アンダードッグ 後編のレビュー・感想・評価
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這いつくばる惨めさと力強さ
テンポとしては前編での勝地涼との決闘から良く進んでいく。
憧れはしないが共感できる人間としての本質を
それぞれの登場人物から痛々しいほどに伝えられる。
女々しく這いつくばって這いつくばって
自分が特別じゃないと心底気付かされてから
それでも意地を見せた時、そこから人生が再開されるのかな。
〜追記〜
主題歌の石崎ひゅーい「Flowers」が今までの石崎ひゅーいの世界観を壊すことなく、物語の風景と見事にリンクし、彩っていた。
森山未來良い。
後半になって、一気にドロッとしてきた。
末永が働くデリヘル店が半グレの店から嬢を奪われたり、
アケミも虐待で娘に重傷を負わせ逮捕されたり、
龍太の過去が暴かれ始め、復讐に遭う。
そこから龍太が末永と対戦するまでの各過程を描きながら進むのだが、
まあ予想通りの展開だった。
ストーリーはわかりやすいので、特に難しいこと考えることなく見れる。
最後の試合のシーンは、どっち勝つのかなあ、なんてスポーツとして観れた。
個人的に、後編に入っての末永の吹っ切れた感じの姿は好き。
森山未來が本当のボクサーに見えてきた。最後はかっこよかった。
ボクシング映画で前後編ある作品という事で、どうしても私の大好きな『あゝ、荒野』と
比較してしまうのだが、単純にボクシングシーンだけならこちらの方が良かった。
『あゝ、荒野』は新宿新次(菅田将暉)が反則ばかり犯していたから(笑)。
カメラワークも良く、実際に殴り合っているようで違和感なかった。
ただ、どうしても『あゝ、荒野』に比べると、リング外の人たちのストーリーがあまり見えてこない。
『あゝ、荒野』のラストシーンはオーナー、トレーナー、実の親、様々な人の人生がすべて映し出されているような感じだったが、飽くまでもこの映画はリング上の2人の話、と感じた。もちろん、主演なのだから当然なんだが、5時間弱の厚みと考えると『あゝ、荒野』の方が上かな、と個人的に思った。
でも、決して飽きずに観れたし、Abemaでなんか8話のドラマでやるみたいだし、そちらも見ようかと思う。
後編は一転!テンポもよく面白い!
【理由、決着】
後編は、龍太のボクシングを始めた理由や、過去が明らかになる。
そして、
晃と太郎と佳子。
明美の子供との交流。
明美の過去と虐待。
木田の大胆な行動と運命。
更に、龍太の事件と、最後の試合へのモチベーションが、交錯して、晃を運命の試合に駆り立てて行く。
引退を強く勧めていた会長やジムも徐々に一体となって行く様は、どこかスポ根ふうでもある。
試合の結果は、映画の通りだ。
決着はついた。
しかし、それは、その試合の決着ということだ。
前編の宮木を含めた、晃と龍太の三者三様の人生の決着ではない。
それは、エンドロールでも明らかだ。
宮木は別の道を歩み、龍太も自分と同じような境遇の子供達と交流を重ねている。
そして、晃はきっとボクシングを続けている。
だが、世界チャンピオンになれるとは考えていないだろう。
僕は、途中でトカイが晃に投げかける言葉がキーではないかと思う。
「お前が羨ましい。噛ませ犬と言われながらも、ボクシングを続けて、ボクシングが本当に好きなんだと思っていた」
子供、家族、仲間、金など、闘う理由はあったとは思う。
ただ、僕は、晃はボクシングが好きなのだと気がついたのではないかと思う。
前編の最初に、ハングリーとは異なるテーマがあるのではないかと書いたが、映画を見終わって、大きな意味で、今は、テーマはハングリーかもしれないと思っている。
ただ、それは、貧乏から抜け出したいという従来のものとは異なる、何か目標を定めて、それを追求したり、好きという理由で、それを黙々と続ける姿勢という意味でのハングリーだ。
それは、晃だけではなく、宮木や、その運命を受け入れた龍太も同じだ。
運命を受け入れることも強さだ。
それは、この3人だけではなく、他の人達、僕達にも同じことだ。
とかく近視眼的になりがちなテーマを、複数の視点から、理由や選択は一様ではないとの示唆も与える秀作だと思う。
往生際
前編から数ヵ月後、引退を決めたと言う晃と、過去に何やら持っている龍太の再起の話。
因みに瞬のストーリーはございません。
前編で宿題になっていた明美との話と、何故か木田の話まで湧いて出てくる序盤戦。
まあ、一応話はまとめたけれど、これ必要でしたかね?まあ、それだけ晃は底辺にいましたよってことですかね。
龍太の過去と、彼の晃に対する思いとかは単純ながら良い感だし、彼の闇とそこからの展開も良いのだけど、その人物との繫がりとかは狭過ぎませんか?
ボクシングの出来としてはガバガバだけど、それは仕方ないので目を瞑るとて、ドラマとして は非常に熱く、どういう結果になるのかと展開にも息を飲む。
引導を渡しあう二人の漢の友情の闘いが、とても素晴らしかったし、結果にも大満足。
非常に面白かった。
ちょっと含みを残した、というか曖昧にしたラストも、何か期待出来ちゃう感じだけれど、これでお終いで良いからね。
まあ、もし続編あったら間違いなく観ちゃうだろうけどw
タイトルなし(ネタバレ)
最後の森山と北村の試合は綺麗にKO決着させずわざと判定決着にして観客にカタルシスを与えなかった、観客をスッキリさせないさせたくないという制作者の嗜好が明確であった。それだけではない北村の身体にあんなにベタベタ刺青隠しのファンデを塗りまくったらリアルではコミッショナーが反則にする。この映画の関係者に限らず日本の制作者と批評家にはドラマとは汚すもの観客にフラストレーションを与えて印象づけものという思い込みに脳が固められている人たちが多すぎる。あえて問題提起する、だから日本のエンタメは韓国に遅れたのだと、これは屈辱以外の何物でもない。多くの一般ユーザーの方々がつまらないものはつまらないと声をあげていただくことを伏してお願い申し上げます。
ボクシングシーンのみ、必見!
TIFFにて前後編一気観です。感想まとめて。
ボクシングの試合シーン、練習シーン、とってもとっても良いです!
痛い!キツい!熱い!辛い!疲れる!
でも、でもっ!前に出る!放つ!立つ!
立ち上がる!
全部、ぜーんぶ入ってます。
選手はもちろん、セコンドも闘ってることがわかる!素晴らしい。
さらにラウンド間インターバルのコーナーでのやりとりもしっかり
描いているので、試合そのものにストーリーが生まれているんです。
さらにさらに、よくあるダイジェスト風のラウンド展開ではないから、
1試合を観戦した気分になります。
演者もすばらしいですが、この見せ方にした監督に拍手。
さて、前後編ある大作なんですが、残念な
ところも多数。ほんとに残念なんだよな。
期待外れだったから長くなります。あしからずです。
這い上がりストーリーなんだけど、末永の
気持ちにスイッチが入る理由、ぼんやりしてません?
よくあるやり方だけど、実はこーだったん
ですよ、、、みたいな後出しジャンケン理由をセリフで説明、
前振り回収するための、一気にあの頃を思い出させる周辺の方々の行動と言動。
なんだかなー感が溢れちゃって、、、。
冷めるんですよ。気持ち。
申し訳ないが、先読めました、あの人が
呟くんでしょ?あれを、、、あの人もなんか、、、するんでしょ?みたいに。
なんか、ロッキー動機付けの豪華版みたいな(笑)感じだった。
多いからインパクト弱いです。
さらに、一般的な生活者の比較対象となる人を沢山用意することで
わかりやすく動機付けさせる感じ、、、
安易なんだよな。安っぽいんだよな。
結果、ストーリーや人物の心情描写が薄い、薄っぺらい。
重いエピソード並べれば、
アンダーグラウンドな世界を描けば
人間のどん底を描けると思ってないかい?
重厚になると思ってないかい?
違うんじゃないかなー?
末永を動かしたのは、最後の試合の終盤、インターバルでの
会長との会話での発言とあの表情を作った気持ちだと思うのです。
(カッコ良かった。痺れた。心の中でイェーーー!って叫んでました。)
その気持ちに気がついたんじゃないの?
気づく何かがあったんじゃないのかな?
また、腹を決めた何かがあったんじゃない?
自分の気持ちに素直になれたから、
自分の今いる位置を認識して受け入れたからこそ
這い上がり開始のゴングが鳴ったんじゃないのー?
本当の根っこの気持ちが伝わらねーんです。画面から。残念ながら。
また、エピソードが散らばりすぎていて
さらに、それぞれが食い散らかされてる
から、心情的な回収が出来てない。
話の展開に必要な都合の良いエピソードが
陳列され、安易に繋がれて、良いように感動ポルノ的に使われてるだけ。
この作品がもたらすカタルシスは試合にあり、、、です。
そこで最高潮を迎えさせることが心情の部分でできてない。
ボクシングって気持ちでやるスポーツだからねっ!
故に心情が乗ってこないとしらけちゃうんです。
子供や家族を絡ませりゃ良いと思ってるーじゃ?
安っぽくなっちゃうんだよな。話がさ、気持ちがさ。
そもそも、これ前後編にする
必要なかったんじゃない?かな?
もっともっとブラッシュアップできたんじゃないかな?
冗長な感じが否めない。
せっかく宮木戦熱かったのにさ、後編に宮木戦の余韻が
何にもないもんな、感じないもんな。
前後編にしよう!って決めがあって作った感じがする。
それと、無意味なsexシーンが多すぎる。
意味ある?そんなに描く必要。
意味が見当たらない。なーんか、
描くことがリアリティだと思ってない?
マジで、マジで、ほんとーにこの作品期待していたから、
落胆が半端ない。もちろん泣くわけがない。絵に描いたような
「さぁ、感動しなさい」的な物語じゃね。
あー書き足りない。
悔しい、この作品。
物語としては2点以下だけど、ボクシングシーンはリスペクトで、この評点です。
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