ドライブ・マイ・カーのレビュー・感想・評価
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凍っていた心がほどけて溶けてじんわり暖かくなる、静かで優しい映画
良かった。いい映画だった。
3時間を一緒に過ごしたのもあってか、登場人物たちの内面の部分をのぞいてどっぷりと浸かったような印象。車の中での静かでゆっくりした染み入るような時間が心地よかった。終盤の雪のシーンくらいから一気に引き込まれて、気づけば夢中になって画面を観ていた。
劇中で高塚が、音と家福について、「細かすぎて伝わらない部分を大切にしている」というような(うろ覚え)表現をしているところがあった。西島秀俊やみさきさん役の女性が、表情も口調も淡々としていて無味なのに、こまかな表情で表現している感じがしてよかった。
終盤に近づくにつれて、凍っていた心がほどけて熱していくような演技や演出がよかった。ゴミ処理場で、雪のようなゴミが、燃えていくというシーンがあって、伏線だったのかなと思って印象に残ってる。
雪の北海道でのシーンに入る時、「静寂を聴く」時間があった。「補聴器をつけたときのような静寂」(女子高生が好きな男の部屋に入った時にあったら表現だったと思う。かなりうろ覚え)って、音さんの紡いだ言葉の中で出てきたような気がして気に入ってたので、そこと繋がるのかなーとか思ったり。
劇の良さも、本の良さも、映画の良さも、ある映画だった。
手話を使う女性は、聴こえるの?聴こえないの?読唇してるの?と少し引っかかった。見逃しただけで、劇中で説明があったのかな。多言語の1つに手話があるというという意味合いだと思うけど、実際あの劇のように、手話を用いている役者とスクリーンに字幕が出るというやり方だと、どっちに注目すればいいかわからなくて劇に集中できなくない?とか余計なことを考えてしまった。
む、難しい映画…
長えなぁ…
この映画を説明してと言われると難しい
他のアカデミー作品は○○な映画と説明可能だがこの映画にはない、ある意味それが国際賞しか取れなかった所以かもしれない
だからといって酷い訳ではない、作品の山場という山場は正直ないが、ずっと心地いいクラシックを聴いている感覚になる
長い上演時間3時間も意外と苦ではない
"ドライブ"と付くくらいだからそういうシーンが多いのだろうと思うが、そうではない
映画の半分は演劇関連のシーンだろう
面白いかと言われればノーだが、その分ドライブのシーンはまだかまだかと気持ちを高揚させる
高速で普段車で吸わないタバコを吸うシーンは喫煙者はたまらないシーンだと思う
鑑賞後、観た後誰かにこれを強くオススメしたい!映画.comにレビューを書き込もう!そう思う人は少ないと思う「長えなぁ…」そう思うのが普通である
だがふと帰りの車に乗る時、帰宅途中の喫煙所でタバコに火をつける時、あるいは寝床に着いたふとした瞬間こう思うだろう
『いい映画を観たな』と、
是非劇場で。
生きることは不条理だ
村上春樹らしい作品
私を救済する物語
長い長い時間をかけて、私は私と対話し、私は私を許し、私は私を救済することができた。私は私を救済したことによって、やっと、心から私を愛してあげることができた。
他者とのちょっとした出会いだけで、私は私を救えるんだな。多分、救われる人と救われない人の違いは、こんなちょっとした違いなんだ。だから、人生なんて全てがちょっとしたことなんだって、知ることができた。
邦画にしては珍しく、自立的で個人主義的で突き放した作品だったので、国際的に評価されたのもうなづけました。素晴らしかった。
「私はひとりだ」ということを良い意味で実感したと同時に「私もひとりだ」ということを他者と共有できる。そんな作品。それが、とても心地よく感じる作品。一期一会でも、他者と出会いたいな。
私も完全にこちら側の人間なので、全く集中力が途切れずに、ずっと心地よく作品の中にいることができました。
「何故、私は生きるのか?」と考えてしまう、哲学好き、文学好き、内省好きの方はハマる作品だと思います。
余韻に浸りました
最初は最近話題だから見てみるか〜という軽い気持ちで見始めて、人間関係の重なりや感情みたいな、物語の黒い渦にどんどん引き込まれていきました。
この作品を朝から晩まで見ていたような気もするし、一瞬の出来事だったような気もします。全てに無駄がなくて、良い意味で時間の感覚が分からなくなりました。人の人生があふれかえって、縮まって、重なりあってました。
人の悪い部分や良い部分、全て合わせてその人である。それを受け入れて生きていかないといけないし、それは自分自身も同様である、ということを感じました。
また、『君の信念が悪いんじゃなくて、君が悪いんだよ』この言葉が印象的でした。
私はどちらかというと、『君自身が悪いんじゃなくて、君の信念が悪いんだよ』という方が一般的なのかな?と思っていました。人の人格を否定するのではなく、その人の行動を否定することで、その人に成長の余地を与える。これが一般的かなと思ってたので正直驚きました。
でもたしかに、この言葉にはこの作品が詰まっているのかなと思いました。どんなに他人が言ったとしても、一度過ちを犯して反省したとしても、その人自身は変わらない。その人のドス黒い部分、反対にその人の良い部分の塊は変わらない。だから、君の信念が悪いんじゃなくて、君自身が悪い、ということになるのかなと。
とっても素晴らしい作品で余韻に浸りました。
drive いわんや Winding Roadをや。
観に行ってしまった…
生きよう
あの短編を
どういう風にすれば3時間?と思ったけれど同じ短編集の作品を入れ込んだり、劇中劇を入れ込んだりと元々の短編とは全く異なるものだけど何故か退屈せずに3時間見終えました。ただ最後ちょっと綺麗にまとめた感じが作品の雰囲気とマッチしたないような気がした。
つまらない。
それほどでも...
新感覚ミステリー
物語の冒頭から終盤まで車中でカセットテープから流れる演劇の台詞が印象に残る。
主人公である家福は演出家であり、自らも舞台に立つ役者でもある。
家福は妻の浮気を目撃してしまうが、怒るわけでもなく何事もなかったかのように振る舞う。
実はこの夫婦は4歳になる子供を肺炎で亡くしていた。
その事から妻である音は傷心し立ち直れずにいたが、ある日からセックスの最中に物語を語るようになる。
音は大事な話があると言い残し、くも膜下出血により病死する。
2年後、ある演劇祭の仕事で広島に向かい、そのドライバーとしてみさきが登場する。
徐々に距離を縮めていき、お互いの過去のことを話し始める。ラスト近く演劇の台詞が劇中の主人公達にも重なるようなセリフ、不幸なことだらけだけど生きていくしかない、あの世に行ったら神様に憐れんでもらおうというよつな台詞がこの映画の主人公達を表しているように感じた。
終盤まで感情を感じなかった主人公が自分自身に向き合い本当の自分を解放していた。みさきと対話し、重ね合わせることで自分自身と向き合っていたんだと思う。
村上春樹は以前に読んで苦手だと感じていたが、やはりこの不思議さは苦手である。
ただ、映画として引き込まれた。ストーリーが緻密で丁寧に描かれていた。
ひたすら思考を要求する映画
物語の中で幾重にも物語を語り、巧みに組み入れ、下手な演出だと滅茶苦茶になりそうだなと思いつつ、そこはやはり村上春樹作品、端正な清潔感とともに理路整然と物語が組み上がり引き込まれていく。
丁寧に1シーンずつ、ひたすら思考する事を要求する、示唆にあふれた映画。劇中、観客に考えさせる量の何と凄まじいことか。画づくりも、いかにも考え抜かれた精密感、静寂感に満ちたものになっている。
思索の深掘りが試される気分と、日常に慣らされた頭が少しリセットされた感覚を覚える。これは村上春樹の小説を読んだ後味そのものであって、同じものを映画でも感じるとは思わなかった。
セックスの際に語られる創作物語が夫婦のきずなになり、仕事になるという下りは村上春樹ならでは。他の作家が書いたら気持ち悪くて許されないだろう。
各映画賞を受賞しており、これは納得出来るが、子供と一緒に観られる娯楽映画ではない。「かもめ」くらいしか読んでなかったチェホフも読んでみようか。
最後にサーブに乗っていた犬は、食事に招かれた家に居た犬ですよね?穏やかで暖かい未来を感じさせるラストも映画らしくて良かった。
流れる景色。
長い。
話題になったため鑑賞。
まず、プロローグが長い。からの2部?も長い。
役者陣の演技は上手かった。微細な演技や表情の変化がとても良いです。カットやシーンとかも凝ってると思う。サイレントなところやドライブのシーン、トンネルなどなど。ちょい俺にはくどく感じるところや眠くなるとこもあったけど、いいんだと思う、、。
まぁ、あとは内容。俺には難しすぎたかな。ドライバーと徐々に距離を縮めていくところとか、人と人との関わり、こーゆー訴えかける?的なストーリーは刺さる人には刺さるのかな。
子供脳の自分としては、大迫力・ラブコメ・大爆笑・感動・わかりやすい起承転結・ハッピーエンドが好きだから、そこまでハマらなかった。
小説好きな人は、いいかも?俺には早すぎました笑
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