ノマドランドのレビュー・感想・評価
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「生きる」意味を問いかけてくる映画です。
アクションもうるさい音楽も、美男美女も美しい夜景もない。
静かに流れる映画時間の中で、私は自分自身と対話をしていました。
自分の感情や想いより、安定・安全な暮らしを優先したいの?
何を一番、大切にして生きていきたい?
「普通」でなくなることは、すごく怖い。
でも、「普通」でいるために、自分の本音を見ないようにしていると感じる時があります。
学歴、性別、出身地・国籍や既婚・未婚など、仕事と直接関係ないことを問わない流れになってきた今、住民登録の有無も関係なくなる日も近いかもしれません。
遊牧民のように、キャンピングカーで移動しながら暮らす人たちが社会的に認知される日が来て欲しいです。
主人公が言うように、ある程度の年になったら貯金をはたき多額の借金をして家を買うという社会規範を疑ってもいいかもしれません。
日本は地震大国なので自宅壊滅の危機もありうるし、アメリカでも昨今住宅ローン破綻が問題になっていました。
自分の頭と心で生き方を選択することはできます。
この映画は、ノマドをその選択肢のひとつとして提示してくれた気がします(*^-^*)
人間らしい"美しさ"
"放浪人" ノマド。広大な砂漠という大自然の中で自由な暮らしを追求する人々の姿を、スクリーンを通してストレートに体感できる貴重な映画でした。
"映像"と"音"という、映画が持つ最大の特権をフルに活用して、砂漠を照らす太陽の光や月明かり、雨風の音や人間の呼吸、土を踏む足音まで、挿入される音楽を極力なくすことでありのままの"空気感"をダイレクトに感じることができました。息を飲む圧倒的な映像の美しさも見応えたっぷりですが、じっくりと映し通される放浪生活を追体験することで、主人公と同じように人生観を深く考え、濃密な時間を過ごしたかのような錯覚を味わうことができます。キャンピングカーライフを送るほとんどの人々が高齢者だというのも、作品をより一層味わい深いものにしていると思いました。大切な人を失ったり、仕事に追われる日々を過ごし心身ともに疲弊した人々が、自由と癒しを求めて放浪の旅に出、お互いに助け合って生きていく様は、本来の人間らしい生き方なのではないでしょうか。美しいのはなにも自然だけではなく、そうやって生きていくノマド達の姿かもしれません。
この映画がアメリカンドリームを体現している、というのを耳にしましたが、あながち間違ってはいないのかもしれませんね。(自由を求めてやってきた移民たちの理想形) 。ただ、アメリカでホントにこんな風な車上生活を過ごしていけるのか少々疑問で、あまりにも理想的に映し出しすぎているかのようにも思いますが、そんなことを言ってもしょうがないので、受け入れます。
自分には彼女達のような放浪生活を送る胆力は到底ありませんが、日常とかけ離れた人生をこの映画を通してほんの少しだけでも体感できたように感じます。たったの100分程度なのに、こんなに濃密な体験ができる"映画"の素晴らしさを改めて実感した作品でした。
See you down the road,
Proレビュアーの方々の神々しい高評価は、too muchな気もするし、かと言って、「共感できない」一点張りの酷評も、私には当てはまらず。ただ、この暮らしを選んだ人たち、選ばざるを得ない人たちの実際を淡々と追う、それ以上でも以下でもない作品。共感なんてしなくてよい。ただ、映像は美しい。同情ではなく、旅情を誘う。
狭い我が国でバン暮らしは考えられないけど、ネットカフェやとある地区の安宿に置き換えれば、そんなに遠くない話。
今すぐ仕事が必要、年金じゃ足りない、しかし貴方の年齢では、、、という冒頭の会話は、遠く見えて実はそんなに遠くない自分たちの未来を見せつけられているようでした。
違いと言えば、別の部分。車上暮らしでも、依存症やPTSDに悩まされても、体験や情報を共有できるコミュニティが充実している社会。悲壮感は薄い。
屋根のある家に暮らしていても孤独な人たちは、我が国の方がずっと多く深刻な気がします。
ベリーショートと、スウェットと、マウンテンパーカのフードが、似合いすぎる60代、排泄シーンも軽々こなすマクドーマンド。彼女以外にこの役にハマる人が考えつきません。そして、彼女以外のほぼ全キャスト、実名出演なのも、なんだか心を掴まれました。
タイトルなし
コーエン兄弟作品でお馴染みで、近年では「スリー・ビルボード」で強烈な存在感を見せつけた名女優フランシス・マクドーマンドが原作本に惚れ込み、映画化が実現した本作。
マクドーマンドは主演も勤めているのだが、全編通してすっぴんで、ノマドの役に説得力を出すために実際に車上生活をしたり、日雇いの仕事にも従事したというのだから、その本気度が窺える。
マクドーマンド以外の殆どの出演者は実際に車上生活を送る人々で、役名も本名である。
始終静かに淡々と進んでいく展開だが、そこには家を持たない者たちの様々な思いが溢れていて、退屈することなく見いってしまう。
ノマドの人たちをただ社会的弱者と決めつけるのではなく、自らが選択し社会のシステムに組み込まれないで生きる人として描いているのが良かった。不幸な目に遭って放浪をしている人もいるだろうが、自分の意思で生きている人たち。マクドーマンド演じるファーンも含め、彼女たちの前には日々困難が立ちはだかり、悩んだり葛藤するが、自然を側で感じ、仲間との交流を大切にする。それが本来生きるということである。それを知っている人たち。
ノマドたちの世界では、さよならがない。一ヶ月後か一年後か、いつになるかはわからないがいつかどこかで再開できる。大切な何か、誰かを密かに夢見て彼らは今日も車を荒野に走らせる。
傑作だと思うが、オスカー取るぞ!という勢いを凄く感じてしまったので、4.5
生きるって寂しい
だからさよならは言わない。またどこかで会おうと言う。
好きなようにやっていく。会えば挨拶をする。軽い気持ちで助け合う。
仕事に家庭に縛られず、大自然の中、自らを拠り所として起っていく。「アメリカ」の見る新しい夢。
感情的な安全が確保できなくなった世界
アメリカ的システムでは、システム化を進めたときの感情的な受け皿を宗教が担っていたが、街ごとコミュニティが消える世界では支えも何もない。
人の不安はどこに助けを求めるのか。
それの一つの形なのかもしれない。
自分だったらこういうシステムには行きたくないと思ってしまった。
楽しい映画ではないですよ!
キャンピングカーでひとり暮らしや旅を考え中の方は必見?
この作品はまさにそこの究極ではあるがそれを訴えているのではない!とにかく年齢がそこそこきている方でひとりの方は色々考えてしまうと思います!気になるなら見てください!
広大な大地と空の変化
大きな事件が起きるわけでもなく、展開が早いわけでもなくエンタメ度は低い為、観る人を選びそう。
圧倒的な映像センスに惚れ惚れするが、あまりにも展開が少ない為、少々退屈に感じた。
今作も原作があり、よりドキュメンタリー的な切り口な為、当然ではあるが…
前作、「ザ・ライダー」の方がより感動的でエモーショナルで、好きな作品だった。
アメリカンは広い!
こんなに広い国土がなければこのような人生は生まれないと思う。ハウスレスのキャンピングカーの一群。これも広大な国土故のありようだろう。狭い国土で育った私にはこの人生は解りようがない。自然との営みと孤独との共存と避けようがない社会の逆風。ただただ圧倒される生き方だった。広大な土地は社会の逆風も孤独も飲み込んでしまうのか!?
広大なアメリカの景色にのまれてしまう
KEEがぁ!
渋川清彦とすれ違った!!
そして同じ回で同じ映画ヲ!?
素晴らしい作品を最高な役者と同じ空間で観れた喜び、二倍得した気分!!!
恵まれた環境があるようで、愛する人を自分の居場所を失い、果てしない旅へ、果てないようで毎年同じようなルートを周り、姉の言葉や迎え入れようとする男性、ショーン・ペンの「イントゥ・ザ・ワイルド」と重なる部分も、老いを突き放すかのように排除する現代社会、デカいトラックで旅をする70も越えたような婆さんの姿が痛々しくもある。
自分自身やお国柄、そこを照らし合わせて観る必要があるのか、少ない年金を貰い帰る家がありTV見たり散歩したり至って普通な平穏を過ごす老後は幸せか。
放浪の民として漂流する現代のノマドに憧れながらも致し方ない厳しい現実を踏まえつつ、現代社会から逸脱した自由を謳歌しているような、簡単には捉えられない問題や事柄。
クロエ・ジャオ、前作「ザ・ライダー」に続いて素晴らしい作品を撮りながら、次作はアンジーでMCUからスーパーヒーロー物を、着々とアン・リーと同じ道を進んでいるのを良しとするか!?
自由と孤独
ホームレスじゃなくハウスレス
リーマンショックで会社が倒産し家どころか街ごと閉鎖という日本では想像つかないことだけれど
愛する夫も失い車上生活をするロードムービー。
独りで各地を転々とするけれども出会いや友達もいて決して本当の孤独ではないし雄大なアメリカの自然の中で生きる暮らしは自由を謳歌しているある意味で贅沢な暮らしにもみえる。
なのに漂う孤独感、喪失感に胸をうたれる。
自由と孤独
持つ事と失う事
それぞれの価値観がどれも間違いじゃなく
ファーンは孤独の中で大切な思い出を噛み締めながら生きることを選ぶ。
ノマドの生き方も素敵だけどいつかは
また愛する人と暮らすことを恐れずに選択してほしいと思った。
心を静めてくれる
仕方なくキャンピングカーで放浪し、各地の派遣の仕事をしていく
何気ない日常を淡々と描いている。画面いっぱいにアメリカの壮大な景色が映し出されて、言葉やストーリーがなくても感動した。
貧しくて、明日をどう生きるか精一杯ではあるけど、映像の美しさや繋がりが人間的な暮らしってこうゆう事かなと考えさせられる。(都会暮らしの人間が田舎に憧れる的な安易な考えですけど)
マクドーマンドの少し変わっててとっつきにくいけど、憎めない感じがクスッとさせてくれて、暗くならないのがいい
またその仲間もみんないいキャラで、支え合いの心地よさが伝わる。
また見たくなる映画でした
人生の最終期を想像して、孤独でいることの恐怖ばかりを感じてしまった。
自分も間もなく高齢者の仲間入りをする。定年を向かえても生きるために働かなければならず、そのうち職探しをすることになる。
高齢者となって季節労働のクチを渡り歩く生活は、想像するだに過酷だ。そのほとんどは肉体労働でもある。
この映画に登場するノマドたちはほぼ高齢者。彼らは共同体(仲間)として助け合ったりはするが、群れて暮らすことはしない。一時共に働き、それぞれの別の職場に向かって旅立つ。かなり意思が強く独立心がなければ出来ない生活だ。
多様な生き方のひとつではあるが、ひとつの方向の究極に位置すると言えるのではないだろうか。
病気になって動けなくなったら、広野の真ん中で車が故障したら、独りで死んでいく覚悟があるのかもしれないが、自分は考えただけで怖い。
映し出されるアメリカの広大な自然が、その恐怖感を増幅させる。自分は自然のなかでのサバイバルは無理な人間だ。
主人公はやむなく「ハウスレス」の生活を余儀なくされたのだが、出会うノマドたちから生き方を学んでいく。
皆がみんな死ぬまで放浪生活を続けるわけではない。安住の地を見つける者もいる。
主人公はこの先どうなるかは解らないが、映画の範囲では車上こそが自分の居場所になってしまったようだ。
どんなに元気でも人は歳とともに衰える。誰かとひとつ屋根の下で暮らすことに違和感を覚えた主人公は、いつまでジプシー生活を続けるのか、続けられるのか。
家があっても、子供たちは離れてそれぞれの生活を送っているし、親類縁者が近くにいるわけでもなく、ご近所付き合いも希薄なのだから、自分にも孤独死の最期が待っているのかもしれないけれど…
☆どなたか、私がこのサイトに投稿しなくなったら、気づいてくださるだろうか☆彡
これまでも逞しい女性を演じてきたフランシス・マクドーマンドが、かなり身体を張って演じている。彼女以外のノマドたちはほぼ本物だというから、マクドーマンドの「うるるん滞在記」なのだと思うと、物語とは別の面白さがある。
自分も「体験入学」程度ならやってみたい気はするが、きっと耐えられないだろう。
私のような凡人にはわかりませんって。
アカデミー賞審査員の人たちが「これは芸術だ!」ってもてはやしてそうな作品。私には面白さを感じられませんでした。多分外国の方だったら現実味を帯びてて面白いのだろうけど私のような田舎者の日本人にはどう考えてもフィクションに見えるんですよね。色んなことを知ってるってやっぱり大事。
まあ私に合わなかったというだけで名作だと感じられるステキな感性を持った方もいらっしゃるのでしょう。
でもよかったところもありますよ。まず役者さんの演技ですよね。主演女優賞を取っていただきたいです。喜怒哀楽全ての感情の表現がお上手でした。
そして撮影ですね。凄く綺麗です。こっちもアカデミー賞を取ってほしいです。
僕でも分かる凄いところはこの程度。もっとあるんでしょうけどね。
とりあえず「エターナルズ」が楽しみです。
エンタメ要素は無い
抑揚は特になく
さまざまことが淡々と進むけど
観ている我らが考える
車の故障、排泄、病気と言った
現在の遊牧民に降りかかりそうな困難を
ひと通り見せてくれる
時に留まり
時に移動し
時に止まる
まさにアメリカ人の原点のような生活を見れたことが
この映画の価値かと思う
RPGの序盤〜中盤
アカデミー賞候補ということで鑑賞。
架空の人物のドキュメンタリーだなぁって感じです。大きな展開があるわけではないのでドーン!と面白い部分はあまりないです。
車生活というもの自体は面白そうだなと思いました。ただ屋根のある場所で生活している自分はこの生活に耐えることはできないんだろうなと第三者視点で思いました。
アカデミー賞の作品あまりハマらない…
鑑賞日 4/5
鑑賞時間 11:30〜13:30
座席 E-15
世界は広いなぁ...
淡々と、ノマドの生活を描いたドキュメンタリーみたい。
小さな島国「日本」では、だいぶ馴染みがないなぁ…。
こういう生き方もあるのか。と、とても興味深く拝見しました。
温泉旅館を住み込みで渡り歩くとは、また違うもんね。
フランシス・マクドーマンドのナチュラルなお芝居が素晴らしく、
風景の広大さとともに、魅了されました。
世界は広いなぁ...。
人間の心も、はかり知れないなぁ...。
全413件中、241~260件目を表示