ノマドランドのレビュー・感想・評価
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凄い、凄いけど攻めすぎ…
映像の美しさがこの映画の非常に重要な要素だと感じます。特に印象的なのは日の出、日の入りの荒野の映像でした。とことんドライなストーリーをとんでもなく美しい映像で観客に許容させる…様な感じでしょうか。
ドライなストーリーとは、状況を小出しで説明して心情に関わる部分は絶対に言葉にされない状況を指します。ほぼ起承転結はなく、最終的に観客が彼女を理解して終わるのみだと感じます。映像の美しさは前述の通りではありますが、演技の部分も当然素晴らしかったです。
アメリカの状況への憂いという社会的な側面と、あくまでフィクションとして描かれる主人公の突き詰めた孤独と心情、映像のクオリティから溢れる監督のアメリカへの深い愛。これらの強く要素を感じました。良い映画だったと思います。
けども、無条件に面白い映画だとは言えないレベルの高すぎる映画でした。
空とノマドの表情の美しさ!
ただただ考えさせられました
タイトルなし(ネタバレ)
失ったものをどこか探し求めてる、それを何かで埋めようとか、新しい居場所とか、もしかしたらまた会えるんじゃないかとか、そんな感情が作品から溢れ出ている気がします。
なんていうか物って捨てられないんだよね。
自分で手を加えたり、長く使ってきたものって思い出や愛着出てくるから手放せないのはわかる。
それこそ愛する人と一緒に住んでいたときの家財を処分するなんて本当に辛いし、無理だ。
自分も最近の断舎利ブーム?で結構物捨てるので捨てちゃえばいいのにって思うけどやっぱり捨てられない!
賃貸ガレージ?取っておいた物を捨てたときは何をおもったのかな。
そういうタイミングがくるまでってやっぱり時間が必要だと思う。
思い出のあるものって時には足かせになってしまうときもあるし、バーって全部捨てて身軽になりたいって思うときもあるけど、一方で帰る場所があってそういう物に囲まれてる空間(家)ってのもすげー嬉しい事なんだよね。
この作品はそういう要素が良い感じのバランスで描かれていると感じた。
変わり果てた社宅の裏から見える景色はどう映っていたのか。
夫と一緒に住んでいたときとは違って見えたのかな。
デイヴや姉に一緒にくらそうって言われても断り、ノマドでいることを選んだことに答えのひとつがあるのかもしれない。
あとAmazonね。いやなんとなくはわかるんだけど現実味もあるんだけど、心の中でAmazonで働く描写に少し引いた(笑) ほんとにちょっとだけ。たぶん何かに期待してみちゃってるのか。
あとあれだスマホあれば世の中だいたいなんとかなるんじゃないかとすら思えてくる。
GPSとか使えるテクノロジーは使いまくって何かを探すなり空いた穴なりを埋める。死んじゃいかんし、ある程度の保険は大事。
アナログとデジタル、バランスよく付き合って生きていきたいな。
もう少し死に近づくか、死を意識するような体験があるともうちょい共感できたりするのかな、と思ったりもした。
人生に対する老いと孤独について、問題っていう認識じゃないけど、問いかけや自分なりの答えを探すのは難しい・・・。
孤独を抱えて生きる
さよならって言わないのはなんかイイよね
遊牧という仕事
暇だから見たんだけど…
旅人たちは「また会おう」が合言葉!
この映画は、ズバリ老いや死という問題をシンプルに取り上げているので、そのことに関心のない方は、面白くない映画でしょう。また、全編を通じて、弾けるような明るさはひとつもありません。静寂の中で、幸せを感じて淡々と生きていきます。終活を考える人にとっては、いくつかの貴重な示唆があると思います。最初の方で、アマゾンの工場で働くシーンがありましたが、巨大企業の工場の存在は、まさに作品と拮抗する経済エネルギーの象徴のようでした。観ているうちにタイトルの本当の意味がわかってきます。家のない人が主人公なのです。しかもそういう人間を生み出しているのも、アメリカの政治でありつつも、逆に自由主義国の自由さという側面もありました。主人公たちは、常に色んなところで仕事しながら自由さを楽しんでいます。まさに「家は心の中にある」というセリフそのものです。思うに、人間は生きている間にたくさんの体験をしたいという願望を持っています。その願望を果たすために、彼らにおいては定住を拒否し、旅に出るのでしょうか。彼らが集まる集団生活は、小さな村のようですが、このスタイルはコロナ禍を乗り越えた先にある、一つの組織のあり方のような気もしました。日本で言えば、縄文時代のスタイルです。そして、死の問題については、彼らは楽しく生きることで、平然と乗り越えているような気がします。しかし、それは定住を求める人にとっても、意識の高い人間は乗り越えていることなのでしょう。もともと主人公は、愛する旦那との別れの悲しみから旅に出た。いつかきっと再会できる気がしてキャンピングカーを購入して、旅に出たのだと思います。彼らにとって大事な合言葉は「さようなら」ではないのです。「また会おう」なのです。永遠に繋がる素敵な天国言葉だと感動を新たにしました。
若い人も観たらいい。
自由に生きると孤独になる。また、逆もしかり。
アカデミー賞取った作品にしては、なにかしら一風変わった作品。
僕も経験あるんですが、バツイチで現在未婚の僕はよく既婚の友人から「自由に生きれてていいよね、羨ましい」とか言われます。
が、僕自身は、内心は孤独で寂しいのです。
でも、結婚していた時は、孤独ではなかったけれど一人の自由な時間を欲していましたね。
結局、どちらか、なんです。
不自由でも人に満たされた生活をとるか、自由に一人で好きに生きるか。
この主人公の場合、別に孤独を求めている訳ではないけど、以前の夫のことを忘れられない。いや、忘れてはならない、と心の芯で強く思っています。だからこそ、あえて孤独の道を選んだんです。
前の夫を思い続ける限り、満たされた生活をすることは許されない、と、自分自身の強い意志を持ってノマド人になっているんですね。
だから、誘われてもノマドを続けるしかない。
誘いにのってノマドをやめてしまうことは、前の夫の事を葬り去ることになるから。
決してノマド生活が悪いものではないけれど、それ以上に、記憶が、感情が、彼女をノマドにさせているんですね!
なにかしら、少し寂しくも儚い話でした…。
そして、こんな映画ばっかり見ている自分は、はたしてまた結婚できるのでしょうか?笑
いろいろ考えさす
観た後の余韻が続く
粗筋を読むと、現在の格差社会を告発する作品のようだが、季節労働の悲惨さはあまり強調されない。「ホームレスなの?」と小学生から尋ねられた主人公ファーンが、「ハウスレスよ。ホームレスとは別物」と強調したように、現代のノマド(流浪の民)として、オカネに縛られず移動の自由を謳歌するのだ。
実際に、アメリカでは高齢者の車上生活者が多いらしく、主人公ともうひとりの男性(ボーン・アルティメイタムの悪役)を除いて、実際のノマドが実名で登場しているので、ドキュメンタリー映画のよう。
アメリカ西部の風景が美しく描かれ、広大さを実感する。あぁ、いつかはアメリカの自然豊かな風景を実際に目にしてみたいなぁ。主人公の生き方について、賛否が分かれると思うが、個人的にはヨシ!である。
柔らかいたまごの殻が浮かぶ水面
言うまでもなく、現れる風景のすべてが美しい。
自らの人生を語る人々の、皺の刻まれた顔に寄ったカットが多かったのも印象的だった。
幾百の燕の巣に覆われた崖、柔らかいたまごの殻が浮かぶ水面、これは本当にどこかで見ることができるのだろうか。涙が出た。
楽しい出来事があり、自然は美しく、他人は優しい。
それでも世界には「誰も」いないと気づいてしまう。彼方まで続く砂漠。誰もいない、あなたがいない。
逃れ得ぬ孤独の存在は、例えノマドの生活をしていなくても、多くの人の身に覚えがあると思う。
わたしもある。
誰もいない朝の重力、迫り来る夕暮れ、眠り方を忘れた夜。
映画を見て家に帰った後も、余韻のなか、寂しい気持ちで今これを書いている。
帰り道に買った海苔巻きが美味しくて、少し元気になった。
自分はしないけど、これも1つの生き方
アクションとかサスペンス、アニメ、アドベンチャー系などが好きなので、
ドキュメンタリー風なタッチの映画なら見ないつもりでいたんですが、アクセスランキング上位に来ていて気になり始めて鑑賞しました。
ある程度レビューも読んでいたので、淡々と主人公の生き様が描かれていることは分かっていて、「起承転結が無い日常をただ描いているのは逆にどうやってこの映画を終わらせるんだろう?」とそこに興味が湧いてきました。
おそらく伴侶を無くした場合、高齢だと体力的な問題もあって大抵はその家から完全に離れられる人は少ないでしょうけど、
いつまでも伴侶のいない家から、景色だけは変わらずそこに残っていることに耐えられない時、もしまだ体力があるなら、
「伴侶がいた時は見たことが無かった景色を見ることで、伴侶のいない空虚な気持ちを和らげる旅」に出ることを、主人公は選んだのかもしれないな、と思いました。
きっと伴侶がいた時の、同じ砂漠の景色を、同じ窓から自分1人だけ見ていることに、主人公は耐えられなかったのかもしれない。
でも、現実的には自分ならその都度稼ぐ旅暮らしはしないし出来ないだろうな、と思いました。職を転々と変えるということは、ふらっと立ち寄る人でも出来る仕事ということ。つまり来年もまたAmazonとか、今年短期就職した場所に、年齢が上がってもまた雇ってもらえるかは不透明。そして来年になり年齢が上がるほど、立ち仕事とか掃除の仕事もある程度体力が必要だし、雇う側になればなるべく若い体力のある人を雇うと思う。
そんなに、年に何回も就職活動しなきゃいけない生活はしたくない。それは無理。なんとか出来る職を見つけたら、なるべくそこに長く留まりたい。
主人公は臨時教員にもなってた。それなら教師を続けたらいいのに、安定してるのになって思ってしまいました。まぁ、最初から勤務年数が決まってたのかもしれないし、本人が永続勤務を希望しなかったのかもしれませんが。
多分、80歳とかになったらいくら車が運転出来てもAmazonとか倉庫のピッキングとかの仕事は就職出来ないと思うし、年金以外に仕事もするとしても、もう少し体力的になんとかなることを探さざるを得ないと思う。
ただ、伴侶が無くなったあと、人によっては子どもが先に他界した場合などで、どうしてもそのまま今の家に留まり続けることが精神的に辛すぎる時、
ある程度体力がある人は、気持ちを落ち着かせるために、完全な答えが見つけられなかったとしても似たような辛い境遇の仲間と出会う中で、自分なりに喪失感や空虚感に折り合いをつけるための1つの手段として、
3年だけ、とか期間を区切って放浪の旅に出るのは悪くないのかな、と思いました。
私は映画を見たりするために少し家を出るのは好きだけど、やはり終わったら家に帰りたい。布団とお風呂とウォシュレットのトイレが無い生活に何年もいたら、そのほうがストレスで無理です。何を見ても伴侶を思い出すとしても、その中でどうやって1人で生きるかを全力で探したい。その日暮らしはしたくない。
ふと、亡くなった祖父が、祖母を亡くして15年以上気丈に暮らしていたことを思い出しました。それまでしていなかった台所に立って孫の私の為に時間がかかってもお好み焼きを作ったり、祖母と一緒に通った近くの畑にも行っていて、多分祖母との思い出を辿りながら、そのままその家で暮らしていたのかな、と思いました。
でも、映画として、これも1つの生き方なんですよ、と提示したことは理解しました。人はみんなそれぞれに違うので、自分なりを生き方を見つけられたらいいんじゃないかな、と思います。こういう切り口の映画は初めて見ました。
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