空に住む

劇場公開日:

空に住む

解説

「EUREKA ユリイカ」の青山真治監督が7年ぶりに長編映画のメガホンをとり、多部未華子と初タッグを組んだ人間ドラマ。作詞家・小竹正人の同名小説と、原作とともに誕生した「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」の楽曲「空に住む Living in your sky」の世界観を基に、現実と夢の間で葛藤しながらも新たな人生を見いだしていく女性たちを描く。郊外の小さな出版社に勤める直実は、両親の急死を受け止めきれないまま、叔父夫婦の計らいでタワーマンションの高層階で暮らし始める。長年の相棒である黒猫ハルや、気心の知れた職場の仲間に囲まれながらも、喪失感を抱え浮遊するように生きる毎日。そんなある日、彼女は同じマンションに住む人気俳優・時戸森則と出会う。彼との夢のような逢瀬に溺れていく直実は、仕事と人生、そして愛の狭間で揺れ動き、葛藤の末にある決断を下す。直実の後輩・愛子を「愛がなんだ」の岸井ゆきの、直実の叔母・明日子を「彼らが本気で編むときは、」の美村里江、人気俳優・時戸を「EXILE」「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」の岩田剛典がそれぞれ演じる。

2020年製作/118分/G/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2020年10月23日

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映画レビュー

4.0縦と横の空間

2021年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

高層マンションの上階に住む主人公が、平屋の古民家を改築した小さい出版社に勤めている。縦に伸びる寒々しいマンションの非人間的な空間と、面で広がる古民家の出版社のアットホーム感。普通の人なた落ち着ける空間のはずの自宅が、この映画の主人公にとっては他者が入り込んでくる、落ち着かない空間なのが面白い。おばさんが突然訪ねてきたり、合鍵を持っていたり、ちょっと怖い。猫がストレスが原因の病気にかかるが、あの家は怖い。空中に浮いているような感覚の高層マンションの浮遊感も逃げ場のない怖さを際立たせる。
このマンションの部屋には両親の位牌がある。窓の景色をたのしませてやりたいと窓際に位牌が置かれている。何もない空間に何かが見えない得体の知れない何かが漂っている感じが冒頭から示されている。
高層マンションの地下のゴミ捨て場のシーンが何回が出てくるのも良い。華やかなマンションの地下の空間には華やかさはない。きらびやかな生活の残滓が捨ててあるだけ。そこで掃除している
猫を荼毘に付す主人公が煙がでないことを残念がっていた。煙となって愛猫が漂えばいいということだろうか。なぜかはわからないが、たしかにそれは素敵なことだと感じた。

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杉本穂高

3.5青山真治監督じゃなくてもよかった企画

2020年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

EXILE界隈のファンには申し訳ないが、成立過程からして初めに彼らの楽曲(=映画の主題歌)ありきな企画で、準主役にメンバーの岩田剛典と来れば、ひいき筋の動員を当て込んだ商業映画と見なされても仕方ない。多部未華子の演技は良かったし、古民家を利用した零細出版社の職場の描写も興味深かった。ただ、青山真治監督が撮るべき映画だったかは疑問。

青山氏は小説も書くほどだから、作家性の強い作り手だと思っている。だが“北九州サーガ”第3作「サッド ヴァケイション」(07)の後は、監督作のペースが落ちて本作含め3本、しかもみな原作もの。かつての尖った表現者から、依頼案件をそつなく仕上げる職人監督になった印象を受け、それは成熟かもしれないが、さびしく感じたのも確か。

あと、武蔵小杉のタワマン浸水騒動以降、タワマンが以前ほど憧れの住環境じゃなくなったのも、タイミング的に気の毒。もちろん映画の責任ではないが。

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高森 郁哉

3.0☆☆☆ 原作読了済み。 脚本には池田千尋。 『東南角部屋二階の女』...

2024年3月9日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆

原作読了済み。

脚本には池田千尋。
『東南角部屋二階の女』で、初めてその存在を知ったのですが。更に意識して観たのは『東京の日』でした。

↓は『東京の日』での自分のレビューより抜粋

まだキャリアは浅い池田監督ですが。男性を主人公に据えながらも、そのだらし無さや優柔不断な面を強調。対して女性達も、突然豹変する本音と建前の姿を辛辣な観察力で描写している。
今後は題材によっては大きく化ける要素が有る監督さんかなと思う。
でもこの様な題材での、小さい世界をほじくり返す事にたけているのかも知れませんが(笑)
(『東京の日』のレビューから)

昨年公開された夏帆主演の『RED』では、更に男に流され身体を重ねてしまう自堕落女性像で、賛否は有ったかと思いますが。少なくとも私には、今後も目が離せない存在ではありました。

それだけに、原作で描かれる不毛な愛に溺れ。自堕落な生活を続ける女性を描く内容に、合点が行く起用だったと、読みながら感じていました。
ただ、多くの人から共感を浴びるとは思えなかったのも本音ですが。

ここまではあくまでも原作を読んで感じていた事。
…………ところが出来上がった本編は、、、、

原作自体が、元々EXILEの曲を前提として書かれたモノ…との情報を読了後に知る。
(正確に言うと、多少は違うのかもしれませんが。大体はそんなところだと思う。)

時戸は原作だと、少なくとも主人公・女性コンシェルジュ・パリピー女・高級コールガール・若手女優を含め。噂を入れると6〜7人以上の遊び相手が居るとんでもない下衆な男。
でもEXILE関連映画で有る為か、その辺りは徹底的にぼかしている。そんなにもイメージが大事なのだろうか?…としか、、、

その為か?遊び相手の若い女性コンシェルジュは登場せず。代わりに、原作だとほとんど描写されない男性コンシェルジュ役には柄本明が。

このイケメン俳優。原作のイメージだと、外面は良いイケメンで。読みながら、最近まで放送されていた多部ちゃん繋がりで、瀬戸康史の顔がチラついてい居た。
原作には登場しないキャラクターとして大森南朋も登場する事だし。いっその事「ナギサさん」ファンの心を挑発し、モヤモヤさせる意味でも(本当に)瀬戸康史を登場させては、、、と言ったら怒られるだろうか(´Д` )

岸井・大森の2人は、映画オリジナルとして登場。
ミムラの役名が【今日子】から【明日子】へと変更されているのは。原作での主題が、《悲しみを乗り越えて前を向いて行く》との意味からだとは思いますが。ニャンコのハナはハルへと変更されていたのは、今一つ意味が分からず。

主人公の人生に大きな影響及ぼす…と言うか。今後パートナーになるかも知れない〝 すこやか先生 〟 は登場せず。原作では空気でしかなかったペット葬儀屋の永瀬正敏が、何やら意味深な台詞を言う。

元々は、不毛な愛に溺れれば溺れる程に、ハナの病は悪くなり。遂には眼は失明し、鼻と口は爛れて行く。

原作で彼女に寄り添う美雨は登場せず。代わりに岸井ゆきの演じる後輩と大森南朋。
2人とも原作には登場せず、自堕落な多部ちゃんとは、対象をなすカップルと言ったところでしようか。

そんな2つの恋愛模様を対象させ。都会の空の下で生きる自堕落な男女を描く為に、池田千尋を脚本に起用したのならば、何となく理解出来るところではありました。

………でも!………

青山真治の演出は、徹底的にオサレなセレブ(に近い)生活を撮りたかったのか?と思ってしまうほど。
時々、「何これ?哲学論?」と思うくらいに、難解で意味ありげな台詞が飛び出して来る。

どうやら、EXILE側の…

「イメージを大事にしてくれよ!」

…との要求に。

「俺は哲学的な内容にしたいんだよな〜!」

…と言った。青山真治とEXILE側と間の乖離が存在し、結果的にこんな歪な映画になってしまったのでは?…と、想像を巡らせてしまいます。

原作を読んだ際に、ミムラ演じる今日子(映画では明日子)が、日がなダラダラと過ごし。いつまでも悲しみにくれるだけで、一向に前を向こうとしない主人公に対して。一気に関西弁で捲したてる場面こそが、この話で1番のクライマックスだと思っていたのですが、、、

タワーマンションに住みます。



イケメン俳優とネンゴロになります。



ニャンコ病気になります。

広い意味で、原作通りと言えるのは、この3点だけだったとは、まさか思わなんだ。

※ まあ、何せ青山真治ですから。ここまで酷い内容でも、部分部分で哲学的な匂いをさせておけば。(ハスミン一派の強力なお墨付きは間違いないのだから)勝手に深読みして、「ああだ!こうだ!」と、裏付けしては絶賛する人が続出してくれるのですから。こんなにチョロい事なんぞ無い…って話でしようね(・ω・`)

2020年 10月24日 MOVIX亀有/スクリーン7

※ 貶しておきながらではありますが、流石に鬼畜に入るには余りにも早すぎる。

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松井の天井直撃ホームラン

3.5男一人

2023年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

平日昼間の劇場で観ました。そこそこ客が入っていましたが、男性は私一人きりでした。おそらく、もう2度とない経験だと思います。

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ハモニカ犬