孤狼の血 LEVEL2のレビュー・感想・評価
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鈴木亮平の怪演が絶品、新たな出演者が加わって描かれる抗争劇
鈴木亮平のヒールっぷりが凄いという前評判を聞いて、前作を鑑賞してから劇場に足を運びました。世界遺産がお好きで、気のいい力持ち的なイメージのある鈴木氏が演じる上林の突き抜けた極悪非道ぶりは期待以上に素晴らしく絶品でした。
1作目での大上(役所広司)とのバディを経て、マル暴刑事として覚醒した日岡(松坂桃李)のヒリヒリした感じも雰囲気たっぷりで、上林との血で血を洗う戦いで物語をグイグイ引っ張っていきます。回想シーンにはあえて大上のシーンを入れなかったそうですが、それによって不在感が際立ちつつ日岡の無軌道感もでていて、物語としては連続しているものの本作だけで独立した作品になっている強さがあるように思いました。
日岡と新たにバディを組む老刑事役の中村梅雀、本作のキーマンのひとりを演じる村上虹郎、変則的なヒロインとも言える西野七瀬、組トップの妻役のかたせ梨乃ら新たなキャストも好演ばかり。3作目もぜひ作ってほしいです。
喰らい続ける男たち
白石和彌監督は振り切ることに決めていた。昭和の終わりから平成の始めへと時代が動く。手打ちによって二大組織の均衡が保たれている中、服役中の荒くれ者が出所してくる。見送る看守に「世話になった」と一瞥すると、不気味な微笑みを残して迎えの車に乗り込む。
復讐の序章。穏やかな空気が流れるピアノ教室に現れた男は、容赦なく女の両目に親指をぶち込む。問答無用の粛正、ただならぬ空気の先に女の兄である看守の写真が浮かび上がる。
広島を支配した親分の血筋を継ぐ上林は、時代は変わっただとか、今はビジネスの時代だなどとほざく上層部が気に入らない。復讐と復権を果たすために、誰も信じないことで自らを奮い立たせていく。
『虎狼の血』をLEVEL2に引き上げ、前作とは異なるテンションを付加するためには、凶暴で手のつけられない男が必要だった。鬼神、上林を託されたのは鈴木亮平だ。
優等生的な役柄が多かった俳優が余計な負荷を振り払い、髪を短く刈り込み、まるで仁王のような佇まいで他人を見下ろす。鍛えられた身体に刻まれた背中の刺青は入所によって途中で止まったまま。その空白を埋めるかのように男は性急に動く。鈴木は「最も凶暴な男」のひとりとして東映ヤクザ映画史に刻まれる上林を激烈に演じきる。
猟奇殺人事件が発端となり、捜査本部に招集された日岡(松坂桃李)と復讐鬼と化した上林が交錯していく。前作に続いて登場する毒気の強いキャラクターたちも健在だ。
そしてもうひとつ。この映画を観て俄然食欲がわいた。村上虹郎が演じる幸太はことあるごとに姉の元を訪れ「腹が減った、何か食わせてくれ」と焼きそばを喰らう。新たにコンビを組む瀬島(中村梅雀)は「相棒なんだからメシを食おう」と誘う。渋々応じた日岡の前にはビールと家庭料理が並び、焼酎をしこたま飲んだ後には広島名物「たこ飯」が振る舞われる。
活力は喰らうことで生まれることを監督は知っている。この作品は食欲をかき立てる力を持つ。
鈴木亮平が演じる上林という❝モンスター❞の登場で、松坂桃李が演じる日岡刑事の❝狼❞化へのレベルが上がる。
前作の3年後(=平成3年)を完全オリジナルストーリーで描いた本作。
「LEVEL2」を見ても、この「孤狼の血」シリーズは、役者から製作陣まで気合が入りまくっているのがよく伝わります。
特に本作では、息もつかせぬような演技の応酬が繰り広げられ役者陣の本作にかける意気込みの強さを感じ取れます。
中でも鈴木亮平が演じる上林という❝モンスター❞の登場が本作の核となっていて、「R15+」に相応しい日本映画史に残り得る怪演を見せ続けます。
タイトルが「LEVEL2」となったことに合わせてか、主演の松坂桃李が演じる日岡刑事は、前作から狂気のレベルが増しています。ただ、前作の役所広司が演じる大上刑事(ガミさん)の、狂暴すぎる❝狼❞の領域にまでは行っていなく、日岡刑事が❝ガミさん化❞するまでは、この「孤狼の血」シリーズは続いてほしいところです。
今のところ、前作で日本アカデミー賞の主演男優賞と助演男優賞を受賞した役所広司と松坂桃李のコンビが最強に良いので、本シリーズには更なる高みを期待します。
白石和彌監督版「広島死闘篇」
広島の架空都市を舞台に警察とやくざの攻防戦を過激に描いて評判を呼んだ、白石和彌監督による「孤狼の血」の続編。原作の3部作にはないオリジナルストーリーで描かれており、前作で新人刑事として登場した松坂桃李演じる日岡秀一が主人公。
3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれて殺害された、伝説のマル暴刑事・大上の跡を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事・日岡。権力を用い、裏の社会を取り仕切る日岡に立ちはだかったのは、上林組組長・上林成浩(鈴木亮平)だった。こんなにも狂気をはらんだ役を演じ切った鈴木にとっては、新境地開拓といって良いのではないだろうか。
また個人的に村上虹郎、西野七瀬、そして中村梅雀の存在感こそが今作を一段上のグレードへと連れて行ったと断言しても良いほどに説得力のある演技を披露した。最後に、これは「仁義なき戦い」でいうところの「広島死闘篇」といえる。さらなる続編へと繋がる道を用意している点も上手い。
闘うヤツしか生きられない。
感想
暴力と狂気がはびこる街。
そこで、刑事、暴力団組織、マスコミ、そして女たちの壮絶なバトルロワイヤルが幕を明ける…!
全方位、敵。
生きるため、守るため、戦い抜け!
前作のほうが個人的には好みでした。
役所広司の存在感、演技が重要な要素だと今作を観て改めて思いました。ただ今作も面白くない訳ではないです!
日岡と上林の殴り合いやカーチェイスなど見どころはたくさんあります!
日岡は今回ぼろぼろでしたね、撃たれても刺されてもってタフすぎです。
チンタ役の村上虹郎もよかったです。
上林の役の鈴木亮平は極悪非道でした。危険なオーラ出しまくりで目を抉るとは…。
毎熊克哉、早乙女太一、斉藤工と好きな俳優さん多かったです。
ママ役の西野七瀬は嫌いじゃないんですがまだこの手の役は力量が足りてないです。泣けてもいなかったし…。
刑務官神原の妹役は筧美和子だったんですが乱暴されるならもっと脱げる女優さんを使って欲しかったです…
中村梅雀、宮崎美子夫婦には騙されました笑
雀荘で丸山ゴンザレスも出てます!笑
大上の遺品の狼のジッポは日岡に継がれてました。
最後の狼は本物か幻か…。
※たいぎんじゃわりゃあ!
まさに国家の暴力装置
一作目は男臭いハードボイルド
二作目は結構エンタメに寄ってると思う(内容はエグいけど…)
どちらかというと一作目の方が好きでした。
二作目の日岡さんは不死身すぎるし、全体的に派手さが目立つ。
松坂桃李さんと鈴木亮平さんの演技は別格な感じがしました。
鈴木亮平の悪役っぷりに恐怖すら感じる
圧倒的、凶暴極まる悪役を演じた鈴木亮平が素晴らしい。
「レオン」でゲイリー・オールドマンが演じたスタンを思い出しました。
法律とか道徳とか全く通じないし、むしろ法律側が間違っているのかと感じさせる説得力ある悪の論理。
印象的なシーンは「わしゃこのおっさんを親と思ったことはないで」の下り
どうにもできない
大上の跡を継いでうまくやっていたかのようだが、あちらこちらから煙が上がりとうとう大爆発してしまった。
一端になったつもりがまだまだ器がそれなりだったということか。
罪を罪とも思わない悪魔のような上林と死闘の対決。
観ていてついつい拳に力がはいってしまった。
それにしても裏切り者の瀬島。酷いやつだ。
鈴木亮平の狂気を観る映画
ストーリー、キャスト含め、無印から落ちちゃったなぁという印象。
松坂桃李もちょっと物足りなく思うのは、それだけ前作の役所広司が偉大だったんだなぁと。
西野七瀬はひどい。
村上虹郎は上手い。
吉田鋼太郎のおとぼけ会長設定は必要あったのか。
ラストも蛇足。
そんなこんなで前作より中途半端になって残念。
怪演
2023
84本目
前作の流れで鑑賞。
なんといっても鈴木亮平の怪演に飲み込まれます。
極悪非道、人としての常識は子供時代に捨ててきた、、
こんな演技が出来るのは彼しかいない。
それだけでも見応えあり。
一方で作品の濃さは前作の方がいい。
役所広司のあの雰囲気はこの作品にはない。
松坂桃李の演技にはまだまだ甘さがあり、少し違和感を残した印象。
最後まで抜けなかったな…
まあ、取り巻く役者陣が相当なメンツが揃っているので面白い。
原爆スラムに棲くろう人々。鈴木亮平の映画。
内容は、前作から3年後の暴対法施行前の平成3年の出来事を中心に繰り広げられる広島喧嘩の保身と復讐と怨恨の物語。昭和の香りのまだ残る平成の始まり主人公の不良刑事・日岡vs徳島刑務所から出所する極悪暴力団・上林との関係性の物語。印象的な台詞は『可哀想ぢゃのー残飯恵んで貰わんと生きて行かんのぢゃけー』上林がチンタに言う場面。自分の事の様に見えて感慨深い言葉でした。『厄介なんは正義面して悪さしよる奴よ。己は正しいと思い込んでしもぅとるけぇ始末におえん!』主人公のバディ瀬島の言葉。つい日岡は在りし日の大上を思い出し、瀬島自身の事を言う贖罪の意味でも捉えられます。二重の意味でのミスリード的な発言はこの物語で伝えたい事が含まれている様な気がしました。印象的な場面は、懐かしの匂い立つ様な昭和の風景と古ぼけた感じのブルーフィルム感です。デパート屋上のビアガーデン付き遊園地なんて原風景が良かったです。そして広島市中区・原爆スラムに棲む在日韓国人の住居等が少し時代が古すぎる様に感じました。印象的な演出は、level1と level2の対比で、豚小屋と鶏小屋・上早稲殺人事件と神原千晶殺人事件・美人局桃子とチンタ姉・呉と広島・豚の糞と残飯・右翼団体と在日朝鮮人・生首と目玉等意識してる部分があり面白かったです。戦争の色がまだ色濃く残っていた戦後30年後の広島を舞台に繰り広げられる二人の生存戦略劇は迫真の演技でした。自分的にはlevel1が好きでした。結末の🐺をもってくるあたり上手い落とし所無かったのか残念でした。まさにピカレスクロマン鈴木亮平(上林)を見せる為の映画でした『狼(大上)ぢゃのうて犬じゃ!犬になってもうた!!』との悲鳴が聞こえてきそうです。
映画館で観て良かった
凄く血が飛び交うシーンてんこ盛りと聞いて二の足を踏んでいた。TVでワサビ抜きのような作品が放映されるまで待とうか、と迷ううち終了日が来た。
やはり、映画館で観て正解。鈴木亮平さん演ずる上林絡みのおぞましいシーンがこれでもかこれでもかと映されるが、目のシーン以外は目を背けず観れた。次から次へと起こるのでずーっと画面に釘付け。
警察の取り締まりが厳しくなった時代背景らしいので色々なタイプがいる。作品の意図寄りになるが、その世界でどうしても生きねばならないのなら、無闇な殺生などせず地道に真っ当に生きて行くのが人間本来の生き方ではないか。
日岡のその必死な願いはよく伝わった。
村上虹郎の近田は、出て来た時から、あっ、殺されるな、とすぐわかった。姉ちゃんが怒るのももっともな事。生きていて欲しかったが。
いゃ〜面白かった。怖い怖い。 なんといっても鈴木亮平の演技、もう怖...
いゃ〜面白かった。怖い怖い。
なんといっても鈴木亮平の演技、もう怖すぎて。主演の松坂桃李を食ってましたね。後は最初っから死亡フラグ立ちまくりの村上虹郎(笑)
ラスト間際の驚きの展開にもやられました。ただ、ラストの狼話はいらんかな。
登場人物が殺人者ばかりという恐怖の作品です。
うわぁぁぁ・・・
待っていた「孤狼の血」の続編。
『凶犬の眼』へつながるまでの間のストーリー。
ガミさんのDNAを受け継いだ日岡が暴れる。
相手は鈴木亮平の上林がまたすごい奴。ここまで暴力的な非道なことするのか、と思わせるシーンが何度か。
(私的な妄想のキャスティングでは『凶犬の眼』で相手役になるなら鈴木亮平か綾野剛かと思っていました)
ラストシーンの絡み合いもいい。
男臭や血の匂いがスクリーンを通じてこちらへもしてきそうなくらい。
前作同様、共演陣も素晴らしい。
白石監督ならではという映画。
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