劇場公開日 2021年3月26日

ノマドランドのレビュー・感想・評価

全421件中、301~320件目を表示

3.0美しき死に方

2021年4月2日
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鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

寝られる

アカデミー賞最有力候補ということで鑑賞。
ロードムービーは一度も見たことがなく、自分に合うか不安だった為そこまで期待はせず。
でも、予告を見た限り雰囲気は良さげ。

まぁまぁ良かったです。
自然の美しさ、自由に生きる美しさ。
でも、かなり眠たくなる映画でもありました

60代の女性・ファーン(フランシス・マクドーマンド)リーマンショックによる企業倒産により長年住んでいた家を失い、キャンピングカーで生活を送ることになった。

とにかく映像の美しさは圧巻。
ロードムービー初心者でも非常に楽しめ、無駄なナレーションが入らず音楽もまた素晴らしいので、ファーンと共に観光している気分になれる。

フランシス・マクドーマンドは実際に体験しているだけあって、本当にノマドでは無いかと思うほど違和感が無い。素直で優しく愛されているが、どこか寂しそうな表情をする。

美しい生き方と死に方。
重い病気を患い余命があと少しという時に、ずっと病院のベットで過ごし管で繋がれている状態は生きていると言えるのだろうか。そういう時こそ大自然へと足を運び、いい人生だったと思いながら死ぬべきでは無いのだろうか。印象深い良いシーンだった。

ただ、共感は出来ないよなと思った。
このような暮らしをしている日本人は極わずかだろう。アメリカほど身近では無いし、現実味がない。このような暮らしをする人がたくさんいるアメリカだからこそ、人気を博しアカデミー賞有力候補に選ばれたのだろう。

そのため、感情が揺さぶられることは無かった。
ストーリーもピンと来ず、伝えたいことはわかるのだが理解し難い部分が多く見られた。映像作品としてはいいものだが、映画としてはどうだろうかと感じてしまう。

ラスト20分は失速感が凄く、物足りなかった。
中々退屈で眠たくなるほどで、なんだかな〜と。
正直、自然の美しさを楽しむ映画とでしか見れなかったような気がする。深いことは言ってるんだけどね

まぁ、映像は良かったからいっかな。
3月公開の見たい映画もこれにて全制覇。
4月はどうなることやら...。

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サプライズ

1.5ダメですね。

2021年4月2日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

全く受付けません。
ミナリと同じく、何でこんなに称賛されているのか?
アメリカンジョークで笑えないのと同様、僕には全く刺さらない映画でした。
レビューの高さに驚きます。

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キチ

4.0ブラボー! フランシス!!

2021年4月2日
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鑑賞方法:映画館

今現在、画面映えする初老の女優としては、No.1だろう。きらびやかで美しい女優は数多いるが、これだけ大画面に映える女優は、なかなかいない。
スクリーン一杯に広がる彼女の横顔。年輪を重ねた皺がしっかりと刻まれ、荒れた肌。あきらめを湛えた瞳は、時折相手を見透かすような光をきらめかせる。多分、年齢相応の顔なのだけど、いわゆるハリウッドのセレブ女優とは違う、独特の哀愁を漂わせる。いわゆるハードボイルド調の、チャールズ・ブロンソンや、クリント・イーストウッドのような匂いを感じる。とにかくかっこいい。「スリー・ビルボード」での、いつ爆発するかわからない勝ち気な女性というのもハマっていたが、本作の哀愁漂う格好良い人間の方が、しっくりきている。

さて、物語はといえば、リーマンショックで家を失った犠牲者を描いた作品というだけでは、本作の良さは伝わらない。社会問題としての面はあるにせよ、それ(一般的には過酷な方)を選択して人生を送る人もいるのだ。一般化した見方だけで、人の人生の良し悪しを決めつけないで欲しい。と言った主張があり、劇中でも「ホームレスではなく、ハウスレス」との主張も。とはいえ、車中暮らしは課題も沢山あるのも確か。苦労は絶えない。

本作では主人公ファーンの車中生活が、延々と描かれる。乱暴に言えば、ただそれだけだ。年末はAmazon倉庫の短期の仕事で働き、季節が変われば次の仕事口を探して車で移動。良いことも悪いこともあり、周囲の同じ高齢者のノマド生活者との交流が淡々と描かれる。日々は流れるが、いつか終わりは来ることを頭の片隅で思いながらも、今日を過ごす。

会話シーンはほぼ、頭の切れた大映しでマクドーマンドの顔が、どっしりと画面を埋める。彼女の葛藤やあきらめ、寂寥感などと相まって、画面に引き込まれる。映画館サイズの横長の画面では、彼女の背景に、荒凉とした砂漠や雪の風景がセットで存在する。後ろに広がる荒野などの自然が、横長の画面では、より広がりを感じる。映画館で観なければ、この奥行きは感じられないだろう。

荒野を主とする自然は、本作の大事な助演者だ。彼女の王国である狭いバンの車内との対比が常にある。彼女は小さなバンを駆って大きな自然の中で自由に生きているようであるが、そのバンに縛られてもいるわけだ。また、バンを通じて、彼女を受け入れてくれるかどうかわからない社会とつながっている。

数年前、アメリカの西海岸北部からグレートキャニオンあたりまで車で旅行したことがある。ただ何もない荒凉とした土地で延々と車を転がしていると、ちよっとした寂寥感みたいなものが湧いてくるのと同時に、少しの高揚感を感じた。人を打ちのめす力と、元気にさせる力が、茫漠とした自然にはあるのだろう。その時に、キャンピングカーか何かで、アメリカ横断するのも良さそうだと思い、未だに本作のようなノマド生活に少し憧れもある。せめてアメリカ東西縦断くらいは、生きているうちにやってみたい。

まだまだ書きたいことはたくさんあるが、この辺で。今年一番の快作です。

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AMaclean

3.5彼女の向かう先は?

2021年4月2日
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悲しい

1 企業の破綻から住む家を失くし、車上生活者となった一人の女性の生活ぶりと道中での出合いや別れを描いた人間ドラマ。

2 この映画では、車上生活の実相が丁寧に描かれていて興味深い。調理や居住機能を備えたキャンピングカーでの生活。レジャーであれば気楽で良いが、蓄えがなければ、日雇いの仕事を得てガソリン代や生活費を得ながら移動する。孤独な夜、缶詰の食事、病気のリスク、排泄事情、車のトラブル。それらに直面する過酷な暮らし。それでも、主人公は決して尊厳は失わない。「私はホ−ムレスではない、ハウスレスだ」と。そして、人嫌いでもない。各所で同じ車上生活者と出合い、触れ合い助けあう。

3 映画の中で、主人公は寒々とした侘しい車上生活と相反する温かでフレンドリーな家庭生活に浸る機会を持つ。一歩踏み出せば普通の暮らしに戻るチャンスを得る。今は廃墟となった町で、かつて住んでいた家を訪ねた後、家財道具を置いていたレンタルスペースを解約し彼女は、車を走らす。彼女が選んだのは果たして?そして彼女の向かう先は?
その答えは示されてはいないが、ラストで「ハッピーニューイヤ―」と周りに声を掛けながら歩く姿に彼女の決意と希望が感じ取れた。

4 主人公は、スリービルボードで強烈な印象を与えたが、本作でもノ―メ―クて干からびた外見の役作りと心のゆらめきを外に出さない抑えた演技を自然体で演じていた。

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ショコワイ

4.0これが私の生きる道・・

2021年4月2日
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知的

難しい

オスカーへのチケットを手にしたクロエ・ジャオ監督がこの作品の着想を得たのが断捨離ブームの先駆けになり全米でも人気の片付けコーディネーター「こんまり」こと近藤麻理恵さんからだとのエピソードに大変驚くと同時に納得もしました…
物や人間関係…多くの不要な物に囲まれて暮らしている人々が断捨離に目覚め出した…
そんな考えがヒントに繋がっているのだろう

…人生を清算しオンボロのバンでノマドの生活を始めた主人公ファーンを演じるフランシス・マクドーマンド…人の話をただただ座り続けてじっくりと聞く姿に名女優のオーラさえ薄れてしまう位にノマドの中に紛れ込み一体になっている彼女…作品の境地に連れて行かれる程の本気度に胸が熱くなりました

元教え子に「先生はホームレスになったの?」と聞かれ「ハウスレスよ」と答えるシーンはハウスレスとして人生を生きるて行く誇りさえ伝わり深く深く心に刺さりました…

旅を続けるファーンに寄り添う様なルドヴィコ・エイナウディの透明感溢れるピアノの音がとても印象に残りました

大いなる自然の景観の中、共生し許し合い協力し生きるノマドの精神をデジタル社会の現代に生きる私達に自然の流れで生きる導きを問う作品ではないでしょうか…

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ねもちゃん

5.0ロードムービーの開拓者のような生活と終活

2021年4月2日
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車上生活と季節労働をしながらアメリカを周る六十代女性の1年をドキュメンタリータッチで描くロードムービー

凍てつく荒野にある貸し倉庫に思い出の物を取り来た女性ファーンの険しく寂しげな表情から始まり彼女は、各地移動してAmazonの倉庫や公園の管理人やファーストフードレストランなどで季節労働を繰り返し亡くながら車上生活を送ってゆく姿を淡々と捉えてゆく。

行く先々で多くの同じ世代で同じ境遇の車上生活者との交流や助け合いをしながら、逞しく生きるファーン達の姿にカメラは静かに寄り添ってゆく。
先々で働きながらも、オフには同じ境遇の仕事仲間と観光や酒を酌み交わして楽しんでいるので、困窮した印象は薄いが所々に過酷な生活や彼らの過去が垣間見える構成も巧み。

モノローグもナレーションなく進む物語は、時折ドキュメンタリー?かと思うほどリアルに彼らの生活を克明描写してゆくが、陰惨な印象より厳しい環境を進む開拓者の様に見える。

この作品のキモの部分は、やはり美しい情景撮影で、砂漠や荒野の朝の光や深い夕景や日没後の空と台地のグラデーションなどの時間帯での営みを徹頭徹尾に映像にしてる。(かなり全編に)

そしての荒野の光の中や凍てつく季節での労働を、合否を超えてに捉えていて、一般的に搾取労働現場の代表のようになっているAmazonでの場面も、仲間たちとの交流や出会いの場として描かれており、一方的搾取労働を断罪している訳ではないが、同時に製作者達が、原作のルポから切り離した部分であろう。
ファーンが、ノマドワーカーになるきっかけのリーマンショック不況については、明らかに怒りを表明しているが。

フランシス・マクドーマンドの演技派にある上手すぎるアクを出さない、リアルな立ち振る舞いも素晴らしく、長年住んでいた土地を追われた悲しみと空疎な心を体現していて、特に友人の家に来て綺麗で広い寝室をあてがわれて、背後にも所在なさげな表情を感じる演技など短いカットながら巧みで唸る。

多くのノマドワーカー達は、高齢者が多くて皆多く語らないが、個人的にはファーンが二度出会い交流する青年の旅人が魅せる控えめで微笑む姿が印象的。
演じる役者の表情もイイ。彼が早朝に旅立つ場面にファーンから贈られた詩がモノローグ的に重なる場面は忘れがたい。

監督クロエ・ジャオの卓越した演出と撮影のジョシュア・ジェームス・リーのルックの構築は見事で傑作だと思う。

ちなみにNetflixなどで配信されているクロエ・ジャオと撮影ジョシュアとの前作『ザ・ライダー』を観ると、本作の雛形的秀作だと分かる。

2021年4月20日追記
Amazonの扱いに一部賛否が出ている様子だが、いつかこの映画も搾取労働を隠蔽した映画として断罪される時代がくるのか?
『風と共に去りぬ』が断罪された様に。

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ミラーズ

4.0車上暮らし

2021年4月2日
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男なら憧れる車上暮らしだけど、やはりそれは2〜3日のキャンプ程度が限界。本当に生活するとなるとなかなか難しいでしょう。この作品はドキュメントの様な静かな作品で返ってそれが引き込まれる要因かもしれません。

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ごっとん

3.0フィクションにする意味あるかな

2021年4月2日
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主人公の事情がほぼ語られずに話が進んでくんだよね。
最初にジャンパーみたいな服を思わせぶりに抱きしめるところがあって、それだけで『なんだろう?』って引っ張ってくの。
そんな感じで説明がほぼないのに、それでも観てしまう作りがすごいね。

なんか盛り上がるできごとが起こるのかなと思うと、そんなこともなく、淡々と進んでくんだよね。
『ドキュメンタリーっぽいな』と思って観てて、エンドロールみたら、ノマドの人は役名と実名が同じだったから、ちょっとドキュメンタリーなところもあったんだね。

それでこれ、別にドキュメンタリーでいいんじゃないかなと思ったの。
フィクションにしたことで、ドキュメンタリーより伝わった何かがあったかというと、なかった気がすんのね。

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Scott

4.5圧倒的な映像美

2021年4月2日
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泣ける

企業の倒産により、自分の家を失ったことで、キャンピングカーに自分の思い出のものを詰め込んで生活している女性の話。
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キャンピングカー生活ってなんとなく金持ちの人が人生をより楽しむためにキャンピングカーに乗りながら旅をしてるっていうイメージが強いんだけどこれは真逆。もちろん、キャンピングカーで生活したいからそうしてる人達でもあるんだけど。
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定住はせずとも、自分が暮らしている"ここ"が自分の家という考えは、どの国に住んでいるかどこに住んでいるかに関係なく今いる場所が私の居場所だという『日本沈没2020』とも共通する考えで、めっちゃ叩かれてたけどやっぱ湯浅監督ってちゃんと今の時代を捉えてるんじゃんと思った。
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とにかく静かにアメリカの広大な田舎の風景や、きれいな景色を映していくので絶対映画館の大画面で見た方が良い。大きなドラマはないけど、何か言葉では表せないことが私の心を揺さぶった。こういうのに心を動かされるような大人になったのかね。
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私も狭いところと汚いのを我慢できるなら良いとは思うけど、さすがにベットの隣にトイレあるのは無理だわ(笑).
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せつこん

4.0ノマドな人たちは円環の世界に生きている

2021年4月2日
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鑑賞方法:映画館

何の予備知識一切無しでも、カミさんに誘われ観に行く映画だから間違いない。
今日は映画の日、あエイプリルフールやった。
で、一人で観ても1200円、二人で観ても50超えたら夫婦割で一人1200円。
時間も20時過ぎだから、結局レイトショー1300円やん。
どっちでもいいよと言われて、映画のタイトルきいて、内容知らんけどうん行くわと返事。
結果、よかったー。
こうゆう切り口で、こうゆうテーマで、こうゆう人たちの目線で描くアメリカは、映画としては新鮮だけど、25年以上前に見たアメリカ大陸の自然の風景や田舎街とそっくりな風景がたくさん出て来て(実際その近くに行ったから)、25年後にこうゆう世界になってることは想像つくし、そこに生きてきた人や、人種や、高齢化社会のなれの果てで、街の繁栄と衰退がまじまじと伝わってきて。
そこに上から見た悲壮感がまったくない。
ノマドな暮らしは、好きで望んでしたわけでもなく、そうならざるを得ない時代背景と、そこに生きる喜びを見出し、安定を棄て、変化を受け入れるだけのどうにもならない困難に苛まれた人たちによる、生きる権利を得て、仲間たちと助け合いながら生き生きと暮らす姿が、今のアメリカの根底にあることを再発見して、ホッとしたというか安心しました。
日本でこれをやることができても、あの乾いた感覚は、アメリカの自然の風景が大きく影響してるから、日本の湿った自然のよさとはまた違う感性が、人や動植物にも影響するもんだと。
だけど、自分もけっこう同じような感覚で同じようなことしてるっていう共感がどこかにずっとあり、同じような自然の風景の場所に仲間や家族や一人でもよく行くし、ミニバンに乗ってるけどやっぱりキャンピングカーやヴァンが欲しいと思っちゃう。
アマゾンの倉庫や大型ショッピングモールやアミューズメントが田舎の雇用を支え、ノマドの収入をつないでたり。
日本も同じような問題を抱えるに至り、今のアメリカが近未来の日本の姿をいつも教えてくれる。
原作も知らないけど、見終わってから監督が中国の人だと知る。
どこかアジア系の人種や、ネイティブのインディアンの、移動と定住をくり返す大地とのただならぬ関わり方とか。
映画に出てくる砂漠の山々、海辺や川や、巨木が天に昇る深い森を旅し。
めったに姿を見せない野生動物の姿。
高台から見た風景。
ヴァンを運転しながら見渡す光景。
普段は人間だけの都合で合理的に築き上げた閉鎖的な空間に住んでるけど。
生命力は、そんなところから得ることができる。
いつも、家と家族と仕事や学校のある定点から、同心円で広がるように。
西へ木曽川長良川揖斐川を越えて伊吹山の方へ。
池田山を見ながら揖斐川を上れば、朝鳥明神や大和神社や土川商店へ。
白山を見ながら長良川を上れば、白鳥の石徹白や六ノ里へ。
御嶽山を見ながら木曽川を上り、乗鞍岳を見ながら飛騨川を上り金山巨石群や飛騨丹生川へ。
奥三河の古戸や。
熊野や吉野や、飛鳥や奈良へも。
四方八方旅しながら中心にいるわたし。
ノマドな旅を若い頃にしておいてよかったし、今はこんな往き来でじゅうぶん楽しいけど。
この映画を観て、歳くってからでもガンガン旅に出てみたくなった。
都市や病院から離れることで、人間は本来の生命力が漲る。
田舎暮らしも憧れるけど、定点だし。
老後のノマド生活もありだな。
とにかく楽しめればどんなとこに住んでいようが大丈夫。
そんな勇気が湧いてくる。
留まることで行き詰まった不安を背負う必要は無い。
旅人はさよならを言わない。
またどこかで、となる。
定点だと、そこから居なくなる、遠ざかるから、死の恐怖が最大の別れとなる。
ノマドにとってはお互いどれも通過点。
季節が巡るように、また戻ってくる、円環の世界に生きるってことだ。

追記:

ノマドってかっこいい意味でなく、映画の原作が「ノマド 〜漂流する高齢労働者たち」で、車上生活しながら過酷な季節労働する現代のノマド(遊牧民)の姿を浮き彫りにするんだけど、みんな車一台に独り暮らしで行動しながら、悩みもするし病気はするし、ケータイやスマホはもってて世の中とはちゃんとつながってるし、流離いながら、共存してる。
そのしたたかさや、元気さや、謙虚さや、優しさや、力強さがどれもかっこいい。
納得しながらのこうした生活だけど、これは選んだ人生とも違う。
生き辛い現代社会から追いやられたり、野放しにされた結果なのだから。
んで、思ったのが。
日本だと、東日本大震災で故郷を追われた人たちのこと。
コロナ禍という違った状況の中に、似た状況があること。
現代社会が高度経済成長してるときのヒッピーとは違う。
アメリカも、この経済社会も、すでに崩壊の一途を辿ってる中で、一番弱いところにいる人が一番力強く生きていて、次の世界を切り拓いていく原動力になるに違いない。
そこには、闇の中にあるかすかな希望の光が、輝いて見えるからだ。
そんな世の中だからこそ、コロナ禍のような現象が起こり、定住して留まる人たちが右往左往する中で、したたかに生きる人たちが新しい世の中を切り拓いていくことになるでしょう。
映画の中でも、ノマド生活している妹に対して定住している姉が卑下するでなく、アメリカの開拓時代がそうだったようにと褒めたたえ、羨ましく思ってると告白したシーンが印象的だった。

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fuhgetsu

3.5何だかみんな美しい

2021年4月1日
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ノマドという車上生活者を描いた作品。それはもうドキュメンタリーを観ているようでした。
車上生活とかはきっと男の子は一度は夢見たような事で、少しその冒険味あふれる生活には憧れがあったと思います。少なくとも僕にはありました。
が、年を重ねると色々見えてくるものもあり、これはかなり大変な事がわかります。
更にこの作品はそういったマイナス面も掘り下げており、車上生活者と言うある種社会問題に踏み込んだ作りになっていました。
観ていた時は車上生活というのは少し遠い話の気がしてたのです。日本にいるとあまり現実感が無いと言うか。
映画で映されているのは何と言うかさすがアメリカで、まず車も土地もスケールが違いすぎてピンとこないのですよね。
もう車上生活にしっかりとコミューンも形成されているようでしたし。
だからか皆悲観するでなく、しっかり向き合った上でその生活を選んで生きている感じでした。
これもまたその人の人生だと思えるよう。
簡単では無いけれど、確かな自由もそこにあるように映りました。
何だかみんな美しいんですよね、少し羨ましいほどに。

(この車上生活コロナの影響もあり、最近は日本でも増えてきているみたいです。少しずつ問題化しつつあるようで、日本でもちゃんと考えなくてはならない問題なのかもしれません。)

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白波

3.0所属から解放され捕らわれない生き方、生き様。少しだけ憧れるけど。これからの生き方を提言する物語か。

2021年4月1日
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この映画で初めて知った『ノマド』、フランス語の「遊牧民」「放浪者」が起源とのこと。「定住地を持たず移動しながら暮らす人」という本来の意味から派生して、「時間と場所にとらわれずに働く人、もしくはそういった働き方」らしい。2018年のアカデミー賞席巻した『スリー・ビルボード』で主演女優賞受賞のフランシス・マクドーマンドがまさに身体を張った覚悟の超話題作。感想は深い、深すぎる。撮り方、構成、いろんな見方ができる複雑な作品。所属から解放され捕らわれない生き方、生き様。少しだけ憧れるけど。これからの生き方を提言する物語か。

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masayoshi/uchida

4.0なんかすご〜く良い

2021年4月1日
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わからんが良い
しみる

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ゴルフバカ

4.0意外性とオリジナリティー

2021年4月1日
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悲しい

知的

決して大きな起伏がある訳ではなく、ただ観終えて時間が経ってから静かに噛みしめる意外性とオリジナリティー、そして自分自身の人生。

エンタメ作品ではないので、人生を謳歌している若者にはつまらなく映るだろうし、自分も10代20代だったら物足りなかっただろう。

デートには不向きだ。

ただ改めて言うが、この「意外性」「オリジナリティー」は無視出来ない。

そういう意味では、アメリカ社会の知らなかった一面を勉強させて貰いつつ、今後ことあるごとに思い出す作品になるだろう。

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死亡遊戯

3.0不自由だけど自由に生きる人の1年を追ったお話

2021年4月1日
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もっと悲惨な居場所のない高齢労働者の話なのかと思って見始めた。実際は、命に関わる絶対的貧困ではなく、セーフティネットありの相対的貧困の人の話だった。でもそこに至るまでのストーリーに心が痛んだ。アメリカ社会って転職が当たり前の社会かと思いがち。でもそれはanywhreで働ける高収入知的労働者だけの世界なのかもしれない。生真面目な一般大衆は、案外仕事も住まいもコミュニティも、会社城下町に縛られている人って実は多かったんだろうな。いきなり会社都合で自宅(社宅)を追われ、残りたくてもまちが郵便番号もない不毛の土地になるなんて。当然、福島の原発難民のことが脳裏を過った。
コミュ力ってほんと大事。主人公(ファーン役のフランシス・ルイーズ・マクドーマンドはとても魅力的。スリービルボードの続きみたいだ)先々で思い出作ってハグしてBFまで出来てって、出来すぎのような話だ。西部の自然も美しくて、大人のおとぎ話に見えてしまった。だからこそ余計「こう言う人たち、コロナ下でどんな不自由してるんだろう」と思わずにはいられない。
ラストにかけて、ロードムービーに被さる端正なピアノはとても心地良かった。

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Kumiko21

4.0きれいな空気みたいな

高齢化社会の死に方生き方の選択肢のひとつとして・・新鮮です。焚火や鉱物が好きな人、高価な貴金属より川で拾った思い出の石ころを大事にするような人におすすめです。(だとおもう!)

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「大空のサムライ」映画化して!

3.0行者のようなノマドライフ

2021年4月1日
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ノマド生活に対して、人それぞれ思いや考えが有ると思う。この映画の中でノマド生活を送っている人たちについて、彼等の思いや考えは理解出来たが、私は共感出来なかった。

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Oyster Boy

2.0ドキュメンタリー映画?

2021年4月1日
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 仕事帰り、期待を込めて公開初日に観に行きました。NHKのドキュメンタリーのような内容でした。長年連れ添った連れ合いに先立たれ、車に荷物を積んで出かけて行くという内容は、高倉健さんの「あなたへ」を思い出しました。がしかし、健さんは死んだ奥さんの故郷に散骨する、という目的がはっきりとしていましたが、本作の主人公は目的が見えません。
 アメリカを舞台にしたロードムービーをいくつも観てきました。いずれも面白い映画ばかりでした。例えば1991年頃に観たデビットリンチの「ワイルドアットハート」は本当に面白く魂を鷲づかみにされた記憶があります。
 翻って本作は、旅先で何も映画らしいエピソードがありません。年寄りばかりだから仕方ないですが、出演している人の外観が魅力に乏しく、起伏の少ない内容なので、「面白かった」という感覚とは無縁の映画です。では、心に刺さるかというと、全然刺さりません。しかも出演している年寄りは皆さん自分勝手でわがままな人たちばかり、という印象で、僕たちを導いてくれるような立派なことも、全然言ってくれません。
 もちろん主人公を通して現代アメリカ人に対して言わんとしていると、訴えたいことは何となく分かるのですが、僕は日本人なので残念ながらあまり共感もできませんでした。もちろん、ドキュメンタリーフィルムと割り切れば良いのかもしれませんが、お金を払って観に来た人の気持ちも考えてほしい、とも思います。
 そもそも僕が息子の立場なら、父母にこのような振る舞い(車に乗って無目的にふらふらどこかへ行くこと)は止めてもらいたいですし、僕が年寄りの立場になったとしたならば、このように人様に多大な迷惑をかけうる振る舞いはしたくありません。映画の中のあるおばあさんは肺のsmall cell carcinomaになって、余命いくばくもないので好きなことをする、好きな場所で死にたい、と言っていますが、客死は現地の人たちに多大な迷惑をかけますし、治療放棄は一種の自殺に近い感覚を周囲の人に与えるので、家族に嫌な思いをさせるだけです。
 死を迎える者は、残された家族が納得できるように、できるだけ家族に悔いを感じさせないように振る舞う義務があると思います。ましてや酸いも甘いも嚙み分けた老人であれば尚更です。それが出来ない老人は人生の先輩としてもまったく尊敬も出来ません。

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けいちゃん

4.0意思のある「ノマド」という生き方

2021年4月1日
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経済至上主義社会から弾かれた被害者たちの、「悲痛」「厭世」「互助」を描く映画ではなかった。

「将来的な安定」
「暖かな団らん」
「柔らかなベッド」

我々はこれらを幸せの象徴かの様に理解しているが、そうではない価値観があることをあらためて気付かされる。

その良し悪しを問う映画でもない。

自家用車で寝泊まりする人々は日本では「=貧困・可哀想な人々」として捉えられがちだが、ここで描かれる人々は身寄りもあるし、共に生活しようと求めてくれる人もいる。

繰り返し登場する「恐竜」と「石」。
自分が世界に生まれた意味とは何なのか。
その繁栄の末に何を残すのか。
それは偉人だけに与えられた命題ではない。

実際、これを観客として見ていて急に思いが浮かぶ。
「え?私とこの主人公、幸せなのはどっちだろう。」
自らの人生、生き方そして死に方を自分で選ぶ「ノマド」と、資本主義の中で振り回される我々。

他人は自分の人生を生きられない。
正解なんてない。

相対的な平均を基準に幸せを計るのか。
自分の満足をもって幸せと感じるのか。

映画としての評価は、何しろ出演している人たちの素晴らしさ。
そして切ない音楽とアメリカの絶景の素晴らしさ。

観ている間は正直クライマックスに見えない流れも、こうして書きながら思い返すと、感慨が溢れてくる。

See you down the road.

傑作です。

17

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キレンジャー

2.5初っぱなから放◯シーンでドン引きしました。 まぁそうかもしれないけ...

2021年4月1日
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初っぱなから放◯シーンでドン引きしました。
まぁそうかもしれないけどそこは映像にしなくても…というシーンは他にもあって。潔癖症ではないけれども、何だかなぁ…
景色はいいのだけれども、いつか納得できる事が起こると思いつつ欠伸まで出て来て。ノマドという生き方を選ぶ決定的な理由が分からなかった。アイスランドに行くのかなと思ったけどそうでもなく昔の家で泣くという。
私には合わなかった。

後で知ったけど「生きる事は排泄する事だ」
という事らしい。ガーン‼️
それなら見なかったよぉ

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花