みの効いた声を出せない中途半端な俳優は任侠映画に必要ない。任侠映画をバカにするなと言いたい。ヤクザはエンターテイメントにするべきでないのだ。
鈴木亮平があいも変わらずアホみたいな怪演をしてしまったがために、滝藤賢一が狂った表情を見せてしまったが故に、なんとも勿体ない結果になってしまった。と言うか、主演の松坂桃李も含めて基本的に演者は素晴らしかったのが本作の救いだ。
それにしてもあの脚本でGOを出した理由を聞きたい。話にメリハリなく暴力が繰り返される。突如始まるカーチェイス。突如として現れる死神という言葉。日岡にも上林にも人間味が感じられない本作はロボット映画か何かなのだろうか。抗争相手の尾谷組を描かなくて、LEVEL2から観はじめる人に分かるのだろうか(皆お気に召しているようなので何よりだが)。
そして入場時に配られるトレーディングカードは、映画ファンをバカにしているのだろうか。
全種コンプリートを目指させるために大金払う人もいるらしい。勝手にやっているのだから別に構いはしないのだが。本来、客は何に金を払うのか。本当に素晴らしい映画は凝ったノベルティなんぞなくとも観に行くのだ。恐らく様々な理由で凡作を撮ってしまった監督にも、稚拙な本を書いてしまった脚本家にも、失笑を生む演技しか出来なかった演者にも失礼なのではないかと思うのだ。
さて、この映画を観た天国のガミさんは何と思うのか。あの時のようにペンを持って強烈なダメ出しを殴り書きするに違いない。
怖すぎて固!そして松坂&鈴木に感服!
ぬーん
前回の孤狼の血が大変傑作だったなぁと思って楽しみに行きましたが...が...。もちろん松坂桃李さんは素敵な役者さんだと思うのですが前回の役所広司さんが凄すぎて、凄みとしては物足りず、マル暴刑事っぽさには無理がありますね。そして、任侠映画がいつのまにかサイコパス猟奇殺人映画に変わってしまったような。鈴木亮平さんも斎藤工さんも吉田鋼太郎さんも、日頃の役所が役所なだけに、まくしたてるヤクザ語?広島弁?がちょっと迫力ないなぁと思ったりして。私もどんどん裏の裏まで読みたがるようになっていて、公安刑事のうさんくささは最初に分かってしまったり、筧美和子さんと滝遠さんでレイクアルサがよぎってしまったり。。
でも!そんじょそこらのホラー映画より、よっぽど怖かったです。やはり、恐るべしは生身の人間。鈴木亮平さんの役作りは毎回アッパレです!
2021年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️✨
いやぁ〜、面白かった!(笑)
この作品には、2作目のジンクスなんて関係なかったですね。
公開から時間が経ち、もう観れないかなと思ってたけど、"宣言"が終了となりレイトショーでやっと観れた!…というか、こんな映画、昼間からやったらアカンでしょ!(笑)エグ過ぎる(笑)
一応パート2なので、前作は観ておく方が良いとは思いますが、ほとんど覚えてなかった…笑
映画が始まってすぐ、"広島弁"がよく聞き取れず、「しまった!」と思いますが、時間が経つにつれ不思議と聞き取れるようになってくる(笑)
で…
物語は、2組のヤクザ闘争の人間関係がやや混乱するかもしれないが、出所して来たばかりの鈴木亮平演じるヤクザが、親分亡き自分の"組"でのし上がり、敵対する暴力団と抗争したり、マル暴の刑事・松坂桃李と対決したり…というお話。
そして、この作品…贅沢にもスプラッター・ファンだけでなく(笑)、ミステリー・ファンにも楽しめる内容となっている。その点については、一切書かないが…前作を観ておけば、より楽しめる内容だと思います。
今年はコロナの影響で見逃した作品が一杯ありますが、この作品…間違いなくベストワンといっても良いかも知れません(作品の性質上、好まない方もいらっしゃるかとは思いますが)。
とにかく、観終わってからのカタルシス度の高い作品でした。見逃さなくて良かった!(笑)
公開からだいぶ経っているので、終了も近いとは思いますが、まだの方はぜひ!…面白いよ(笑)
これはあとを引くわ!
評判のめちゃくちゃ良かった前作を観れてないまま鑑賞しましたが、それは全く問題なく単品としてちゃんと成立しています。
が、怖すぎる!
強烈すぎて数日あとを引きました。思わず目を逸らしてしまったシーンが何箇所もありました。本当に吐きそうになるほどに。
「凶悪」の白石和彌監督だからエグくもなるよねぇ。
「彼女がその名を知らない鳥たち」等、好きな監督さんのひとりではあります。
とにかく鈴木亮平さんがこれまでの役とは全く別人格で。クレイジーすぎてもはや人ではないです!
もう鈴木亮平の暴走を観る映画といっても過言ではないほど。
松坂桃李さんもSを送りこんでやり方がたいがいクズですけどね。
斎藤工さんも絶対温和な方のはずなのに…。個人的には斎藤さんにはもっと活躍してほしかったですが。
って役者さん達はやはり凄いですよね、全くの別人、ガチの強面になってしまうのですから。脇まで演技派でしっかり固めていて(女優さんで残念な人もいたけど)見応えありました。オープニングの三角マークはもちろんのこと、ナレーションも昔の仁義なきシリーズをなぞっていてザ・東映作品って感じですが昭和のヤクザ映画はここまで残虐だったかなぁ。
ストーリーに無理はあるものの十分及第点なので次作も怖くてもやはり観ちゃいますね。
前作から3年後ってのが大事
映像の残像が残る けっこう楽しめた
前作同様、ただの怒鳴りあいや殺しあいのヤクザ映画でないところが
感情移入できておもしろい。
目をえぐりぬくのは、サイコパスでちょっとやりすぎかなと思ったけど
楽しめた。
・斉藤工という役者をもう少し上手く使えなかったのか
・ピアノの先生は、妹というより奥さんの方がリアルだった
けれど看守本人に仕返し、奥さんもしかえし両方の方が上林らしい
・とはいえども上林の生い立ちは、そんな殺人鬼になるように見えない。
もう少しひどい両親に見せた方が良かった
・チンタがパスポートなど小道具を持っている時点で、殺されるなと分かってしまった。
夢を描く→夢はかなわない が犠牲者だもんね。
ハラハラはしたけど、パスポートいらなかったんんじゃぁ?
・目をなんどもえぐりすぎだろ。
目をえぐるのは、親とピアノ教師だけで良かったのでは?
・白い犬が生き残るところは、ちょっと気がゆるんで良かった
・クライマックスの組に押し入るシーンはなんか、迫力にかける
・そもそも、対決の時に、なぜわざわざ車移動したのか
抗争が終わってからの最終対決の方が良かったんじゃ
・警察の黒幕死んでないし
・なんかいろいろ?と思うところもあるけど
でも楽しめた
本当によくできたエンターテイメントだ
鈴木亮平と松坂桃李ががっぶり四つに組んで、互いに譲らない一大決闘!
狂暴、狂気、非道、残虐…暴力性は前作を上回っているかもしれない。
前作が役所広司と松坂桃李のバディームービーだったとすれば、本作は松坂桃李vs鈴木亮平の決闘編だ。
続編である今作は、殉職した先輩役所広司の後を引き継いだ松坂桃李が、新たなバディーを向かえる展開がセオリー。
映画の冒頭で、松坂桃李が広島ヤクザ抗争を治め、ポスト役所広司かあるいはそれを超越した存在にのしあがっていることが告げられる。
そして、ピアノ教師殺害事件の捜査本部で定年間近の県警刑事中村梅雀とコンビを組むことになり、新なバディーの結成かと思わせるのだが、これが予想外の展開を見せる。
あえてバディーというなら、ヤクザに潜入させたスパイ役の村上虹郎だろう。松坂桃李と鈴木亮平とのパイプ役という重要な役回りだった。彼の立ち位置が本作の中で最も悲しく、見るがわの胸を締め付ける。
前作は、原作小説(残念ながら未読)の構成なのか、伏線を最後に回収する面白さがあった。
本作は原作にないオリジナルストーリーとのことで、前作のようなミステリーはない。ただただ鈴木亮平の凄まじいモンスターぶりを見せていくのだが、この鈴木亮平がクレイジーなだけでなくクレバーで、松坂桃李&村上虹郎コンビを脅かしていくのだ。
鈴木亮平の生い立ちが彼をモンスターにしたという設定は、韓国映画の影響か。
彼がかつての自分と重ねたかのように一人の少年を見る場面がある。少年を庇護するような行動を彼がとってヒューマニズムを見せてくれれば、彼に感情移入できたのだが、白石監督はそんなセンチメンタリズムを求めてはいなかった。
前作から続投の滝藤賢一と中村獅童が良い。
滝藤賢一は出世したようだ。前作よりも居丈高に松坂桃李を攻める。前作で握られた弱みはどうなったのだろうか。強面を演じても違和感がない良い役者だ。
ヤクザよりもヤクザのような口調の記者を演じる中村獅童のアジテーションは、蝶野正洋似だった若い頃を思うと“黒のカリスマ”のマイクアピールを彷彿させた。
女性陣は、かたせ莉乃姉御がサスガの存在感だったが、最期が衝撃的。
西野七瀬が意外に良かった。この娘、テレビドラマで脇の軽い役しかみたことなかっだが、女優として伸びシロありそうだ。
クライマックスの一対一の決闘は壮絶。
生き残った方も後遺症が残るだろうに。
県警が事実を隠蔽しなければならなかった理由には、前作の松坂桃李の切り札と同様に、弱い気がした。ちょっと残念。
007にでもなったつもりか?!
ちょっと目立っていたのは『極妻』のかたせ梨乃。やっぱりヤクザの姐さんがよく似合う。そしてやっぱりモンスターの鈴木亮平の恐ろしさがひしひしと伝わってくる。今まで『HK変態仮面』や西郷隆盛のイメージが強かったのに暴力ヤクザの強烈な印象に変わってしまった。
それと、最近も話題になっている公安の酷さ。これを中村梅雀が演じ、ヤクザまがいの新聞記者を中村獅童とダブル中村で攻めてきている。この二人がストーリーにおいても重要な位置を占めていた。
3年前の五十子組襲撃の手引きをした疑いをかけられたまま、日岡(松坂桃李)は上層部に煙たがられ、滝藤賢一演ずる管理官に罠にはめられそうになる。前作では元々日岡を内偵に使っていたくらいだから、警視という位にありながらずる賢いキャラだ。
一方、日岡は近田真央(西野七瀬)と恋仲となっており、その弟チンタ(村上虹郎)を使って上林組の情報を得ていたのだ。まるで潜入捜査員のごとく活躍していたチンタだったが、それに気づいた上林が・・・といった展開。
息が詰まりそうになるほどの閉塞感やいつ殺されてもおかしくない緊張感。そして、大上の遺品でもある狼柄のZippoライターがアクセントになり、不条理な裏社会の繋がりを見事に描ききっていた。夢中になって鑑賞したため、終盤はすっかり騙されたよ・・・
あと、車のナンバーが5910(極道)ってのは笑った!
実録風ヤクザ映画が一転、ノアールなファンタジー映画に、なってしもうた…
う〜ん。パート2モノの成功例など映画史上あまり無いのは、重々と承知の上(ゴッドファーザーとか例外もあるが)、あまり期待はせず観ようとは思いつつ…
しかし、やっぱり、期待せずにはいられなかった本作。
結論から言うと…
残念ながら期待していた内容から随分ハズレてしまった。
とにかく冒頭から役者の広島弁(呉弁?)が下手すぎ。
設定の都合上で方言を喋らされてます感が全開。
つまり全くリアリティがない。
と言うか、もう全編を通してリアリティが無さすぎて、フィクションを通り越してノアールなファンタジーになってしまった。特にラストシーンが象徴的だ。
いちいち挙げたらキリがないが、以下は本当に有り得ない。
❶いくら警察に牙を抜かれたとはいえ、広島抗争の当事者達が、あそこまで弱体化して、一匹の狂犬に振り回される?
❷上林が狼藉の限りを尽くしても、県警と裏で握っていたのであれば、懲罰牢での暴行のお礼参りは、ピアノ講師だけでなく、看守本人の休日も狙うのでは?
あの看守に対する直接の復讐は是が非でも実行すべきでは?
❸いくら信用してしまったとはいえ、疑っていた元公安のベテラン刑事の相棒に自分のキャリアが終わってしまうような秘密を全て話す?
❹地方の一介の刑事部の利益誘導の為、公安がタッグを組む?そんなバカな。
❺日岡が窓ガラスを割って、飛び降りたパトカーが、たまたまキーを付けたまま放置状態?マンガかよ。
❻やたらと目ん玉を潰し過ぎ。おそらく人物の設定上、子供の頃からの視線恐怖症(自分を蔑む他人の視線に耐えられずトラウマ化)が原因かと思われるが、であれば、チンタ殺害後の見せしめとしての目潰しは殆ど不要でヤリ過ぎでは?
❼下手すぎる西野七瀬の起用。大人の事情?
❽チンタの仇討ちで公安を轢き殺すが、裏で糸を引いていた管理官こそ殺すべきでは?滝藤賢一がいないと次回作で困るから?
特に❽は、出来れば警察側の悪党をもう一人二人増やして、ゴッドファーザーのラスト前のクライマックスのように立て続けに殺せば相当に盛り上がったはず。
今回、結局はファンタジーなんだから、それくらい思い切ったオマージュやってしまっても良かった。
滝藤は死んだと思わせといて、次回作では「実はシブトク生きてました」で別にいいし。
西野七瀬のミスキャストも酷かったが、中村梅雀も最初から胡散臭さ全開。
奥さん役が宮崎美子じゃ、もう「この後、皆さん騙しますよ〜」と言っているようなもんで、この二人の起用も失敗だった。
それにしても、監督と脚本が前回と同様だというのに、どうしてこんなことになってしまったのか?
おそらくは、これら全ての根本原因は、東映サイドからのヒット至上命令によるプレッシャーと焦り、そして「必ず前作を超えたい」「ヒットシリーズにして更なる続編も作りたい」という気負いが、ヘンな方向にドリフトしてしまった所為だと思う。
完全にエンタメ志向に振りきってしまい前作のように丁寧に人間悪を示唆するシーン(石橋蓮二が鰻重を食べるシーンとか)もなく、とにかく前作のヒットを利用して、シリーズ化に向けたドル箱のコンテンツを作ってしまうと、残念な事に、こういった作品(というか商品)になってしまう。
原作者の柚月さんも、前作は相当に気に入っていたようだが、今回は「???」な気分になったに違いない。
とはいえ、なんだかんだで最後まで観る事が出来たのは、
ノアール感&ドライブ感に溢れたカメラワークによる映像表現のキレの良さ、
そして、言わずもがなの鈴木亮平!
とにかくこの人は、もう出来るだけ早くハリウッドで勝負した方がいい。
ブラックレインでの松田優作以来の衝撃になるだろう。
最新の特殊技術の作り物と思っていたアノ尖った耳も、実際には生まれつきのようで、神様からのギフトとしか思えない。
しかし、それにしても上林の最期、拳銃で撃たれまくるのはいいが、片目だけでなく両目を撃ち抜くべきだったはずだ。このシーンは、やっぱり、因果応報でカットしなきゃ絶対ダメだ。
そして、村上虹郎の演技も良かったが、やはり彼らのように、才能をフルに発揮して全身で表現している役者達は本当に最高だ。
そういった意味では、脇には良い役者達が何人もいたのに出番も少なく、本当にもったいなかった。
ヤクザの色気をビシバシ発散させていた斎藤工だって、もっと色々と出来たはずだ。
最後の狼探し(外国産ウルフにしか見えんぞ)、それに上林の少年時代のシーン(父親役もミスキャストで上林の人生を決定づける強烈な存在感のはずが殺したくなるほどのクズ感はゼロ)などの尺は全く不要だったので、その分もっと組員連中の人間ドラマを見せて欲しかった。
結局は、上林の凶暴ぶりをフィーチャーし過ぎて、ヤクザ映画というより、死に場所を求め暴走してしまった悲しい狂気の男に振り回されるバイオレンス映画になってしまった。
白石監督自身も「今回は、ヤクザ映画というよりは、ゴジラ映画」と言っていたらしいが、それならそれで、その怪獣を狡猾に利用する悪党として、県警サイドの滝藤賢一だけでなく、身内の側の親分の吉田鋼太郎が、それこそ胸糞悪い汚い奸計を巡らせ存在感を発揮させないと、この映画らしくならない。
そういう身も蓋もない「汚い」プロットが、このシリーズには一番重要なのは、監督自身が一番わかってるはずなのに、
ゴジラの悲しみに満ちた凶暴性も、そういう「汚い」プロットの中にあってこそ破壊力が際立つ事も良く知っているはずなのに、つくづく本当にもったいない。
海千山千のヤクザの親分が目の前の流血を見ただけで引くなんて、観てるコッチが引いてしまう。
しかし、それにしても、この映画、公開直前から、どのメディアも「推し」って感じだったが、業界向けの試写会の時点などで、ちゃんと辛口で批評してくれるサイトとか、ないもんだろうか?
もう既に3作目の製作も決まったようだが(次回は、おそらく江口洋介の復讐劇か?)ぜひ原点回帰に戻って、また実録なリアルで振り切って欲しい。
現場でのハラスメントの撲滅など働き方改革を含めて、日本映画をアップデートしようとしている白石監督には期待しているので、ぜひ本来の才能を出し切って期待を超える作品を、次回こそは本当にブッ放っして欲しい。
ブチ回されに行ってきた
ブチ回されに行ってきた。
鈴木亮平が振り切れた凄い怪物だ。
松阪桃李は「空白」を観たばかりで、この作品での演技とは別人でいい俳優になったなあとしみじみ。
西野七瀬は舞台で鍛えられた後はぐんぐん素晴らしくなっている。
中村梅雀と宮崎美子夫妻にはやられた。
村上虹郎も存在感があって良かった。
この作品は豪華キャストが、惜しげも無く死んでしまい次回作には出られなくなり勿体ないくらい。
俳優として演じててやりがいのある役ばかりだ。
白石和彌監督「ひとよ」がとても良かったけれど、この作品も良い。
特に大雨を降らせたところは良かったな。
それと二又一成のナレーションが最高だ!
広島弁が頭の中をぐるぐる回っている。それもかなりガラの悪い広島弁が。
こんなヤクザ映画がまだ作れる日本映画界は素晴らしいよ。
香港を見なよ。もうまともなものは作れなくなっちゃったし。
日本に狼は絶滅していなかったのだな。
鈴木亮平が凄い
この一言に尽きると言っても過言ではないぐらいに、ずーっと怖い笑
いない場面でも こうしている間にも上林が何かしてるかも… という緊張感があり、完全に映画を支配している素晴らしい演技だった。
あとは前作個人的に物足りなかったアクション的な見せ場が意識的に組み込まれてたのも非常に良かった。
ただ、前作同様 この場面は俺はいらないなぁ というポイントが今作でも何となくあり…
鈴木亮平と村上虹郎のお薬描写はあんまり上手く機能してなかったように感じたし、松坂桃李と西野七瀬が泣きながら抱き合う通夜の夜の件とかも この映画にこれいるのかな… という印象。
終盤の車がひっくり返って… 以降も、まずなぜ上林の車が横転したのかがよくわからなかったし、何でそれで松坂桃李の諸々を警察が公表できなくなるの? という部分がなんか飲み込めず…
いや、普通におもしろいんだけど。
前作同様 もっとめちゃくちゃしまくる事に徹したら良いのに… という印象は拭えないが、それぐらいこの題材にこの座組みという部分に対して自分の期待値が高いんだろう
次回作も決まったようなのでさらなる面白さに期待したい!
どうしても卑劣さが…
極道の抗争と警察、女、が面白かったんですが、level2は鈴木さんの卑劣な役がどうしても凄すぎて、前作とはまったく別物になった気がします
面白かったんですけどね…
狼vs狼
凄かった。
鈴木氏の存在感たるや、絶品だった。
台詞を聞かせる技術とでも言うのだろうか…あれほどに荒ぶりがなってはいても鮮明に聞こえる。録音部が優秀なのだろうか?素晴らしかった。
見事なまでの続編で…大上に感化され狼に成長した日岡。大上とは違うタイプではあるが組織からは「孤狼」と呼ばれるに相応しい。
対する上林も、ヤクザの組織からはみ出す「孤狼」だった。武闘派と呼ばれるタイプになるのだろうか…現行の体制に牙を剥き噛み付く姿には、昔ながらの血筋を感じてしまう。
正反対の組織に属しながらも、現体制に反抗する姿は共通するようにも思えて、ラストの一騎打ちを経て、こいつらが手を組む未来なんかも想像してしまう程であり、だからこそ射殺って結末は衝撃的だった。
共存は出来ない。
同族嫌悪って言葉があるけど、生存競争でもいい。孤独な狼は、並び立つもう一匹を認めはしないのだと。
終始、負け続ける日岡も印象的で…。
その辺りが大上に及ばない部分でもあるかの表現に思えたり。素質というものがあるのなら、大上と上林は生粋であり先天的なもので、日岡は後天的なもののようにも感じる。
そんな棲み分けを感じさせる演出に、身震いさえ覚える。勿論ら勝手な推論ではあるのだが。
俺的に1番助かったのは、役者陣があつかう流暢な広島弁だった。ご当地の方が聞くとどういう印象なのかは分からんが、少なくとも俺には流暢に聞こえた。アレをエセ関西弁でやられてたらと思うと…正直、ここまで集中して見れなかったと思う。
その広島弁に代表されるように、役者陣は、皆様、好演で熱演だった。
梅雀さんが担うパートも見応えあった。
彼らはおそらく内務調査班のエキスパートなのだろう。その為の履歴を抜かりなく準備してるあたり、過去に何匹もの狼を仕留めたハンターなのだと思う。
そしてここにも、日岡の孤狼ならざる気質が落とし込まれてたりもする。彼は仲間を求めたのだ。
西野さんはもっと評価されてもいいと思う。
坂道グループで平手さんの評価は聞きはするが、西野さんの表現力も群を抜いてる。視線とか呼吸の間合とか…作為がある行為に作為を感じないのだ。それが基本ではあるけれど、やってと言われて出来るものではない。
アイドルが出してくるものではないのだ。他作品でも、西野さんの好演は光ってた。
話が逸れた。
そして、暴対法が施行される。
ヤクザがヤクザであった時代は終わり、獣達は檻に閉じ込められる。野生の狼が闊歩する時代は終わったのだ。
ラストのシークエンスは、片田舎で駐在として勤務する日岡。ある日「野生の狼を見かけた」との通報があり山狩りに駆り出される。
「野生の狼は絶滅した」と突っぱねる日岡。
だが彼は山狩りで、その狼を目撃する。
幻なのかもしれない。
本編は「どこにいるんだ」と狼を探す日岡の後姿で終わる。
日岡自身は大上の後継者だ。
だが、暴対法の施行により、日岡の後継者は居ない。狼の血筋は絶えたのだ。
彼は居るはずのない狼を探す。
まだ、どこかに…飼い慣らされる事を良しとしない、野生の血脈を探すのだ。
白石作品には総じて反骨精神を感じてしまう。
決して暴力を推奨してるわけではないのだが、現代への反抗というか、自由への渇望というか…表面上、安全ではあるが窮屈極まりない現代への疑念。
目には見えない檻の脅威。
飼い慣らされてていいのか?
体制に押し潰されても生きていると言えるのか?
そんな監督の絶叫が今作からも発せられてるようだった。
次作へつながるlevel2
前作から大好きな孤狼の血シリーズ。5回足を運んできました。
完全オリジナルストーリーとのことで前作に比べるとストーリーの深みは弱くなりましたが、バイオレンスやアクションなどド派手な演出が強く次作へつなげたいという気迫や勢いがビンビン感じられます。
原作2作目では日岡が左遷されたところから始まりますし、今作は左遷理由が明確に描かれているため、次作へのスムーズなつなぎ、期待度上げとして良かったのではないでしょうか。
前作ではあんなに可愛かった日岡が!と衝撃はありましたが、不良刑事姿好きです。
日岡の吸うタバコの本数、バブリーな衣装など自分が産まれたばかりの頃はまだこんなに昭和感が強かったんだなあと別な衝撃もありました…笑
タバコをふかしながら「おどれら全員逮捕じゃ」と言う冒頭のシーン。顔面が良すぎるなあと惚れ惚れ。
大上の遺志をしっかり継いでいますが、経験値不足からのツメの甘さが目立ちます。マル暴としてまだ4年目、年齢も28歳と若いことを考えれば当然ですがね。
西野七瀬さんのキャスティングについては賛否両論あり、実力派揃いの中では力量不足も否めませんが個人的にはありでした。
日岡のお相手だからと言ってあまりにもお色気ムンムンな方だと年の離れた弟たちと姉弟ではなく親子に見えてしまうだろうし、姉弟に見えるギリギリかなと。
それにママと言ってもクラブやラウンジではなくスタンドですからね、あの元ヤン風な擦れた感じでちょうど良いと感じました。何よりチンタと顔や雰囲気が似てましたしね。
鈴木亮平さんはTOKYO TRIBEにてぶっ飛んだキャラを演じておられましたが、今回の上林もさすがとしか言いようがないです。
狂気あふれる演技と高身長、あのガタイも相まって怖くないわけがない。終盤日岡との死闘シーンで刀を振り回している姿は正に“昭和やくざの生き残り”でした。
幼少期の生い立ちや在日韓国人のおかれた環境については広島やくざの歴史から見てもしっくりきます。
知らない方は調べたり、その時代をモデルにした作品(仁義なき戦い広島死闘篇や新広島やくざ戦争)を観るとより理解ができるためオススメです。
吉田鋼太郎さん演じる広島仁正会の綿船会長はちょっとコミカル感強めな印象。
大きな組織を束ねるトップなので、もっと威厳や凄みのある方が良かったような気がします。トップの人だからこそおどけた一面があるのかもしれませんが…
目の前で誰が殺されようと動じないくらいが個人的には好きです。尾谷組組長代理を演じた渋川さんの方が威厳を感じました。
村上虹郎さん演じるチンタが自分の存在意義を求め、もがき苦しむ姿は国籍や時代関係なく全ての若者に共通しています。
別な形で救いの手があれば彼の未来も明るかったでしょうね。
それこそ日岡と上林の死闘後、朝日が昇るシーンは救われたような気持ちになりました。月並みですが「明けない夜はない」そんな安堵感や晴れ晴れとした爽快感さえ覚えます。
次作はまた原作をベースにしていくと予想されますが、左遷先で狼になるべく静かに牙を研ぎ澄ましている日岡に会えることを楽しみにしています。
全559件中、161~180件目を表示














