おとなの事情 スマホをのぞいたらのレビュー・感想・評価
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実験的設定のもとで楽しむ人間観察
舞台演劇を元に作ったのかと思わせる密室劇だが、2016年のイタリア映画がベースになっている。イタリア版未鑑賞なので本家の設定を調べてみたが、幼馴染同士で気軽に催されるホームパーティーという、日本ではイタリアほどには馴染みのない設定を本作では上手くローカライズしてあり、日本版ならではのちょっとした謎にもなっている。 会食の場でスマホを公開することから次々と暴露される互いの秘密の内容も、大筋はオリジナルを踏襲しながらも細かい部分は日本においてリアリティのあるものに変えられていて、妙な生々しさがある。仮に現実世界でそれがバレたなら当事者同士の関係修復が不可能そうなものが混じっているので、くすっとしつつも時折「これ、笑っていいんだろうか…」という不穏な感じがよぎった。イタリア映画でイタリア人がやらかすのを見るほうが生々しさが薄められ、イタリア人的ノリも加味されて単純に笑えたかもしれない。 そもそもこの作品は、大人が抱える本音や秘密を互いにオープンにした場合に起こる、面白い化学反応を見るための思考実験のようなものなので、登場人物の人間性を批判したり、お膳立てに泥臭いリアリティを求めるのは野暮だろう。例えば、木南晴夏演じる杏はこの実験の口火を切るキーパーソンだが、生真面目に鑑賞するとただのサークルクラッシャーで腹が立つだけだ。 スマホは持ち主の偽らざる本心の象徴だ。登場人物の誰かにイラっと来たあなただって、他人に言えない本音や秘密があるでしょう?人としてこうあるべきといったお説教はゼロで人間臭さをありのまま描写する映画。ちなみにノザキのコンビーフの壮大なプロモーションビデオでもある。 真面目だが不器用であか抜けない塾講師を演じた東山紀之は、普段の俳優業は二枚目の役柄に偏っていて、情報番組等でもそのキャラを守っているイメージがあった。今回、そんなヒガシがどれだけ突き抜けた演技をするのか注視していた。 何故なら、18か国でリメイクされた本作のサイトにある他国バージョンの予告編を見ると、オリジナル含めほとんどでヒガシの役には生え際の後退したふくよかな俳優が当てられていた。そのキャスティングの是非はさておき、これはヒガシが普段のイメージを捨てて、相当役に寄せる必要があるのではという印象だったからだ。 結果、これは本当に私の主観だが、ジャニーズのオーラを消せていなくてちょっとがっかりした。そこまでひどい棒演技なわけではないし、意外性を狙って頑張ったんだなと思わせる場面もあったが、どこか最後のラインを守っていて平常時の彼の影が消えなかった。 ハゲてくれとまでは言わないが、髪型が東山紀之のまんま過ぎたので、せめて違う髪型にしていればもう少ししっくり来たかも知れない。 追記 配信でイタリア版観賞。ジェノベーゼ監督のインタビュー記事も読んで、恥ずかしながらラストの意味がやっと分かった。 日本版も同じオチを描いたつもりなのかも知れないが、圧倒的に分かりづらい。違うオチでは話が締まらない。 イタリア版のラストにこそこの物語の個性が詰まっているので、そこを観客にきちんと伝わるように描かないと物語の魅力が半減するのでは?
世界中で大絶賛の名作「おとなの事情」。シチュエーションコメディとして迫真の演技と共に楽しめる作品。
本作は、イタリアのアカデミー賞(にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)で「作品賞」と「脚本賞」のW受賞を果たしたコメディ映画「おとなの事情」の日本版リメイクバージョンです。 私は日本版にアレンジされた本作のほうが楽しめました。 日本では海外ほど定期のホームパーティーは馴染んでいないように感じましたが、本作では「ある仕掛け」を導入することで自然となっています。 本作の面白さは、スマホという個人情報の集積に隠された登場人物それぞれの秘密が徐々に明かされていくことにあります。 私は序盤の登場人物の登場シーンの演出や、普段の様子、集まっていく模様がテンポ良く好きです。 中盤では楽しみとドキドキなど、笑えたり、ハラハラしたりと、いろんな感情が交差していきます。 「果たして最後にどうなってしまうのか?」と予測不能な領域まで行ってしまいます。 鈴木保奈美、常盤貴子、東山紀之、木南晴夏、田口浩正、益岡徹、桜田ひよりなど、なかなか豪華な俳優陣となっていて、彼らの演技も見どころのひとつです。中でも、本作で初めて認識した「おバカな雇われレストランの店長役」の淵上泰史は、豪華俳優陣に負けない存在感で本作を機に注目されるのかもしれません。 謎のコンビーフ推しや、チラッと映り込む新聞記事など、最後にキチンと納得できる脚本と演出になっています。
お互いに、 携帯をオープンにしないといけないとなると、 そりゃ、 ...
お互いに、 携帯をオープンにしないといけないとなると、 そりゃ、 誰しもが幸せにはならないよね。 まずはこれを最初に言い出した奴が一番の悪だw とはいえ、 そこからお互いの知られたくない 暴露が一斉に始まり、 仲良しグループであったはずのメンバーが騒乱を巻き起こす。 全体として面白かった。 欲を言えば、 もう一個くらい、 最後に大きな爆弾仕掛けて欲しかったが、 全体として面白く見れた。
ジャニー喜多川のセクハラ問題の渦中にある東山紀之が あんな役で出演しているのはちょっと笑えないかも。 なかなかの秀作コメディだと思った。
動画配信で映画「おとなの事情 スマホをのぞいたら」を見た。 劇場公開日:2021年1月8日 2021年製作/101分/G/日本 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 東山紀之 常盤貴子 益岡徹 田口浩正 木南晴夏 淵上泰史 鈴木保奈美 世界18カ国でリメイクされた イタリアのコメディ映画「おとなの事情」の日本版らしい。 世界中でリメイクされるほどだから普遍的な面白さがある筈だろう。 1年に1度集まっている3組の夫婦と1人の独身男。 今年も楽しい時間を過ごすはずだったが、 1人の参加者の発言がきっかけで、 それぞれのスマホに届く全てのメールと電話を 全員に公開するゲームをすることになった。 後ろめたいことは何もないと言いながら、 実は全員が絶対に知られたくない秘密を抱えている。 参加者全員が自分のスマホが鳴らないことを祈っていた。 スマホに着信があるたびに飲み会は修羅場と化す。 そして事態は予測不能な方向へと転がっていく。 常盤貴子はデビュー当時からスタイル抜群だった。 今もワンピースがよく似合う。 益岡徹は常盤貴子のメジャーデビュードラマで共演していた。 ジャニー喜多川のセクハラ問題の渦中にある東山紀之が あんな役で出演しているのはちょっと笑えないかも。 なかなかの秀作コメディだと思った。 満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
コメディーとして見る大切さ
色々突っ込むところはあるのかもしれませんが、コメディとしてリメイクされるだけのいい話でした。 オリジナルを見てないので分かりませんが、日本版としていい役者を揃えたのではないでしょうか。 テンポも小気味良く面白かったです。 絆って面白い。 真っ直ぐ人と向き合うことは大切ですね。
スマホを踏み絵にして試される仲間の絆
ブラックコメディの領域では収まり切れない、なかなかの怪作である。スマホという現代的で身近なものを利用した個人情報暴露ゲームで巻き起こる騒動を面白可笑しく描きながら、最終的には、苦難を乗り越えた仲間の強い絆に物語を導いて結実させる展開が斬新である。さすがに世界18か国でリメイクされただけのことのあると納得させられる。 本作の舞台は、皆既月食の夜。気の合った七人(三組の夫婦と一人の独身男性)が集うパーティー会場。彼らは共通の体験をした仲間であり、毎年パーティーを開いて交流を深めていた。出席者の一人の提案で、各人のスマホの着信電話、メールを公開するゲームを始める。着信があるたびに、各人の秘密が明らかになり、楽しいはずのパーティーは愛憎渦巻く修羅場となっていくのだが・・・。 全編、ほぼパーティー会場だけの密室劇、七人の会話劇である。七人の演技力が問われるのだが、百戦錬磨の演者揃いであり、七人の演者の丁々発止のやり取り、本音トークが面白い。特に、着信音が鳴った時の七人の表情、仕草が絶品である。トレンディドラマで活躍していた常盤貴子の演技巧者振りが光る。当時と変わらない、衰え知らずの美貌で、歳を重ねた女性の強かさを豪快に演じている。独身男性役の東山紀之も今までのイメージを払拭して心優しい3枚目役を熱演している。 ドタバタ愛憎劇で終始するとなると、落しどころはどうなるのかと心配していたら、途中から、物語は、ドタバタ愛憎劇の顛末を置き去りにして、大きく軌道修正していく。七人の絆にフォーカスしていく。 展開がかなり強引ではあるが、ここが本作のメッセージだと感じた。七人は、厳しい苦難を体験して乗り越えた戦友だった。七人の絆は緩むことはあっても切れることはない。皆既月食を見ている時の七人の台詞から七人の行く末が示唆されている。 本作は、スマホを踏み絵にして、七人の仲間たちの絆の強さを浮き彫りにした怪作である。
原作では父親と娘の会話が一番よかったが、本作は単なる報告事項に終わ...
原作では父親と娘の会話が一番よかったが、本作は単なる報告事項に終わっていて若干肩透かしを食った。 ゲイのカミングアウトのところが一番ぐっときたかもしれない。 あと、原作はラストがぐだぐだな感じに終わったが、本作は改めて初心に帰って今後も会合を続ける方向になっており、うまく締まっていたと思う。
これ、映画にする価値ある❓‼️
なんか、松本人志の酒のつまみになる話を映像化したような話ですね。 確かに、常盤貴子出てるけど、それなら、優香とスピードの人も出せば良いのに。 あれ、玉木宏の嫁、良い演技ですね。 あれゲイの共感エピソードのはずが、貶してるような感じもあるけど。 へー、そうなんか、シラフでは観れないかな。 ところで、なんの出会いからのパーティーなん、説明してるけど、意味わからん。 なんか、神経に触るよね、脚本か監督か、偏見が、わかるかなわかんないだろうなー。 知り合いが良いとか言うから、これくらいにしとこかな。 玉木の嫁名前知らんけどそれと東の演技は次第点でした。 コンビーフは食いたくないな、CoCo壱の汚いカレーくらい。
スマホは秘密への扉
それを開けっ広げちゃったらさぁ大変。 正直初めにスマホを出す時点であんなに抵抗したらもうアウトでしょ。やましい事が有るって白状してるのと同じじゃ。 それにしても鈴木保奈美の高慢ちきな感じは毎度好きになれない。あんなに人の話聞かない精神科医には行きたく無いわ。 いろいろないわ〜って部分も多いけど、それなりに楽しめる。
田口浩正さんの演技が最高
誰かのスマホが鳴るたびに、次は誰?何が起きるの??と、 見てるほうまで何故かドキドキ(笑)。単純に面白かったです。 そして何よりも、田口浩正の演技が最高だった。 顔芸だけで、あそこまで面白くさせてしまう。 豪華俳優陣のなかでも、全部持っていってしまった。 素晴らしいです。 最後、上手くまとめたけど、もう少し人間関係/夫婦関係についての 深みがあったら更に良かったかなと。
毒が無い
イタリアのオリジナルは面白かったのですが、本作は毒が無さすぎて中途半端に感じてしまいました。毒々しいのは日本人には合わないのですかね?そもそもオリジナルを鑑賞していたので、良い話を求めて無かったんだけど。。。何でそうなる。
日本版はやっぱり日本的だった〜
《お知らせ》 「星のナターシャ」です。 パソコンを買い換えて諸々操作しているうちに うっかり前のアカウントが引き継げない状態にしていまいました。 前のアカウントの削除取り消しもできないので、 これからは「星のナターシャnova」 として投稿して行きます。よろしくお願いします。 ============== 旦那の浮気を疑う新婚の女性が 知り合いの2組の中年夫婦が集まるホームパーティーで 夫婦の信頼関係ってどうやって築いて行くのか? そのお手本を見せて欲しいと、 出席者全員のスマホをテーブルに置いて 届いたメールやラインは見せ合う。 電話はスピーカーにして堂々と話す。 そんな約束をしてホームパーティーを始めるが〜〜 恐ろしい話ですよね〜〜(笑) 一番最初にこのシチュエーションを考えた人の勝利!! 時にホラー、時にコメディーその思わぬ話の展開に 目が離せない作品ですね。 心して観て下さいませ(笑) で、月に8回ほど映画館に通う 中途半端な映画好きとしては オリジナルのイタリア版「おとなの事情」と 韓国版リメイク「完璧な他人」も鑑賞。 三作を比べると、正直、日本版がイマイチぬるい〜〜 日本には欧米圏みたいに 友人知人が集まって頻繁にホームパーティーを開く と言う習慣がないので 日本版独自にある設定をプラスしている。 韓国版にも独自設定がプラスされているけど 日本版はその設定のせいで 良い話へ落とし込もうとしてて その事でテンポがなんか悪くなってる気がする。 オリジナルイタリア版は2017年の鑑賞なので記憶が曖昧だけど 韓国版には浮気の話だけでなく、 面倒な姑を老人ホームに入れようとして 資料請求していたことがバレたり 実は内緒でやっていた投資に失敗してたりと 大人の事情がてんこ盛りで とんでもない方向に話が転がっていた。 日本版はそのあたりは切り捨ててあって それも物足りなさに繋がっているのかも?? オリジナルイタリア版は月の魔法〜〜 韓国リメイク版は子供の頃の記憶〜〜 日本リメイク版はいかにも日本人らしい みんな一緒感〜〜 落とし所もそれぞれなので 見比べてみると良いかもです。 役者さんそれぞれは さすがに皆さんベテラン! 益岡徹さんとか、画面に出てるだけで安心しちゃう。
ある事件をきっかけに仲が良くなり年一で集まる男女を描いた人間ドラマ...
ある事件をきっかけに仲が良くなり年一で集まる男女を描いた人間ドラマというかコメディドラマ作品。3組の夫婦と1人の独身男が、年に一回のパーティに集まるのだけど、そこである1人の提案により、皆で自分達のスマホを出し合って、電話やメールが来たら皆んなで確認するようにする事になる。多分スマホを落とすのと同じぐらいのある種の恐怖…。誰もが真っ先に思うのが不貞がばれる、って事だと思うけど、それだけじゃなく知られたく無い事や誰かが傷つくことが続出で…。観客側からしてみれば笑えるところもちょこちょこあったけど、全体的には映画というより、ショートストーリーや舞台をみている感覚だった。これ以上の深掘りをしても…と思いつつも、短いお話だったなぁという感じでした。 こんな事しても誰も幸せになれないとは思いつつも、やっぱり正直に言い合う方が精神的に健康になれる事もあるし、大事な人はやはり裏切っちゃ駄目だと痛感させられる内容でした。 あと、昨年まんまと「愛してると言ってくれ」にずぶずぶにハマった私は、常盤貴子は幾つになってもかわいらしい人だと思いました。
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