由宇子の天秤

劇場公開日:2021年9月17日

由宇子の天秤

解説・あらすじ

「火口のふたり」の瀧内公美が主演を務め、「かぞくへ」の春本雄二郎監督が情報化社会の抱える問題や矛盾を真正面からあぶり出していくドラマ。3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追う由宇子は、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てることに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動をしている。その一方で、父が経営する学習塾を手伝い、父親の政志と二人三脚で幸せに生きてきた。しかし、政志の思いもかけない行動により、由宇子は信念を揺るがす究極の選択を迫られる。主人公・由宇子役を瀧内、父・政志役を光石研が演じるほか、梅田誠弘、河合優実らが脇を固める。2021年・第71回ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品。

2020年製作/152分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2021年9月17日

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(C)2020 映画工房春組合同会社

映画レビュー

3.5天秤にかけた自分と正義

2025年6月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

ドキドキ

3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追いつめて学校の姿勢、報道のあり方を追及するドキュメントディレクターの由宇子。
報道のあり方を批判するものの、上層部の圧力により、学校側の責任へと印象操作される編集を命じられる。
ここで由宇子の天秤がかけられる。
自分の正義と、自分を取り巻く人たちへの思い。
そして周囲の思惑。
なんとか自分の信念を貫こうとするものの、今度は自分の父親が教え子を妊娠させてしまう。
常に由宇子は支点である。
しかしその支点は自分の身内の出来事だと、バランスは保てない。
側の向こうからの中立性の視点が持てないからだ。ここが中立である支点の難しさである。
ドキュメントディレクターである由宇子に最大の葛藤が描かせていた。
時として誰しもが立つ中立の立場。
被害者、加害者の立場に立って思考する難しさを問いかけられた作品であった。

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makoto

トラウマ2連発!あえて共感せり。

2025年3月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0「がわ」って何?

2025年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

報道が常に事実を忠実に伝えていると信じるのはいくら何でもナイーブ過ぎるだろうし,暴露することが正義だと信じるのも思考停止だろう。さらに,取材を続ければ真相・本質・核心を必ず掴めると考えるのも思い上がりで,「〇〇だって事にしておけば視聴率が上がる」みたいな判断は頻繁になされているだろう。
ラストシーンは,報道人の良心を象徴していると思われる正直者の由宇子を,良心を持たぬ者達が自分の手を汚さずに「罰した」ように見えて仕方がない。
何とも救いのない話だな。

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ひろちゃんのカレシ

4.5嘘で歪められた真実

2025年2月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

嘘をつくのは人間の常。無数の嘘のほとんどは、全く罪にもならない。しかし、真実を歪める嘘は、関わった人々の人生そのものを変えてしまう。
しかも人の生き死にが関わった場合はなおさらである。
真実を追求するドキュメンタリーのディレクターは自身の父親の不純な行動が引き起こした不測の事態を隠蔽する。
父親に対する娘として?女性としての怒りを封印し、自分を守り、自分の周りを守る姿は、決して悪の行動とは言えず、
世の中に無数にある罪にもならない嘘とも言える(違法な中絶を画策したことが実行されたら大きな罪だが)。
ラストシーンで、嘘を貫くことが出来ず告白してしまったが、嘘で苦しむ自分を解き放したからに過ぎないのである、、。
人間のやるせない業を、静かなタッチで紡ぎ映像に収めた秀作と言えます。

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アベちゃん