劇場公開日 2020年10月23日

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「青山真治監督じゃなくてもよかった企画」空に住む 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5青山真治監督じゃなくてもよかった企画

2020年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

EXILE界隈のファンには申し訳ないが、成立過程からして初めに彼らの楽曲(=映画の主題歌)ありきな企画で、準主役にメンバーの岩田剛典と来れば、ひいき筋の動員を当て込んだ商業映画と見なされても仕方ない。多部未華子の演技は良かったし、古民家を利用した零細出版社の職場の描写も興味深かった。ただ、青山真治監督が撮るべき映画だったかは疑問。

青山氏は小説も書くほどだから、作家性の強い作り手だと思っている。だが“北九州サーガ”第3作「サッド ヴァケイション」(07)の後は、監督作のペースが落ちて本作含め3本、しかもみな原作もの。かつての尖った表現者から、依頼案件をそつなく仕上げる職人監督になった印象を受け、それは成熟かもしれないが、さびしく感じたのも確か。

あと、武蔵小杉のタワマン浸水騒動以降、タワマンが以前ほど憧れの住環境じゃなくなったのも、タイミング的に気の毒。もちろん映画の責任ではないが。

高森 郁哉