ノマドランドのレビュー・感想・評価
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ドキュメンタリーのような作品
不況の影響で企業下の街に住んでいた主人公が車上生活をしながらアメリカを転々としながら、同じ車上暮らしをしている人たちと交流しながら再び住む家を探しながらアメリカを放浪する映画。
この映画でアメリカという国が過酷で人間味のある国だと感心しました。車上生活で一番つらいことは「寒い」という環境が人間にとって過酷な状況だと思いました。映像を見ているだけでも肌に突き刺さるような冷たい空気を見せられて、車上生活のリアルな現状を観ることができました。
過酷な環境で生きる主人公はわが道を行く独りよがりな性格で、同じ車上生活をしている人たちからのアドバイスを受けるんだけど、聞き入れようとしない姿勢が、私個人的に理解できなかった。
それでも主人公に対して親身になって接してくれる人たちに対して、アメリカは複雑な国なんだと知るようになりました。
生き方のバイブル
タイトルから流行りの「ノマド」や「ミニマリスト」の話に思われがちだが、ノマドライフを称賛するだけの映画ではない。ミニマルな暮らしも資本主義経済どちらの良さも描かれている。決して文明や文化を否定しているわけではないのだ。その立ち位置がこの作品が評価される所以ではないだろうか。
車生活をしながらAmazonの工場で働く人たち。大量生産大量消費、大規模流通の経済や、華やかな商業施設も登場し、その狭間で揺れ動く心情を映しながらそのギャップを表現している。
ただどちらにせよ、人生において最も価値あるものは「時間」であるということだ。そのすべての人に平等に与えられた時間で何をするのか。
牧歌的な暮らしが心地いい人もいれば暇な人もいるだろう。文明の発展で楽しさの恩恵を享受している人は多い。「映画」だってそうだ。
どちらが正しい、優劣の問題ではなく、とにかくやりたいことをやった方がいいと思う。いつ死ぬか分からない限られた人生なのだから。
人は誰しも、生物はみな、いつかは必ず滅び自然に還っていく。排泄物やうがいした水、切った髪の毛などを道端の土の上にそのまま捨てている姿が、コンクリートとモラルに囲まれた今の世の中の規範を皮肉っているようだった。人間だって生態系の一部だ。
でも肉体は消えても思い出は残り続ける。語り継いでいくことでその人を長生きさせることができ、それがなによりの供養になる。
現代は貨幣経済の歯車の一部で止まると生きていけないサイクルに巻き込まれている。当たり前のことだが、働くために生きているのではなく、生きるために働いている。
でも一方で、働くこと=誰かの役に立つことは大事なことで生き甲斐でもある。
貨幣だけに踊らされず、その先の付加価値の交換と幸せの総和が重要なのだ。無駄な物や欲を持たずシンプルに生きることは幸せへの一歩だと信じている。
この映画を観たすべての人にムヒカの言葉を送りたい。
「あなたがもし何かを買うとき、それはお金で買っているのではないのです。そのお金を稼ぐために費やさなければならなかった人生の一部の時間で払っているのです。」
多様な生き方が認められはじめているいま、これからの人生について考えるすべての人に観てほしい素晴らしい作品。
孤独
ドキュメンタリーとしては脚本がしっかりしてるが
なんとも言えない鑑賞感
綺麗な空気がたくさん吸えました
考えさせられることの多かった映画の1本
ノマドという生き方をしている人を知って考えたこと。
①ノマドの人々は家に閉じこもっていないし,
生活情報や労働に関する情報が必要なため,
人と接する機会のある生き方だということ。
なかには,感銘をうける人,気の合う人もいるだろうし,
もう二度と会いたくない人もいるでしょう。
ベースは孤独でも,
人と出会い,連帯できる機会が持てるところが良いところだと感じました。
②旅を続けるので,いろんな世界を知り,自然に触れ合える生き方だということ。
自然の美しさを,同乗させてもらっている感覚で堪能しましたが
でも,自然は厳しい。
車上生活で寒さ暑さは耐えられないこともあるでしょう。
映画の中ではあまり語られていなかったけど
路上では怖い思いをすることもあるのではないかと想像できました。
映像や音楽が美しい映画でしたが
実は
見終わった後、
私はただただ体が寒かった。
冬や雪山の景色、寒い車中生活の
シーンが印象深かったからでしょうか。
あたたかい服装で鑑賞されることをお勧めします。
自分の価値観と向き合う作品
ファーンの飾らない旅を覗かせてもらったようでした。
止むを得ず車で暮らす者たち、、そんな話ではなかったです。
勉強して、安定した仕事を見つけて、働いて働いて
お金を稼いで家に帰ってご飯を食べて寝る
一般的な幸せに思います。
生まれた瞬間から死へのカウントが始まっている
分かっていても保険だらけの人生を歩みます
日本に馴染みのないノマド
訳あり、苦労人、はじかれた人かと思いきや
望んでこの暮らしをしている人々もいました
自分という人間を生きたい
命を燃やしているように思いました
自分の知識のなさ、価値観の狭さが恥ずかしくなりました
私たちが屋根の下にいる間に
ノマドの人々はこの地球で起きている奇跡を日々、
目の当たりにして出会うこともなかった人と出会い
言葉を交わして時には物々交換して仕事をして
またどこかで笑顔で再会する
現実的に、日本でこれをするのは難しい
子供がいたら尚更
馬車馬のように働いて、
働けなくなれば野に捨て放たれる
このような人が沢山いるのだと思います。
頑張った人には幸せが待っていてほしいです。
何が幸せか何が大事か何を思って生きるか
ある程度の自由があるこの時代に
残されたあなたの人生、どう生きる?
と今この時代に生きる地球人に投げかけられたような
スクリーンの中で完結しない作品でした。
ある日、大切な人を亡くす
この世界のどこを探してもいないけど
自分の中にあるその人との思い出は大切にしたい
そうしたいと思えました。
焚き火を囲んでノマドになったきっかけを話すシーンがとても良かったです。
一度きりの人生、納得のいく生き方を。
車旅、景色の綺麗さにつられたけど期待と違ってた
予告動画が綺麗で、キャンピング的な面白いものや、心が穏やかになるものを期待していましたが、
内容は期待外れでした。
見終わった後ちょっと寂しい気分でした。
日本でのキャンピングカーは、老後の楽しみのような一種贅沢な趣味という括り。
この映画は、家を持たず(持たざるを得ず)期間工などで稼ぎしながら、生活している
高齢の方々のドキュメントに近い作品という印象でした。
ある企業が無くなると、街一つ捨てるようにして人々が消えてしまう
キャンピング施設でなく、広々とした荒野でヒッピーみたいな人々が集まれる放置された場所がある。
アメリカ、広いなーと驚くことばかり。
ちょっといいなと思ったシーンは、
ある女性が亡くなって、皆で焚き火を囲むシーン。
いわゆるお葬式よりもこちらの方が素敵でした。
どこに暮らしても
#35 余計なものは要らない
フランシス・マクドーマンドありきの作品。
彼女以外にこの役をこなせる人が思いつかない。
思い出から逃れるためにRV車で放浪の旅に出た主人公が、いろんな人々と触れ合ううちに思い出と共に生きていく決意ができるまでを描いた作品。
あんな風に特定の場所に住まずに、必要な物だけ持ちながらその場その場で働いて生きて行けたらなあ。
ノマドの人はほとんど高齢者というところが日本と最も違う。
アカデミー賞効果のせいか東京から人が流れて来たのか平日昼間なのに結構人が入ってた。
コロナ禍じゃ放浪の旅どころか映画も自由に観れないよ😿
生き方、暮らし方は人それぞれ
キャンピングカーで旅をする。
私が老後にしてみたいことの一つだ。
そのイメージは持家があり、旅はあくまでも観光主体の趣味であって、生活ではない。
未亡人の主人公のファーンは、家を手放し家財を倉庫に預けてバンで旅に出る。Amazonや季節労働をしながら生活費を稼ぎ、定住しない自由気ままな車での生活。
行きたい時に行きたいところに行く。
多くのノマドと会い、仲間も得るが、皆戻る場所を持つノマドが多かった。孤独を感じた時、寄り添う相手の側での定住を選択しなかったファーン。
高齢で車上生活をしていくことの本当の厳しさを経験しながらも、最後に倉庫の家財も処分し、完全なノマドとしての生活を選択する。ファーンの後ろ姿はどこか達観しているようだった。
美しさの中にある"何か"を感じる為の作品
本年度アカデミー賞 作品賞 受賞作品。
経済不況によって長年住み慣れた家を失った女性がキャンピングカーで旅をしながら再出発し、そこで出逢う人々との交流をアメリカ西部の広大な自然を背景に描いていくロードムービー。
率直な感想として、とても素晴らしい作品でした。
従来のロードムービーは人と人との交流や友情などに重点を置き、そこにある感情を読み解くことで共感を得るのがスタンダードであるが、本作はその交流や感情に重きを置いてはいない。代わりに自然の美しさや雄大さを余すところなく前面に映し出し、失った"何か"を探す旅のなかで、人間という存在がどれほどちっぽけなものかを感じさせてくれる作品に思えた。
更にストーリーを進めていくと、主人公のファーンが探しているものは実は見つからないのではないか、"何か"とは形としてあるものではない"何か"なのか、自然の美しさが目立つ前では何もかもが小さく見えてしまい、そもそも探している"何か"というもの自体ないのでは?と考察が膨らんでしまった。私の映画知識の中でそれはとても新鮮な体験で、観る者にそういった感情を抱かせてくれるのも新鋭クロエ・ジャオの手腕なのではないだろうか。旅を重ねていく中で、沢山の人との交流のなかに様々な思いを感じ取っていくファーン。そこに明確な答えはなくとも、それぞれがこの生活に誇りと自由を持って生きていることに感化されていく彼女がまた美しく画面に映っていた。
ラストも明らかな答えというのはない。だが、その答えは観る者に委ねられる。この後、ファーンはどのように生きていくのだろうかと考察することでこの作品は美しく輝くのではないだろうか。
夢の国
私は一人で行動することが多い
映画も一人で行く、山にも一人で行くしランチも一人で食べに行く
ある人の本を読んでから自信を持って行動できるようになった
その本にはこう書いてあったから
「寂しいことは悪いことではない」
こんな簡単なことに気が付かされた
ひと所に長く住んではいるがどうにもしっくりこない
この映画を見て思うのだ
私にもこんな生活ができるのかもしれないと
祖先はきっと農耕民族ではなかったのだろう、家を快適にするよりも持ち物を減らせるだけ減らして素早くあちこちへ行ってみたいと思う
知らない場所へ、知らない人に出会って、そしてまた知らない場所へとさすらってみたいと思う
寂しさよりも明日への楽しみの方が強いのではないだろうか
ノマドのように移動して働いてまた移動してまた働く
私からしたらとても自由で魅力的で贅沢に思えてなりません
許されるならば今からでも………
苦難にも負けず
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