「坂口拓ワールドの住民なら垂涎であろう一作」狂武蔵 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
坂口拓ワールドの住民なら垂涎であろう一作
本作のあと、一時アクション俳優を引退したという坂口拓の渾身のアクションを打ち出した本作、70分以上だというワンシーン・ワンカットの殺陣は、確かに彼の身体能力の高さを実証していました。
もともと別作品の企画がなくなったため、その訓練の成果を記録する、という趣旨で本作の土台となるアクションシーンを撮影したとのこと。そういった事情もあってか、確かに400人斬りとは言っても同じエキストラの姿が目立つし、CGの血しぶきは後で追加したのがあからさまに分かってしまいます。また連続斬りの場面でほとんどのエキストラが、腹を斬ってください、と言わんばかりに上段で突っ込んでくるので、そのワンパターンさに食傷気味となったりもしました。
だったらちゃんとカット割りして、振り付けした上で撮影すべきじゃ…、と言いたくもなるんだけど、そうした意見は本作の製作意図や経緯と大きくかけ離れているため、あまり意味をなさないでしょう。
本作はとにかく、坂口拓のアクションが見たい、彼に指導してほしい、という人のための映画と認識して鑑賞に臨むのが正しいと思います。…とそんな心持ちで見ていたら、クライマックスでの、それまでの描写は何だったんだ、と言いたくなるような凄みと切れ。
いや、やっぱりこれで一本作品撮るべきじゃない!?と改めて感心した次第!
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