スウィート・シング

劇場公開日:

スウィート・シング

解説

「イン・ザ・スープ」「フォー・ルームス」などで知られるアレクサンダー・ロックウェル監督が、頼る大人をなくした姉弟の悲しくも希望に満ちた旅路を、16ミリフィルム撮影による美しいモノクロ&パートカラー映像で描いたファンタジー。マサチューセッツ州ニューベッドフォードで暮らす15歳の少女ビリーと11歳の弟ニコ。一緒に暮らす父アダムは普段は優しいが酒のトラブルが尽きず、ある日ついに強制入院させられることに。他に身寄りのない姉弟は、家を出ていった母イヴの元を目指すが……。監督の実子ラナ・ロックウェルとニコ・ロックウェルが主人公の姉弟を演じ、監督のパートナーであるカリン・パーソンズが母イヴ役、「ミナリ」のウィル・パットンが父アダム役を務めた。2020年・第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門で最優秀作品賞を受賞。第33回東京国際映画祭「ユース」部門では「愛しい存在」のタイトルで上映されている。

2020年製作/91分/G/アメリカ
原題または英題:Sweet Thing
配給:ムヴィオラ
劇場公開日:2021年10月29日

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Photo Credit: Lasse-Tolboll

映画レビュー

4.0監督の実子である姉弟の存在感に目を奪われる。

2021年12月31日
PCから投稿

アレクサンダー・ロックウェルが、映画学校の教え子たちをスタッフに、実子のラナ・ロックウェルとニコ・ロックウェルを主演に描いた完全インディーズのロードムービーだ。いや、ロードムービーパートは後半であり、劣悪な環境で生きる子供たちのピュアネスを描いたファンタジーとも言える。

とにかくこの映画は、ラナとニコに惹き込まれずにいられない。よくもまあ実の子供をここまで役者として輝かせられるものかと感心するばかりだが、とりわけ演技だけでなく歌も披露して作品の世界観を体現するラナには映画を支える覚悟があったように感じられる。

モノクロのざらついた画面に時折カラー映像が挿入されるのだが、その変化に特に脈絡が感じられるのも、なんだかプラスに作用している。理屈だけでは作れない創作のひとつの形なのだと思う。あとこの映画だけでなく『ミナリ』やケリー・ライカートの諸作に出まくっているウィル・パットンは、ある意味でインディーズ映画の天使な気がしてくる。

この映画での酒に溺れるどうしようもない好人物というキャラクターは、ウィル・パットンのキャリアでも最高の役柄だと思うので、数少ないパットンファンは必見だと思いますよ。

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村山章

3.5☆☆☆★★ 画面から宝石が輝いている…かのような映像の数々。 嵌る...

2024年3月20日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★

画面から宝石が輝いている…かのような映像の数々。
嵌る人にはめっちゃ嵌る作品かも知れない。

それを認めつつ、個人的には今ひとつピンと来ない作品でした。
若い頃にシネアストを気取ってイキっていた自分だったならばどうだったのか?って気はしますが💦

ところで、ラストシーンに登場したある女性。

「あれ?誰だっけこの人」…って思ったのですが。
エンドクレジットにはプロデューサーとしてある女優さんの名前が。

それがあの〝 ジェニファー《フラッシュダンス》ビールス 〟

ひょっとして彼女だったのかなあ〜?
クレジットの役名には名前は無かったんだけども…

観終わって直ぐにWikipediaを確認。
本当にアレは彼女だったのか?の情報は得られず。
でもこの監督さんと過去に結婚していたのですね。
何故彼女の名前が?って謎は一応解けました。
あの最後に映る女性が彼女だったのか?の真贋は不明ですけども。

2021年12月5日 キネマ旬報シアター/スクリーン1

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松井の天井直撃ホームラン

4.0いい雰囲気しかしない

2023年6月3日
Androidアプリから投稿

冒頭のショッピングモールのシーンでもうこれ絶対いい映画だと確信。というか絶対好きなタイプ。貧しいながら必死に生きる人たちの描写を見ると涙出そうになっちゃうのよね。ニコがほしがってたオモチャのマシンガンをちゃんとクリスマスプレゼントにあげるのとか、それをアルミホイルで包むのとか何故かうるうるしちゃう。お父さんが無理やりビリーの髪切るのも酷いけど乱暴とか虐待の感じはしなくて直前に行きずりの不良たちに髪がステキだって声かけられたのがフリになってて描写が丁寧!エンドロールで二人の名前がロックウェル、プロデューサーにサム・ロックウェルの名前があったから彼の子供か!と興奮したけど監督の方のロックウェルの子どもたちでしたね。二人ともとても良い雰囲気。パパとママ、ママとその彼氏、トレーラーの夫婦みんな黒人女性と白人男性のカップルなのは監督自身を投影してるのかしら。でもあんな酷かったママがしれっと戻ってくるのはちょっと解せないですけどね。

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三毛猫泣太郎

3.5スウィートシング=愛する人

2022年2月7日
iPhoneアプリから投稿

キネマ旬報推奨だったこともあって、観に行きました。

スウィートシング=愛する人なのだけれども、恋愛映画って訳じゃない。家族愛、友情。そういうもの。

素敵なのは、愛を伝えるべき両親から子供への溢れんばかりの愛、ではなくて、子供からの「ダメな両親であっても、親。会いたいな」という気持ちが、うっすらと、しかししっかりと流れている映画だってこと。

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CB